う 予防フッ化物洗口剤

** 2014年4月改訂
(第8版)
* 2013年8月改訂
(第7版)
薬効分類名
日本標準商品分類番号
う蝕予防フッ化物洗口剤
87279
商品名
ミラノール顆粒 11%
一般名
フッ化ナトリウム
剤型
劇薬
承認番号
21700AMZ00612
貯法
関する
使用上の注意
顆粒剤
規制区分
薬価基準収載
*
用法・用量に
薬価基準対象外
1968 年 5 月
再評価
1985 年 7 月
1.組成
1g中
有効成分
組成・性状
添加物
フッ化ナトリウム 110mg
D−マンニトール、キシリトール、マクロ
ゴール6000、
リン酸二水素ナトリウム、
セチルピリジニウム塩化物水和物、パラ
オキシ安息香酸エチル、
パラオキシ安息
香酸プロピル、
ヒドロキシプロピルセル
ロース、
ケイヒ油、
l−メントール、
香料
*
使用上の注意
〈洗口方法〉
薬液を口に含み、約30秒間薬液が十分に歯面にゆきわた
るように含み洗いさせる。次に薬液を十分に吐き出させ
る。
1回に口に含む液量は、年齢等による口腔の大きさを
考慮して定めるが、通常未就学児で5mL、学童以上で7∼
10mLが適当である。
1. 使用に際しては間違いなく洗口が出来ることを確認してか
ら使用させること。洗口ができない場合には、水で洗口を
練習させること。飲み込むおそれのある幼・小児には使用
しないこと。
2. 飲み込まないようよく指導すること。
3. 顆粒のままでは劇薬であるので、必ず洗口液をつくり使用
するよう指導すること。また、指定した使用量を守るよう指
導すること。
4. 使用方法
(洗口液の作り方、洗口方法)
については十分に保
護者に対して説明し、家庭での幼・小児の洗口は保護者の
監督下で行わせること。
5. 洗口液の調製法
ミラノール顆粒11%は易溶性顆粒であり、水を加えて軽く
ふりまぜることにより容易に溶解して無色・芳香性の洗口
液となる。
*
用法・用量に
関する
使用上の注意
ミラノール
顆粒
11%の量
洗 口 液
用法
水の量 フッ化ナト フッ化物 1mL中のフッ化
リウム濃度 イオン濃度 ナトリウムの量
1包1g
毎日法
(黄色分包)
200mL
0.055% 約250ppm
0.55mg
1包1.8g
毎日法
(ピンク色分包)
200mL
0.099% 約450ppm
0.99mg
1包1.8g
週1回法 100mL
(ピンク色分包)
0.198% 約900ppm
1.98mg
6. 洗口の方法
(1)
調製した洗口液から1回量を量り取る。
(2)
口に含み、約30秒間洗口液が十分に歯面にゆきわた
るように、口を閉じ頬を動かす
「ブクブクうがい」
を行
う。
(洗口図参照)
(3)
洗口は、
嚥下を避ける目
的で、
下を向いて行う。
(洗口図参照)
過敏症状
3. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与*
妊娠中及び授乳中の使用に関する安全性は確立していない。
齲 蝕 の予防
通常フッ化ナトリウムとして0.
2%溶液5∼10mLを用い、週
1回食後又は就寝前に洗口する。
う
予防フッ化物洗口剤
う蝕予防フッ化物洗口剤
頻度不明
1. 毎日法
通常フッ化ナトリウムとして0.
05∼0.
1%溶液5∼10mL
を用い、
1日1回食後又は就寝前に洗口する。
2. 週1回法*
*
用法・用量
フッ化物洗口剤
2. 副作用
本剤は、使用成績調査等の副作用の発現頻度が明確となる調査を実施
していない。
その他の副作用
以下の副作用があらわれた場合には、洗口を中止するなど、
適切な処置を行うこと。
過敏症
2.性 状 白色の顆粒で芳香がある。
効能・効果
7. 洗口時の注意
(1)
洗口の前には、歯をみがくか、水で口をすすぐこと。
(2)
洗口液1回の量は一度で口に含むこととし、口に含めなかった洗口液
は捨てること。
(3)
洗口後の洗口液は十分に吐き出すこと。
(4)
洗口後30分間はうがいや飲食物をとらないようにすること。
1. 重要な基本的注意*
(1)
歯科医師の指導により使用すること。
(2)
誤って飲用し、嘔吐、腹痛、下痢などの急性中毒症状を起こした場合
には、牛乳、グルコン酸カルシウムなどのカルシウム剤を応急的に服用
させ、医師の診療を受けさせること。
遮光した気密容器
発売開始
医療用医薬品
歯 科 医 院 用
4. 過量投与*
歯の形成期∼萌出期にあたる6歳未満の小児が繰返し誤飲
した場合、
フッ化物の過量摂取による斑状歯が発現する可
能性がある。
*
臨床成績
0.
