佐藤 修二 和雄 児玉 忠 渡辺 尚

新任役員からの あいさつ
本年4月に財務担当理事・副学長に就任しました。併せて事務局長も兼務いたします。
今年度は、国立大学法人の第2期中期目標期間の最終年度として、大学改革加速期間の総仕上げの時期であ
り、
さらに、来年度から6年間にわたる第3期中期目標計画を策定する重要な年でもあります。
また、本学創立50周年の記念すべき節目の年でもあり、就任にあたりその重責に身の引き締まる思いです。
これからの大学経営は、それぞれの大学が強みをいかした戦略に基づいて、大学全体が一丸となって取り組む
ことが求められております。
もとより微力ではありますが、
「チーム宮教」の一員の自覚を持って、皆様のご理解をい
ただきながら、財政基盤の充実、教育研究環境の整備のために全力を尽くす所存です。
2年半ぶりの大学勤務ですが、学生の存在を実感できる現場の雰囲気が大好きです。そして自然に恵まれた
「学都仙台」の生活も十分楽しみたいと考えています。
「一期一会」は、中学校時代に将来の職業として教師を薦めてくださった恩師から教えていただいた言葉です。
結果的には恩師の意に反して、
これまで教師とは全く異なる道を歩んできましたが、現在、教員養成大学に勤務
していることに不思議な恩師との縁を感じています。
これまでも様々な出会いを「一期一会」
として、
自分自身の財産として大切にしてきましたが、宮城教育大学を縁
とした今後多くの方々との新たな出会いを楽しみにしています。
財務担当理事・副学長・事務局長
さとう
しゅうじ
佐藤 修二
どうかよろしくお願いします。
新任教員からの あいさつ
4月1日付けで国語教育講座に着任しました。前任校は弘前大学教育学部で、14年ほど教員養成に携わってき
ました。その前は、大阪市内にある私学の帝塚山学院高等学校で12年ほど国語科の教諭をしておりました。大
学院生や高校教諭として15年ほど大阪で過ごしたことやヨメさんが大阪人であることなどから、出身地が北海道
にも関わらずときどき大阪弁が出てしまうことがあります。その一方、弘前市で14年ほどもわたって聞き慣れてき
た津軽弁は、とても豊かで魅力的な言葉でしたが、簡単には習得できない手ごわさがありました。
さて、私が専門としているのは国語科教育という領域です。この国語科教育という領域は、日本人にとっての母
語の教育であることに加え、税金でまかなわれる学校教育の一部であることから、基本的には「共通語」による
実用的な言語能力を子どもたちに培うことが要請されています。これに対して、母語のもう一つの側面である「方
言・地域語」は学校などで学ばなくても自然に身につくものであるという認識から、国語科教育では片隅に追い
やられた存在となっています。
国語教育講座 教授
こだま
ただし
児玉 忠
しかし、共通語からみて周辺に位置するようにみえるそうした言葉たちは、ほんとうに片隅に追いやられるべき
ものなのか。これが私の問題意識です。豊かさという点からいえば、圧倒的に方言・地域語に軍配があがります。
さらには方言・地域語だけではありません。詩的言語を代表とする文学の言葉も同様の豊かさを内包していま
す。実用性があるかどうか(役に立つか立たないか)といったモノサシだけからは見えてこない言語の価値や機
能について、教科教育学の立場から引き続き考えていきたいと思っています。
20年の高校教員生活を経て、本学に飛び込みました。主に新しい理科教材、取り分け化学教材の開発を手掛
けておりました。特別な教室を必要とせず普通教室で演示実験を行えるようなものや、実験室での生徒実験を主
眼としたものです。
例えば、新しい素材として10年ほど前から教科書に掲載されはじめたフラーレン(C60)の指導法と実験法の提
案、伝統的技法として写経などに使われる「金墨」を用いた化学実験、美(味)しく学べる立方格子の作製(見た
目が美しくさらに食べることが可能な立方格子の作製)、風邪薬から湿布薬への変身!(アセチルサリチル酸から
サリチル酸メチルのワンポット合成実験)、などがあります。
また部活動で行った実験から、世界で評価されるものを発信して来ました。銀化合物の中でも特に強力な抗菌
作用・酸化作用を有する過酸化銀というものを生徒が発見し、彼らが現役高校生の内にアカデミック論文(Ag2O3
clathrate is a novel and effective antimicrobial agent,J.Mater. Sci.,47,2928-2931(2011))に掲載させるこ
とができました。
「アジサイによる発電」
(2014)と、予測困難な土砂崩れを地球上のみならず月や火星でも応用
できる「砂山シミュレーション」
(2015)という研究で、ISEF(国際学生科学技術フェア)という世界大会では、日
