平成 27 年度 皇學館大学・ケント大学学術交流 日英比較文化研究シンポジウム開催 (津田学術振興基金プロジェクト 日英比較文化研究会) 浮世絵とオペラの融合が実現、英国から招聘した二人による講演会を開催します。 * * * 開会挨拶:1:00 ~ 1:10 第 1 部:1:10 ~ 2:10 詩から舞台へ:東海道−広重の旅路を超えて Nancy Gaffield (ナンシー・ガフィールド) 受賞詩集『Tokaido Road』 そして、英国でのオペラ化。 Aldeburgh First Collection Prize 2011 Shortlisted for Forward Best First Collection Prize 2011 ティータイム:2:10 ~ 2:40 (皇學館大学雅楽部の演奏) 第 2 部:2:40 ~ 3:40 Tokaido Road:東西文化をつなぐ橋 Kate Romano (ケイト・ロマーノ) オペラプロジューサーであり、クラリネット奏者。 コメント、質疑応答・閉会:3:40 ~ 4:10 *両講演とも通訳がつきます* 日時: 平成27年11月18日(水曜日) 午後1時 ~ 4時 10 分 場所: 皇學館大学 記念館 (伊勢市神田久志本町 1704、近鉄宇治山田駅よりバス5分) 聴講無料 一般の方のご来場を心よりお待ちしております。 問い合わせ先: 皇學館大学文学部児玉研究室 ☎ 0596-22-0201(代表)/0596-22-8615(直) Nancy Gaffield (ナンシー・ガフィールド) ケント大学 スクール・オブ・イングリッシュ教授(文学博士) 詩から舞台へ:東海道−広重の旅路を超えて 2012 年の夏に、私の 2011 年度の受賞詩集 Tokaido Road を基にしたオペラの台本の執筆依 頼を受けました。私の詩集は広重の『東海道五十三次之内』の各版画に対応する旅をコンセプ トとして、ケント州の我が家の書斎でりんご果樹園を眺めながら執筆しました。日本の「借景」 にヒントを得て、19 世紀に広重が描いた版画の情景に私自身の日本と日本文化の探求を織り 込んだものです。実際の旅の情景を描くためには、 「人物」の創造が必要となります。ここに はヒロ、菊代、まりこ、トリックスターの役をする天狗などに加えて、記憶を具現する存在も 登場させました。 詩歌を演劇作品に翻案するためには、素材から物語やテーマを紡ぎだし、聴衆が呼応できる 人物が登場する面白い物語を創造する必要があります。その鍵は、詩に登場するヒロという人 物を、1832 年に日本の東海道を歩き始めた若き広重の再現として描く事にありました。日本 という未知の国の神秘を露わにしながら、一つ一つの場面をスケッチしていくことです。 このオペラは、広重という偉大な風景版画家の人生を探求しながら、同時に、想像力によっ て再構築された一つの作品となりました。広重の作品が「芸術の力」を喚起する証左となった といえるでしょう。 Kate Romano (ケイト・ロマーノ) ギルドホール音楽演劇学校講師(学術博士)、クラリネット奏者 Tokaido Road:東西文化をつなぐ橋 2012 年ナンシー・ガフィールド著 Tokaido Road という素晴らしい詩集に出会い、日本の 江戸時代の版画家である広重の物語と彼の旅をオペラ化したいという気持ちを私に掻き立て ました。そして、私にとって初のプロジューサーとしての作品である、この大掛かりなプロジ ェクトに取り組みました。オペラ化への許可をとり、オペラづくり、資金集め、ツアー計画な ど行い、私自身もまた、舞台で演奏に参加しました。オペラ Tokaido Road; A Journey After Hiroshige は 2014 から 2015 年にかけて英国の8か所で上演し、高い評価をいただきました。 本当に大きな仕事であり、この4年間は私の生活の多くをこのオペラ制作が占めたと言えるほ どです。 この講演では、ドラマ、詩、音楽、マイム、写真、そして絵、という複数の芸術と東西の文 化を融合させてオペラを作るという挑戦をお話しします。また、作曲家ニコラ・レファニュが、 どのようにして東西が融合した新しい音の世界を作り上げたかをお伝えします。ロンドンでの 初演で録音された音楽とビデオクリップとともに、東西をつなぐ芸術の橋を探し求める旅を辿 ります。
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