データ活用の推進に向けた 取組と課題について

【オープンデータ・シンポジウム2015福岡】
データ活用の推進に向けた
取組と課題について
平成27年3月6日
総務省情報流通行政局
情報流通振興課
企画官 井幡 晃三
「データ」を取り巻く5つの環境変化
~第2の環境変化~
新たなデータを生み出すセン
サーの普及
~第1の環境変化~
スマホ、SNSの普及によるデー
タ流通量の拡大
~第3の環境変化~
セキュアなクラウドサービスによ
るデータの管理
行政、ビジネスにおけるデータ活用の活性化
~第4の環境変化~
オープンデータによる公共データ
の民間開放
~第5の環境変化~
ビッグデータ解析技術の進展
1
第1の環境変化 スマホ、SNSの普及によるデータ流通量の拡大
(1)スマホが生み出すデータ量
2015年:188ペタバイト(1億8,800万ギガバイト) ⇒2011年の約5倍
(2)SNSが生み出すデータ量
Facebookの1日当たりのデータ処理量:約500テラバイト(50万ギガバイト)
(3)全世界のデジタルデータ量
2005年:130エクサバイト(1,300億ギガバイト)⇒15年間で300倍⇒2020年:40ゼタバイト(40兆ギガバイト)
【データ量の推移の予想】
40ZB
出典:総務省調査(「ICTコトづくり検討会議」(第6回)会議資料(2013年5月))
2
第2の環境変化 新たなデータを生み出すセンサーの普及
(1)日本は世界一のセンサー大国
販売量ベースで、全世界の約1/4を日本が占める。
(2)電子機器のセンサー搭載数の飛躍的増加
スマホに代表されるように、電子機器のセンサー搭載数は飛躍的に増加。2006年⇒10倍以上⇒2013年
(3)今後の課題
低価格は進んでおり、今後の課題は、さらなる小型化と省電力化。
iPhone5s(2013)
5センサー搭載
iPhone(2007)
3センサー搭載
加速度/近接/照度
2000年
2010年
将来
(2020年頃)
チップの大きさ
(ダイ表面積)
10mm2
約2~3mm2
1~2mm2
消費電力
0.1mW
0.05mW
0.05mW未満
平均販売価格
$3以上
$0.70
$0.50未満
(約300円以上)
(約70円)
(約50円未満)
35
771
2500超
世界生産量
(単位:百万個)
角速度/指紋/加速度/近接/照度
Galaxy S5(2014)
10センサー搭載
Galaxy S(2010)
3センサー搭載
(百万)
加速度/近接/地磁気
指紋/気圧/心拍数/近接/加速度等
その他
ゲーム機器
カメラ
ウェアラブルデバイス
ノートパソコン
ヘッドホン
タブレットデバイス
携帯電話
※ 1ドル=100円で換算
出典:Jean-Christophe Eloy=Yole Developpement (http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110410/191000/)
出典:HIS Consumer&Mobile MEMS Market Tracker, April 2014.
3
(参考)IoT/M2M関連の市場予測
M2Mは、エネルギー、医療、物流、自動車等、業種・分野の垣根を越えて展開され、市場は急速に拡大。
◇ 2020年までには世界全体で、M2Mデバイスは140億台、M2M回線契約は6.6億回線まで増加する見込み。国内でもM2
M市場は2018年度に1.2兆円規模に成長すると予測。
◇ シスコは、ヒト、モノ、プロセス及びデータをひとまとめにし、これまで以上に密接なつながりを通して価値を生み出すネット
ワークであるInternet of Everything(IoE)を提唱し、IoEにより今後10年間に世界の民間企業にもたらされる「価値の可能性*」
は14.4兆ドル(約1,460兆円;世界の企業利益を約21%押上げ)と推定。
※ 新たに生み出される経済価値と、企業間・産業間で移転する経済価値の合計から導入コストを差し引いた額
M2Mに関する将来予測
M2Mデバイス数
M2M回線契約数
6.6億回線
M2M国内市場規模
11,704
(億円)
140億台
1.2兆円
年平均成長率
37.6%
3,400万回線
2,377
3,445
・・・
2013
出典: Machina Research, The Connected Life (2013/1)
出典: 矢野経済研究所、 M2M世界市場に関する調査結果(2014/3)
2014
・・・
2018 (年度)
出典: 野村総合研究所、
2018年度までのIT主要市場の規模とトレンドを展望(2013/11)
4
第3の環境変化 セキュアなクラウドサービスクラウドによるデータの管理
(1)国内のクラウドサービス市場規模
2012年:0.94兆円⇒5年間で約3倍⇒2017年:3.05兆円
(2)多様な新規事業者も参入
【クラウドサービス市場の推移】
IaaS:「Infrastructure as a Service」の略語。情報システムの稼動に必要な仮想サーバをはじめとした機材や
ネットワークなどのインフラを、インターネット上のサービスとして提供するもの。
PaaS:「Platform as a Service」の略語。アプリケーションソフトが稼動するためのハードウェアやOSなどのプ
ラットフォーム一式を、インターネット上のサービスとして提供するもの。
