多重光源陰影段彩図(鬼怒川・常総市付近)

多重光源陰影段彩図(鬼怒川・常総市付近)
八千代町
作製:2015/09/17
下妻市
宗道駅
玉村駅
越水
石下駅
つくば市
南石下駅
破堤
三妻駅
常総市
坂東市
中妻駅
北水海道駅
みどりの駅
水海道駅
つくばみらい市
高: 50m
低: 5m
【使用データ】
基盤地図情報基本項目および5mメッシュ
(標高)
MapPackage for General(2014版)
日付指定市区町村界
※浸水想定範囲は国土地理院の公開情報(9/15時点)
をもとに作図した
0
5 km
【地形解説】
鬼怒川の中流域は、常陸台地の間に発達する幅約3-5kmの低地に、小貝川と並走して南流する。両河川ともに河川改
修が進み、現在の河道は直線的だが、旧河道が無数にみられ、河道沿いにはほぼ途切れることなく、比高1-2mほどの
大規模な自然堤防が発達する。これらは過去に度々氾濫していたことを示す低地の微地形である。常総市-つくば市の
不自然に曲がる市境からも、過去の蛇行した流路が伺える。
江戸時代以前の鬼怒川は、下妻の台地南縁を洗って小貝川に合流、また、水海道からも東流して小貝川と繋がってい
た。自然堤防は過去の流路沿いにも残されているため、下妻-鬼怒川-水海道-小貝川の現・旧流路を繋いだレクタング
ルは、四辺を自然堤防の微高地に囲まれ、中央部が相対的に低い。ここは排水環境も悪い後背湿地で、排水を促すため
に八間堀川がつくられた。このような地形に、ひとたび河川水が流れ込めば水の逃げ場が無く、長期間湛水しやすい。
なお、鬼怒川沿いには、河畔砂丘が数箇所でみられる。松本・池田(1996)によると、今回越水した若宮戸には鬼
怒川流域では最大級の河畔砂丘があったが、砂利採取によりだいぶ小さくなったとされる。
(記・2015/10/05 文責:東京地図研究社)
参考文献
松本・池田(1996)
http://www.ied.tsukuba.ac.jp/wordpress/wp-content/uploads/pdf_papers/ercbull21/2151.pdf