竹田市国保データヘルス計画

竹田市国民健康保険
データヘルス計画
平成27年度~平成29年度
目次
1.データヘルス計画の背景とねらい
・・・・・・・スライド3
2.竹田市国民健康保険の状況
・・・・・・・スライド5
3.現在の保健事業の取り組み
・・・・・・・スライド6
4.医療・健康情報の分析
健診の分析、医療の分析、介護の分析
・・・・・・・スライド10
5.分析結果に基づく健康課題の把握
・・・・・・・スライド17
6.健康課題における実態と保健事業の展開
・・・・・・・スライド18
2
1.データヘルス計画の背景とねらい
(1)背景と位置づけ
平成20年度から、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき「竹田市国民健康保険特定健康診査等実施計画を
策定し、被保険者の健康寿命の延伸、医療費の適正化を目指し取り組みを行ってきた。
そのような中、国民健康保険法第82条で規定された保健事業について、平成26年3月に「国民健康保険法に基づく
保健事業の実施等に関する指針」が改正され、健康・医療情報(健康診査の結果や診療報酬明細書等から得られる
情報、各種保健医療関連統計資料その他の健康や医療に関する情報をいう。)を活用して、PDCAサイクル(事業を
継続的に改善するため、Plan(計画)―Do(実施)―Check(評価)―Act(改善)の段階を繰り返すことをいう。)に沿っ
た保健事業の実施計画(以下「データヘルス計画」という。)を策定した上で、当該計画に基づく保健事業実施及び評
価を行うことと示された。
データヘルス計画の策定に当たっては、特定健康診査等実施計画と一体的に策定することが望ましいとされている
ことから、それらの策定趣旨を踏まえつつ、改めて健康・医療情報等を活用したデータ分析を行い、この結果に基づ
き、国保保健事業として必要な事業を構築するための計画化を行う。
(2)計画期間
計画期間は第2期竹田市国民健康保険特定健康診査等実施計画(平成25年度~平成29年度)の最終年度と整
合させ、平成29年度までの3か年とし、次期データヘルス計画は、第3期の特定健康診査等実施計画と一体的に策
定する。
3
(3)他計画との整合
データヘルス計画は第2期特定健康診査等実施計画や健康増進計画と整合性を図ることとされている
ため、本市のこれらの計画に掲げる施策、評価指標との整合が図れるように調整する。
0歳
40歳
74歳 75歳以上
市民
国保被保険者
国保データヘルス計画
後期高齢者医療
被保険者
特定健康診査等実施計画
他の医療保険被保険者
各医療保険者でデータヘルス計画を策定
後期高齢者医療
広域連合でデー
タヘルス計画を
策定
健
康
増
進
計
画
生活保護受給者
4
2.竹田市国民健康保険の状況
被保険者の内訳の推移(年間平均)
10,000
0~6歳
8,000
6,000
1,690
1,524
7~64歳
医療費総額と加入者数
65~69歳
70~74歳
0
31億7300万円 31億6300万円
8,807
1,628
1,601
1,544
1,443
1,503
1,302
1,319
1,412
8,460
5,028
218
21年度
4,996
217
22年度
4,919
219
23年度
30億6200万円
4,621
4,342
198
24年度
192
25年度
8,500
30億9000万円
3,100,000,000
4,000
2,000
9,000
3,200,000,000
8,284
8,041
30億2800万円 8,000
3,000,000,000
7,682
29億5700万円
7,449
7,500
年代別加入率
2,900,000,000
84.1%
74.6%
90.0%
7,000
79.0%
59.6%
60.0%
37.0%
27.7%
27.7%
21.0%
26.7%
22.5%
30.0% 21.3%
20.7%
24.0%
18.6%
15.8%
19.1%
0.0%
40.7%
6,500
2,800,000,000
20年度
21年度
22年度
医療費総額
23年度
24年度
25年度
加入者数
60歳から加入率が増加し、65~74歳においては国保加入率は約80%である。
医療費総額は22年度をピークに減少してる。一方、加入者も年々減少している。
5
3.現在の保健事業の取り組み