SaaS:「Software as a Service」の略語。これまでパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、インター
ネット経由でサービスとして提供するもの。
出典:総務省調査(2013年3月)
5
第4の環境変化 オープンデータによる公共データの民間開放
○2012年7月の電子行政オープンデータ戦略の策定以降、国・地方公共団体におけるオープンデータの取
組は飛躍的に進展。
1.国における取組の状況
○ 2014年6月、「世界最先端IT国家創造宣言(改定)」「日本再興戦略」改訂2014において、オープン
データに関する具体的な目標(「2015年度中に、世界最高水準の公共データの公開内容(データセット
1万以上)を実現」、2014年度からデータカタログサイトの本格運用を開始)が掲げられる。
○ これを受けて、2014年10月から政府のデータカタログサイト「DATA.GO.JP」の本格運用を開始し、既に
12,805件(2015年2月4日現在)のデータセット数の掲載を実現。
2.地方公共団体における取組の状況
○ 全国の地方公共団体においてもオープンデータに取り組む団体が増え、現在、約100団体において取
組が進められている。
○ 地方公共団体の中には、横浜市、千葉市、鯖江市に代表されるようにデータポータルサイトを開設して、
独自の取組を行っている団体も多数存在。
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第5の環境変化 ビッグデータ解析技術の進展
○ビッグデータの解析技術が年々進展しており、リアルタイムでのビッグデータ解析技術も実現しつつある。
【情報通信研究機構(NICT)の研究開発事業の概要】
センサーデータ
Volume
(大容量)
ソーシャルデータ
Variety (多様性)
環境の変化を反映
Velocity
(リアルタイム)
人々の意見や社会動向を
反映
ネットに溢れる膨大な異種・異分野の
データを収集し統合分析
いつ、どこで、何が
一緒に起きたか
イベント相関
可視化分析
相関の自動抽出
環境変化と人・社会の動きの相関を幅広く解析
豪雨など
• センサーだけではわからない、影響の
種類・大きさを加味した気象分析
• 大きな影響を及ぼす可能性のある気象
変化の早期探知 など
交通マヒ
催し物の中止
7
ICT政策のトレンド ~3つの「データ」~
オープンデータ
国・自治体・公益企業等が保
有する公共データを二次利用
しやすい形で民間に開放
ビッグデータ
これまでは処理しきれなかった
膨大なデータを解析し、マーケ
ティング等に活用
パーソナルデータ
プライバシー保護等に配慮し
た個人に関する情報の利用・
流通の促進
8
オープンデータとは?
「オープンデータ」とは・・・
■ 国、自治体、独立行政法人、公益事業者等が保有する公共データを、
■ 機械判読に適したデータ形式で、
■ 二次利用が可能な利用ルールにより、
公開すること。
(「電子行政オープンデータ戦略」(平成24年7月高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定) 他)
9
オープンデータの3つの意義
■ 行政の透明性・信頼性の向上
■ 官民協働による公共サービスの実現
⇒行政コストの削減と行政への市民参加
■ 様々な主体がデータの加工・組み合わせを行うこと
による新事業・新サービスの創出
⇒成長戦略の中に位置付け
10
米国のオープンデータ
■ オバマ大統領が政権公約として、
オープンガバメント、オープンデータを
掲げ、取組が加速。
■ 「透明性」、「市民参加」、「コラボ
レーション」が三大原則。
■ 大統領就任からわずか4ヶ月後の
2009年5月、政府のデータカタログ
サイト「data.gov」を立ち上げ。
(現在のデータセット数:約14万)
【米国のデータポータルサイト“data.gov”】
■ 政府だけでなく、サンフランシスコを
はじめとした自治体レベルでの取組
も活発。
11
英国のオープンデータ
■ 米国に若干遅れたものの、2009年
10月にデータポータルサイト
「data.gov.uk」を開設。
(現在のデータセット数:約2万)
■ 2010年のキャメロン政権発足後、さ
らに取組を加速。
【英国のデータポータルサイト“data.gov.uk”】
■ 同年に策定された「オープンガバメン
トライセンス(OGL)」は、オープンデー
タの2次利用に関する運用ルールとし
て、広く世界で参照。
■ オープンデータのアプリケーションと
してポピュラーな“where does my
money go?”は英国発祥。
■ 2012年ロンドン五輪でもオープン
12
データに取組。
主なデータポータルサイトのデータセット数
国名
米国
英国
フランス
ドイツ
豪州
NZ
韓国
日本
データポータルサイト
data.gov
data.gov.uk
data.gouv.fr
govdata.de
data.gov.au
data.govt.nz
data.go.kr
data.go.jp
データセット数
123,486
23,657
14,077
12,466
5,275
2,818
11,943
12,851
2015年3月3日現在
13
日本政府全体の取組 全体像
平成24年7月
電子行政オープンデータ戦略 (IT総合戦略本部決定)
平成24年12月~
IT総合戦略本部 「電子行政オープンデータ実務者会議」
