むなかたの碇星 - Planetarium

- 提 案 -
むなかたの碇星
宗像ならではの星空の世界
2015年11月15日 初案その2
提案者:加藤 治
趣旨・目的
「むなかたの碇星」は、福岡県宗像市をはじめとする北部九州の海岸において、
この地ならではの星空の楽しみ方を提案するものです。
北に海が広がる宗像。そこに輝く「碇星」を眺めてみませんか?
2015年11月8日時点においては、個人的な提案段階であり実証はこれからです。
今のところはシミュレーション上のものとします。
「碇星」とは?
カシオペヤ座のWの星の結びを、日本の一部地方では「いかりぼし(碇星)」と呼んでいた。
北極星を探すときの星の目印として、北斗七星と共に知られているのが「カシオペヤ座」です。
Wの星の結びで、比較的知名度のある星座として知られています。
日本ではこのWの星の結びを「碇星(いかりぼし)」と呼んでいた地方があります。
瀬戸内・北陸や東北の一部で呼ばれていた名称で、九州では宮崎県延岡市で言い伝えが
確認されています。比較的日本の広い地域で呼ばれていたようです。Wの結びを碇に見立て
たところが、四方を海に囲まれている日本ならではの発想といえるでしょう。
昔の人は、カシオペヤ座が「碇」で、北極星まで綱が伸びている姿を想像していたのかもしれません。
「いかりぼし」は、
切手になりました。
「いかりぼし」 は、2012年発効の特殊切手
「星座シリーズ第2集」において切手になりました。
(左下の切手です)
この中では「いかりぼし」だけが、日本古来の星の
呼び名の切手となっており、比較的一般的なもの
として取り扱っています。
(C) 日本郵便
カシオペヤ座
カシオペヤ座は、「秋に見やすい星座(秋の星座)」として
見ることができます。
オリオン座ほどではありませんが、比較的知名度は高く、
学校で北極星を探すときの星の並びで学習することも
あります。
ギリシャ神話では、「エチオピア王家物語」の登場人物の
一人で、ヒロインのアンドロメダ姫の母親(王妃)として
登場します。
★カシオペヤ座の特徴として
1.星の並びが比較的覚えやすい
2.なんとなく魅力的な名前の響き。
列車やバンド名に採用されていた。(カシオペア)
3.日本の多くの地方では、「周極星」で、一日中沈まない
星座です。
ヘベリウスの星座絵より
周極星について
空全体の星の動き
北の空の動き
太陽や月は、地球の自転によって、東から西へと動きます。星も同様ですが、太陽・月とは違い
空に無数にあるため、沈まない星があります。
地球の自転軸は北極星を向いています。そのため、北極星を中心に星は(北極星を正面にした場合)
反時計回りに回転していることになります。
大半の星は沈みますが、北極星とその周辺の星は地平線下に沈むことはありません。
これを「周極星」と呼んでいます。
つまり、北の空を見ると、「ギリギリ沈まない星」があるわけです。そのひとつが「むなかたの碇星」です。
「むなかたの碇星」は周極星か?
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」による結果
場所:福岡県宗像市内「北斗の水汲み海浜公園」東経130度30分5秒 北緯33度51分10秒 標高0m
カシオペヤ座が北の空もっともギリギリを通過する星が「シェダル」で、明るさはおよそ2等星です。
この星が真北を通過する時の高さは、0.899度。 1度を下回っていますが、水平線より上にあります。
この数値は大気差補正の数値(大気による浮き上がり現象)です。
碇星が水平線上でギリギリ沈まない場所は、宗像と周辺の北部九州にあるものと思われます。
(もちろんシチュエーションによっては他地域にもあると思います)
これ以上北になると、碇星が高くなり、南になると完全に沈みます。
実際に見るのは難しい でも・・・
これだけ低い星は、雲や水蒸気・漁船の漁火・黄砂やPM2.5の影響により、見ることは非常に
難しいと思われます。
また、「北斗の水汲み海浜公園」の北には地島があるため、この場所より少し外れた場所で
見る必要があります。
しかし、実際に目で見るのは難しくても、シミュレーションソフト上可能なら、なんとか
見てみたいと考えます。「観測結果」は、天文学上重要であります。
この状態を水平線の「むなかたの碇星」とします。肉眼では難しいかもしれませんが、
写真撮影ならあるいは・・・の可能性はあります。この状態が撮影もしくは目視ができ
れば、「宗像ならではの星空」となります!