本初の2年連続グランドアウォード受賞を達成することができました。
教員を志す生徒諸君には、どのような子供たちを相手にしても発想の転換を意識し、工夫しながら成長をサ
ポートできる先生になってもらいたいと思います。
理科教育講座 准教授
わたなべ
なおし
渡辺 尚
あおばわかば
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新任教員からの あいさつ
新年度より技術教育講座に着任した門田です。専門は機械工学で、機械技術や機械工作、金属加工などの
授業を担当しています。
これまで、東京工業大学附属科学技術高等学校の機械システム分野の教諭として20年ほど、機械やロボッ
トに関する教育実践に取り組んできました。この間、東京工業大学の大学院でのロボット研究で博士(工学)
も取得できました。高校生たちを指導しながら取り組んだものには、パワーアシストロボットや水中ロボット、
食品製造ロボットなどの各種ロボットがあり、最近では3Dプリンタの自作やこれを応用した和菓子を出力す
るフードプリンタなども開発しました。また、ねじや歯車などの機械要素などにも興味があり、これらをわかり
やすく解説した著書もあります。今後の研究としては、教育現場への導入を想定した3Dプリンタをはじめとす
るデジタル工作機械の開発や、技術教育の現場で教材として活用できるロボットの開発などを考えています。
元々が東京学芸大学教育学部技術教育専攻の出身であるため、教育系大学の雰囲気に懐かしさを感じな
がら、日々楽しく授業を行っています。これから本格的に研究室も動き出すことになりますが、機械技術教育
の実践と研究を活動の柱として、ものづくりが好きで得意な教員を育成できればと思っています。どうぞよろし
くお願いいたします。
技術教育講座 准教授
かどた
かずお
門田 和雄
平成27年4月に特別支援教育総合研究センターに着任いたしました。特別支援教育や発達障害に関する講義
を担当しています。
昨年度は、博士研究員として研究活動をしながら、非常勤で仙台市北部発達相談支援センター(北部アーチ
ル)の心理判定員として働いていました。短い期間ではありましたが、様々な相談者との出会いを通して、
「障害
とは何か」という根本的な問いについて考えを深めることができた貴重な1年となりました。
近年では、発達障害がテレビ番組で取り上げられるようになったり、インターネットで発達障害の疑いがあるか
どうかのセルフチェックができたりと、発達障害に関する情報であふれています。これにより「発達障害」という
言葉に対する世間の認知度が高まっていると感じる一方で、誤ったまたは偏った障害理解を人々にもたらす危険
も増しているのではないかと思います。
児童生徒の多様化が進む現在、すべての教員が特別支援教育や発達障害に関して、一定程度の知識や自分な
特別支援教育総合研究センター 講師
のざき
よしかず
野崎 義和
りの考えを有していることが求められています。したがって、学生の皆さんに向けて、特別な支援を必要とする人
たちとかかわる際のヒントとなるような情報や視点を発信していくことが、私の果たすべき役割なのではないか
と考えています。
大学教員として勤務するのは本学においてが初めてとなります。学生の皆さんと共に考え、成長していけるよう
頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
退任教員からのメッセージ
ありがとうございました
はじめに宮城教育大学在職中はたいへんお世話になりましたこと、
また本原稿のご依頼を頂きましたこと、厚く
御礼申し上げます。
わたくしが宮城教育大学(以下、宮教大と略記させて頂きます)に赴任したのは、東日本大震災直後の2011年4
月でした。赴任時には新幹線が復旧しておらず、東京から夜行バスで仙台駅へ移動後、仙台駅から路線バスで大
学へと向かいました。家庭科教育講座の皆様にはお話したことですが、
この路線バス車内で感銘を受けた出来事
がありました。具体的には、乗客が各バス停で次々と降車していき、最後の宮教大正門前で、それまでのバス停で
は無言で降車していった乗客とは相反し、宮教大生が大きな声で「ありがとうございました!」
と、運転手さんにお
家庭科教育講座 准教授
たかさき
みどり
髙﨑 緑
9 AOBA - WAKABA
礼と同時に会釈をして降りていく姿を今でも鮮明に覚えています。その出来事を受けて、わたくしはバス利用時を
含めた仙台での生活において、お礼と会釈を心がけるようにすることを決心しました。
この件のほかにも宮教大で
教えるというよりは教えられ、
また助けられたことが多かった教員生活でした。
これからも宮教大で過ごした日々を
思い出しながら、
自身を戒め日々精進していきたいと存じます。本当にありがとうございました。