主査: 村井純(慶應義塾大学 環境情報学部教授)
◎オープンデータ技術に係る検討
◎オープンデータの利用ルール、普及方策に係る検討
平成25年6月
世界最先端IT国家創造宣言 (閣議決定)
日本再興戦略-JAPAN is BACK- (閣議決定)
◎2014年度(平成26年度)及び2015年度(平成27年度)の2年間を集中取組期間と位置づけ
◎データカタログサイト(試行版)の立ち上げ(平成25年秋まで)
◎2015年度(平成27年度)中に世界最高水準の公開内容(データセット1万以上)を実現 等
平成26年6月
世界最先端IT国家創造宣言 (閣議決定(改定))
「日本再興戦略」改訂2014-未来への挑戦- (閣議決定)
◎ 《KPI》 「2015年度中に、世界最高水準の公共データの公開内容(データセット1万以上)を実現」
⇒データカタログサイト(試行版)においてデータセット1万以上を達成
◎ 2014年度からデータカタログサイトの本格運用を開始し、民間のニーズ等を踏まえ、掲載データを充実 14
データカタログサイト「DATA.GO.JP」の運用
○ 政府(内閣官房IT総合戦略室)は、平成25年12月20日、各府省のオープンデータを公開する「データカタログサイト試行版」(http://www.data.go.jp/)
を開設。 ※利用者からの意見等を踏まえ、平成26年10月から本格運用を開始。
○ これにより、利用者は、複数の府省が保有するデータを横断して一元的に取得することが可能。
○ 掲載データは、「電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ」(平成25年6月14日 IT総合戦略本部決定)において重点分野とされたデータ
(予算・決算・調達情報、白書、防災・減災情報、地理空間情報、人の移動に関する情報)を中心に掲載。
試行版
本格運用版
ロゴマーク
【主な変更点】
・ トップページにおける検索窓の追加、複数の検索ワードによる検索の精度の向上など、ユーザーインターフェイスの改善。
・ データの更新時に利用者に通知する機能の追加。
・ データセットのグループを整理。(試行版では設定を各府省に委ねていたため500以上のグループが設定されていたが、本格版で
は「国土・気象」、「情報通信・科学技術」、「行財政」など17のグループに整理。)
・ G8オープンデータ憲章(2013年6月、G8サミットで合意)における優先分野(「選挙」「犯罪と司法」「国際開発」等)のデータを追加。
・ 掲載しているデータは、国以外の者が権利を有する部分を除き、基本的に、編集・加工等ができるよう、クリエイティブ・コモンズ・ライ
センスのCC-BYにより利用を許諾。
15
データカタログサイト『DATA.GO.JP』(本格運⽤版)における掲載データの概要
府省別データセット数
府省名
国土交通省
経済産業省
文部科学省
厚生労働省
環境省
内閣府
財務省
総務省
法務省
農林水産省
警察庁
防衛省
人事院
金融庁
公正取引委員会
外務省
宮内庁
内閣官房
消費者庁
内閣法制局
復興庁
データセット数
3,202
1,512
1,183
1,096
1,025
812
765
746
536
531
388
278
152
129
122
120
93
60
53
37
11
形式別データセット数
比率
25%
12%
9%
9%
8%
6%
6%
6%
4%
4%
3%
2%
1%
1%
1%
1%
1%
1%
0%
0%
0%
形式
PDF
HTML
XLS
CSV
ZIP
Jpeg
XLSX
その他
平成27年3月3日現在(12,851データセット)
データセット数
6,616
5,360
2,819
555
497
218
160
476
比率
40%
32%
17%
3%
3%
1%
1%
3%
16
電子行政オープンデータ実務者会議 WGの再編
これまで:
平成27年2月1日~:
オープンデータとして出す側の検討
データWG
(主な検討課題)
データ形式・構造の標準化、データカタログ等
ルール・普及WG
(主な検討課題)
公共データ活⽤のために必要なルール等の周知・普
及等
出す側+利活用推進の検討
新設
公開支援WG
(主な検討課題)
オープンデータ公開の拡⼤に係る課題の更なる検討や、ルールの⾒
直しを⾏う。
新設
利活用推進WG
(主な検討課題)
オープンデータの利活⽤推進の観点から、
①ニーズの把握や掘り起こし
②利活⽤に係る指標や評価のあり⽅
③利活⽤の⽀障となっている課題及びその対応
④オープンデータの海外展開のあり⽅
⑤経済の活性化や官⺠協働を促進するために必要な普及啓発
等の整理について検討を⾏う。
出典: 第8回電子行政オープンデータ実務者会議 資料4 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/densi/dai8/siryou4.pptx をもとに総務省が作成
17
総務省における取組 全体像
1.オープンデータ実証実験
○ 分野を超えたデータの流通・連携・利活用を効果的に行うために必要となる、①情報流通連携基盤
共通APIの確立・国際標準化、②データの2次利用に関するルールの策定、③オープンデータ化のメ
リットの可視化等のための実証実験を実施。
2.一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構との連携
○ 総務省は、本機構と連携して、①オープンデータに係る技術仕様の検討、②2次利用ルールの検
