PowerPoint プレゼンテーション

喜茂別町再生可能エネルギー活用による地域熱利用システム案件形成調査事業[H26年度成果概要]
株式会社ディンプレックス・ジャパン、北電総合設計株式会社
・本事業は、積雪寒冷地において除排雪の設備として用いら
れている流雪溝を流れる水を熱源とした、ヒートポンプによる
熱供給システムの構築に向けた調査事業である。
・流雪溝周辺の複数施設の熱需要に応じて蓄熱運転制御等
を行うことで、流雪溝の熱量ポテンシャルを最大限有効活用
できるシステムの構築のための調査・検討を行った。
取組みの背景
実施地域の概要
・喜茂別町は北海道内でも有数の多雪地域であり、
町内には喜茂別川から取水した除排雪利用のため
の流雪溝が整備されている。
・一方、町内の施設の暖房・給湯設備は化石燃料を
使用しており、その削減が課題となっている地域で
ある。
流雪溝の利用
流雪溝(喜茂別町内)
喜茂別川から取水した
流雪溝を流れる水は除
排雪用途のみに利用さ
れているが、この水の
保有する熱エネルギー
をヒートポンプの熱源と
して利用することが期
待出来る。
実施体制
複数施設での再生可能エネルギーの活用
株式会社ディンプレックス・ジャパン
ヒートポンプで
生成した温水
を、施設の暖
房及び給湯用
途に利用する。
北電総合設計株式会社
ふれあい福祉センター
農村環境改善センター
・事業全体調整
・現地調査、現状把握
・システム検討、評価
・現地調査、現状把握
・システム検討、評価
・検討会資料、報告書作成
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流雪溝の概要
熱需要側施設の概要
流雪溝
流雪溝は水の掃流力を利用して溝内に投入された
雪を河川まで運搬するものであり、道路脇等に設置
されている。
農村環境改善センター
竣工S61年
(北海道虻田郡喜茂別町字伏見264-4)
喜茂別町教育委員会の執務
室、及び地域の催事において
町民が利用する複合施設で
ある。熱源機は灯油ボイラー、
放熱器は床暖房パネルと温
水パネルヒーターを使用して
いる。
ふれあい福祉センター
竣工H9年
(北海道虻田郡喜茂別町喜茂別15-1)
流雪溝諸元
地域高齢者の在宅福祉の
拠点となる施設で三つの機
能(デイサービスセンター、
介護支援センター、老人福
祉センター)を備えた複合
施設である。熱源機は灯油
ボイラー、放熱器は床暖房
パネルを使用している。
出典:平成23 年2 月 喜茂別町
「緑の分権改革」推進事業資源賦存量等調査委託業務報告書(概要版)
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技術の特長
複数施設の熱需要に応じた蓄熱運転制御
・ヒートポンプによって生成された温水を蓄熱槽を経由して
床暖房パネルなどの負荷に供給する。この際、負荷量に応
じて蓄熱槽に保有する温熱量を制御することで熱供給量を
調整する。
・施設の熱需要パターンよりベース負荷を賄うヒートポンプ
を選定し、かつピーク負荷に応じて温水を蓄熱する制御を
組み込むことで、効率的に流雪溝の熱量ポテンシャルを利
用する。
熱源機に水冷式ヒートポンプを利用し、流雪溝
からの熱エネルギーを回収し、熱需要側に必要
な温水を供給する。
流雪溝を流れる水を熱源として利用
【採熱方法】
・流雪溝に熱交換器を設置し採熱を行う。
・熱交換器については流雪溝内に設置するか、流雪溝と
一体化させたものかのどちらかとする。
・熱交換器二次側の熱媒体には不凍液を使用して熱源
機に熱エネルギーを供給する。
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本年度実施した調査
調査(検討)項目
方法
結果
熱供給側の状況把握
・流雪溝の経路及び排雪口の位置を確認す
る。
・流雪溝を流れる水の温度を温度計にて測
定する。
・プロペラ式流速計を用い水の流速を測定し
流雪溝の寸法と水位から流量を算出する。
・水を採取し水質検査する。
・流雪溝を流れる水の流量は分岐後でも約5ton/min
あり、想定以上のポテンシャルを有することを確認し
た。
・農村環境改善センター付近の流雪溝を流れる水の
熱量ポテンシャルは786kW、ふれあい福祉センター
は558kWとなりヒートポンプの熱源として十分に利用
可能と判断した。
