統計:Chapter 5 and 6 発表者:M.S 2015 年 7 月 10 日 Chapter 5&6: Introduction/ Purpose Statement Cresswell, W. J. (2009). The introduction. In Research design: Qualitative, quantitative, and mixed methods approaches (pp.97-109). London: Sage. Cresswell, W. J. (2009). The purpose statement. In Research design: Qualitative, quantitative, and mixed methods approaches (pp.111-126). London: Sage. 【Section II Overview】 Section I は、proposal (研究計画書)を書くまでに必要なプロセスや懸案が紹介されてきま した。Section II では、実際にどのように proposal を書けばよいのか+Data collection が 取り上げられています。 Chapter 5: The Introduction 今回の範囲。 Chapter 6: The Purpose Statement Chapter 7: Research Questions and Hypothesis Chapter 8: Quantitative Chapter 9: Qualitative Chapter 10: Mixed Methods 【Chapter 5: The Introduction】 Introduction(はじめに)の目的は? Wilkinson (1991): “The introduction is the part of the paper that provides readers with the background information for the research reported in the paper. Its purpose is to establish a framework for the research, so that readers can understand how it is related to other research.” (p.96) ➡ Research Problem を提示し、自分の研究の位置づけをすること 自分の研究が必要とされる元となった問題や課題。社会的な問題や学説上の議論、個人 の経験等、様々なリソースが含まれる。Research question ではないのに注意。 Research Problem とは具体的に何か? Qualitative Research の場合: 質的研究は、①研究・学説上の議論がまだ不十分な概念、②バイアスや誤り、不適 切な要素がある理論、③検証し、学説を立てることが必要とされる現象、④量的研 究には適さない対象…を取り扱うのが特徴。 自分の研究がどれに当てはまるのかによって何を含めるべきかは変わる。 (ex. ①な らばこれまでの議論の内容)場合によっては一人称で書いてもよい。 Quantitative Research の場合: ①結果に影響を与えうる factor や variable に関する説明、②ある理論・学説を検証 するのであればそれに関する先行研究も含める。客観性を持たせるため、過去形で 書く傾向がある。 Mixed Method の場合: ①ベースとなるほうの Introduction にのっとるか、②最初の phase に合わせるか。 (ex) 喫煙と青少年のうつの関係性を検証し(量的)、その健康状態を観察する(質的)場合 →Introduction では quantitative と同様、関係性+先行研究のまとめ 1 統計:Chapter 5 and 6 発表者:M.S 2015 年 7 月 10 日 Introduction の基本的な構成は? ① Research problem ② 先行研究 ③ 先行研究の「穴」(deficiency) ④ オーディエンスの特定と研究の意義 (Significance of study) ⑤ 研究目的(Purpose statement) ➡ Chapter 6 で詳しく ① Research problem のコツ 「なぜ自分の研究が重要であるのか」、 「どのような問題がきっかけとなって自分の研究 に関心が寄せられるようになったのか」を考えていけば絞られていく 読者を惹きつける narrative hook を入れる →直接引用は様々な解釈が生まれるため、出だしには避ける イメージ:井戸(論文)とバケツ(読者) →いきなりではなく、ゆっくりと deep な内容へ移行 最低 12 の参考文献→大げさかもしれないが、それだけ自分の扱 うテーマが重要であることをアピールする手段 Research problem は一つとは限らない ② 先行研究、③先行研究の「穴」のコツ 「巨人の肩の上に立つ」と言うが、先行研究に触れるのは自分の研究が①意味のあるも ので、②これまでの研究とは違うのだという差別化をするため 新しい分野で先行研究がない →「逆三角形」をイメージ:より大きく一般的な先行研究 EX)「アフリカの幼児教育の課題」はなくとも「幼児教育の課題」 研究 1 本 1 本を summarize するのではなく、複数の結果等をまと める→括弧でパラグラフ・まとめの最後にまとめる EX)… Very few studies have focused on how teachers use power to interact with school principals… (Ball, 1987; Hoyle, 1986; Pratt, 1984) 過去 10 年以内の文献に絞る。それ以上古いものはよく引用されていて重要であ る研究に限る 「穴」は大抵先行研究の最後の部分 (suggestion for future studies) で触れら れている。その文章・文献自体も引用するのも一つのテクニック ④ オーディエンスの特定と研究の意義 (Significance of study)のコツ どのような読者にとって有益なのかを明らかにすることは、自分の研究が重要であるこ との根拠づけとなる 3~4点にわたり、自分の研究が①物事の改善に役立つ理由、②既存の理論・学 説に対してどのような示唆を与えるのか、③政策を改善する理由、を提示 2 統計:Chapter 5 and 6 発表者:M.S 2015 年 7 月 10 日 【Chapter 6: The Purpose Statement】 The Purpose Statement の目的は? “This passage is called the purpose statement because it conveys the over-all intent of a proposed study in a sentence or several sentences.