ネオニコチノイド系農薬によるミツバチの生活環境汚染調査

一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト 2015 年度特別公募助成
ネオニコチノイド系農薬によるミツバチの生活環境汚染調査
飼育中のミツバチ(セイヨウミツバチでもニホンミツバチでも可)に、ネオニコチノイド
系農薬の被害によるものと思われる異変がこれまでに観察され、今年の農作物栽培期間中
にも確実に繰り返されることが想定される場合、その汚染状況を検証するための調査につ
いて、一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト(abt)が検体測定費用を助成します。下
記 2 部門いずれかの手順を正確に実施できる個人ないし団体の応募をお待ちします。
応募締切は 2015 年 5 月 31 日、abt 選考委員会において厳正かつ迅速に審査し、6 月中旬
までに採択結果と検査手続き詳細のお知らせをもって発表に替えさせていただきます。ま
た、測定結果は abt で取りまとめ、2016 年 2 月末までの適当な時期に公表する予定です。
1. 田圃への散布による蜂蜜、花粉、蜂パンと水質の汚染
・ 飼育中のミツバチの生活環境を直接汚染することが予想されるネオニコチノイド系農
薬の散布時期を調査・把握・記録し、その時期に合わせてサンプリングする。巣箱は
農薬散布場所にできるだけ近いほうが望ましい(1km 以内)
。
・ 農薬散布日(農薬散布日の前後 1 日以内)に、貯蜜などのない空巣脾 2 枚(それまで
のものと入れ替えることも可)を入れておく。なお、新しく入れる巣脾は、巣箱の片
端に 2 枚続けて入れること(巣脾群の真ん中の場合、卵を産み付けて、蜂蜜を貯めな
い)
。片側に空間がある場合は、空間のある部分に入れること。
・ 農薬散布後 10 日程度経過してから取り出した巣脾を遠心分離し、蜂蜜を採取する(異
なる 3 群から各 100g=3 検体)
。
・ 農薬散布時期に合わせて花粉採取器を取り付け、農薬散布日から 5 日程度花粉を採取
する(3 群から集めて 30~50g 程度の 1 検体に)
。ただし、女王の産卵が少ない時期
では花粉を採取できないこともある。
・ また、蜂蜜を遠心分離する際、蜂パン(Bee bread=巣房に貯めた黄色いもの)が存
在する巣脾(産卵の周囲に蜂パンを貯蔵している)中の蜂パンを採取する(3 群から
集めて 30~50g 程度の 1 検体に)。
・ 花粉および蜂パンのいずれも採取できない場合は、蜂蜜だけを分析することとする。
・ 農薬散布は一斉に行われないこともあるため、散布された田圃の水(田圃中に水がな
ければ周囲の水溜りなど)を散布直後と 1 ヵ月後に採取して、農薬濃度の変化を明ら
かにする(採取日時の記録とともに 2 か所×2 回、各 100g=4 検体)
。
2. 果樹その他の農作物への散布による蜂蜜と水質の汚染
・ 飼育中のミツバチの生活環境を直接汚染することが予想されるネオニコチノイド系の
農薬散布時期を調査・把握・記録し、その時期に合わせてサンプリングする。巣箱は
農薬散布場所にできるだけ近いほうが望ましい(1km 以内)
。
・ 農薬散布日(農薬散布日の前後 1 日以内)に、貯蜜などのない巣脾 2 枚(それまでの
ものと入れ替えることも可)を入れておく。なお、新しく入れる巣脾は、巣箱の片端
に 2 枚続けて入れること。片側に空間がある場合は、空間のある部分に入れること。
・ 農薬散布後 10 日程度経過してから取り出した巣脾を遠心分離し、蜂蜜を採取する(異
なる 3 群から各 100g=3 検体)
。
・ 農薬散布は一斉に行われないこともあるため、散布された農地内か隣接の水溜りなど
の水を散布直後と 1 ヵ月後に採取して、農薬濃度の変化を明らかにする(採取日時の
記録とともに 2 か所×2 回、各 100g=4 検体)
。
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