討、③オープンデータの意義や可能性の情報発信を実施。
3.総務省保有情報のオープンデータ化
○ データ保有機関の1つとして、他省庁のモデルとなる先行的な取組を実施。
・情報通信白書、情報通信統計データベースのオープンデータ化(自由な利用条件の採用、CSV化)
・統計におけるオープンデータの高度化(APIの提供等)
18
オープンデータ実証事業 ①自治体行政情報
■ 広く地方公共団体に普及展開できるモデルの策定。
フィールド:横浜市、鯖江市
【重点自治体行政情報の特定に係る
調査等】
・利活用ニーズの調査
・展開可能性の調査
・ニーズのあるサービス分野の調査
・公開・二次利用不可根拠の調査
【データ規格の構築】
・識別子の検討
・ボキャブラリの構築
・RDFスキーマの構築
サービス利用者
データ利用者
(地元住民)
(情報サービス
開発事業者)
②所在確認
【情報流通連携基盤システムの構築】
・簡易なシステム設計
・設計思想、手順のドキュメント化
・API、自治体行政情報DBの構築
・データ変換ツールの整備
・自治体職員向けのマニュアルの整備
・アンケート・ヒアリングによる基盤ステムの検証
・重点自治体行政情報のWeb公開・データ
ポータルサイトの構築
・コンテストによるアプリケーションの開発
データポータル
データ提供者
ボキャブラリリンク/データリンク
(自治体職員)
データ変換ツール
⑤サービス提供
【自治体行政情報のオープンデータ
化の実証】
①登録
マニュアル
③内容確認
ボキャブラリ
RDFスキーマ
④データ取得
【アプリケーショ
ンの開発】
自治体行政情報データベース
・開発者サイト構築
情報流通連携基盤システム
【継続運用・普及に係る計画の策定等】
【「オープンデータ流通推進コンソーシアム」との連携・協力等】
19
オープンデータ実証事業 ②公共交通関連情報
■ 公共交通機関保有情報のオープンデータ活用による都市部の公共交通分野におけ
る課題の解決。
【公共交通運行情報サービス】
公共交通利用者の端末にリアルタイムの
運行情報を直接提供
【交通弱者支援情報サービス】
【次世代交通支援情報サービス】
交通弱者である視覚障がい者に
対して音声により移動支援情報を提供
駅内の利用者の位置に応じて
施設案内等の情報サービスを提供
情報流通連携基盤共通API
【本実証で扱う
データ(例)】
様々な情報サービスの提
供を通じた情報流通連携
基盤の適用性の検証、
オープンデータ化のメリット
の可視化
システム構築・検証
データ規格の策定
鉄道の運行情報
(走行位置、遅延情報、運休情報、
遅延・運休の原因情報等)
バスの運行情報
駅ターミナルの施設(券売機、窓口、売店等) (走行位置、遅延情報、運休情報、
の情報(施設の名称、位置、使用状況等)
遅延・運休の原因情報等)
20
オープンデータ実証事業 ③公共施設等情報
○総務省は、地方自治体が所有する道路や公園、学校、公民館などについて、更新時期や更新に必要な金額を把握するための固定資産
台帳の作成を義務付ける方針を決定。
○これに合わせ、公共施設等に係る情報を二次利用が可能な形式で広く国民にオープンにし、住民の利便性の向上や社会的な課題の解
決などに貢献できる可能性について実証する。
<自治体所有情報>
庁舎・役場
公共施設等情報流通連携基盤システム
API
病院
公共施設等情報
学校
公共施設等情報
白書
• 施設の維持費の可視化して、
課題の抽出を容易にする。
公共施設の効率的な配置や、無
駄な経費の削減に繋げる
公開
民間企業のシステム
での二次利用
公共施設等情報
施設基本情報
名称・用途概要・管理者・所在地・面
積など
建物性能情報
基本利用状況・性能・耐震性能・劣化
情報など
施設機能情報
建物の機能情報・経費・維持管理状
況など
固定資産情報
耐用年数、リース区分、評価額など
公共料金
子育て・教育
• 地域住民が、場所に応じた生
活情報を入手し、公共施設を
より活用できる
インター
ネット
公民館
その他の
公共施設
地図システム上での
閲覧・検索
公共施設等情報以外の情報
行政情報
人口統計、財政状況、都市計画等
公共料金情報
上下水道・公立学校授業料など
子育て・教育情報
子育てに関する保育料・延長保育・待
ち状況・学童クラブなどの情報
インター
ネット
自社データ
固定資産の検索
インター
ネット
一般公募による情報サー
ビスの開発
募集
アプリ
インター
ネット
• 不動産情報サイトで、
住みやすい条件(近隣に学校があ
る、徒歩○分内に病院がある等)
から物件を絞り込める
• 建設業者や不動産業者等が、公共施設の情報を参照
し、運用状況等を把握することで、民間・住民のニーズ
に応じた適切な時期・立地で計画。これにより、住民に
とって利便性の高い公共サービスが提供される
例)図書館と民間施設の複合ビルの計画
• オープンデータを活用した新
サービスを開発できる
• 例)公共施設周辺の駐車場情報が
分かるアプリにより、住民の生活が
便利になる
21
(参考)統一的な基準による地方公会計の整備促進について
地方公共団体における財務書類等の作成に係る統一的な基準を設定することで、①発生主
義・複式簿記の導入、②固定資産台帳の整備、③比較可能性の確保 を促進する。
現 状
今 後
総務省方式改訂モデルでは決算統計データを
活用して財務書類を作成
②ICTを活用した
固定資産台帳の
整備
総務省方式改訂モデルでは固定資産台帳の