竹田市国民健康保険では、健康寿命の延伸と医療費の適正化のため、下記の5本の柱を掲げ、各種保健事業を行っている。
(1)特定健康診査・特定保健指導の推進
(3)健康教育及び健康相談事業の推進
• 特定健康診査事業
• 特定保健指導事業
• 追加健診事業
• 特定健診等未受診者対策事業
• 30歳代健診事業(早期介入保健指導事業)
• 地域組織等と連携した健康教育事業
• 健診受診後相談事業
(2)保健指導事業の推進
• 特定健診結果から要フォロー者への保健指導事業
• 医療機関受診勧奨者訪問指導事業
• 生活習慣病予防講座事業
• 頻回・重複受診者訪問指導事業
• 柔道整復利用者患者調査及び保健指導事業
(4)疾病予防及び普及啓発事業等の推進
• インフルエンザ予防接種助成事業
• 医療費等の分析に基づく疾病予防の啓発活動等
• 医療通知等
(5)推進体制の整備等
• 健康づくり関係課との連携
• 職員の研修
6
これまで実施してきた保健事業の振り返り
(1)特定健康診査・特定保健指導の推進
事業名
目的及び概要
開始年度
特定健康
診査事業
【目的】加入者の健康維持
【概要】メタボリックシンドロームに着目した健診の実施。
20年度
受診率が50%前後であり、受診率向上が課題。
特定保健
指導事業
【目的】生活習慣病リスク保有者の生活習慣、健康状態
の改善。
【概要】メタボリックシンドロームの減少のための保健指
導の実施。
20年度
特定保健指導実施率は全国的に見ても高め
であるが、実施率のさらなる向上と、効果をだ
す保健指導が課題。
追加健診
事業
【目的】慢性腎不全の予防及び早期治療開始。
【概要】腎機能検査項目の追加。
特定健診等
未受診者
対策事業
【目的】特定健診受診率向上。
【概要】未受診者に対する受診勧奨(未受診者通知、電
話かけ等)の実施。
30歳代
健診事業
【目的】30歳代での健康意識の向上と特定健診受診率
向上への寄与。
【概要】30歳代に対して、特定健診と同内容の健診と保
健指導を実施。
効果、課題等
20年度:クレア
尿酸を追加した翌年から高尿酸血症の有病率
チニン追加
が県下で1~2位。尿酸値の高い方の発見及
23年度:尿酸
び早期受診への効果あり。
値追加
20年度
25年度受診勧奨後の受診率16.4%。未受診
者対策の強化が課題。
20~22年度:
受診率は毎年20%前後。健診後要受診となる
39歳のみ
者もいることから健診受診率と保健指導実施
23年度~30歳
率の向上が課題。
7
代へ拡大
(2)保健指導事業の推進
事業名
目的及び概要
特定健診結果
【目的】要指導者の生活習慣、健康状態の改善。
から要フォロー者 【概要】疾病の発症及び重症化予防のための保
への保健指導事業 健指導の実施。
医療機関
受診勧奨者
訪問指導事業
【目的】要医療者の生活習慣、健康状態の改善と
医療継続受診の促進。
【概要】治療の有無に限らず要医療の者に対して、
医療継続受診を促すための訪問保健指導の実施。
生活習慣病
予防講座事業
【目的】生活習慣病に対する知識の普及啓発と参
加者の生活改善。
【概要】糖尿病(現:生活習慣病)重症化予防地域
連携検討会の一環として講座を実施。
頻回・重複受診者
訪問指導事業
【目的】適正受診促進。
【概要】重複・頻回受診者に対する受診・服薬状況
の確認と適正受診への訪問保健指導を実施。
柔道整復利用者
患者調査及び
保健指導事業
【目的】実態把握と適正受診促進。
【概要】実態把握アンケート調査と適正受診への
訪問保健指導を実施。
開始年度
効果、課題等
20年度
25年度は実施率78.7%。保健指導実施後の
行動 目標 の達 成状 況分 析を 行 った 結 果 、 約
70%で行動目標の実践、約90%で生活習慣改
善意識向上の効果あり。
20年度
脂質での受診行動で変化が大きく、血糖では最
も変化が見られなかった。受療行動に結びつき、
中断者をつくらない保健指導が課題。
23 ~ 25 年
度:糖尿病
26年度~ :
高血圧
23年度から3か年事業で糖尿病についての教
室を開催し、治療継続している者の割合が10%
増加、コントロール不良者の割合も年々減少す
るなど重症化予防において成果あり。
22年度
訪問件数は少ないが、23年度・24年度の効果
額は1人当たり30~40万円の減額となっており、
効果あり。
23年度
患者調査及び訪問指導を行っているが効果の
検証までは至っていない。今後、効果の検証と
普及啓発の継続が課題。
