論証の評価 担当 中村航太郎 1.論証の評価とは 論証の評価:結論を導く論証を、どんな手段で、あるいはどの程度まで正当化 されているか吟味すること(論証を正しいものにしたいのならもちろん論証の評 価の仕方を身につけて論理的に構成させるべき) 論証の評価は、①根拠となる主張が適切であるかどうか②ある結論を論理的に導き出 せているか(導出が適切であるかどうか)、を検討することで可能。 2.根拠となる主張が適切であるかどうか ⅰ.意味規定:論証の中で使う言葉の意味がどのように規定されているか。 例えば、①辞書的な意味合い(普遍的な意味合い)、②論証の中での限定的な 意味規定、③辞書の意味規定にかわる意味規定の提案など。この場合、③に対し ては反論の余地があることが多い。 ⅱ.事実認識:論証で基とする事実がどのようなものであるか。 例えば、①個別的主張、②一般化あるいは法則の主張、③存在の主張など。 この場合、権威ある情報源であるかどうかが要。 ⅲ.価値評価:論証の中で使う価値評価がどのようなものであるか。 論証する側にとっては暗黙に了解されていると思っている価値観は、必ずし も相手と同じではない場合があるので注意。 3.導出の種類 →大きく分けて①演繹②推測がある ① 演繹:言葉の意味から導き出したもの。 言葉の言語規則に正しく従っているかどうかで論証の適切さは左右される。 Ex.「鳥ならば哺乳類でない」 ② 推測:事実に基づき導き出したもの。 事実の改ざん・事実誤認により、論証は適切でなくなる。根拠となる主張が 意味することを超えて結論を出している以上、結論は蓋然的なものになる。 また日常生活において推測は重要な役割を果たしている。 4.導出の関連性(導出が適切であるかどうか) →根拠と結論のつながりをさす。反論の余地があるものは導出の関連性は薄く、 疑いの余地がほとんどないものは導出の関連性は強い。 ◎論証の評価あるいは反論するにあたっては導出の関連性を探るのが有効である。
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