整備が必ずしも前提とされていない
③比較可能性
の確保
基準モデルや総務省方式改訂モデル、その他の
方式(東京都方式等)といった複数の方式が存在
H26.4.30
H27.1.23
統一的な基準の周知
財務書類等の
マニュアルの作成
地方公共団体に要請
統一的な基準の公表
今後の新地方
公会計の推進
に関する研究会
統一的な基準の設定
①発生主義・
複式簿記
の導入
発生の都度又は期末一括で複式仕訳
(決算統計データの活用からの脱却)
固定資産台帳の整備を前提とすることで公共
施設等のマネジメントにも活用可能
統一的な基準による財務書類等によって団体
間での比較可能性を確保
H30.3月末
H32.3月末
統一的な基準による財務書類等の作成
(地方公共団体)
※ 移行期間は概ね3年間
(やむを得ない理由がある場合に限り概ね5年間)
・統一的な基準による財務書類等を原則として平成27年度から平成29年度までの3年間で
全ての地方公共団体において作成
・特に、公共施設等の老朽化対策にも活用可能である固定資産台帳が未整備である地方公共
団体においては、早期に同台帳を整備することが望まれる
22
(参考)統一的な基準による地方公会計マニュアル(概要)
1.財務書類作成要領
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chikousuijitu/91516.html
○ 統一的な基準による財務書類(貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書)の作成
手順等の実務的な取扱いを示したもの
当該要領で示す仕訳変換表(現金主義・単式簿記→発生主義・複式簿記)により、システムの整備と併せ
ることで、複式仕訳の相当部分の自動処理化が可能となる
2.資産評価及び固定資産台帳整備の手引き
○ 統一的な基準による資産の評価方法や固定資産台帳の整備手順等の実務的な取扱いを示したもの
・住民等に対する説明責任、民間事業者の参入促進といった観点から、固定資産台帳は公表することが前提
・固定資産台帳には、取得年月日、取得価額、耐用年数等に加えて、長寿命化履歴等も任意で記載
固定資産台帳は、財務書類作成のための基礎資料であるが、将来の施設更新必要額の推計や施設別のコスト
分析といった公共施設等のマネジメントにも活用可能となる
3.連結財務書類作成の手引き
○ 連結財務書類の対象範囲(一部事務組合、第三セクター等)、連結処理に係る手順等の実務的な取扱い(内部
取引の相殺消去による純計)等を示したもの
連結財務書類の作成により、単なる情報開示だけでなく、連結ベースでの資産老朽化比率等の把握といっ
た公共施設等のマネジメントにも活用可能となる
4.財務書類等活用の手引き
○ 財務書類等のわかりやすい情報開示だけでなく、事業別・施設別のセグメント分析等による予算編成等への活
用方法等を示したもの
財務書類等の積極的な活用により、地方公共団体の限られた財源を「賢く使うこと」につながる
23
オープンデータ活用ビジネス事例 農業保険(米国)
■ 農家・農作物専門保険サービス(米国・Climate Corporation)
国立気象サービスがリアルタイムに提供する地域ごとの気象データや、米国農務省が提供する過去60年
間の収穫量・土壌情報等を活用して、地域や作物ごとの収穫被害発生確率を予測し、保険料を算定。
•
•
国立気象サービスがリアルタイムに提供
する250万か所の気象測定データと、主
要な気象予測モデルから得られる日々の
気象予報のデータを、1500億カ所の土壌
観察のデータと組み合わせて処理。
さらに、地域ごとの気象データに対して農
地の標高や水域への近さなどの補正を加
え、2.5平方マイル単位で雨量や気温をよ
り正確に予測。
■ 収穫被害発生確率に基づいた公平な保険料の設定
■ Monsanto CompanyがClimate Corporationを約11億US$で買収
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オープンデータ活用ビジネス事例 不動産情報(米国)
■ 不動産高度情報サービス(米国・MRIS)
不動産情報について、価格、写真、住宅ツアー、フロアプラン、地図等の情報だけでなく、公的機関から入
手したデータを選択・加工・編集し、利用者が理解しやすいような形式で提供し、「住む前に全てが分かる」
不動産高度情報サービスを実現。
MRIS: Metropolitan Regional Information Systems
データの種類
データ源
人口統計
国勢調査局、労働統計局、健康管理財務局、国税庁
等
教育
州・地方の教育委員会、全国教育統計センター、教育
省 等
気候
国立測候所、地方の気象センター、国立ハリケーンセ
ンター、海洋大気庁 等
生活費
全米不動産協会、全米住宅産業協会 等
経済と仕事
労働統計局、国勢調査局、州・地方の課税当局 等
健康とヘルスケア
健康保護庁、FBI犯罪統計報告書、州警察、保険社会
福祉省 等
公共交通機関
運輸局、交通統計局、都市大量輸送管理局 等
■ 1日当たりの平均売買高:9260万US$(約90億円)
■ 年間売買件数:10万4千件
■ 年間売買高:338億US$(約3.4兆円)
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オープンデータ活用ビジネス事例 図書館検索(日本)