8
(3)健康教育及び健康相談事業の推進
事業名
目的及び概要
開始年度
効果、課題等
地域組織など
と連携した
健康教育事業
【目的】生活習慣病予防及び介護予防等の正しい知識の普及。
【概要】地域組織等と連携して、健診・医療費・介護等の関係につ
いての学習を実施。
22年度
「健康寿命」等の認知度も上がっている印象を受ける
が、今後も継続した啓発が必要。
健診受診後
相談事業
【目的】健康に関する正しい知識の普及。
【概要】健診結果の見方説明会を開催。希望者に栄養等に関する
個別相談を実施。
25年度
全受診者の6%参加、特定保健指導及び要フォロー
対象者の参加率26%。今後、健康づくり意識の向上
や健診受診率向上に寄与すると期待される。
開始年度
効果、課題等
21年度
肺炎が死因の上位になっていることから、積極的な
受診勧奨を促す上で今後も助成は必要。
20年度
26年度は国保運営協議会での意見をふまえた啓発
活動を実施。今度も継続した啓発が必要。
20年度
後発医薬品使用率59%、年々使用率が上昇しており、
通知等の効果あり。
開始年度
効果、課題等
(4)疾病予防及び普及啓発事業等の推進
事業名
目的及び概要
インフルエンザ
【目的】疾病の重症化予防。
予防接種助成事業 【概要】インフルエンザ予防接種料の助成を実施。
医療費等の分析に
【目的】加入者の健康増進と医療費の適正化。
基づく疾病予防
【概要】医療費や健診結果等の分析に基づいた広報活動等。
の啓発活動等
【目的】健康に対する意識の高揚や医療費の適正化、後発医薬品
の使用促進。
医療費通知等
【概要】医療費通知やジェネリック医薬品の自己負担軽減額通知を
実施。ジェネリック希望カードの全世帯配布。
(5)推進体制の整備等
事業名
目的及び概要
健康づくり関係課と 【目的】円滑で効果的な事業を実施。
の連携
【概要】健康づくり事業との情報の共有。
【目的】保健事業担当者のスキルアップとスキルの標準化
職員の研修
【概要】県や連合会等が主催する研修会に参加。
20年度
円滑な連携と連携強化が課題。
20年度
医療情報等は日々変化しているため、今度も継続し
9
た研修が必要。
4.医療・健康情報の分析
竹田市国民健康保険における健康課題を把握するため、医療・健康情報の分析を行った。
主要死因別死亡
20年
24.0
21年
25.4
22年
23年
24年
25年
13.7
13.5
28.2
19.5
24.2
20.2
悪性新生物
不慮の事故
慢性閉塞性肺疾患
12.0
11.0 4.14.1
10.3
11.1 4.2
3.4
16.4
18.4
12.4
心疾患
腎不全
肝疾患
10.7
15.0
10.4
50
14.3 3.0
1.8
10.9
18.3
13.3
平均寿命と健康寿命
17.4
22.4
脳血管疾患
老衰
その他
55
60
65
竹田市男性
77.6
大分県男性
76.99
70
75
80
85
90
2.93
2.83
5.6
2.6
3.7
2.2
5.3
2.9
肺炎
自殺
21年から肺炎が死因の第3位となっており、25年は第1位となった。
竹田市女性
79.74
6.6
大分県女性
80.26
6.3
健康寿命
障がい期間
女性のほうが障がい期間ながく、男性の2倍以上である。
※障がい期間とは、日常生活において支援や介護が必要となる期間。健康
寿命は、介護保険制度による要支援・要介護認定を受けていない方を健康
10
とみなして算出。
健診の分析
特定健診結果の状況
特定健診受診率
10,000
56.1
52.8
51.1
60
49.9
8,000
6,000
6,332
3,554
47.2
50
5,947
5,766
5,521
5,394
3,229
3,041
2,875
2,604
2,628
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
0
対象者数(人)
1000
57.9
60.9
63.0
59.5
60
60
50
50
605
478
350
291
477
419
284
40
354
318
223
193
23年度
24年度
25年度
30
対象者数(人)
22年度
終了者数(人)
該当率(%)
49.6
50.4
40
60%
51.6
56.5
80%
100%
20
32.3
10
実施率(%)
特定健診受診率は年々減少していたが、25年度微増した。
