京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) 工業数学F2 #11 離散フーリエ変換を高速化する 京都大学 加納 学 京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻 Human Systems Lab., Dept. of Systems Science Graduate School of Informatics, Kyoto University 前回の宿題 2 1. 次の参考資料を読んで理解する. n 金谷健一,これなら分かる応用数学教室, 共立出版,2003 「第4章 離散フーリエ解析」 n 高速フーリエ変換や離散コサイン変換も理解すること. n 参考資料と講義スライドでは,離散フーリエ変換の定義 (1/N をどちらの式に書くか)に加えて,いくつかの記号が 異なるので注意すること. 2. 「高速フーリエ変換」の概要をレポートにまとめて提出する. n A4紙2頁以内にまとめること. Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. 1 京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) 復習:離散フーリエ変換 3 周期 2π の周期関数 f (x) について, 1周期を N 分割したサンプル点 xn でのサンプル値を fn とする. 離散フーリエ変換 Outline 4 l 1の原始N乗根 l 高速フーリエ変換 l 宿題 Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. 2 京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) 1の原始N 乗根 5 1の原始N乗根(N乗して初めて1になる数) オイラーの公式 レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler) (1707-1783 ) 1の原始N 乗根 6 1の原始N乗根 Nが偶数のとき Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. 3 京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) 7 1の原始N 乗根 : 回転因子 1の原始N乗根(回転因子) Im Nが偶数のとき 0 1 Re 後半は前半 N/2 点の符号を反転させたもの Outline 8 l 1の原始N乗根 l 高速フーリエ変換 l 宿題 Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. 4 京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) 高速フーリエ変換 9 l 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform; FFT) n 離散フーリエ変換を高速化するアルゴリズム. n 1805年頃,カール・ガウス(Johann Carl Friedrich Gauss, 1777-1855)によってアルゴリズムが開発された が,この業績は広く知られなかった. n 1965年に,ジェイムズ・クーリー(James W. Cooley)と ジョン・テューキー(John W. Tukey)が独自に導出したア ルゴリズムと計算機への実装方法を発表したことにより, FFTは脚光を浴びた. n Cooley-Tukey型アルゴリズムの他にも, 複数のアルゴリズムがある. カール・ガウス(Johann Carl Friedrich Gauss) (1777-1855) 離散フーリエ変換の行列表現 10 離散フーリエ変換 Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. 5 京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) バタフライの導出 バタフライの導出 11 12 計算量半減 Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. 6 京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) 13 バタフライ(N =2) FFT2 バタフライ f0 FFT1 F0 f1 FFT1 F1 FFT1 14 バタフライ(N =4) FFT2 FFT2 Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. f0 FFT1 F0 f1 FFT1 F1 7 京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) 15 バタフライ(N =4) FFT4 f0 f1 f2 f3 F0 FFT2 FFT2 FFT2 F1 f0 FFT1 F0 F2 f1 FFT1 F1 F3 バタフライ(N=4) バタフライ(N=2) 16 バタフライ(N =8) FFT8 f0 f1 f2 f3 F0 FFT4 F1 F2 F3 f4 F4 f5 F5 f6 f7 FFT4 Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. F6 F7 FFT4 f0 f2 f4 f6 FFT2 FFT2 F0’ F1’ F2’ F3’ FFT2 f0 FFT1 F0’’ f4 FFT1 F1’’ 8 京都⼤大学⼯工学部物理理⼯工学科 ⼯工業数学F2(フーリエ解析) Outline 17 l 1の原始N乗根 l 高速フーリエ変換 l 宿題 宿題 18 1. 「高速フーリエ変換(FFT)」の応用例を1つ選択し, レポートにまとめて提出する. n A4紙2頁以内にまとめること. n 応用例の概要(その技術の目的や装置構成など)を分か り易く述べること. n 応用例において,どのようにFFTが活用されているかを明 確に述べること. Copyright © 2012-2015 Manabu Kano. All rights reserved. 9
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