「自転車安全教室」を行いました

雄飛(ゆうひ) 7月
平 成 27年 7 月 9日 発 行
平 成 27年 度 第 3 号
うるま市立与那城小学校
校 長 地下 良哉
※ ご意見ご感想は校長迄
7月8日(水)うるま警察署のご協力で、低学年に向けて「自転車安全教室」を行いました。
また最近、与勝中と与勝高の生徒が、自転車乗車中に与那城小近くで交通事故に遭いました。
「自転車の安全な乗り方について」夏休みを前に、確認したきことがあります。
「6月1日から厳罰化!改めて確認したい、自転車のルールと違反行為」
本年6月1日に改正道路交通法が施行され、自転車の取り締まりが強化された。
実際、ネット上では「イヤホンをしていたら捕まった」などの報告が続々とアップされて
いる。また、違反者向けの講習に参加しない場合は5万円以下の罰金も科せられるなど厳罰
化されているので、自転車のルールを今一度確認する。
■ これは必須!「自転車の5つのルール」
“自転車安全利用五則”警視庁交通対策本部によると以下の交通ルールが定められている。
1:自転車は車道が原則、歩道は例外(小学生以下と70歳以上や障がい者等は歩道可)
2:車道は左側を走行
3:歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4:安全ルールを守る・ 飲酒運転、二人乗り、並進の禁止・ 夜間のライト点灯
・ 交差点での信号遵守と一時停止 ・ 安全確認
5:子どもはヘルメットを着用
この5つは自転車に乗る際に守るべきルールのうち「特に重要」とされるものだ。
■ また危険行為を3年以内に2回以上繰り返すと講習の義務と罰金が発生することになっ
たが、3時間みっちり講習&5万円以下の罰金!になる危険行為とは?
1:信号無視
小学生が事故の当事者になった
2:遮断踏切立ち入り
場合、被害加害を問わず、責任は
3:指定場所一時不停止等
保護者が背負うことになります。
4:歩道通行時の通行方法違反
近年、中学生が起こした自転車
5:制御装置(ブレーキ)不良自転車運転
事故で重い後遺障害を負った被害
6:酒酔い運転
者から民事訴訟を起こされた保護
7:通行禁止違反
者に対し、裁判所が一億円近い賠
8:歩行者用通路における車両の義務違反(徐行違反)
償金を提示した判決も出ました。
9:通行区分違反
今後も増えていくことは充分考
10:路側帯通行時の歩行者の通行妨害
えられます。安全対策を講じるこ
11:交差点安全進行義務違反等
とと同時に、自家用車任意保険等
12:交差点優先車妨害等
で「家族特約等契約等」家族の自
13:環状交差点安全進行義務違反等
転車事故対応条項があれば加入す
14:安全運転義務違反
ることもお勧めいたします。
下記には、息子の自転車事故を身を以て体験なされた方の手記を載せました。ぜひお読み
いただき、ヘルメットの購入と着用をお願いします。また自転車は大人用のお下がりでなく
子供専用が安全です。不幸にもお子様の自転車による事故が起きた場合、その責任は保護者
にあります。しっかり整備された自転車で安全な乗り方をするよう、ご家庭でもお約束をお
願いします。
重傷自転車事故家族の手記
私は南城市に住む者です。昨年の4月22日、一本の電話が職場にあった。受話器の向こ
うで泣いて取り乱している娘が言うには「息子が事故に遭い今救急車で運ばれた」という事
だった。私は娘を落ち着かせ急いで南部医療センターへ向かった。
(裏に続く・・・)
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その日、小学校から帰宅した息子は自転車に乗り遊びに出かけた。夕方、帰宅を促す公民
館の放送を聞くと自転車に乗り帰宅しようとした。もちろんヘルメットは着用していない。
自宅に向かい県道を横断していた時のこと、自転車に乗った息子は帰宅途中の男性が乗る軽
自動車に衝突した。車は急ブレーキをかけたが間に合わず息子はフロントガラスに頭を強く
打ち付け、そのガラスを割り、そのまま前方へ数m弾き飛ばされ道路に身体を打ち付けた。
CTスキャンの検査中に息子は意識を失い様態は危険な状態となった。人工呼吸器が取り
