[18] [19] 横断整理ゼミ 全科目横断 ●適用事業の範囲(労働関係) ●適用事業の範囲(社会保険関係) 制 制 度 労基法 適用事業(適用業種)の範囲 ◇労働者を使用する事業(事業の種類によって規制の内容が異なる取扱いがあるた め,法別表 1 で,①製造業,②鉱業,③建設業,④運輸交通業,⑤貨物取扱業, 度 健保法 適用事業(適用業種)の範囲 ①次の事業(適用業種)の事業所で常時 5 人以上の従業員を使用するもの((イ)製 造業,(ロ)建設業,(ハ)鉱業,(ニ)熱供給業,(ホ)運輸交通業,(ヘ)貨物積卸業,(ト)清掃 ⑥農林業,⑦畜産・水産業,⑧商業,⑨金融保険業,⑩興行の事業,⑪郵便・通 ・と殺業,(チ)販売・配給業,(リ)金融保険業,(ヌ)物の保管・賃貸業,(ル)媒介周旋 信業,⑫教育研究業,⑬保健衛生業,⑭接客娯楽業,⑮清掃・と畜業の号別列挙 業,(ヲ)集金,案内,広告業,(ワ)教育研究業,(カ)医療業,(ヨ)通信報道業,(タ)社会 により,事業の種類を定めているが,これらに該当しないものにも適用はある) 福祉事業・更生保護事業) ② ①の事業のほか国,地方公共団体又は法人の事業所であって,常時従業員を使 ◇労働者を使用する事業(①国の直営事業,官公署の事業(労働基準法別表 1 に 掲げる事業を除く)は適用除外,②常時 5 人未満の労働者を使用する個人経営 労災法 の農林水産業の事業の一部については暫定任意適用事業) 用するもの 厚年法 ①次の事業(適用業種)の事業所で常時 5 人以上の従業員を使用するもの((イ)製 造業,(ロ)建設業,(ハ)鉱業,(ニ)熱供給業,(ホ)運輸交通業,(ヘ)貨物積卸業,(ト)清掃 ◇労働者が雇用される事業(常時 5 人未満の労働者を雇用する個人経営の農林水産 雇用法 ・と殺業,(チ)販売・配給業,(リ)金融保険業,(ヌ)物の保管・賃貸業,(ル)媒介周旋 の事業の一部については,暫定任意適用事業) 業,(ヲ)集金,案内,広告業,(ワ)教育研究業,(カ)医療業,(ヨ)通信報道業,(タ)社会 福祉事業・更生保護事業) ② ①の事業のほか国,地方公共団体又は法人の事業所又は事務所であって,常時 One Point (1) (イ) 従業員を使用するもの 労災保険法・雇用保険法⇒「常時 5 人以上の労働者」を使用する事業であるか ③船員法 1 条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が乗り組む船舶 否かをみる場合,適用除外事由に該当し,法の適用を受けない労働者も含めるもの とされている(したがって,日雇労働者も含めて算定する)。ただし,雇用保険法 健康保険法,厚生年金保険法の①(タ)「社会福祉事業」には,生活保護法に規 定する救護施設,障害者総合支援法に規定する障害者支援施設等,「更生保護事業」に 用事業所とならない。 は,保護観察に付されている者等に対する継続保護事業がある。 (ロ) 健康保険法・厚生年金保険法⇒「常時 5 人以上の従業員」を使用する事業所で あるか否かをみる場合,適用除外事由に該当する者であっても,常時使用される者 は員数に含めるものとされている(したがって,日雇労働者は含めない)。 (2) One Point の場合,適用除外事由に該当する労働者のみを雇用している事業主の事業所は,適 雇用保険法⇒個人経営であって,常時 5 人未満の労働者を雇用する事業であっても, 「農林水産の事業以外の事業」については,適用事業である。また,農林水産の事業で あっても,船員が雇用される事業,国,都道府県,市町村等の事業又は法人である事業 主の事業にあっては,適用事業となる。 この項目で整理しているのは,「事業」に関する適用の範囲であり,「個人」の適用の範囲では ない。例えば,厚生年金保険法においては,「国,地方公共団体又は法人の事業所又は事務所」は 適用事業であるため,使用される者は,基本的に厚生年金保険法の適用がある。しかし,これら に使用される者(個人)が,共済組合の組合員又は私学教職員共済制度の加入者の資格を有する ときは,適用除外者に該当し,厚生年金保険法は適用されない。 