05∼0.
1%フッ化ナトリウム溶液の毎日法、又は0.
2%フッ化ナトリウム溶
液の週1回法に関する臨床試験は実施されていない。
*
薬効薬理
フッ化物洗口法の効果として(1)
萌出後のエナメル質の耐酸性を増強する
(2)
再石灰化を促進する(3)
歯垢細菌の代謝活性を抑制する作用があげら
れており、その機序として歯の主成分であるハイドロキシアパタイト
(Ca10
(PO4)
(OH)
に、
フッ化物イオン
(F−)
が作用し、水酸基
(OH−)
と置換する
6
2)
ことにより、ハイドロキシアパタイトよりも耐酸性の強いフルオロアパタイ
ト
(Ca10
(PO4)
F2)
が生成して、
う蝕予防の効果を示すとされている。
6
有効成分に関する
理化学的知見
一般名:フッ化ナトリウム
分子式:NaF
分子量:41.
99
性 状:白色の結晶性粉末で、
においはない。水にやや溶けやすい。
(1)
規制区分:劇薬
(2)
ミラノール顆粒11%の溶解・洗口液の保存にはプラスチック製容器を
使用すること。
〔ガラス容器はフッ化物によって腐蝕する。〕
* (3)
洗口液は使用後すぐにフタを閉めること。
取扱い上の注意
(4)
洗口液は出来るだけ清潔ですずしい所に保管すること。
(5)
本剤及びその洗口液は子供の手の届かない所に保管すること。
(6)
洗口液の外観に変化が見られた場合には、その洗口液は捨て、
よく洗っ
た容器に新しい洗口液を作ること。
**
包装
1g×90包、
180包
1.
8g×90包、
180包、
450包、
1080包
キシリトール
ǖǠȓ
DZÁȔ
添加物
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セチルピリジニウム塩化物水和物
として ǤǪȔǽȓǡǴǏȉѩҎോॼ༹ോ
ƞƍƜ
(CPC採用)
Ï&3&‫ޏ‬ຌÐ
■発売元
■製造販売元
〒538-0053 大阪市鶴見区鶴見2丁目5番4号
包装
1g×90包
1g×180包
1g×90包 1.8g×90包
1g×180包1.8g×180包 1.8g×450包
1.8g×90包 1.8g×180包 1.8g×450包
http://www.bee.co.jp/
1.8g×1080包
毎日法の場合(250∼450ppmF)
年 齢
ミラノールの
使用例
種 類
1包の
使用日数例
洗口液の作り方
用法・用量
∼3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ∼Ⅱ∼ 成人 ∼Ⅱ∼ 高齢者 1g分包 フッ素濃度250ppm
1回5mLの使用[40日分]
1 【毎日法】
1.8g分包 フッ素濃度450ppm
1回7mLの使用[28日分]
1回10mLの使用[20日分]
通常フッ化ナトリウムとして0.05∼0.1%溶液5∼10mLを
用い、1日1回食後又は就寝前に洗口する。
保存方法
2【 週1回法】
溶解後、
室温
(1∼30度)
で
40日間使用可能。
冷蔵庫の保存が安心です。
洗口のしかた
通常フッ化ナトリウムとして0.2%溶液5∼10mLを用い、
週1回食後又は就寝前に洗口する。
ミラノール顆粒
水の量
毎日法
200mL
0.055% 約 250ppm
0.55mg
1 包 1.8g
毎日法
(ピンク色分包)
200mL
0.099% 約 450ppm
0.99mg
1 包 1.8g
週 1 回法 100mL
(ピンク色分包)
0.198% 約 900ppm
1.98mg
11%の量
★1 日 1回、
5∼10mL を口に含み約30秒間洗口します。
1 包を溶解瓶へ
200mL の
水で溶解する
1 包 1g
(黄色分包)
かるく振って
溶かす
1g 分包(黄色)は約 250ppmF、
1.8g 分包(ピンク)は約 450ppmF の洗口液となります。
洗 口 液
用 法
フッ化ナト
