環境方針 ソニーエナジー・デバイスでは、ソニーグループ環境ビジョンを当社の環境方針として位置付け、環境 負荷低減及び、環境保全活動に取り組んでいます。 ソニーグループ環境ビジョン 1. 理念 ソニーは、あらゆる生命の生存基盤である地球環境 が保全され、現在だけでなく将来にわたり、健全で心豊 かな持続可能な社会を実現するために、自らの事業活 動および製品のライフサイクルを通して、環境負荷をゼ ロにすることを目指します。 2. 基本方針 環境法規制を遵守し、 グローバルな環境マネジメント システムを継続的に改善しながら、自らの事業活動、及 び製品のライフサイクル全体を通して環境負荷を確実 に減らすとともに、汚染の防止に努めます。特に、重要な 環境の4つの側面については、下記のゴールを設定し、 実現に向けて積極的に行動します。 ■ 気候変動について ■ 化学物資について 事業活動ならびに商品・サービスのライフサイクルに 起因するエネルギーの使用を削減し、温室効果ガス の ※ 排出ゼロを目指します。 ※ 地表面から反射する太陽光の赤外線を吸収することで、地表の 温度を上昇させる効果があるガス。 メタン、亜酸化窒素、 代表的なものとして、二酸化炭素(CO2)、 ハイドロフルオロカーボン(HFC)類、パーフルオロカーボン (PFC)類、六フッ化硫黄(SF6)の6つのガスがある。 使用する化学物質が人の健康と地球環境にもたらす 著しい悪影響のリスクを最小化します。使用する化学物 質の確実な管理を行うとともに、予防的措置の観点に 立ち、科学的確証が十分に得られていない場合も考慮 しつつ、環境に著しい影響を与える可能性のある物質 の継続的な削減・代替に努め、可能となり次第、その使 用を中止します。 ■ 資源循環について ■ 生物多様性保全について 事業活動における新規の資源投入量を最小化するた 事業活動や地域貢献活動を通して、生物多様性の維 めに、重視する資源を特定し、その新規材料の利用量ゼ 持、回復を積極的に推進し、生態系サービスの保全と持 ロを目指します。 また、水の適正な利用に努め、事業所に 続的な利用に努めます。 おける廃棄物を最小化するとともに、市場からの製品の 回収リサイクルに最大限の努力をします。 ― この 環 境方針は社内外に公表する ― 「 ソニーグループ環境ビジョン 」をソニーエナジー・デバイス(株)の環境方針として適用する。 ソニーエナジー・デバイス株式会社 代表取締役社長 江連 淑人 省エネル ギー 活 動 当社では、全職場を巻き込んだ省エネ活動を毎年積極的に推進し、省エネルギー対策に取り組んでい ます。 1. 高効率機器の導入によるエネルギー削減 高温水供給型高効率ヒートポンプ導入による脱化石燃料&廃熱回収を実現し、使用エネルギーを 大幅に削減することができました。 硫黄酸化物(Sox) 窒素酸化物 (Nox) 2段廃熱回収システム ◀ 排ガス 除湿器 蒸気140℃ 70℃ 電気 LNG 40℃ 蒸気 ボイラー 暖房 廃熱回収 冷温水同時取出 放熱 45℃ 暖房 & 融雪 7℃ 冷房 & 生産系 排熱回収 7℃ LNG 冷凍機 高温ヒートポンプ 温水機 脱化石 燃料 熱交換器 生産系 12℃ 冷房 & 生産系 電気 廃熱回収型 大型冷凍機 2.製造工程、空調・冷却水の固定エネルギー削減 製造部門と関連部門が一丸となり、今まで連続供給が必要とされていた空調・冷却水の固定エネ ルギーを検証し、改善を重ね削減することが出来ました。 [ 改善ポイント ] ①生産停止時の室内湿度値の変更 従来:20%以下→改善:30%以下 ②生産停止時の生産冷却水の停止 従来:連続運転→改善:停止 ③生産停止時の空調の停止 従来:連続運転→改善:停止 3.クールビズ、 ウォームビズの全社活動の継続実施 全事業所で実施している夏季省エネ活動(6月∼9月)では、エアコンの温度28℃設定を初め、エ レベーターの階段利用(2UP&3Down)、工場の電力予報などを行い、活動部署ごとに施策計画を 作成し全社員で省エネルギーの推進に取り組んでいます。 