ステッピングモーター とツジ電子のコントローラ 2015/07 ツジ電子株式会社 1 目次 ステッピングモーターコントローラとは ステッピングモーターの特徴 ステッピングモーターとサーボモーター モーター比較早見表 ツジ電子のステッピングモーターコントローラ紹介 ステッピングモーターコントローラの共通仕様 特殊な動作モード 2 ステッピングモーター コントローラーとは パルスを出力して、モーターを制御するユニットです。 パルスだけではモータは回転しません。ドライバユニットと 接続してモーターの回転を制御する電流に変換してモー ターを回します。 パルスの周波数で回転速度、出力パルス数によって回転量が調 整出来ますので、精度を要求される位置決め動作に適していま す。 例) モータが1回転するのに必要なパルス数はドライバの設定で固 定される為、500パルス/rのモータの場合、5000パルス出力すると ちょうど10回転して停止します。 パルス 電流 ドライバ ユニット 3 目次へ戻る ステッピングモーターの特徴 特徴 回転、停止のレスポンスに優れている為、動作、停止 を頻繁に繰り返すユニットに適しています。 位置決めの精度に優れ、細かい制御を得意とする為、 様々な場所で使用されています。 例)XYステージの移動、生産装置、スロットマシン等 最低限パルス出力回路のみで構成出来ますので配線がシンプ ルです。 欠点 急な加減速や高速回転を行うとモータが回りません。 この現象は脱調と呼ばれています。 オープンループ制御の為、モータが指示通りに動作し たか確認するにはエンコーダが別途必要です。 4 目次へ戻る ステッピングモーターと サーボモーター パルスをドライバユニットに入力してモーターの回転に変換す る点はステッピングモーターと共通です。 違いは、モーターにエンコーダーが内蔵されていてドライバに 対しフィードバックを行い、パルス周波数とモーターの実際の 回転量を比較して、指定した速度になる様に調整しながら動 作するクローズドループ制御になっている事です。 エンコーダのおかげで、モーター停止中に手動でモーターを 動かしても現在位置を把握出来ます。 絶対値エンコーダであれば電源OFF時でも把握可能 パルス 電流 ドライバ ユニット 5 各種アラーム等 エンコーダによる フィードバック 目次へ戻る ステッピングモーターと サーボモーター 特徴 高速運転時でもトルクが安定しており、脱調がありません。 ステッピングモーターの場合、高速運転時にトルクが減少 するため脱調が起こります。 常にエンコーダで回転量を監視している為、ステッピング モータ以上に高速、高精度な位置決めが可能です。 欠点 正確な位置決めの為には駆動部の構造がしっかり組ま れている必要があります。 エンコーダケーブル等も必要なため、構造が複雑になる 傾向があり、サーボモーターはステッピングモーターと比 べ高価です。 6 目次へ戻る ステッピングモーター と サーボモーター 比較早見表 ステッピングモーター 項目 サーボモーター 比較的安価 価格 高価 低速時は高トルク 高速時は低くなる トルク 高速回転時でも安定 慣性にも強い 安定して高精度 精度 メカの構造にもよるが 高速かつ高精度 オープンループ 出力回路だけで比較的 シンプル 制御方式 クローズドループ 配線 フィードバック回路もあり 複雑 7 目次へ戻る ツジ電子は ステッピングモーターコントローラー が主力製品の一つです。 サーボモーターとも接続出来ますが、ドライバからの出 力信号を受けるコネクタはありません。 その為、パルス出力が停止してもモータが命令通りに動 いたかを知るには別の機器が必要です。 基本的にはステッピングモーターのドライバと 接続して使用します。 エンコーダと併用して使用する事もあります。 おかげさまで、KEK PF、SP8等の施設に おいてビームライン内の至る所で 使われています。 