物価目標達成は2016年度後半頃に後ずれ

Market
Report
2015 年 11 月 2 日
Shinko Asset Management Co., Ltd.
物価目標達成は 2016 年度後半頃に後ずれ
◆日本銀行は金融政策を現状維持
日本銀行は 10 月 30 日に開催された金融政策決定会合において、
金融政策の現状維持を決定しました。
市場では、
2%の物価目標の早期達成が難しくなってきたことから追加金融緩和に踏み切るとの見方もありましたが、会合後の
記者会見で、黒田日本銀行総裁は「(エネルギー価格などの一時的なかく乱要因を除いた)物価の基調は着実に改善
している」と強調し、追加緩和については「いろいろな議論はあったものの追加緩和の提案はなかった」と述べて
います。
◆2%の物価目標達成は 2016 年度後半頃に後ずれ
同日に発表された展望レポートでは、新興国経済の減速を背景とした輸出のもたつきや天候不順の影響などによる
個人消費の鈍さから、
2015 年度の実質 GDP 成長率の見通しを 7 月時点の+1.7%から+1.2%に下方修正しました。
ただし、先行きは、国内需要が増加基調を辿り、輸出も新興国経済の持ち直しで緩やかな増加に転じると考えられ
るなか、2015 年度から 2016 年度は潜在成長率を上回る 1%台前半の成長を続けると予想しています。
また、物価の見通しに関しては、原油価格下落や成長率を下方修正した影響などから、2015 年度は 7 月時点の
+0.7%から+0.1%へ、2016 年度も+1.9%から+1.4%へ大幅に下方修正しました。このため、物価安定の目標で
ある 2%に達する時期は従来の「2016 年度前半頃」から後ずれし、
「2016 年度後半頃」になると予想しています。
なお、こうした見通しは、景気、物価いずれについても不確実性が残り、下振れリスクが大きいとしています。
日本銀行政策委員の経済・ 物価見通し
単位:%
予想時点
15年10月
2015年度
2016年度
2017年度
+1.2
+1.4
+0.3
+1.7
+1.5
+0.2
+0.1
+1.4
+1.8
+0.7
+1.9
+1.8
実質GDP
15年7月
消費者物価指数
(除く生鮮食品)
15年10月
15年7月
出所:日本銀行の展望レポートを基に新光投信作成
※数値は前年度比で、政策委員の大勢見通し中央値
消費者物価指数の2017年度は消費税率引き上げの影響を除くケース
上記の表は過去の時点における予測値を示したものであり、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる動向などを示唆あるいは保証するものではありま
せん。
当資料は新光投信が作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類あるいは販売用資料のいずれでもありません。当資料は証券投資の参考と
なる情報の提供を目的とし、投資の勧誘を目的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、
その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当資料は事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購入のお申し
込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)および契約締結前交付書面など(目論見書補完書面を含む)をあらかじめお受け取りのう
え、詳細をよくお読みいただき、投資に関する最終決定は、ご自身の判断でなさるようお願いします。
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Shinko Asset Management Co., Ltd.
◆当面は現状の金融政策維持が見込まれる
今回の会合で、物価目標達成時期が後ずれしたにもかかわらず追加緩和が実施されなかったのは、これまでの量
的・質的金融緩和政策が円安や株高を通じて景気や物価の押し上げに働いた一方で、現状水準からの円安による物
価上昇が必ずしも景気にプラスにならない点が見えてきたからだと思われます。実際、4-6 月期の個人消費の減少
は賃金上昇が物価上昇に追いつかなかったことが原因の一つと考えられています。黒田総裁も「物価だけが上がれ
ばよいわけではない。賃金も上がり企業収益も増えていくという経済全体のバランスが取れた形でないと 2%目標
を安定的に達成するのは難しい」と会見で語っており、今後も 2%の物価目標達成時期の後ずれを理由に追加緩和
を行うことはなさそうです。
消費者物価の推移
(前年同月比%)
3
2
1
0
-1
総合(除く生鮮食品)
-2
総合(除く食料およびエネルギー)
-3
07
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
期間:2007年1月~2015年9月(月次) 出所:日本銀行、ブルームバーグのデータを基に新光投信作成
※消費税率引き上げの影響を除いたベース
上記グラフは過去の実績を示したものであり、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる動向などを示唆あるいは保証するものではありません。
今後の金融政策ですが、展望レポートで経済・物価見通しについて下振れリスクが大きいとの見方が示され、黒田
総裁も物価の基調に変化が生じればちゅうちょなく調整すると述べていることから、今後も追加金融緩和への期待
は根強く残ると思われます。また、今後の国内景気が一段と落ち込んだ場合や大幅に円高・株安に振れた場合には
追加緩和が実施されると考えられます。
しかしながら、展望レポートで来年度にかけて底堅い経済見通しを示していることや、FRB(米連邦準備制度理事
会)が 12 月の利上げ開始を視野に入れる一方でグローバル株式市場が落ち着きを取り戻していることから、当面は
現状の金融政策が維持されると見込まれます。当面の焦点は、金融政策から補正予算の動向や政労使会議を通じた
賃金押し上げなど政府の取り組みに移るのではないかと考えています。
以上
当資料は新光投信が作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類あるいは販売用資料のいずれでもありません。当資料は証券投資の参考と
なる情報の提供を目的とし、投資の勧誘を目的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、
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商 号 等: 新光投信株式会社
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加入協会: 一般社団法人投資信託協会
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