1 利用動機における時間帯別消費コンテキストと ICT

利 用 動 機 に お け る 時 間 帯 別 消 費 コ ン テ キ ス ト と ICT 機 器 及 び コ ン テ ン ツ 選 択 の 競 争 関 係 ジ ョ イ ン ト ・ マ ッ プ 韓 基 雄 1 a 朴 貞 賢 2 b 姜 有 美 3 c 要 約 ポータブル ICT 機器(Portable ICT Device)での単発的消費性コンテンツ利用行動を分析
するため, 時間帯別コンテンツ利用シナリオと ICT 機器及びコンテンツ選択の二つの要
因を計測し, 計量経済学的セット・アップに基づいたジョイント・マップを 提示する.消
費シナリオ別行動分析によって利用者の要求や選好度を捕捉できる上,(1)機器と利用コン
テキスト内でのコンテンツの市長競争力や,(2)他コンテンツとの オーバーラッピング程
度を把握できる.本研究は,通常の消費行動の計量分析だけではなく,コンテキスト特定的
競争関係を可視化するジョイント・マッピングで多様な分析を可能にする. JEL 分類番号: C35, C57, C51 キーワード:コンテキスト特定的競争(scenario specific competition),ジョイント・マ
ッピング分析(joint mapping analysis), リダンダンシー分析(RDA), 単発的消費性コンテ
ンツ(instant consumptive contents),コンテンツ消費行動(contents consuming behavior) a
b
c
韓基雄 LINE 株式会社 [email protected]
朴貞賢 Korea Advanced Institute of Science and Technology [email protected]
姜有美 国立現代美術館 [email protected]
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1. イントロダクション 1.1. 研究動機 ICT 機器の登場と共に浮上したポータブル ICT 機器の拡散は,人々のライフスタイルやワ
ークスタイルの幅広い場面において変化をもたらしている.ICT 機器は日常生活を生きる
上,身近な所であり,常時的に使われている物の,すなわち,日頃のに浸透し,生活に影響を
与えている.総務省が発行した平成 26 年版情報通信白書には ICT の急速な進化に代表され
るスマートフォン,タブレット端末,ソーシャルメディア,クラウド等の普及が,人々のライ
フスタイル・ワークスタイルの幅広い場面において変化をもたらしていると述べられてい
る(総務省, 2014).イニスが述べた様,メディア変化は社会変化を牽引する要因であり
(Inis, 1967),その力で個人のライフスタイルを変える. ポータブル ICT 機器による生活の変化は色々あるが,その中一番目立つのはコンテンツ
市長の成長である.ICT 機器の日常占領は人々の暇潰し行動を大きく変えた.移動の間,食
事前後,寝前等,活動と活動の間にある短い時間を合間(waste time)から所謂,透き間時間
(niche time)に置換させた.今日の人々は,生活の透き間にコンテンツを消費する.連れて
成長したコンテンツ市長の 2015 年展望は前年対比 2.6%成長した 19,131 億ドルである.急
成長した市長規模により,コンテンツ間競争が熾烈になりつつ,新規コンテンツの定着や利
用者確報が難化した一方,既製コンテンツの長期成功は非常に難しい.その上,必要不可欠
ではなく選択的に消費するコンテンツ利用を増やす為,時間帯別使用コンテキストの消費
パターンへの干渉は非常に重要である.本研究は,コンテンツ消費者行動の計量を通じてコ
ンテンツ間の競争を定義し,分析する方法を提案する. 1.2. 研究目的 本 稿 に 紹 介 さ れ た 計 量 経 済 学 的 接 近 方 は , 利 用 者 に よ る シ ナ リ オ 特 定 的 (scenario specific)状況での機器とコンテンツの異種選択選好度を定格に計測できる.ここで使われ
ているシナリオとはコンテンツ消費者の時間帯別状況的コンテキストを意味する.もし,あ
る使用者があるシナリオ上,特定機器や特定コンテンツを頻りに選択する場合,シナリオと
機器・コンテンツ間の干渉程度を推算できる.本研究では,方法として計量経済学的セッ
ト・アップとリダンダンシー・アナリシス(redundancy analysis, RDA)を連係したジョ
イント・マップを使用する(Park & Kim. 2015).ここで提示された接近方はシナリオを活用
した機器・コンテンツ選択ジョイント・マップを通じ(1)コンテンツ市長での競争を正義
し,(2)コンテンツのオーバーラッピング角度を測定し新規コンテンツや既製コンテンツの
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開発,改善,ポジショニング戦略の打立てに活用できる.今後,2 章では本研究が分析する 単発的な消費コンテンツを巡る用語や現状への理解を深める背景が,3 章ではデータ・セッ
トの説明,4章では実験的モデル(empirical model)とリダンダンシー分析,最後にはジョ
イント・マップによるインプリケーションを紹介する. 2.研究背景 ICT とは情報通信技術(Information and Communication Technology)の略語であり,ICT
機器は,統合型コミュニケーション技術とデータ技術を融合的に提供する機会を意味する.
