JP Smileプロジェクトの さらなる発展をめざして

第1回
第1回
全国フォーラム開催
福祉型労働運動/
JP Smileプロジェクトの
さらなる発展をめざして
編集部
全国フォーラム開催
福祉型労働運動/
JP Smileプロジェクトのさらなる発展をめざして
地域との絆を深めて
互いに助け合う安心社会へ
1日目の全体集会では、小俣中央執行
トロール回数を増やすなど、防犯に
一層の力を入れる等の取り組みをし、
効果を発揮していました。
委員長の本部あいさつ、久本喜造・神戸
市長の歓迎あいさつの後、JP総合研究
● 鹿野アドバイザー 提言
所が主催する地域社会研究会メンバー
(株)アプレ コミュニケーションズ代
でもある神戸学院大学教授・北海道大学
表で仕事と暮らしの研究所代表でもあ
名誉教授の金子勇先生から『労働者福祉
る福祉型労働運動アドバイザーの鹿野
活動の意味と意義』のテーマで基調講演
和彦氏からは『
「福祉型労働運動」
=JP労
がありました。
組がめざす安心・安全の社会づくり』の
テーマで①福祉型労働運動とは、②JP
● 金子先生 講演要旨
全国24,000局の郵便局
・東京や大阪などの郵便局ネットワー
③福祉型労働運動
クの良さは、大都市だけでなく過疎
が想定する10の活
が進んだ限界
動領域、④福祉型
JP労組が取り組んでいる福祉型労働
集落にも繋が
労働運動を推進・
運動/ JP Smile プロジェクトの第1
っていること
発展させる視点に
で、地域の最後
ついて、提言があ
の砦として、郵
りました。
ネットワークをもつ郵政事
業は、地域に根ざした事業を
展開しています。地域社会の衰退が進め
ば、郵政事業をめぐる事業環境、雇用環
境は厳しい状況となります。郵政事業に
とって、地域社会の活性化は事業の発展
の基盤です。また、JP労組は郵政事業
で働く仲間で構成される労働組合であ
り、市民としてこれまでも地域社会に密
着した運動を行ってきました。
福祉型労働運動は、JP労組が社会
の一員として「労働組合の社会的責任
(USR)
」を果たすために取り組んでい
る活動です。現在、少子高齢化は地域社
会にも影響を及ぼしつつあり、労働組合
は企業に対する要求や交渉を中心とし
た活動をするのみならず、地域社会にお
いて社会的役割の発揮を求められる時
代となっています。人と人とが互いに助
け合い、地域社会の絆を深め、誰もが元
気に安心して暮らせる社会を創るため
に行う社会貢献活動が福祉型労働運動
なのです。
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労組が福祉型労働運動に取り組む理由、
回全国フォーラムが5月15日-16日
の2日間にわたり阪神・淡路大震災から
20年の節目の年を迎えた神戸で開催さ
れました。
本フォーラム開催の目的は、①全国か
ら福祉型労働運動/ JP Smileプロジ
便局は非常に
意味がある存
在です。
● パネルディスカッション
続いて、
『新たな絆&ふれあい社会の
・定年後の何十年をどう過ごすのかは
創造』と題して、公益財団法人さわやか
とても重要で、生きがいをもって幸
福祉財団常務理事の丹直秀氏、元連合兵
/ JP Smileプロジェクトがめざす「新
せでいられるように自分で人生を工
庫事務局長代理の土肥淳二氏、中央労働
たな絆&ふれあい社会」
(=共生社会)の
夫するべきです。福祉型労働運動は
金庫総合企画部の髙瀬美由紀氏、JP労
理念である「共助」
・
「助け合い」の考え方
生涯現役の動機づけにもなります。
組から増田喜三郎書記次長がパネリス
を組織内、社会へ浸透させることです。
・公社時代の北海道支社と北海道警察
トとして参加し、鹿野氏をコーディネー
本部の地域の安全のための相互連携
ターにパネルディスカッションが行わ
事例(P&Pセーフティーネットワー
れました。
ェクトの取り組み成果を持ち寄り、広く
社会に発信すること、②福祉型労働運動
今回は初めての全国フォーラムとい
うことでJP労組組合員、有識者等あわ
せて319人(地方からは245人)が参
加し、全体集会・分科会などで報告・意
見交換が行われましたので、その様子を
報告します。
ク)では、①郵便集配員が配達中に不
審な人物や車を見つけた時や交通事
故があった際に通報、②警察は全郵
便局で強盗対策訓練をし、周囲のパ
なんば議員が
ボランティア体験を語る
フォーラム終盤にはJP労組組織内議
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第1回
全国フォーラム開催
福祉型労働運動/
JP Smileプロジェクトのさらなる発展をめざして
分科会のテーマ・講師・実践支部
第 1 分科会:「高齢者&障がい者福祉のあるべき姿を考えよう」