…not the problem or issue leading to a need for the study... not the research questions that the data collection will attempt to answer ” (本 文 p.111-112) ➡ Research Question でも Research Problem でもない 自分の研究の「意図」を示す部分:自分の研究のメインテーマ 【突然ですが…CHALLENGE TIME!!】→別紙参照 別紙 (P5-6) の purpose statement は実際の論文から引っ張ってきたものです。それぞれ①quantitative, ②quantitative, ③mixed method のどれに属する研究の purpose statement でしょうか?お隣の方と相 談しながら categorize してみてください。できれば判断の決め手となった箇所に印もつけてください! Quantitative/ Qualitative Research の Purpose Statement Quantitative Qualitative “The purpose (or objective/ intent) of this statement is/ was …”と、読者に分かりやすいような書き方 で研究目的を明記。(proposal なら現在形、dissertation なら過去形) 研究が基づく理論・学説・モデル等の概念枠組み (conceptual framework)を明記。詳しくは別セク ションで後述すればよいので、説明する必要はな い。 ― independent (独立変数)と dependent variable (従 属変数)等、研究の変数について説明。この際、 independent を先に書くことがおすすめ。 一つの現象・概念等のみについて説明 結果的に 2 組以上のグループを比較するとして も、研究を始める時点では分かっていないので independent と dependent variable をつなげる 言葉としては “the relationship between”や “comparison of”などを使用。 “explore”, “understand”, ”describe” ”understand the meaning of”などの表現を使う。また、useful, positive などのバイアスがかかる言葉は避ける。 重要な変数はできれば広く認められている定義 対象となる現象・概念等の一時的な定義 を使って簡単にしておく。 (tentative definition)→読者にとりあえずの理解を 研究方法 (survey/ experimental/ interview など) 研究の対象・協力者について、qualitative の場合は特に環境(classroom, home, organization, etc) ― 研究対象・環境の限界(limitaiton) 3 統計:Chapter 5 and 6 発表者:M.S 2015 年 7 月 10 日 Mixed Method の Purpose Statement Guidelines “The purpose (or objective/ intent) of this statement is/ was …”と、読者に分かり やすいような書き方で研究目的を明記。(proposal なら現在形、dissertation なら過去形) 研究全体の意図 (quantitative, qualitative のどちらにおいても貫かれている目的) 研究方法 (survey/ experimental/ interview など) なぜ quantitative と qualitative を合わせた研究をする必要があるのか (Chapter 10 参照) Characteristic 共通 Mixed 共通 Mixed (上記参照) Qualitative (上記参照) Quantitative 研究の対象・協力者・環境、研究方法について 共通 ※本文にはそれぞれの研究に合わせたテンプレートが掲載されているので、もしよろしければご参 照ください; 4 統計:Chapter 5 and 6 発表者:M.S 2015 年 7 月 10 日 【Purpose of Statement 例】 以下は実際の論文から引っ張ってきたものです。それぞれ①quantitative, ②quantitative, ③mixed method のどれに属する研究の purpose statement でしょうか?お隣の方と相談しながら categorize し てみてください。できれば判断の決め手となった箇所に印もつけてみてください! 【A】 【B】 【C】 5 統計:Chapter 5 and 6 発表者:M.S 2015 年 7 月 10 日 【D】 【E】 In an effort to shed light on parental saving, this article examines parental saving behaviors. Using student and parent data from a longitudinal study employing multiple surveys over a three-year period, logistic regression was used to identify the factors most strongly associated with parental savings for postsecondary education. In addition, insights gained from the interviews of a small subsample of students and parents who were interviewed five times during the three-year period are used to further examine parental savings. (Hossler & Vesper, 1991, p.141) 6
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