特定保健指導実施率は制度開始時から60%前後を維持している。
19.9
11.7
11.6
0
糖
尿
病
予
備
群
9.6
10.8
糖
尿
病
有
病
者
11.1
10.0
12.5
高
血
圧
予
備
群
11.5
高
血
圧
有
病
者
市町村計(合計)
竹田市(合計)
30
20
21年度
40%
高
脂
血
症
有
病
者
内
臓
脂
肪
予
備
群
23.3
25.6
32.4
17.9
内
臓
脂
肪
該
当
者
BMI25
220
0
20年度
20%
健診受診者の内、要受診割合が10%、治療中でコントロール不良者が40%である。
受診率50%を下回っていることから、地域にコントロール不良者、受診必要な者が潜
在している可能性が高い。
70
60.7
52.5
400
動機づけ支援
3.6%
受診不必要 積極的支援
2.1%
12.3%
特定健診結果有所見率(25年度)
600
200
0%
20
受診率(%)
受診者数(人)
受診必要
10.1%
コントロール不良
41.1%
30
特定保健指導実施率
800
25年度
10
20年度
コントロール良
30.8%
40
6,112
4,000
2,000
48.7
以
上
腹
囲
該
当
者
11
質問票の状況(25年度)
80.0
70.0
67.5 65.6
男性
66.366.7
女性
60.0
49.7
50.0
40.0
30.0
28.229.5
20.0
10.0
32.7
25.9
30.3
25.4
24.7
15.8
8.1
11.611.2
5.0 4.8
3.2
8.2
11.2
1.9
0.0
2.6 0.0
男女で比較すると男性のほうが該当者割合が高い項目が多い。特に「喫煙」「飲酒頻度(毎日)」は男女の差が顕著である。
男女とも、「運動習慣がない」「飲酒頻度(毎日)」「睡眠不足」の割合が県平均よりも高い。
男性は「喫煙」の割合が県平均よりも高い。
は県平均よりも高い項目
12
医療の分析
1人当たり医療費の推移
入院の受診率が県平均の1.22倍、
全国平均の1.87倍となっている。
診療費における構成比(24年度)
外来
竹田市
県
国
入院
竹田市
県
国
受診率
830.79
844.92
808.14
受診率
41.76
34.26
22.31
1件当たり費用額
16,083
14,474
13,850
1件当たり費用額
424,503
465,502
510,100
1人当たり費用額
133,611
121,149
111,926
1人当たり費用額
177,272
159,480
113,813
334,451
1日当たり費用額
9,158
8,547
8,263
1日当たり費用額
25,479
26,663
31,519
20年度
1件当たり
受診回数
1.76
1.69
1.68
1件当たり
日数
16.66
17.46
16.18
420,000
406,512
402,298
393,321
竹田市国保
400,000
県国保
380,000
383,023
361,976
386,609
360,000
369,987
335,804
340,000
376,407
359,890
346,638
320,000
300,000
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
医療費の高い疾患の状況(最大医療資源傷病名による)
精神
24%
その他
25%
尿路性
器
7%
消化器
9%
入院
筋骨格
11%
新生物
11%
循環器
13%
主な疾患名
統合失調症
うつ病
不整脈
狭心症
心臓弁膜症
脳梗塞
脳腫瘍
喉頭がん
大腸がん
食道がん
白血病
関節疾患
新生物
5%
その他
16%
呼吸器
6%
循環器
18%
外来
消化器
7%
精神
9%
筋骨格
10%
主な疾患名
高血圧症
狭心症
尿路性
器
15%
内分泌
15%
不整脈
慢性腎不全(透析含む)
前立腺肥大
糖尿病
脂質異常症
甲状腺機能低下症
関節疾患
痛風・高尿酸血症
13
※データはKDBシステムより算出
生活習慣病の実態(40~74歳国保加入者
平成26年度5月分)
分類
県内順位
分類
県内順位
糖尿病
15位
虚血性心疾患
11位
高血圧
3位
脳血管疾患
7位
人工透析
2位
高尿酸血症
2位
生活習慣病
6位
※国保連合会作成 生活習慣病の実態
200万円以上の医療費の状況
総
件