水平線の「むなかたの碇星」
■水平線の「むなかたの碇星」の定義を以下に定めます。
1.カシオペヤ座「シェダル」(αCas)が真北に位置する時の高度が1度以内であること
2.カシオペヤ座のWの星の並び(5つの星)が見えていること。
3.宗像市内であること。(領海内なら可)
4.海の上に、カシオペヤ座のWの星の並びが輝いていること。
以上の4つとします。
なお写真撮影したものについては『水平線の「むなかたの碇星」』の写真とします。
誰が最初に『水平線の「むなかたの碇星」』を見ることができるでしょうか?
しかも、地球の歳差運動により、2037年にはシェダルの高さは1度を超えてしまいます。
『水平線の「むなかたの碇星」』がみられるは、あと20年あまりしかありません!
趣旨は「宗像にある風景を星空と共に楽しむ」ことにあります。
星空と風景を気軽に眺めませんか?
水平線の「むなかたの碇星」から2時間後、カシオペヤ座「シェダル」(αCas)の高さが
4度ほどになります。これでもまだ条件は厳しいのですが、可能性はありそうです。
「むなかたの碇星」
宗像ならではの星空を楽しむツールが「むなかたの碇星」です。
■「むなかたの碇星」の定義を以下に定めます。
1.カシオペヤ座が北の低い空にあること。(「低い」の定義は個人の感性にお任せします)
2.カシオペヤ座のWの星の並び(5つの星)が見えていること。
3.福岡県内であること。(領海内なら可)
4.風景の中に水平線(海)があること
以上の4つとします。
なお写真撮影したものについては『むなかたの碇星』の写真とします。
碇星と北部九州の風景をぜひお楽しみください!
見頃について
●水平線のむなかたの碇星
5月の始めごろ(ゴールデンウイーク)
5月5日ごろは22時4分ごろが、カシオペヤ座「シェダル」(αCas)のもっとも低い時間です。
●むなかたの碇星
5月の始め~6月の始めごろ
5月の始めは一晩中、6月の初めごろは夜半くらいまで
3月、4月の遅い時間でも良いのですが、以下の条件を考えて「見頃」とさせていただきました。
1.気候が安定している。
(冬は晴れる確率が少ない。6月以後は梅雨。GW頃は比較的天候の状態が良いなど。)
2.春霞(黄砂・PM2.5など)の影響が少ない。
3.気温が温かい。(気温が寒いと見るのが大変)
4.見やすい時間帯であること。
以上の条件をもとに見頃としました。
碇星(カシオペヤ座)は「秋に見やすい星座(秋の星座)」のため、秋頃は空高いところに昇ってしまいます。
「むなかたの碇星」は、海と碇星のコラボレーションを重視しています。
ぜひ2016年のGWあたりから「むなかたの碇星」にトライしてください!
『水平線の「むなかたの碇星」』は、2037年までの勝負です!
この資料について
・この資料や情報は随時更新します。
最新版は、「むなかたの碇星」ウェブサイトをご覧ください。
http://planetarium.to/munakata_ikariboshi/
・天文シミュレーションソフトは、アストロアーツ社製「ステラナビゲータVer9」を使用しました。
・この資料、関係ウェブサイトの閲覧または閲覧障害もしくは当サイトの情報に依拠した
ことに関連して生じた損害については、提案者(加藤 治)は、一切責任を負いません。
提案者
発起人:加藤 治 (福岡県宗像市在住) [email protected]
プラネタリウムコンサルタント 合同会社アルタイル代表
更新履歴
2015年11月15日 名称を「むなかたの錨星」から「むなかたの碇星」に変更