廃 棄 物 削減 活 動 当社では、廃棄物削減活動はもちろんの事、発生した廃棄物についても出来るだけ再資源化するよう、資 源循環活動を積極的に推進しています。 1.工程排水の再利用による廃液削減 溶剤を含む工程廃液を、溶剤回収装置(スクラバー)の用水として、再利用することで水分を蒸発させ (装置からの熱風を利用)、廃液の廃棄量を削減することが出来ました。 蒸気 溶剤を含んだ熱風 工程排水 ※この施策により、廃棄物量の削減と合わせて →停止 工場用水の削減、更に溶剤濃度を上げること で産業廃棄物処理から、溶剤回収処理を可能 にし、処理内容の質の向上も行いました。 再利用 廃液 産廃→溶剤回収・再利用へ 2.資源循環による廃棄物の削減 ソニーでは、グループ内で一度排出された廃材を再度原材料としてソニーグループ内で使用した場 合、 「G0 (グレードゼロ)認定」制度を推進しており、排出量からオフセットできるシステムとなっています。 当社では、生産工程から排出される 「銅箔」 や「溶剤」の資源循環を実現しています。 G0:リサイクルにおけるソニーグループ内の 順位指標のうち、最上位グレードのこと 銅回収再生メーカー ソニーエナジー・デバイス㈱ 銅箔メーカー 製 品 水使用量の削減活動 当社では、地下水・公共水道を製品の洗浄工程や装置の冷却水など、色々な用途に使用しています。その ため、水資源保護・地盤沈下対策のために水の使用量削減に取り組んでいます。 1.空調結露水等の再利用による削減 従来は、除湿機から出る結露水(ドレン水) と、製造用純水供給装置からの純水濃縮水を常時排水し ていましたが、雑給水槽へ戻すことで排水の再利用が可能になりました。 これにより井戸からの補給水 を削減でき、大幅な節水が図れました。 また、回収した排水はトイレ使用水や省エネ対策とした屋根散 水による冷却効果により、冷房の空調負荷が低減され夏季の電力削減にも寄与しました。 除湿器ドレン 純粋濃縮水 井戸補給水 回収利用 WC空調補給水 回収利用 仮設事務所用屋根散水 削減 雑給水槽 仮設事務所 2.製造設備改善による洗浄水の削減 従来は、洗浄後の水は全て排水処理をしていましたが、洗浄実験・検証を繰り返し設備改善を行う ことで、洗浄水の 20%を循環し再利用するこが出来ました。 レス ペ ーパ ー 活 動 当社では、2004 年度以降、目標設定を行い削減する項目から実績管理に移行していますが、継続的な活動 推進により、増加の抑制に努めています。 化学 物 質 削 減 活 動 当社では、ソニーグループで定められているクラス3 (削減物質) に該当する化学物質を主に対象として、 削減活動に取り組んでいます。 また、化学物質の大気放出を防ぐため、燃焼装置や回収装置を導入して環境 負荷の低減にも取り組んでいます。 ※ソニーグループ化学物質分類:クラス1 (使用禁止)、 クラス2 (全廃)、 クラス3 (削減)、 クラス4 (管理) 1. 回収装置による大気放出の防止 環境リスク対 策 当社では、さまざまな薬品や有害物質を使用しております。 これらの化学物質を敷地外に流出させない ように、徹底した管理・監視を行い、 リスク低減に取り組んでいます。 1. 最終放流水の管理及び、緊急時遮断システム 各事業所では、排水口に PH センサー、油感知センサーを設置して常時排水の異常がないかを監視 し、異常があった場合は、流出を自動的に遮断するシステムを備えています。 2.漏洩防止訓練の実施 定期的に各職場ごとに想定される漏洩事故に対して、訓練を実施して敷地外に流出させないよう努 めています。 ・重油、薬品、有害物質等の漏洩を想定し、通報連絡、漏洩物拡散防止、回収、遮断操作の訓練を実施 3.