2015.10.26 JICA 森川 途上国都市開発への日本の支援とは? 講義のポイント 【国際協力の視点】 1. 日本の ODA 支援で途上国の都市開発マスタープランを策定支援する意義は? 【空間計画の視点】 2.ヤンゴンの都市開発マスタープランでは、どのような空間の価値を認め、 醸成しようとしていると考えられるか? 3.「都市人口が拡大する、人が都市に流れ込む」状況とは? 「都市人口が減少する、人が都市から消えていく」状況とは? ●思考の参考:空間の認識について(ただし、北米基準といえるかも) エドワード・ホール(1970 [1966])『かくれた次元』、みすず書房 ⇒ある文化に属する人々が知らず知らずのうちに伝達しあったり共有しており、同時に他 のすべてのものごとを判断する背景をなしている共通の、言語化されない体験 松岡正剛いわく:体験は文化によってかたどられている。自分が体験したこと だからといって、それが自分だけにしか理解できないものとは想わないほうが いい。そこには「隠れた次元としての文化」というものがある。本書でホール はそのように言いたがっている。 ・動物における距離の調節 異なる種の個体が出会ったとき *逃走距離:この距離に近づくと逃げ出す *臨界距離:この距離に近づくと警戒態勢に入る 同じ種の個体が相互に関わるとき *個体距離:非接触性動物が彼らの仲間との間におく正常な空間 *社会距離:異なる種同士が入っていられる空間 2015.10.26 JICA 森川 ・人間におけるプロセミックス(proxemics) ⇒「人は空間を使い分ける」 (1)密接距離(intimate distance):45cm まで。 相手に接触したり、相手の息づかいを感じ取ることが可能。 ⇒慰撫と保護、あるいはその逆の嫌悪と排除という感情が芽生える (2)個体距離 (personal distance) :45cm から 120cm 「個」「個人」を感じる距離 ⇒人と人とが自然にとる間、立ち話や立食パーティーでの歓談など私的なコミ ュニケーションの場 (3)社会距離 (social distance):120cm から 360cm 商談などの公的なコミュニケーションが行われる距離 ⇒相手に気づかれずに立ち去ることができる。ここから近づくと、社会的に関 心があると相手に伝えられる。 (4)公衆距離 (public distance):360cm 以上 演説や講演会での話し手と聞き手の距離 ⇒街頭者のように振舞うことができる。 ■日本人を例にすると、この4区分の距離は? ⇒〇〇人とは? ■「かくれた次元」をデザインに、また支援に応用できるとすれば、どのよう なアイディアが? (了)
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