付けられ物々しい中で検査が行われた。結果は「頭蓋骨骨折・急性硬膜外血腫・脳挫傷・外
傷性クモ膜下出血」と診断され緊急の手術が必要だと告げられた。医師は「できるだけのこ
とはするが、もしもの時の覚悟はするように」と言うのだ。もしかしたらあの可愛い我が子
にもう会えないかもしれない、私は恐怖で凍り付いた。どんなに遅く帰っても必ず玄関で「お
とーちゃん」と言って飛びついてくる可愛い息子。でも、あの可愛い笑顔をもう見ることは
できないかもしれない、抱きしめることができないかもしれない。私は気を失いそうになる
中「大丈夫だから」と言って家内を支え心の中で必死に神様に祈った。
頭皮を剥ぎ頭蓋骨を開け脳に溜まった血腫を除去する手術は明け方までかかった。そして
手術は無事成功した。安堵していた私達に医師は「今は麻酔を使っているが、脳がかなり坐
礁しているので意識がそのまま戻らないかもしれない」と言った。私は家内を支え心の中で
必死に神様に祈った。息子はPICUの中で、顔も手足も腫れ上がり丸くなっていた。そし
て手術から4日後、意識を取り戻した。医師や看護師そして私達が見つめる中、息子はゆっ
くりとあたりを見渡した。「誰だか分かる?」息子は右手人差し指をゆっくり動かして「お
とーさん、おかーさん」と言った。私達は嬉しくて嬉しくて、嬉しくて泣き出した。ところ
が、息子の左腕が全く動かない。「こっちも動かして!」そう言って左手をたたくが、糸が
切れたようにダランとしている。PICUから出ると、私は廊下で泣き崩れてしまった。
「ま
だ11歳なのに、半身不随になってしまった。なんて可哀想な子なんだろう、お父ちゃんが
お前を一生背負って生きていくからな」そうつぶやきながら私達は必死に神様に祈った。そ
れから数日後、なんと息子の左半身が動き始めたのだ。私達は泣きながら神様と病院関係者
に感謝した。医師達が息子を取り囲んで「奇跡だ」と言っていた。
リハビリ期間を終え「小学校復帰問題無し」と医師は息子に告げたが、本人は復帰意欲が
見られなかった。息子は長い休学で勉強が遅れ自信を失ってしまった。留年も勧めたが本人
は嫌がった。妻が同伴で登校するが駐車場で泣き崩れてしまう。失われた自信を取り戻すこ
とがこれからの課題であろうと思った。私は主治医の許可を得て息子を連れて東日本大震災
の被害地宮城県気仙沼市へ行った。仮設住宅でボランティアを行い「世の中には困っている
人がたくさんいる。そしてそれを支える素晴らしい人もたくさんいる。自分だけが大変じゃ
ない」と伝えた。沖縄に帰った息子は少しずつ学校復帰を果たし、今年の春に無事佐敷小学
校を卒業した。現在は中学校で勉学に励みスポーツに汗を流し青春を謳歌している。将来の
夢は人の役に立つ人間になりたいと言っている。息子が交通事故に遭った結果、私達は多く
の人に迷惑をかけた。この場を借りてお詫びと感謝を申し上げたい。この事故は私達にとっ
て肉体的にも精神的にも時間的にも、そして金銭的にも大きな負担となった。与那原署の事
故担当者によると、今回の事故はもし仮に息子がヘルメットを着用していたならばこれほど
大きなケガでなく軽いかすり傷と打撲程度で済んでいたであろうとの事だった。二度とこの
ような事故を起こさないためには、自転車に乗る時はヘルメット着用を徹底する以外にない
との事だった。子どもにとってヘルメット着用は恥ずかしい事かもしれない、面倒くさい事
かもしれない。でも愛する我が子を事故による悲惨なケガから守るには徹底してヘルメット
を着用させる事しか我々親にはできないのだ。愛する子供達を万が一の事故から、その悲惨
な被害から守るには私達大人がヘルメット着用を子供達に嫌われても徹底して勧めるしかな
いのだ。本日行われているヘルメット着用の義務化宣言を誰よりも喜んでいるのは、私達の
ような交通事故の被害家族だと思う。私は南城市だけでなく沖縄県内全ての小学校中学校が
ヘルメット着用義務化する事を願ってやまない一人である。私達夫婦が味わったような苦い
体験は、もう誰にもして欲しくないと心より願っている。
「平成25年度第62回石川地区交通安全協会定期総会」資料から抜粋
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