講師 石原 康則 氏
社会福祉法人 電機神奈川福祉センター 理事長
杉山 真 さん
実践
塩釜 崇徳 さん
支部
福田 泰久 さん
南関東地本・山梨南部支部 書記長
東京地本・東京郵便輸送支部 執行委員
信越地本・高田支部 書記次長
第 2 分科会:「地域&子どもの安心・安全・未来を考えよう」
講師 米田 佐知子 氏 子どもの未来サポートオフィス代表
那須 謙一 さん
実践
松本 賢明 さん
支部
森山 良二 さん
関東地本・前橋支部 執行委員
東海地本・東海郵便輸送支部 支部長
九州地本・鹿児島中央支部 書記長
第 3 分科会:「自然災害復興支援・環境美化を考えよう」
東京地本・新東京支部が南相馬の福祉施設に作成し
てもらった「ふくろーくん T シャツ」
(第3分科会)
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動)
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パネルディスカッションの様子
員のなんば奨二参議院議員が駆けつけ、
講演と実践支部による活動紹介が行わ
阪神・淡路大震災当時、岡山から傾く高
れました。実践支部の活動紹介後には、
速道路を通り被災地へ物資を運んだ自
活動を立ち上げる際の苦労や工夫した
らの体験について語り、ボランティア活
点等について質問が出て、活発な意見交
動の重要性を訴えるとともに、福祉型労
換となりました。
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講師 岡田 憲夫 氏
関西学院大学 総合政策学部 教授・災害復興制度研究所 所長
菅家 和範 さん
実践
前田 健一 さん
支部
木村 幸宏 さん
東京地本・新東京支部 執行委員
北陸地本・能都支部 副支部長
中国地本・鳥取伯耆支部 書記長
第 4 分科会:「文化・スポーツ・イベントを通した社会貢献を考えよう」
講師 大廻 政成 氏
公益財団法人 丸岡文化財団常務理事 兼事務局長
砂田 信也 さん
実践
木場 政直 さん
支部
河野 宏和 さん
東北地本・弘前地方支部 書記次長
近畿地本・長田兵庫支部 支部長
四国地本・南予支部 執行委員
第 5 分科会:「郵政事業の特性を活かした地域貢献を考えよう」
講師 鹿野 和彦 氏
株式会社 アプレ コミュニケーションズ代表
渡辺 謙一 さん
実践
三島 正清 さん
支部
平良 哲康 さん
北海道地本・北空知支部 書記長
近畿地本・但馬支部 支部長
沖縄地本・北部支部 支部長
JP 労組が福祉型労働運動に
取り組むようになるまで
働運動の一層の発展を呼びかけました。
JP労組の福祉型労働運動は、本格展
開から3年目を迎えました。これまでの
活動により、全国で460機関中、約170
機関(37%)が「全機関・1 Action」とし
て、創意工夫した活動に取り組んでいま
す。今年度は、全国のすべての支部で「1
Action」の実践をめざしていきます。こ
阪神・淡路大震災時のボランティア体験を語る
なんば奨二 参議院議員
5 つの分科会で
取り組み成果を共有
2日目は5つの分科会に分かれ、それ
ぞれ設定されたテーマに沿って、講師の
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のフォーラムを通じて、全国各地でJP
労組の「福祉型労働運動」がさらに広が
第1回定期全国大会(2008年6月)
究会・第1次報告書)をとりまとめまし
で、当時の山口委員長が「労働組合の社
た。そして2010年度からは各地本1
会的責任を果たさなければならないと
支部を「モデル支部」として選考し、実
考えており、JP労組として、福祉型労
践活動をスタートさせました。2011
働運動を探求し、推進していかなけれ
年度からはモデル支部を各地本2支部
ばならない」と表明しました。JP労組
へ増やしました。2012年は本格展開
は結成当初から「福祉型労働運動」をめ
に向けて、全支部に福祉型労働運動を
ざして運動をスタートさせたのです。
定着させるため、
「福祉型労働運動の理
まずはJP総合研究所において、
「福
念と行動指針」
を決定するとともに、
「チ
祉型労働運動」のフレームを策定する
ャレンジ支部」を公募し、2012年度
ための基礎的研究を実施し、2009年
は25機関、2013年度は23機関を決
なお、全国フォーラムの詳細をまとめ
5月に「
『福祉型労働運動』への提言」
(福
定し、全国で活発な取り組みを展開し
た報告書は、秋頃にJP労組から発行さ
祉型労働運動のあり方に関する調査研
てきました。
ることを期待します。
れる予定です。
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