2010年度マル査事績-脱税裁判は100%有罪に! ●相続税の脱税は前年の1.8倍 2009年度に全国の国税局が着手した強制調査 は213件。処理された210件のうち検察庁へ告 発されたのは71.0%(前年は73.6%)にあたる 149件でした。 脱税総額は290億円と前年より17%減少。1 件当たりの脱税額も、1億3,800万円と前年の1 億6,900万円より大きく減少しています。 税目別では、法人税が1 52億円と前年より約2割 減少したのに対し、所得 税は前年比35%増の53 億7,500万円、相続税は1 9億円と金額は少ないもの の前年の1.8倍となってい るのが目立ちます。 百万円 25,000 税目別の脱税額 20,000 15,000 10,000 5,000 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 所得税 法人税 相続税 消費税 源泉所得税 ●裁判では100%有罪! 「脱税は犯罪」という認識が薄い ため脱税するケースも多いようです が、検察庁へ告発され裁判となると、 表のとおり100%有罪判決が出てい ます。懲役期間も15カ月程度と決し て短くはありません。 とはいえ実刑判決人 数は2009年度は7人 で、ちょっと少ない印 象も…。 ●3年連続でチェックされた業種とは? 告発件数が多かった業種は 表のとおり。「鉱物・金属材 料卸業」「不動産業」「建設 業」「商品・株式取引」「 人材派遣業」はいずれも3年 間連続でランクインしていま す。告発案件が確実に出るた めに査察が入りやすい業種と もいえましょう。 特徴的な脱税手口は、次の 通り。毎年同じような手口を 発見されており、脱税手口自体は変化はあるわけではありません。 ★不動産業 → 取引で得た利益を全く申告しない ★鉱物・金属材料卸 ★商品・株式取引 → 売上を除外する ★建設業 → 架空の原価を計上する ★キャバレー・飲食店 → 従業員等から徴収した源泉所得税を納付しない ★人材派遣業 → 課税仕入にできない人件費を、課税仕入となる外注費に科目仮装して消費税を申告 MONTHLY NEWS LETTER 2010.8 Copyright© Consulting Alpha, Inc. All Rights Reserved
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