■ 株式会社カーリル(岐阜県中津川市)
・地名から近い図書館を自動的に選択し、全国の図書館の蔵書情報と貸し出し状況を簡単に検索できる、
図書館検索サービスを提供。ウェブサイトの広告により運営。
・全国6600館以上の図書館(公共図書館の93%)に対応。
・図書館の選書・除籍支援や、出版社の絶版本の需要予測にも活用。
出所:https://calil.jp/
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一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構(VLED)の概要
・公共機関が保有するデータのオープンデータ化を推進し、様々なデータと組み合わせてビッグデータとして利活用す
ることで新たなビジネスを創出し、地方創生を推進するとともに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも見据え
た経済の活性化を行うための組織として、平成26年10月に設立。
・これまでは任意団体として取り組んできたところ、実施体制の強化のために法人化。
・平成27年2月12日現在、理事社(9社)、賛助会員(93団体、個人3名)、自治体会員(32団体)が加盟。
【体制図】
【理事社(9社)】
日本電信電話株式会社
KDDI株式会社
富士通株式会社
日本電気株式会社
株式会社日立製作所
日本アイ・ビー・エム株式会社
日本マイクロソフト株式会社
株式会社電通
株式会社三菱総合研究所
社員総会
最高顧問・顧問
理事会
監事
顧問:徳田英幸(慶應義塾大学環境情報学部/大学
院政策・メディア研究科委員長兼教授)
事務局
運営委員会
理事長:坂村健(東京大学大学院情報学環教授)
最高顧問:小宮山宏(三菱総合研究所 理事長)
村井純(慶應義塾大学環境情報学部長 教授)
内山田竹志(一般社団法人日本経済団体連合
会 副会長・情報通信委員長)
【株式会社三菱総合研究所】
技術委員会
【主査 : 越塚 登 東京大学大学院情報学環 教授】
データガバナンス
委員会
自治体分科会
【主査 : 井上 由里子 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授】
【オブザーバー】
総務省
内閣官房情報通信技術総合戦略室
等
副理事長:篠原弘道(日本電信電話株式会社)
専務理事:清水隆明(日本電気株式会社)
利活用・普及委員会
【主査 : 中村 伊知哉 慶應義塾大学メディアデザイン研究科 教授】
理事:有井和久(株式会社電通)
宇佐見正士(KDDI株式会社)
織田浩義(日本マイクロソフト株式会社)
小林伸司(日本アイ・ビー・エム株式会社)
田中光雄(株式会社日立製作所)
廣野充俊(富士通株式会社)
本多均(株式会社三菱総合研究所)
2020
オープンデータシティ
推進委員会
データ
サイエンティスト
資格検討分科会
【共同主査:越塚 登 東京大学大学院情報学環 教授】
【共同主査:井上 由里子 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授】
【共同主査:中村 伊知哉 慶應義塾大学メディアデザイン研究科 教授】
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一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構(VLED)の概要
【ロゴマーク】
【VLEDのミッションに向けた各委員会の取組】
VLEDのミッション
①オープンデータ・ビッグデータの活用の推進
②新ビジネス創出による地方創生
③2020年の東京オリンピックを見据えた経済活性化
技術委員会
データガバナンス
委員会
【概要】
【概要】
オープンデータを円
滑に利用できる環境
を整備するために必
要な標準技術仕様
等について検討を行
う。
オープンデータを推進
するに当たって、法制
度や管理手法等、
ルールやガバナンス
という視点から課題と
して挙げられる事項に
ついて検討を行う。
利活用・普及
委員会
【概要】
オープンデータ・ビッ
グデータの推進に関
する情報の発信や共
有を実施するととも
に、新たなアプリケー
ションやサービスの
コンテストや表彰を
行う。
2020オープン
データシティ推
進委員会
【概要】
オープンデータ・ビッ
グデータを活用する
都市を実現し、情報
通信技術を用いた社
会問題解決の様子を
世界に発信する「IC
Tショーケース」に向
けた検討を行う。
28
(参考)オープンデータガイド ~オープンデータのためのルール・技術の手引き~ 第1版
○ オープンデータ流通推進コンソーシアム(データガバナンス委員会・技術委員会)が、国、地方公共団体、独立行政法人、公共
企業等が、自身が保有している公共データをオープンデータとして公開するための参考となるよう、オープンデータの作成・整
形・公開に当たっての留意事項等を「利用ルール」と「技術」の2つの観点から具体的かつ詳細にまとめたもの。
○ 平成26年7月31日に第1版の確定版を概要版とあわせて公開。( http://www.opendata.gr.jp/news/1407/140731_000866.php )
■
第I部 Getting Started: オープンデータをはじめよう
▶
▶
▶