目
額(万円)
数(件)
1件当たり医療費(万円)
総額
循環器系疾患
件数
1件当たり医療費
総額
筋骨格系疾患
件数
1件当たり医療費
総額
その他疾患
件数
1件当たり医療費
21年度 22年度 23年度 24年度 25年度
12,765
10,386
13,473
9,909
11,924
45
38
46
34
44
284
273
293
291
271
4,213
4,511
5,768
4,425
3,673
10
14
18
13
11
407
323
320
340
334
5,288
2,796
4,132
2,864
4,962
22
11
15
12
20
240
255
275
239
248
3,264
3,079
3,573
2,619
3,289
13
13
13
9
13
251
237
275
291
253
循環器系疾患と筋骨格系疾患が70%を占めている。
分類(上位3位まで)
割合
精神及び行動の障害(統合失調症、精神遅滞等)
77.3%
神経系の疾患(アルツハイマー病、脳性麻痺等)
9.3%
筋骨格系及び結合組織の疾患(筋筋膜性腰痛症等)
4.0%
14位
脂質異常症
項
6か月以上入院の疾患状況
頻回・重複受診者、柔道整復利用者の状況
・疼痛緩和のため重複頻回受診になる傾向がある。
・かかりつけ医と他医療機関(専門医療機関)に受診し、病院数が多
くなる。
・かかりつけ医が決まっていない者は、病院の受診が不定期にな
り、医療機関を転々とする傾向がある。
後発医薬品使用状況
70%
60%
50%
48%
49%
51%
42%
43%
44%
40%
50%
52%
44%
45%
57%
59%
49%
50%
30%
竹田市
大分県
14
各地区の医療費状況(25年度)
1人当たり医療費の状況
1日当たり費用
額が高い
すべての要素
が高い
医療を受けている人のみでみた、
各地区の医療費状況(平均値、中央値)
650,000
600,000
550,000
500,000
450,000
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
250,000
200,000
150,000
100,000
竹 岡 明 豊 玉 松 入 嫗 宮 菅 宮 城 荻 柏 久 白 都 長 下
田 本 治 岡 来 本 田 岳 砥 生 城 原
原 住 丹 野 湯 竹
田
平均値
中央値
※国保連合会医療費分析システムから抽出したデータを基に算出
1.2倍以上
受診率が高い
1件当たり費用
額が高い
竹田市平
均より高い
1.1倍以上1.2倍未満
1.0倍以上1.1倍未満
0.9倍以上1.0倍未満
竹田市平
均より低い
0.8倍以上0.9倍未満
0.8倍未満
受診率が高い
熊本県側は一人当たり医療費が低く、県南側は1人当たり医療費が高い傾向がある。
※国保連合会医療費分析システム
15
介護の分析
介護認定率、1件当たり介護給付費(25年度)
要介護(支援)認定者の有病状況(25年度)
竹田市
大分県
国
80
介護認定率(%)
22.9
21.3
19.7
70
介護給付費(円)
63,085
60,415
61,370
60
居宅給付費(円)
34,808
40,212
40,567
50
施設給付費(円)
289,658
286,359
286,522
40
※データはKDBシステムより算出
介護が必要になった原因疾患(24年調べ)
呼吸器疾
患
2%
その他
29%
心臓疾患
8%
パーキン
ソン病
1%
認知症
14%
廃用症候
群
42%
※「廃用症候群」
とは過度の安静
や活動の低下が
原因で、起き上
がれない、歩くこ
とができないな
どの身体に生じ
た状態をいいま
す。
脳血管性
疾患
4%
69.6
58.6
36.9
30
20
23.1
16.5
10
0
糖尿病
心臓病
竹田市
脳血管
大分県
筋・骨疾患
精神
国
※データはKDBシステムより算出
介護が必要になった原因疾患は「廃用症候群」が40%を占めている。
要介護(支援者)の有病状況では「心臓病」「筋・骨疾患」の有病率が県平均より
も高い。
16
5.分析結果に基づく健康課題の把握
医療・健康情報の分析結果を整理すると以下のとおりである。
生活
• 「1日30分以上の運動習慣なし」「毎日飲酒」「睡眠不足」の割合が男女とも、県平均よりも高い。
• 男性は「喫煙」の割合が県平均よりも高い。
