(6)ライトカーテン (a)ライトカーテン設置の安全距離 ライトカーテンを設置する際には、作業者を検知してから危険源が止まるまでの応答時問(ライト カーテン自体の応答時間+機械がライトカーテンの信号を受けてから完全に停止するまでの時間) に基づく「安全距離」を算出しておく必要がある。 安全距離とは、前述の応答時間内に作業者が危険区域に到達するのを防ぐために必要なライトカ ーテンの検出区域と危険区域との間に必要な距離のこと。 安全距離は,一般に JISB9715「機械類の安全性一人体部位の接近速度に基づく保護設備の位置決 め」を用いて以下のように算出する。 S=K×T+C C=8(d-14) (d≦40 の場合) S:安全距離(mm) K:検知対象の進入速度(mm/s) T:応答時間(S) d:最小検出物体の大きさ(mm) まず、K の値は 2000mm/s として S の値を計算する。 S が 100mm 以下となった場合,安全距離を 100mm とする。 逆に S が 500mm 以上となった場合、K を 1600mm/S として再び計算する。 その上で S が 500mm 以下となった場合、安全距離を 500mm とする。 (JISB9715 6.1.1 参照) 計算例) 最小検出物体の大きさ=30mm ライトカーテン自体の応答時間=0.03S ライトカーテンの信号を受けてから危険源が完全に停止するまでの時間=0.5S S=2000×053+8(30-14) =1188(mm) S が 500mm 以上となったため、K の値を変えて再計算する。 S=1600×0.53+8(30-14) =976(mm) 以上より安全距離は 976mm 以上とすればよい。 安全柵のすき間から手や足が進入可能な場合、安全柵と危険源との問に距離を設ける必要があっ たので、実際には、安全柵の計算結果とライトカーテンの計算結果を照らし合わせ、より長い方 の距離を採用する。 (b)ライトカーテンの検出区域 JISB9715 によれば床面と検出区域の距離は 300mm 以下としなければならない。 垂直方向の上限に関しては、安全柵の高さとそろえればよいことになっている。 従って、例えば安全柵の高さが床面から 1800mm の場合、ライトカ-テンの検出区域の垂直方向 の長さは 1500mm 以上あればよいことになる。
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