熱需要側の状況把握
・暖房、給湯回路の往き還り温度を熱電対と
データロガーを用いて測定する。
・暖房、給湯回路の流量を超音波流量計を
用いて測定する。
・ボイラーの燃料消費量を既設の油流量計
を用いて測定する。
・ボイラー、ポンプの消費電力を電力計を用
いて測定する。
・農村環境改善センターの暖房ボイラーの平日の平
均供給熱量は約42kW、催事日においては平均約
80kWであった。また、ピーク時は平日約110kW、催
事日約130kWであり、始業時に発生していた。
・ふれあい福祉センターの暖房ボイラーの平日及び
土日の平均供給熱量は約35kWでピークはみられな
かった。
・これより、農村環境改善センターに60kWのヒートポ
ンプを1台、ふれあい福祉センターに40kWを2台設置
すれば必要な熱量を供給可能であると判断した。
熱需給バランス設計
検討
・熱供給側と熱需要側の状況調査より、熱
需要に対して最適な熱供給量(採熱量)を検
討する。
・上欄のヒートポンプを設置しこれらの成績係数を3.0
とした場合、合計の必要採熱量(流雪溝からの熱供
給量)は66.7kWとなる。
・よって、流雪溝の持つ熱量ポテンシャルのうち5%を
回収することができれば、各施設の熱需要をまかな
うことができる。
地域熱利用複合シス
テムの具体的検討
・流雪溝と熱需要施設の位置関係と熱需要
施設間の位置関係を把握し、複合システム
の構築に必要となる条件を検討する。
・ヒートポンプ容量と必要採熱量から複合システムの
構築は可能であると判断したが、より具体的に設計
検討するにあたっては、同一流雪溝に近接した施設
で実証を行う必要がある。
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本年度成果
・流雪溝の調査より、流雪溝の流路形状を現状から変えるこ
とは流雪溝そのものの機能を損なう恐れがあり、また流速分
布の不均一さを助長させ熱交換器の局部凍結を起こす懸念
もあるため、ピットを設ける方式は適さないと判断できる。
・熱需要パターンの調査より、農村環境改善センターには
60kWのヒートポンプを1台、ふれあい福祉センターには40kW
のヒートポンプを2台設置することで、ベース負荷に必要な熱
量を供給できることが分かった。
・また、ピーク負荷に対しては夜間に蓄熱槽に温熱を蓄熱を
させる方法が有効であることが分かった。
・流雪溝の調査より、流雪溝の熱量ポテンシャルの5%程度を
回収すれば、ベース負荷に必要な採熱量が確保できること
が分かった。
【導入効果】
省エネ効果:約42%(原油換算約30.4キロリットル/年)
省CO2効果: 約58.3%(約110トン/年)
再生可能エネルギーへの依存率: 66.7 %
経済性:コスト回収約20年(1/2補助の導入で約10年)
課題・課題解決策
【流雪溝】
(課題)流雪溝の熱量ポテンシャルを最大限採取できる熱交
換器の形状、及び採熱方式の検討が必須である。
(対応)流雪溝と一体化した熱交換器などを検討し、熱交換
器メーカー等との共同開発にて課題解決に取り組む。
【熱需要施設】
(課題)施設それぞれの熱需要ピークに対して最適な
蓄熱時間、蓄熱量を設定・制御する一元管理システ
ムの構築が必要である。
(対応)熱需要が平日及び休日を通じて安定している
施設をベース負荷として、他施設で発生するピーク負
荷を制御する方法を検討する。また、ベース負荷時の
必要採熱量を確保し、かつ過剰採熱を防止すると同
時に、必要に応じて蓄熱量を調整できる制御・管理シ
ステムの構築を検討する。
今後の展開
展開策
多流量の流雪溝、排水溝、側溝または水路を保有す
る自治体、施設、事業者などに対して本調査事業の
成果を展開できる。
具体的には、流雪溝や排水溝などを保有するまたは
新規に敷設を予定する地域などにおいて、これらを流
れる水を熱源とする複合的な熱供給設備を構築する
ための調査項目や設計に必要な条件等を示すことで
ある。
次年度へ向けて
同一流雪溝に近接した複数の熱需要施設を対象に
実証できれば、次年度への本事業の移行は可能であ
ると考える。
このためには町内の実証対象となる複数の熱需要施
設の抽出及び、流雪溝からの採熱場所等を実証事業
主体者である喜茂別町と行っていく必要がある。
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