管路内浄化システム

出 典 :JASE-W 国 際 展 開 技 術 集
http://www.jase-w.eccj.or.jp/technologies-j/index.html
F-73
キーワード
Y3
装置・設備
Z5
水
E18
プラスチック製品製造業
積水化学工業株式会社
管路内浄化システム
特 徴
従来の下水処理システムは、①輸送:下水管による下水の収集・輸送、②処理:下水処理場での下水浄化、
の2つに機能分離されていた。一方、近年では建設費・維持管理費が高いという点が問題となってきている。
そこで、下水管に下水浄化の機能を付与した浄化管を開発した。浄化管には以下の特長がある。
電力を使用することなく、下水が浄化管を自然流下するだけで下水の浄化が可能
通常の塩ビ管と同じ外観・施工方法
耐久性は通常の塩ビ管と同等
地震等の自然災害により下水処理場が運転できなくても、浄化性能を発揮
浄化管と下水処理場を組み合わせた場合、以下の利点が得られる。
 下水処理場の小規模化が可能なため、下水管路と下水処理場を合わせた建設費を節減
 下水処理場の運転コストを節減
 下水処理にかかる二酸化炭素排出量を低減
 汚泥発生量の低減により、産業廃棄物量低減
概 要 or 原 理
浄化管のしくみを図1に示す。浄化管は、上部(流量確保部)と下部(浄化部)の二重構造となっている。
流量確保部の一部には孔が設けられており、浄化部には微生物担体を固定している。流量確保部に流した下
水は、その流量が多いときには流量確保部を流れるが、流量が少ないときは孔から下水があふれ、浄化部の
微生物担体に下水が供給される。流量の時間変動を利用することによって、微生物担体に空気と下水に交互
にさらされることにより微生物が高密度に増殖し、これらの微生物が下水中の有機物を分解することにより
下水が浄化される。
システム全体の概要を従来の下水処理システムとともに図2に示す。下水管路で下水を浄化することにより、
下水処理場の規模や運転コストを小さくすることできる。処理場の規模を小さくする具体例を図3に示す。
例①は、従来の下水処理場を活用するもので運転する曝気槽の容量を小さくできるため、運転コストの低減
が可能である。例②は、最初沈殿池や曝気槽の代わりに凝集沈殿槽を設置するため、下水処理場の建設コス
トや設置面積を低減することができる。例③は、河川・湖沼の水質汚濁がひどい場合にこれらの水を浄化管
に循環送水して水質汚濁の防止を図るもので、下水管路や下水処理場の建設が経済的に困難な地域等に適応
可能である。
図1.浄化管のしくみ
図2.管路内浄化システム
流量確保部
従来の下水処理システム
処理場
水面
下水
下水
越流口
酸素
酸素
水面
担体
担体
浄化部
【流量少】酸素供給
【流量多】下水供給
管路内浄化システム
後処理
施設
F-73
図3.管路内浄化システムの具体例
管渠
処理場
従来
従来管
沈砂池
最初
沈殿池
曝気槽
最終
沈殿池
管路内浄化
例①
浄化管
沈砂池
最初
沈殿池
曝気槽
最終
沈殿池
管路内浄化
例②
浄化管
沈砂池
管路内浄化
例③
浄化管
塩素
添加
塩素
添加
建設費:小幅減
維持費:大幅減
塩素
添加
建設費:大幅減
維持費:小幅減
凝集剤
凝集
槽
最終
沈殿池
建設費:管渠のみ 最低限の水処理により
維持費:ポンプのみ 河川の水質汚濁防止
省エネ効果 & 特記事項
図3の例①・例②について、浄化管と処理場を組み合わせた場合の経済性比較を表1に示す。
表1.浄化管と処理場を組み合わせた場合の経済性比較
管路性能
使用電力量
費用
BOD 除去率
曝気
汚泥処理
建設費
維持管理費
従来システム
0%
100%
100%
100%
100%
例①
50%
50%
35%
95%
50%
例②
70%
0%
25%
90%
80%
導入実績または予定
国内
実証試験:浄化管の有効性検証
設置場所:千葉県流山市江戸川台汚水処理場
期 間:2013 年 9 月~ 2015 年 3 月
概 要:浄化管の下水浄化性能の有効性を検証し、浄化管を用いた際の下水処理設計の技術ガイ
ドライン作成を実施する。
海外 なし
コンタクト先
積水化学工業株式会社 環境・ライフラインカンパニー 技術・開発センター 基盤技術研究所
電話番号:075-662-8554 Fax番号:075-662-8585
http://www.sekisui.com/
問い合わせ先 [email protected]