屋外配管類の改善によるリスク低減 工場内の埋設配管は全て、地上化にする対策を実施することで、配管の破損をすぐに発見でき、土壌 や屋外への流出の可能性を防ぐ対応を実施しています。また、配管と配管の継ぎ目は、 2重配管をする ことで更なる漏洩リスクの低減を図っています。 製品に関する環 境 配 慮 世界初 無水銀酸化銀電池 商品化(2005年) 無水銀アルカリボタン電池 商品化(2009年) 電池には、使いきりタイプの一次電池(例:乾電池、ボタン形電池)、充電して何度も使える二次電池(例: リチウムイオン電池)、太陽電池などの種類があります。そのうちボタン形電池については、電池内部で発 生する水素ガスを抑制するための水銀が必要であり、技術的に無水銀化は困難とされていました。 しかし、 水銀は誤った使い方をしたり、不適切に廃棄された場合などは、環境や人体へ多大な悪影響を及ぼす可能 性を否定できません。そこでソニーエナジー・デバイス(株)は、環境負荷低減に貢献すべく、ボタン形電池 の無水銀化にいち早く取り組んできました。2004年にボタン形酸化銀電池を世界で初めて無水銀化。そし て2009年、酸化銀電池よりも実現が難しいとされていたアルカリボタン電池での無水銀化を独自の技術 により成功させました。 1. ボタン形酸化銀電池の無水銀化 2004 年のボタン形酸化銀電池の無水銀化では、 3つの技術を開発することで、水銀を添加せずに亜鉛の 耐食性を高め、水素ガスの発生を大幅に抑制することに成功しました。 ① 耐腐食性が従来よりも約10倍優れる高性能亜鉛合金粉を負極材に採用 ② 耐腐食性を約2倍に高める腐食抑制剤を負極材へ添加 ③ 内部電解液の漏出を抑えつつ亜鉛の腐食を抑制する集電体への防食処理 上記3つの独自技術によって、 水素ガスの発生を大幅に抑制することで無水銀化に 成功しましたが、実はもう一つ、正極である酸化銀が水素ガスを吸収する特性を持っ ていることも利用しているのです。 この事で、 万が一水素ガスが発生したとしても、 酸 化銀が吸収することで、 有水銀時と同等以上の安全性を実現することができたのです。 2. 酸化銀電池の技術をベースに、アルカリボタン電池を無水銀化 アルカリボタン電池には、酸化銀電池のように水素ガスを吸収してくれる物質が存在しないため、アル カリボタン電池の無水銀化は酸化銀電池以上に困難で、ほぼ実現不可能とされていました。 ただ、アルカ リボタン電池は酸化銀電池に比べて安価で、小型の電気機器やゲーム機・おもちゃなどで幅広く利用さ れています。子供が手にする機会も多いため、アルカリボタン電池の無水銀化が、安全性を十分に配慮し た上で実現できる事が一番望ましかったのです。 当社は、アルカリボタン電池でも、酸化銀電池と同じように、万一発生する水素ガスが吸収できれば、安 全な無水銀化が実現できると考え、優れた水素ガス吸収能力を有する材料の研究開発を積み重ねまし た。そして新たに、独自の水素ガス吸収材を正極に配合、これに無水銀酸化銀電池で開発した3つの独 自技術を組み合わせることによって、アルカリボタン電池でも有水銀の場合と、同等以上の性能と、安 全性を確保した無水銀アルカリボタン電池の商品化に成功しました。 製品 環 境コンプライアンス 1. 製品における化学物質管理 ソニーエナジー・デバイス㈱では、製品に使用されている部品すべてに対して、 ソニーの化学物質管理 基準である、 「部品・材料における環境管理物質管理規定(SS-00259)」※1を基に、欧州連合が2006年7 月から施行しているEU RoHS指令や、2007年3月より施行された、中国の電子情報製品汚染制御管理 弁法などの各国の関連法規制を順守するために、 ソニー共通の化学物質管理を行っています。 さらに、当社では、EUのREACH規則に対応するためにソニーが導入した、 (旧) グリーン調達調査共通 化協議会(JGPSSI)の調査回答フォーマットを活用し、サプライヤーから購入した部品や材料中に含まれ る特定の化学物質含有データを収集し、 ソニーの環境データベースに登録を行うことで、全世界で共通し た管理を行っています。 ※1)サプライヤーに対する化学物質についての納入基準(第13版:2014年3月発行)。対象とする化学物質とその用途を、即時使用禁止、 ある期日をもって使用禁止、現時点では期日を定めないが全廃を目指す対象に分類して管理しています。 ■ 製品に含まれる化学物質の管理に関する基本3原則 ①源流管理 当社は、 地球環境の保全と持続可能な社会の実現に向けて、 原材料、 部品の段階から製品出荷までのすべてのプロ セスにおいて、 製品に含まれる化学物質の管理を行っています。 このため、 2002年に制定された、 ソニーの「グリー ンパートナー環境品質認定制度」 にもとづき、 環境保全に配慮した製品作りにご協力いただけるサプライヤーを 「グ リーンパートナー」 として認定し、 グリーンパートナーに認定したサプライヤーからの部品の調達を行っています。 ②品質管理への組み込み 新規の部品・材料に対しては検定を行い、通常の品質基準に加え、収集したJGPSSIフォーマットによる化学物質含 有量データなどを基に、 「SS-00259」 に準拠しているか否かの確認を行います。 また、 製品の量産段階では、 量産部 品の抜き取り検査を実施しています。 これらの管理を行うことで、 不適合品の市場への流出防止を徹底しています。 ③化学分析の活用 禁止物質の不慮の混入を未然防止するため、 サプライヤーに対して、 規定した禁止物質が含まれていないことを証 明する不使用証明書に加えて、含有リスクの高い特定の物質については測定データの提出を一部義務づけていま す。 また、当社の内部管理においても、含有リスクの高い特定の物質については、XRF測定器を用いて確認を行い、 禁止物質の混入防止に努めています。 サプライヤー 原材料メーカー グリーンパートナー監査 (全世界約4,000人)※1 ソニー 部品・材料における環境管理 物質管理規定(SS-00259) 検定 測定 設計 在庫 管理 不使用証明書測定データ 測定 部品メーカー 情報提供 量産・出荷 原材料※2 データベース (グリーンブック) 測定 部品 データベース お客様 地域社会貢献活動・地域コミュニケーション 当社では、工場周辺の清掃活動を初め、県内の小学生見学の受け入れを継続的に行っています。 1. クリーンアップ及び、花の植栽活動 毎年、各事業所で工業団地や国道沿い及び、工場周辺・最寄り駅周辺のゴミ拾いを行い環境美化活 動に努めています。 また、構内には花の植栽も行い花苗は県内の社会福祉法人から購入するなど、地 域社会貢献にも努めています。 社会福祉法人 郡山市社会福祉事業団 郡山市緑豊園 (写真は苗を生育して頂いた方々) 住 所:〒963−0533 郡山市日和田町八丁目字堰山 1 番地 T E L:0 2 4 - 9 5 8 - 4 9 8 0 F A X:0 2 4 - 9 5 8 - 2 8 0 4 Email:[email protected] 2.地域コミュニケーション 毎年、県内の「ソニー子ども科学教育プログラム」の受賞校を対象に、工場見学の受け入れを行って います。その中で「手作り電池教室」や「環境教室」を行い、地球温暖化やゴミ問題の他、手回し充電器、 電池を使った実験を盛り込みながら、楽しく環境を学んでもらう活動をしています。 環境負荷データ集 エネルギー ■ 廃棄物 ■ ※ソニーグループ基準の、G0分を除いた 発生量となります。 G0:廃棄した廃棄物を資源として 循環し、ソニーで再利用したもの 用水 ■ ■VOC VOC: Volatile Organic Compounds (揮発性有機化合物) ※ソニーグループ クラス3を対象にした 実績グラフ
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