リウム濃度
フッ化物
イオン濃度
1mL 中のフッ化
ナトリウムの量
推奨使用法
週1回法の場合(900ppmF)
歯をよく磨き、
汚れを落とします。
液をはき出します。
うつむいてブクブク
うがいを約30秒間します。
集団での洗口
洗口後30分程度は飲食をさけてください。
ご利用下さい。
アルカ
リ水、硬度の高いミネ
ラルウォーターは 使
用しないで下さい。
100mL の
水で溶解する
かるく振って
溶かす
毎 日 法
週1回法
学齢期
溶解後、
室温
(1∼30度)
で
保管してください。
なお、
冷蔵庫の保存が安心
です。
集団応用の場合は、
使用ごとの調製を推奨い
たします。
溶かす水は水道水を
毎 日 法
未就学児
添付文書・使用説明書につきましては弊社ホームページ、
または弊社担当者までお問い合せください。
保存方法
洗口液の作り方
1.8g分包(ピンク)
1 包を溶解瓶へ
毎 日 法
家庭での洗口
は【 毎 日
家庭内の洗口
につい
法 】が、集 団 応 用
では毎日
ては【未就学児
では
【学齢期以上
法 】、
日法】が
週1回法及び毎
す。
推奨されていま
1.8g分包(ピンク)を100mLの水で溶かすと 900ppmF になります。
フッ化物洗口による、
う蝕予防のしくみと効果
歯に対して
口腔内環境に対して
佐賀県12歳児のむし歯数とフッ化物洗口実施状況
集団応用フッ化物洗口実施の推移(1983-2012)
※参考文献 3
(本)
3
佐賀県(むし歯数)
全国(むし歯数)
88.0
96.6
フッ化物洗口実施率
(%)
98.8 98.8
100
一人平均むし歯数
※参考文献 2
歯質の強化(耐酸性増強)
エナメル質中のフッ素量の増加にともないカルシウムの溶出は
抑制され、
エナメル質の酸抵抗性は高くなる!
その1
初期う蝕
(白斑)
の状態にフッ素イオンがあると、再石灰
化が促進され、
もとの歯より酸抵抗性が高くなります。
(上図)
フッ化物洗口法によるエナメル質表層のフッ素濃度の増加とカルシ
ウム溶出量
(酸抵抗性)
の関係 ※参考文献1
その2
フッ素イオンは歯垢に貯留され歯垢のpHが低下する
と、徐々に放出され再石灰化が促進されます。
1
60
51.7
40.2
40
32.8
22.3
20
0
03
20
04
20
05 006
20
2
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
0
施設数
洗口人数
10
9
8
フッ化物洗口実施率
80
2
酵素を阻害するフッ素
濃度は約30ppm以上
と言われています。
(千施設)
98.8
78.7
※参考文献 4
7
(万人)
100
2012年3月末調査結果
全国で8,584施設、891,655人
が集団フッ化物洗口を実施
90
80
70
6
60
5
50
4
40
3
30
2
20
1
10
0
0
83 85 87 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12
19 19 19 19 19 19 19 19 20 20 20 20 20 20 20
1. 「フッ素含有洗口液によるう蝕予防方法の基礎的研究」 Ⅱフッ素取込量と耐酸性について ─可児端夫他. 口腔衛生学会雑誌. 1980;30(2):98-103.
2. 『フッ素とう蝕予防 ─現代の概念と評価─』P.87 ─ Ernest Newbun, ㈱学建書院. 1986
3. 「一人平均むし歯数」 文部科学省学校保健統計調査 「フッ化物洗口実施率(公立小学校)」 佐賀県健康増進課調べ
4. 『日本におけるフッ化物製剤─フッ化物応用の過去・現在・未来─』P.19 ─NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議編、一般社団法人口腔保健協会