「事業」の適用の問題なのか,「個人」の適用の問題なのかは明確に整理しておく必要がある。 [20] [21] 横断整理ゼミ 全科目横断 ●暫定任意適用事業・任意適用事業 ●擬制適用・擬制任意適用 制 制 度 労災法 該当事業 「農林水産の事業(都道府県,市町村その他これらに準ずるものの事業,法人で ある事業主の事業,船員法 1 条に規定する船員を使用して行う船舶所有者の事業 度 労働者数の減少等があった場合 効 果 徴収法 労災保険又は雇用保険の強制適用事業が,暫定任意適用事業に 該当するに至ったときは,その翌日に,任意加入の認可があっ たものとみなされる 保険関係は消滅 しない 健保法 強制適用事業所が,強制適用事業所に該当しなくなったときは, その事業所について任意適用事業所の認可があったものとみな される 当該事業所に使 用される被保険 者はその資格を 喪失しない 等を除く。)のうち,常時 5 人以上の労働者を使用する事業以外の事業は,当分 の間,任意適用事業とする。」 ①個人経営で常時 5 人未満の労働者を使用する農業の事業((イ)一定の危険・有害 な作業を主として行う事業,(ロ)農業関係の特別加入をしている事業主が行う事 業は強制適用) ②個人経営で常時 5 人未満の労働者を使用する水産業の事業(※ 1)で,(イ)総トン 数 5 トン未満の漁船により操業するもの又は(ロ)災害発生のおそれが少ない河川, 湖沼又は特定の水面において主として操業するもの(総トン数不問) ③個人経営の林業の事業で,常時には労働者を使用せず,かつ,年間使用延労働者 厚年法 One Point (1) 数 300 人未満のもの 雇用法 「農林水産の事業(船員が雇用される事業を除く。)のうち,常時 5 人以上の労 働者を雇用する事業以外の事業(国,都道府県,市町村その他これらに準ずるも のの事業及び法人である事業主の事業を除く。)は,当分の間,任意適用事業と する。」 ◇個人経営で常時 5 人未満の労働者を雇用する農林水産の事業(※ 2) 健保法 ◇個人経営で常時 5 人未満の従業員を使用する適用業種に係る事業 ◇個人経営の適用業種以外の業種(旅館,料理店,飲食店,映画館,理容・美容業, 厚年法 農林畜水産業,宗教業,弁護士業,社会保険労務士業等)の事業(規模不問) One Point (1) いずれの法律でも,何ら手続を要することなく擬制任意適用(擬制適用)の取扱いが 行われる。 (2) 厚生年金保険法⇒本試験では,「擬制任意適用」のことを「強制適用事業所の要件に 該当しなくなったとき」と表現することがある。これに対して,「任意適用事業所の取 消の認可」のことを「適用事業所でなくなったとき」と表現することがある。それぞれ の場合について,使用される被保険者の資格に与える影響が異なるので注意すること。 〔強制適用事業所の要件に該当しなくなったとき〕 法人でない強制適用事業所 当然被保険者 資格を 高齢任意加入被保険者 喪失しない 農林水産の事業は,労災保険と雇用保険の適用の範囲が異なるため,徴収法上,二元 ▲ 適用事業とされている。 (2) 従業員数が 5 人未満 雇用保険法において,年間を通じて事業は行われるが,事業が季節の影響を強く受け, 一定期間雇用労働者が 5 人未満に減少することが通例である場合には「常時 5 人以上」 任意適用事業所 ⇒ 擬制任意適用 〔適用事業所でなくなったとき〕 とは解されず,当該事業は暫定任意適用事業となる。 ※ 1:個人経営で常時 5 人未満の労働者を使用する水産の事業であっても,船員法 1 条に 任意適用事業所 適用事業所以外 規定する船員を使用して行う船舶所有者の事業は,強制適用事業となる。 ※ 2:個人経営で常時 5 人未満の労働者を雇用する水産の事業であっても,船員が雇用さ れる事業は,強制適用事業となる。 当然被保険者 資格を 高齢任意加入被保険者 喪失する ▲ 厚生労働大臣の認可 ⇒ 任意適用事業所の取消
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