■
第II部 利用ルール編: データに利用ルールを設定しよう
▶
▶
▶
▶
■
第4章 オープンデータで必要となる利用ルール
オープンデータにおける利用ルールの重要性について解説するとともに、利用ルールに関する国際的な動向、
日本政府における動向について紹介する。
第5章 オープンデータ利用ルールの概要
諸外国政府で採用が進んでいるCC-BYとCC0、日本政府で採用される政府標準利用規約(第1.0版)の3つの
利用ルールの特徴等について解説する。
第6章 利用ルールの比較と望ましいルール
CC-BY、CC0、政府標準利用規約(第1.0版)の3つの利用ルールについて、情報利用者の視点、情報提供者
の視点から比較を行う。また、比較結果を踏まえ、データをオープンデータとして公開する際に望ましい利用
ルールについて解説する。
第7章 利用ルールに関する今後の見直しの方向性
政府標準利用規約(第1.0版)の今後の見直しに当たっての方向性について述べる。
第III部 技術編: 機械判読に適したデータにしよう
▶
▶
■
第1章 はじめに
本書の目的・対象読者・構成を示すとともに、本書が利用する用語の定義を行う。
第2章 オープンデータの動向と意義
国内外のオープンデータに関する動向を紹介するとともに、オープンデータの意義について解説する。
第3章 オープンデータの作成・公開手順
オープンデータの作成・公開手順を、6つのステップに分けて解説する。
第8章 オープンデータの技術レベル
第3章に記したオープンデータの作成・公開手順のうち、技術的な事項について解説する。
機械判読性、データカタログ、識別子について解説し、機械判読性に関する指標を「オープンデータの技術レベ
ル」として示す。
第9章 オープンデータのための技術的指針
表形式データ、文書形式データ、地理空間情報、リアルタイムデータのそれぞれについて、機械判読に適した
オープンデータを作成するための技術的な指針を、識別子、ファイル形式、データの3項目について示す。
付録
▶
▶
第10章 オープンデータに関する規格・ツール
機械判読に適したオープンデータを作成・編集する上で参考となる規格やツールをまとめる。
第11章 データカタログシステムCKAN
データカタログシステムであるCKANの概要とその使用方法を解説する。
29
2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会 2020年までのロードマップ
 第5世代モバイル推進フォーラム
ICTを活用した多言語対応
 グローバルコミュニケーション開発推進協議会
放送コンテンツの海外展開
 一般社団法人放送コンテンツ海外展開促進機構
4K・8Kの推進
 4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合
 一般社団法人次世代放送推進フォーラム
オープンデータ等の活用
 公共交通オープンデータ研究会
情報セキュリティの推進
 情報セキュリティアドバイザリーボード
デジタルサイネージの推進
 デジタルサイネージWG
 デジタルサイネージコンソーシアム
 2015年度~ 5Gの研究開発の加速、国際標準化
 2017年度~ 無線+ネットワーク+アプリによる実証
 2019年
5G向け周波数の国際分配、関係制度整備
 2015年度~ 多言語音声翻訳技術の研究開発、
技術実証
 2018年度~ 大規模社会実証
 2014年度中ASEAN6か国への放送コンテンツの展開
 2015年 CS・CATV・IPTVによる4K実用放送開始
 2016年 BSによる4K・8K試験放送開始
 2018年 BS等による4K・8K実用放送開始
 2015年 公共交通情報提供のための標準PF構築
 2016年 公共交通オープンデータサービス提供開始
 2018年 公共交通情報のワンストップサービス実現
 2015年1月に戦略WGを立ち上げ、議論中
 サイバーセキュリティ戦略本部等と連携して対策を推進
 2014年2月、デジタルサイネージWGを立ち上げ、議論。
 クラウド技術を活用した相互接続の確保、ICTショー
ケース等について、推進体制含め、検討。
社会全体のICT化 レガシー創出
第5世代移動通信システムの実現
2020
オリンピック・パラリンピック東京大会
 無料公衆無線LAN整備促進協議会
 地方のポテンシャルを引き出すテレワークや
Wi-Fi等の活用に関する研究会
 研究会にて、地方公共団体の整備について議論中
 2015年2月に実態調査にアンケートを行い、その後に整
備の方針を作成
 2015年度に実証実験(手続き簡素化)を行い、その後に
手続の簡素化を実現
懇談会における議論等を踏まえてロードマップ策定
無料公衆無線LAN環境整備促進
他国における五輪大会(ロンド
ン、ソチ、リオ、平昌)ICT活
用状況等も参考に検討を実施。 30
ビッグデータ、ソーシャルデータの利用(ロンドンオリンピック)
米ITソリューション大手NetAppが
①ロンドンオリンピックがもたらすビッグデータの規模を推計
②ロンドンオリンピック時のソーシャルメディアの利用状況等を公開
①ビッグデータの規模
1秒間に60ギ
ガバイトのデー
タが流れる
データ処理量が
北京オリンピッ
クより30パーセ
ント増加する
2000時間分の
ライブ映像が1
万4000局の放
送局から40億
人に放映される
オリンピック開始
前のITシステム
試験段階で20
万時間分のビッ