健診
• 特定健診受診率が50%を下回っている。
• 健診受診者の内、要受診割合が10%、治療中でコントロール不良者が40%である。
医療
介護
死亡
•
•
•
•
入院の受診率が県平均の1.22倍、全国平均の1.87倍となっている。
「精神疾患」「循環器疾患」「筋骨格疾患」「尿路性器疾患」の医療費が上位である。
生活習慣病の有病率では「高血圧」「高尿酸血症」「人工透析」が県内で上位に位置している。
200万円以上の高額な医療費のうち、「循環器系疾患」「筋骨系疾患」が70%を占める。
• 介護が必要になった原因疾患は「廃用症候群」が40%を占めている。
• 要介護(支援者)の有病状況では「心臓病」「筋・骨疾患」の有病率が県平均よりも高い。
• 主要死因の内、「肺炎」の割合が年々増加しており、平成25年は死因の第1位になっている。
健康課題
「高血圧及び循環器疾患」 「筋・骨格系疾患」
17
6.健康課題における実態と保健事業の展開
健康課題
「高血圧及び循環器疾患」 「筋・骨格系疾患」
PDCAサイクルの中でCheck(評価)―Act(改善)を行うためには、成果目標の設定が必要である。医療費
や疾病構造、介護認定状況などは長期的な視点でなければ効果を測ることが難しい。計画期間内にPDCA
サイクルを行うことができるためには、測定することが容易であり具体性があることが重要である。
より測定可能で具体的な目標を設定するため、健診・医療・介護のデータだけでなく、これまでの保健事業
の結果を踏まえた健康課題における実態を明らかにする。
18
健康課題における実態(高血圧及び循環器疾患)
平成26年度から竹田市では高血圧の発症・重症化予防に取り組んでいる。血圧管理の実態を把握するため平成26年度にアンケート
調査を実施した。
血圧の関心度
家庭血圧測定の実施状況
1:測ったこともないので知らない
2:測ったことはあるがおぼえていない
3:概ね知っている
空白
女性
( 治療 な し )
女性
( 治療 あ り )
2
3
4
24.1
空白
35.2
20.9
39.8
38.8
20.4
1:血圧計を持っていないので
3:時々測っている
全く測っていない
4:1日に1回測っている
2:血圧計を持っているが全く測っていない 5:1日に2回以上測っている
5
33.0
男性
( 治療 な し )
男性
( 治療あり)
1
4:日頃の血圧を知っている
5:日頃の血圧を知っており、
血圧が高いか低いかがわかる
51.0
女性
( 治 療 あ り)
27.1
24.5
女性
( 治 療 な し)
10.2
22.4
血圧の関心度は高いが、日頃の血圧値を知っているが、高いか低いかの
判断まではできていない。
正常血圧の値を認知できている者は半数を下回っていた。
2
3
17.6
8.3
男性
( 治 療 な し)
男性
( 治 療 あ り)
1
5
47.3
45.9
10.2
8.2
4
40.8
21.8
38.8
18.4
7.74.4
17.3
6.1 6.1
24.5
治療の必要がない時から家庭血圧測定の必要性を理解し実践している
者は少なく、治療が開始してからも習慣化するまでには至っていない。
19
※血圧管理の実態調査アンケート
降圧効果のある生活習慣の認知度
100.0
男性
80.0
(治療あり)
男性
60.0
(治療なし)
40.0
女性
(治療あり)
20.0
減
塩
野
菜
・
果
物
コ
レ
・
脂
魚
減
量
運
動
飲
酒
禁
煙
防
寒
ス
ト
レ
ス
女性
睡
眠
(治療なし)
降圧効果のある生活習慣の実践率
70.0
60.0
50.0
男性
(治療あり)
40.0
男性
(治療なし)
女性
(治療あり)
30.0
20.0
減
塩
野
菜
・
果
物
コ
レ
・
脂
魚
減
量
運
動
飲
酒
禁
煙
防
寒
ス
ト
レ
ス
睡
眠
治療中であると女性は
生活習慣の改善の意識
が向上し、実践にもつな
がっているが、男性は
服薬による治療に重点
が置かれ、生活習慣の
改善の実践率が低くな
る実態がみられる。
減塩や運動は、知識は
あるが実践や継続まで
結びついていない。
男性は食生活・運動習
慣の改善意識が低い傾
向がみられ、女性は減
量の実践を困難だと感
じている。
女性
(治療なし)
20
※降圧効果のある生活習慣の認知と実践状況調査
健康課題における実態(筋・骨格系疾患)
仕事以外に汗をかくような運動をしていますか?