8 目次へ戻る ツジ電子の ステッピングモーターコントローラー紹介 PM16Cシリーズ 1台で16個のモーターを接続可能 PM16C-04XDL 同時に4台のモーターを駆動可能 ツジ電子で、最も売れている主力製品 PM16C-04XD XDLのパネルスイッチを簡略化したバージョン リモート操作についてはXDLと同じ機能 PM16C-16 リモート操作なら16台全て同時駆動可能 一部、XDLの機能が使用不可能 9 目次へ戻る ツジ電子の ステッピングモーターコントローラー PM4Cシリーズ PM2C-06, PM3C-06, PM4C-06 PM16Cシリーズと比較すると機能はシンプル 細かい原点検出、後述の特殊動作が無い、等 コマンドは“S”で始まる旧式コマンドを除き共通 UPMシリーズ UPM2C-01, UPM4C-01 USBケーブルからの電源だけで動作する リミットスイッチ用の+12V電源を使用する場合は別 途ACアダプタが必要 PM4Cシリーズに準じたコマンドで動作 10 目次へ戻る ツジ電子の ステッピングモーターコントローラー PMCDシリーズ PMCD-06X, PMCD-06H等 PM4Cシリーズの1chバージョンで、ドライバを内蔵 可能です。 お客様からドライバをご支給頂くタイプが中心に売 れています。 PMCD-06H(右図)は持ち運びが容易なタイプです。 GPIB及びハンドボックス非対応 DC24V, 50W電源の小型ドライバのみ対応 11 目次へ戻る ステッピングモータコントローラ の共通仕様 絶対値移動、相対値移動、連続移動 絶対値移動は指定した場所まで、相対値移動は指 定した距離を、連続移動は停止命令があるまで連 続で移動します。 リミットスイッチ入力 リミットスイッチ(LS)が入力されるとモータは停止す る為、主に動作メカの移動可能範囲の両端に設置 極性の切替が可能です(通常はB接点で使用)。 コントローラのカウンタ値によってLSを入力する デジタルLSもあります。 12 目次へ戻る ステッピングモータコントローラ の共通仕様 原点検出移動 原点センサーの場所まで、モーターを移動させます。 PM16Cシリーズは原点位置の記憶が可能です。 ホールドオフ出力 モーターの電源が入っている時、ドライバからモー ターに電流を流してモーターを固定しています。 この信号を入力するとモーターに流れる電流を遮 断し、手で回せるようになります。 モーターの発熱対策が主な使用用途ですが、高さ を制御しているモーターにこの信号を入力するとユ 13 ニットが落下して事故の原因になります。 目次へ戻る 特殊な動作モード(1) 2軸補間動作 2つの軸をそれぞれXY平面上のX軸、Y軸に見立て、 XY平面上に直線または円、円弧を描くようにモータ を動作させます。 対応コントローラ PM16C-04XD(L), UPM2C-01 14 目次へ戻る 特殊な動作モード(2) オートチェンジドライブ 台形駆動時の速度、及び加減速度を指定したタイミン グで自動で変更します。(停止も可能) データを変更するタイミングは以下の3種類があります。 動作開始点からのパルス数 前回データを変更した時からの経過時間 (msec.単位) 加速/減速中の速度が一定値に達した時 1軸あたり変更ポイントは128箇所まで設定可能 対応コントローラ PM16C-04XD(L), PM16C-16 15 目次へ戻る 特殊な動作モード(2) オートチェンジドライブで出来る事 1秒経過するごとに速度を2,000加速させ、移動距離が 100,000パルスになったら緩やかに停止させるような動作 をPC側でプログラムを組むことなく実行出来ます。 速度 パルス 16 目次へ戻る 特殊な動作モード(3) 揺動動作 特定の1軸を往復動作させ、1往復するごとに他の 軸を一定量ステップ移動させる動作を一定回数繰 り返します。 内蔵のタイマーにより、1回往復する周期が一定に なるように制御を行っています。 2軸動作モード、3軸動作モードが存在します。 軸の動作に同期してTTLのゲートもしくはパルス信 号を出力可能 対応コントローラ PM16C-04XD(L) 17 目次へ戻る 特殊な動作モード(3) 揺動動作 2軸動作時の動作概要 速度 18 目次へ戻る 特殊な動作モード(3) 揺動動作 3軸動作時の動作概要 19 目次へ戻る 特殊な動作モード(3) 揺動動作 3軸動作時の動作概要(2) 20 目次へ戻る 特殊な動作モード(4) 連続駆動モード それぞれの軸に対して移動距離、所要時間を記録 したCSVファイルをあらかじめ送信しておくことで、 そのデータに従ってモーターを連続動作させます。 距離データは絶対値、相対値両方に対応していま す。 1,024個までのデータを記録可能です。 対応コントローラ UPM2C-01, UPM4C-01 21 目次へ戻る 最後までご覧頂き、ありがとう ございました 22
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