グデータが集まる
8億4500万人
のFacebook利
用者が毎日15
テラバイトの
データを集める
10億人が
公式サイト
を訪問する
85億台の端末
がインターネッ
トに接続する
1秒間に1万
3000のツ
イートする
②ソーシャルメディア
の利用状況等
Gabby Douglas氏
(米国の体操選手)の
Twitterのフォロワー数
が1,522%増加した
Instagramでは
10万枚の写真
が共有された
FacebookとTwitter
は北京オリンピック
の時と比べて、大幅
にユーザー数を増や
した(Facebook:約
8.5倍Twitter:約
23倍)
BTのWi-fiスポットはロ
ンドン全域で50万箇
所あった(会場内で約
1,800スポット)
ロンドンオリンピックに
関するTwitterでの言及
が966万件に及んだ
ウサイン・ボルト選手
の出場した200M走
は1分間に8万件の
ツイートを生み出した
3,500時間の生放送
がYoutubeで流れた
オリンピックの試合
に向けた通信イン
フラの整備には
100万時間が費や
され、会場内でBT
のWi-fiは22万時
間使われた
BTのネットワークにおける映
像トラフィックが25%増加した
【出典】 NetApp公式ブログ( https://communities.netapp.com/community/netapp‐blogs/netapp‐360/blog/2012/08/03/big‐data‐takes‐the‐gold/ )
(https://communities.netapp.com/community/netapp‐blogs/netapp‐360/blog/2012/08/22/social‐media‐and‐big‐data‐smash‐records‐at‐the‐summer‐games )
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オープンデータの推進に向けた今後の課題
課題1 データ形式、APIの高度化
■ RDFによるLODの推進
課題2 オープンデータを活用した新事業、新サービスの実現
■ 「ニーズの高いデータ」の把握とオープンデータ化
■ オープンデータとビッグデータの組み合わせ
■ パーソナルデータの取扱いルールの明確化
課題3 オープンデータの対象の拡大
■ 自治体の拡大
■ 公益事業者等への拡大
課題4 データ活用人材の育成
■ 地方におけるデータ活用人材の育成
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「ニーズの高いデータ」の把握
○ 民間事業者が新産業・新事業を創出するために有益なデータの種類、質、データ形式を踏まえてデータを
公開することが今後の課題。
(参考:経団連調査)
調査対象
318企業・団体(電子行政推進委員会・情報通信委員会関係中心)
→ 回答数:78企業・団体
調査期間
2012年10月15日(月)~11月2日(金)
ニーズの高いデータ
(1)種類別
①地図や地下データ(詳細かつ最新の基盤地図データ・衛星画像デー
タ・地中埋設設備図面・地質調査結果等)、②交通データ(通行規制デー
タ・自動車交通量・電車やバスの乗降者数等)、③防災・保安・安全に関す
るデータ(ハザードマップ・避難所データ等)のニーズが高い。
データ提供に関わるニーズ
(1)データ形式
CSVやExcel など二次利用・加工がしやすいデータ形式
(2)提供頻度
最新データが随時参照・利用できる、リアルタイム、またはタイムリーな自動更新
(2)保有機関別
地方公共団体、国土交通省が保有すると思われるデータへの利用
ニーズが高く、次いで、総務省、独立行政法人、厚生労働省が続く。
(3)管理・提供方法
全ての行政機関(地方公共団体を含む)のデータを極力シンプルな共通
ルールの下で一元的に管理したデータカタログの整備や、ダウンロード
を一元的に行うことができる窓口の設置、公共データの公開ガイドライン
の策定と全ての行政機関への適用等
【出典】 一般社団法人日本経済団体連合会のウェブサイト(https://www.keidanren.or.jp/policy/2013/020.html)より総務省作成
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地方創生の視点から見た地方でのデータ人材の育成
○ 内閣官房において、全国の都道府県及び市区町村にアンケートを実施。
○ その結果、全国の地方自治体においては、データ活用人材の不足が課題。今後、データ利活用によって地
方創生を推進するにあたっては、全国の地方自治体におけるデータ活用人材の育成が必要となる。
アンケート調査の概要について
調査対象
全国の都道府県及び市区町村1788団体
→ 回答数:1750団体(97.9%)
調査内容
オープンデータに関する取組や課題に関するアンケート
調査期間
2014年10月31日~11月19日
地方公共団体の取組における課題についてのアンケート結果
→13.5%の地方公共団体において人材不足がデータ利活用の課題となっている。
利活用におけるニーズや効果が不明
情報不足
人材不足
13.5%
その他
※第9回電子行政オープンデータ実務者会議資料より総務省作成
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