日ごとに早く変化する技術のため,ICT に対する国際的に同意された正義はないつつ,ICT
機器は凡庸的意味で電子回路を使い,デジタル方式で情報やコミュニケーションを取り交
わす全ての機器を示す.技術高度化によるコンバージェンスの進行は 単機能から多機能機
器へと変化しつつ, 機器間の境界は 模糊にさせた.TV は IPTV になり,携帯電話はスマート
フォンに席を取られた.その中,機器間コンバージェンスはモ ビ リ テ ィ ー と ダ ウ ン ロ ー
ダ ビ リ テ ィ の 2 つの方向性を強く示している. こう言う流れの内,ポータブル ICT 機器の生活浸透は 急速に進行された. 通信利用動向
調査によれば,日本でのスマートフォンの世帯普及率は 2013 年末時点で 6 割を超え,タブレ
ット端末も 2 割強に伸びている.スマートフォンの普及によってインターネットがより身
近なものになり,生活に占める割合は増している.ブレット端末は 2013 年の世界出荷台数
は 2.17 億台と前年から 1.5 倍に増加し,PC 出荷台数 3.15 億台との差が縮まりつつある(総
務省, 2014). ポータブル ICT 機器の普及は ライフスタイル と共に,コンテンツ消費行動
にも影響を与えた. 時間を合間(waste time)は,透き間時間(niche time)になり, PC やゲ
ーム・コンソール等,ネットの通じている機器で利用されたコンテンツは,ポータブル ICT
機器の登場によって,日常生活を過す度に消費されている.コンテンツは利用者の時間を占
有するための競争を続けている. コンテンツとは一般的に内容,中身という意味の英単語で,メディアが記録・伝送し,人間
が観賞するひとまとまりの情報,すなわち,映像や画像,音楽,文章,あるいはそれらの組み
合わせを意味することが多い. 具体的には,ニュース,小説,映画,テレビ番組,歌,ビデオゲ
ーム,マンガ,アニメなどを含める. 本研究が注目を与えた単発的な消費コンテンツは,そ
の中,‘後続がなく,ただそれだけで終わるようなもの’の属性を持つコンテンツを意味す
る. 主な単発的なコンテンツの特徴としては揮発性 (ボラティリティ,volatility),圧縮
性(compressibility),刺激的(stimulation)の三つを挙げられる. 揮発性 はある動作を続
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かなくても,特に問題なく可能な属性をいう. 所謂一回性消費するコンテンツ,例えば,記
憶に残らず行った瞬間に感情的に変化が発生して終わることをいう. 圧縮性 はある内容
を省略とか,短く編集して特徴的な部分で全体的な部分を示すことをいう. 刺激,刺激的
(stimulation)は体験するだけで,感情の変化を誘発するような作用をいう. 本研究は 前年対比 135%の成長を見せた,14,566 億円規模のモバイルコンテンツ 市場を
注目し(モバイル・コンテンツ・フォーラ(MCF). 2015)、シナリオによる機器・コンテンツ
選考度分析を行なう. 過熱されている市長での競争を把握し、マーケット・セグメンテー
ションやコンテンツ間オーバーラッピング程度分析による機器別コンテンツ企画等を可能
にさせる. 3.データ・セット 3.1. 人口統計的変数 利用者の個人的特性を示す情報-性別, 年齢, 教育レベル, 収入, 国籍-の事. 3.2. シナリオ 本研究では、ポータブル ICT 機器利用者のコンテンツ消費行動と時間帯別状況の組合せ
であるシナリオと設定し、離散されている消費行動の傾向や異質性を可視化する(Kim & Chintagunta. 2012). ここでは、8 個の消費コンテキスト―(出勤時間リラックス, 業務
中の休み,ランチ時間リラックス, 業務中の休み, 退勤時間リラックス, 仲間とのわい
わい,家で休み, 寝る前暇つぶし)―で使われている ICT 機器の内, ポータビリティー
(portability)と ダウンローダビリティー(downloadability)を持つ上, 普及率の高い 3
種-スマートホン, タブレット・パソコン, ガラケー-でのコンテンツ選択を指標にする.1 1
Number Categories for Time Table Context 1 07:00-09:30 出勤時間リラックス 2 09:30-12:30 業務中の休み 3 12:30-14:00 ランチ時間リラックス 4 14:00-18:00 業務中の休み 5a 18:00-20:00 退勤時間リラックス 5b 18:00-20:00 仲間とのわいわい 格指標は表を参考.
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6 20:00-22:00 家で休み 7 22:00-24:00 寝る前暇つぶし <8 contexts of contents consumption> Smart phone Tablet PC 2 G phone V1 V7 V13 (Broadcasting,Entertainment) V2 V8 V14 Utility V3 V9 V15 Photo / Video V4 V10 V16 News V5 V11 V17 Music V6 V12 V18 Game Video <18 contents consuming behavior within 3 portable ICT devices > 4. 実験的モデル(empirical model) 適用する 実験的モデルの Factor Structure, Redundancy analysis and flow chart. 5
5.研究の成果 本論文では,消費コンテキストおよび機器別モバイルコンテンツの選択傾向を計量経済
学的にアプローチして,時間帯別,モバイルコンテンツの競争関係と一緒にコンテンツ間の
オーバーラップを精密に測定することができる.また,時間帯別のシナリオの特定的ジョイ
ントマップを介して消費者の異質選択(heterogeneity)行動を明らかにとして,コンテン
ツ設計者及びマーケティング担当者に様々な経営的インプリケーションを提供する.完成
本はデータとインアプリケーションを含む論文に作成する。 6
引用文献 Orji, R., Vassileva, J., & Mandryk, R. L. 2013. LunchTime: a slow-casual game for long-term
dietary behavior change. Personal and Ubiquitous Computing 17(6), 1211-1221.
Park. A. J. & Kim. M. 2015. COMPETITION AMONG ICT CONVERGENCE PRODUCTS: A
JOINT MAP OF ICT DEVICES AND CONTEXTS, KISDI Media Panel Conference.
Kamakura, W.A., and Russell, G.J. 1989, A Probabilistic Choice Model for Market Segmentation and Elasticity Structure, Journal of Marketing Research, 26 (November),
379-90.
Kim, M., & Chintagunta, P. K. 2012. Investigating brand preferences across social
groups and consumption contexts. Quantitative Marketing and Economics, 10(3),
305-333.
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