保健指導後、対象者が行動目標を設定した状況
全くしていない
週1回以上
週2回以上
100%
52.9%
95%
80%
18.3%
28.9%
60%
59%
40%
20%
自分に必要な運動量を知っていますか?
27%
0%
はい
食事
運動
平成18年度
70.5%
23.9%
36.1
この1年間転んだことがある
16.6
15分以上続けて歩けない
11.7
椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がれない
階段を手すりや壁をつたわらずに昇れない
20.8
23.6
28.4
10
45.5
17.3
15.5
0
5.6%
※竹田市健康づくり計画より抜粋
65歳以上の高齢者の状況
転倒に対する不安が大きい
※高齢者の実態調査
無回答
その他
食事分野の行動目標を設定する割合と比べると、運動分野の行動目標を
設定する割合は低くなっている。
平成23年度
いいえ
20
30
36.5
40
50
半数以上が仕事以外に汗をかくような
運動をしていない。保健指導をする中
でも「仕事が重労働なので運動は必要
ないのではないか」という声があるが、
自分に必要な運動量を知らない人が
70%を占めている。
65歳以上の高齢者の状況では身体機
能が低下している割合が増えており、
転倒への不安を持つ人も増えている。
21
保健事業の展開
重点保健事業 ①
高血圧及び循環器疾患対策
実態
26年度実施した血圧アンケート結果では、
・血圧への関心度は高いが、高低を判断
できる者が少ない。
・家庭血圧測定習慣がある者の割合は、
治療中であっても40%。
・正常血圧の値を認知できている者は半
数を下回る。
・減塩、運動は血圧を下げるという知識
はあるが、実践や継続まで結びついてい
ない。
・高血圧で定期受診中者の1人当たり年
間平均医療費
毎年健診受診者・・・42万円
健診未受診者 ・・・52万円
・虚血性心疾患の入院日数(1件当たり)
健診受診 ・・・10.8日
健診未受診 ・・・14.5日
実施計画
目標
【保健事業の基盤】
【アウトカム】(効果・成果)
・家庭血圧を測定する意義や方法等の啓発。
・正常血圧値および管理目標値の普及啓発。
・保健指導従事者のスキルアップ研修会
・収縮期血圧の平均値の低下
(平成25年度128.61mmHg)
・血圧有所見者の減少
(平成25年度26.7%)
【個別の事業】
【アウトプット】(結果)
・特定健診の受診勧奨。
・家庭血圧測定習慣がある者の割
合の増加
・正常血圧値の値を認知できている
者の割合の増加
・健診受診率の向上
(平成29年度目標値65%)
・要受診者の病院受診率の向上
・降圧効果のある各生活習慣項目の認知度・
実践率に合わせた健康教育と保健指導。
・要受診者に対する受診勧奨と継続受診への
支援。
22
重点保健事業 ②
筋・骨格系疾患対策
実態
実施計画
目標
・高額、長期、頻回重複受診などあらゆる
【導入期】平成27年度
【アウトカム】(効果・成果)
分野で筋・骨格系疾患が影響している。
・保健指導の際に運動を改善目標にあげ
・健康づくり、医療費対策、介護予防における
る割合は食事に比べ圧倒的に低い。
現行の取組み状況及び課題の把握。
・痛みで動かなくなり、そのため体重も減
・健康づくり、医療、介護予防が連動した、年
らず、さらに膝や腰に負担がかかってい
代別の取組みの検討。
る人も多い。(悪循環)
・関係機関が協働した運動分野の事業展開及
・若いときからの筋肉量や肥満度が、高
び連携体制の検討。
齢になった時の身体状況に影響し、介護
【アウトプット】(結果)
度にも影響がでてくる。
【展開期】平成28~29年度
・健康増進分野において運動に特化した
・検討した事業内容及び連携の実践。
教室等の取組みが少ない。
・運動をする自主組織への支援。
・健康増進分野のみの問題ではなく、竹
・保健指導における運動支援の強化。
田市全体の健康課題である。
・肥満者の減少。
(現行23.3%)
・頻回、重複受診者の減少。
(26年度訪問対象者54名)
・介護予防基本チェックリストにお
ける運動器機能向上が必要な者
の割合の減少。
・1日30分以上の運動習慣または
それと同等の身体活動がない者
の割合が県平均を下回る。
・運動に関する教室参加者の増
加。
・保健指導における運動改善目標
設定者割合の増加。
23