PRESS RELEASE 報道関係者各位 (本資料は米国報道発表資料の抄訳です) 2015 年 7 月 8 日 ボストン コンサルティング グループ 世界資産運用市場: 2014 年末の預り資産は前年比 8%増加の 74 兆ドル、 3 年連続過去最高を更新~BCG 調査 今後の資産運用市場のけん引役は、世界全体の金融資産の 3 分の 1 を保有するアジア・太平洋地域 米国ニューヨーク発、2015 年 7 月 7 日 ――ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)はグローバルアセッ トマネジメント・レポートの 2015 年版「Global Asset Management 2015: Sparking Growth with Go-to-Market Excellence」を発表しました。 資産運用市場の市場規模は 3 年連続で過去最高を記録 2014 年末の運用預り資産は 74 兆ドルと、3 年連続で過去最高を記録したと推計されました(図表 1)。成長率は 2013 年比 8%増と、2013 年(前年比 13%増)に比べ鈍化しました。市場の成長の主な要因は株式・債券市場の影 響ですが、市場への資金の流入も堅調で、純資金流入額が年初の運用預り資産に占める割合は 1.7%となりました。 金融危機前の 3~5%という水準には至らないまでも、2012 年以降の回復基調を維持しています。特にヨーロッパで は金融危機以降初めて、純資金流入額がプラスとなりました。 図表1: 世界の運用預り資産額推移 (兆ドル) 100 +8% +4% 80 74 69 +12% 60 55 46 40 31 20 0 2002 2007 2008 2013 2014 年平均成長率 (%) . 注: Sizing corresponds to AuM sourced from each region and professionally managed in exchange for management fees; includes captive AuM of insurance groups or pension funds if those AuM are delegated to asset management entities with fees paid; 43 markets covered globally, including offshore AuM. For all countries whose currency is not the U.S. dollar, we applied the average 2014 exchange rate to all years. 出所: BCGグローバルアセットマネジメント・データベース2015、BCGグローバルアセットマネジメント・ベンチマーキング2015 © BCG 2015 - ALL RIGHTS RESERVED. 今後の資産運用市場の成長をけん引するアジア・太平洋地域 主に中国やインドにけん引され、アジア・太平洋地域の運用預り資産は、2014 年も引き続き世界中で最も大きな成 長を遂げたと見込まれます。しかし、アジア・太平洋地域は世界の金融資産の 3 分の 1 を保有するに至っているに .1. も関わらず、運用預り資産額のシェアでは世界の 15%を占めるにすぎず、その拡大ペースは金融資産の拡大ペー スに大きく遅れを取っています。巨大な人口を抱え、経済成長率も高い中国、インド、インドネシアで資産運用の浸 透率が現在も低水準にあることを見ても、資産運用市場の潜在的な成長力の高さがうかがえます(図表 2) 。本レポ ートの共著者の一人、BCG 香港オフィスのパートナー、ニック・ガーディナーは「アジア・太平洋地域での運用預り 資産は、富の拡大と退職金の運用ニーズを原動力にますます成長すると考えられます。アジア、特に中国では、人 口動態的なトレンドと年金制度の改革により、退職金運用市場は大きな転換点にあるといえるでしょう」とコメントして います。本レポートの 3 章ではアジア・太平洋地域の資産運用市場の今後の大きな可能性について分析しました。 図表2: アジア・太平洋地域各国の 金融資産全体に占める運用預り資産のシェアと 1人当たりGDP 金融資産全体における 運用預り資産のシェア (%) 20 オーストラリア (#3) 15 タイ (#11) マレーシア (#9) 韓国 (#4) インド(#6) 10 日本 (#1) 香港 (#5) シンガポール (#10) 5 中国 (#2) 台湾 (#7) インドネシア (#8) 0 0 20,000 40,000 60,000 80,000 : 新興国市場 1人当たりGDP : 先進国市場 (USドル) 国名 (#X) : 円の大きさは人口を表す。 国名の後の数値はアジア・太平洋地域内における、運用預り資産額のランキング 出所: BCGグローバルアセットマネジメント・データベース2015、Economist Intelligence Unit (EIU)、BCG 分析 © BCG 2015 - ALL RIGHTS RESERVED. 運用手数料には引き続き下押し圧力がかかるものの、運用会社の利益額は調査開始以来最高へ 運用会社の利益額は世界全体で 1,020 億ドルと、前年比 7%増加して調査開始以来最高額であったと推計されま す。また、利益率も 39%と好調だった前年と変わらず、金融危機前の水準(41%)に近いレベルを維持したと見込ま れます。ただし、機関投資家は運用手数料についてより厳しく検討するようになっており、リテール部門でも、販売チ ャネル構造の変化や、消費者から見た透明性を高めることを目的とした規制強化が手数料引き下げ圧力として働い ています。ソリューション型、スペシャリティ型など新しいタイプのファンド(非伝統的資産)へ資金が流入する近年の 傾向は続き、「アクティブコア型」ファンドが全体に占める割合は 2003 年の 59%から、2014 年には 39%まで低下し ました。 本レポートの共著者の一人、シカゴオフィスのシニア・パートナーであるブレント・ビアズリーは「運用会社は将来、市 場の拡大を前提にできないなかで、成長を実現しなければならなくなるでしょう。そのためには、自社の"Go-toMarket" (マーケティング、営業のあらゆる要素を統合した概念)アプローチに関わる組織能力、特に、マーケティン グ、販売、プライシング(価格設定)などの分野で価値を創造するための能力と実行力を高める必要があります」とコメ ントしています。本レポートの第 2 章では、成功している企業がビッグデータをはじめとするデータ主導の Go-toMarket アプローチの革新をどのように実現しているのか、考察しています。 .2. ■BCG グローバルアセットマネジメント・レポートについて BCG では、主要国における市場調査と大手運用会社を対象にしたベンチマーキング調査を基に、資産運用市場と 運用会社の動向についてまとめたレポートを毎年発行しています。13 回目となる今回は、135 社を超える大手運用 会社のベンチマークと、幅広いグローバル市場調査を実施しました。 調査レポート: 「Global Asset Management 2015: Sparking Growth with Go-to-Market Excellence」 https://www.bcgperspectives.com/content/articles/financial-institutions-global-asset-management-2015sparking-growth-through-go-to-market-strategy/ ■日本における担当者 山井 康浩 パートナー&マネージング・ディレクター 東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学経営学修士(MBA)。日本銀 行、米国系戦略コンサルティングファームを経て現在に至る。 BCG 金融グループ、保険グループのコアメンバー。 ■ボストン コンサルティング グループ(BCG)について BCG は、世界をリードする経営コンサルティングファームとして、政府・民間企業・非営利団体など、さまざまな業 種・マーケットにおいて、カスタムメードのアプローチ、企業・市場に対する深い洞察、クライアントとの緊密な協働 により、クライアントが持続的競争優位を築き、組織能力(ケイパビリティ)を高め、継続的に優れた業績をあげら れるよう支援を行っています。 1963 年米国ボストンに創設、1966 年に世界第 2 の拠点として東京に、2003 年には名古屋に中部・関西オフィ スを設立しました。現在世界 46 ヶ国に 82 拠点を展開しています。http://www.bcg.co.jp/ bcg.perspectives サイトでは、さまざまな業界・分野に関する BCG の知見をまとめたレポート、記事およびインタ ビュー映像などをご紹介しています。https://www.bcgperspectives.com/ ■本件に関するお問い合わせ ボストン コンサルティング グループ マーケティング 伊原 Tel : 03-5211-0600 / Fax : 03-5211-0333 Mail: [email protected] .3.
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