「身体に近い建築」 【 c r i t i c 】 【 p r i z e 】

【critic】
学部 4 年
Design Reserch
狭小住宅研究
総合講評会出展
【prize】
「身体に近い建築」
身体に近い建築を目指す
------- 規模の大小に関係なく、建築というものは身体の延長線上に存在すべきだと考えています。つまり、建築と身体の距離は近い方がいいということです。どんなに大きな建築でも、私たちの小さな身体のよりどころとなる場所を作りたいと考えています。
吉松秀樹
desk
desk
bed
bookshelf
chair
clothes
table1
table2
bed
4.5 tatamis
my parents home
11 tatamis
House of the debt living
家具で埋め尽くされた部屋は、家具と自分との距離が近いので便利である。例えば、
現在住む部屋の広さは 11 畳ほどで実家の部屋とは違って家具も余裕を持って置くこ
机に座りながら本棚に手を伸ばし本を取る。机からベッドも移動する必要がない。
とが出来る。いざ生活を始めてみると居心地の悪さを感じる。
room of my parents home
House of the debt living
ただ狭いだけでは息苦しいが、身体に向かって倒れた壁に開いた開口からは日光が差
実家の部屋の様な家具や壁、天井と自分との密接な距離感によって生まれる居心地の
し込んで来る。壁に近いこの部屋は、日光との距離も近いのである。
よさを今生活している部屋では感じたことがない。
狭さを感じさせる要素
壁
狭さを和らげる要素
天井
家具
desk
開口
天井高
bed
壁、天井、開口のパターン
垂直な壁
傾いた壁
低い天井
高い天井
開口のある低い天井
開口のない高い天井
垂直で開口のある壁
開口のある傾いた壁
開口のない傾いた壁
開口のある傾いた壁
高い天井
低い天井
低い天井
+
+
開口のある傾いた壁
+
居心地の悪い傾いた壁と、居心地を和らげる高い天井や開口など様々な壁、天井、開口の組み合わせによって狭い場所でも広く感じたり、広い場所でも狭く居心地のよい空間が作り出せる
のではないだろうか。
reference: 壁の傾きによる空間の違い
今 治 市 伊 東 豊 雄 建 築 ミュ ー ジ アム / 伊 東 豊 雄
One roof apartment/平田晃久
KANNO MUSEUM/阿部仁史
壁は傾いており、開口はなく非常に窮屈な印象を持った
壁は傾いており、開口はないが空間の高さ方向にゆとり
壁が自分と逆方向に傾いており、開口もあるので狭さを
があるので窮屈ではない
感じない、むしろ広く感じる。
model study
case study:
住宅密集地に建つ狭い家の提案
垂直な壁
壁を内側に傾け
傾いた壁に開口
狭さを光が補い、
狭い空間を作る
を開ける
心地よい空間が生
まれる
住宅が密集し、息が詰まる様な喧噪の中で、厚い壁を持ち空間が身体にまとわりつく様な狭い家での生活。狭いながらも厚い壁から差し込む柔らかな光。様々な要素によって成り立つこの狭い家は屋根裏部屋の様な居心地の良さを
感じられるのではないだろうか。1 人暮らしの狭い家の提案。
3000
3000
3000
3000
300
3000
2500
浴室
寝室
300
1階平面図 S:1/60
2 階平面図 S:1/60
3階平面図 S:1/60
リビング
2500
ダイニング
8900
300
3000
玄関
キッチン
壁の傾きは壁と家具と住人の距離を密接なものにし、落ち着ける雰囲気にす
る。壁の厚みを認識することで、外部や他の部屋との距離を感じ、過ごしや
すいものにする。