洗浄 と低ダメージを両 した超 波洗浄機 DSPとSiCパワー

2015年6月16日
産業機器事業部
プレスリリース(新製品発表)
⾼洗浄⼒と低ダメージを両⽴した超⾳波洗浄機
DSPとSiCパワー半導体の採用により実現
超⾳波洗浄機DYNASHOCK®シリーズ WDX-600-Ⅱ
超⾳波応⽤機器メーカーの本多電⼦株式会社(本社︓愛知県豊橋市、社⻑︓本多洋介)は、新開発の
超⾳波洗浄機を商品化し、2015年7月から発売します。
1.概要
①背景
超⾳波洗浄は複雑形状をした洗浄物の細かい部分まで作⽤して効率良く汚れを除去するので、
⾦属加⼯部品や電⼦部品の製造⼯程において多く使⽤されています。近年、⾃動⾞部品では燃費向上
のためにアルミニウム部品の採⽤が増えていますが、洗浄の際ダメージが発生しやすいという問題が
あります。IT・エレクトロニクス関連部品では電⼦デバイスの微細化・高集積化に伴い洗浄に対する
要求(相反する関係にある高洗浄⼒とダメージ低減の両⽴)が益々厳しくなってきています。
②特徴・原理
この度商品化した超⾳波洗浄機DYNASHOCK® シリーズ WDX-600-Ⅱ(40kHz&
120kHz)は、従来の超⾳波洗浄機では困難であった高洗浄⼒と低ダメージを両⽴した超⾳波洗浄を可
能にしました。既に商品化したWDX-600-Ⅰ(28kHz&75kHz)のシリーズ化として、超⾳波周波数を
高めて更に精密な洗浄に対応した商品です。新たに提案した超⾳波発振⽅式「電⼒⽐率変調型・⼆周
波同時発振⽅式(DM⽅式)」(特許取得済)により、強⼒な洗浄に適した低い周波数の超⾳波成分と低
ダメージで精密な洗浄に適した高い周波数の超⾳波成分の最適な組合せにより、ダメージを従来機⽐
約1/10に低減した洗浄(同等の洗浄率で⽐較)を可能にしました。
③実現のポイント
1つ目は提案の超⾳波発振⽅式をDSP(Digital Signal Processor)によるディジタ
ル制御により実現したことです。アナログ回路ではその複雑な制御を実現するのは困難でした。2つ
目は超⾳波振動⼦(圧電振動⼦)を駆動するインバータ回路にSiC(シリコンカーバイト)パワー半導
体を採⽤した事です。超⾳波振動⼦は高周波(超⾳波は20kHz以上の⾳響振動)かつ高電圧(数百〜数
千V)で駆動する必要があるので、高耐圧と高周波スイッチングを同時に可能にした SiCパワー半導体
を⽤いることにより、従来のSi系パワー半導体の約1/4〜1/5のスイッチング損失で超⾳波発振を可能
にしました。
④ターゲットとする市場
⾃動⾞(HEV/EV)関連部品、半導体関連部品、光学レンズ・プリント基板、
更には医療器具、航空宇宙関連部品など、低ダメージで高洗浄⼒が要求される精密部品洗浄分野への
販売を⾒込んでいます。