<支持声明> 「辺野古米軍基地建設の埋立承認取り消しを支持します!」 私たちは、このたびの翁長・沖縄県知事による埋立承認取り消しを、沖縄の将 来のために支持します。この措置は、本来なら7月に第三者委員会が、仲井真前 知事による埋立承認は「法的瑕疵がある」という結論を出した時点で、速やかに 取られるべきものでした。 日本政府は、8月初め、国民の大きな批判をずらすことを意図してか、1 ヶ月 間建設工事を中断すると発表し、沖縄県との協議に入りました。しかし協議は決 裂し、政府は有無を言わせず建設工事を再開したのですから、もはや沖縄県が取 り消しを躊躇する理由はありません。 この 1 ヶ月間に行われた 5 回の協議は、日本政府の旧態依然たる姿勢を改めて 白日の下にさらけ出したといえましょう。沖縄に基地を置き続けること、とくに 辺野古に新基地を建設する必要性に関する沖縄県からの真摯な問いかけに対し、 日本政府は何ら説得力ある根拠を示すことができませんでした。 最終協議で安倍首相が負担軽減策として示した北部訓練場の返還は、辺野古と いう県内での新たな基地建設が前提です。しかもそれは、決して新たな提案では ありません。1996 年の SACO 合意で決定されたものです。この「負担軽減」とい う表現は、沖縄に基地を置き続けることを前提にしたものであり、日本政府が沖 縄の基地そのものを減らす意志のないことを示しています。 旧態依然の最たるものが、一方的な経済振興策を持ち出したことです。基地の あり方をあらゆる角度から真摯に協議するべき場に、このような施策を持ち出す こと自体が不見識と言わざるをえません。日本政府が、経済振興のための優遇措 置を示せば、翁長知事が新基地反対の旗を降ろすとでも考えているのであれば、 それは沖縄の人々の意思の軽視であり、侮辱と言うほかありません。 沖縄県民は、過去、住民投票においても、国政・首長選挙においても、何回に もわたる大規模集会においても、県議会決議などにおいても、圧倒的な多数で、 辺野古新基地建設に反対の意思を表明してきました。前知事が自らの県民への公 約に反して下した「埋立承認」だけを根拠に埋立を強行するならば、この国は 「民主主義国家」の看板を下ろし、正義の行われない国であると、全世界に向け て発信したのと同じであると私たちは考えます。 私たちは、県知事の「埋立承認取り消し」を支持し、あらゆる手段で阻止する という知事の決意を全面的に支援することをここに表明いたします。 2015 年 10 月 26 日(月) 普天間・辺野古問題を考える会(代表・宮本憲一) <上記の「支持声明」賛同者>(50 音順、24 名) 浅岡美恵(弁護士) 淡路剛久(立教大学名誉教授) 礒野弥生(東京経済大学教授) 内橋克人(評論家) 遠藤誠治(成蹊大学教授) 大江健三郎(作家) 加茂利男(立命館大学教授) 川瀬光義(京都府立大学教授) 古関彰一(独協大学名誉教授) 小森陽一(東京大学教授) 斎藤純一(早稲田大学教授) 白藤博行(専修大学教授) 高橋哲哉(東京大学教授) 千葉 眞(国際基督教大学教授) 寺西俊一(一橋大学特任教授) 中野晃一(上智大学教授) 西川 潤(早稲田大学名誉教授) 西谷 修(立教大学教授) 原科幸彦(東京工業大学名誉教授・千葉商科大学教授) 人見 剛(早稲田大学教授) 前田哲男(評論家) 間宮陽介(京都大学名誉教授) 宮本憲一(大阪市立大学名誉教授・滋賀大学名誉教授) 和田春樹(東京大学名誉教授)
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