大会主題 「人間性豊かで創造性に富み、たくましく生き抜く日本人の育成」

第67回日本連合教育会研究大会富山大会
1 大会主題及び設定の趣旨
大会主題 「人間性豊かで創造性に富み、たくましく生き抜く日本人の育成」
〔大会主題設定の趣旨〕
21世紀に入り、これからの時代にふさわしい新たな教育の展開に向けて、学校評議員制度や教
員免許更新制度、中高一貫(連携)教育等の制度・組織の改革をはじめ、総合的な学習の時間の創設
等の大規模な「教育改革」が実施された。さらに、平成18年には、我が国の未来を切り拓く心豊
かでたくましい日本人の育成を目指すこととして教育基本法が改正され、この前文に「個人の尊厳
を重んじ、公共の精神を尊ぶ豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成」「伝統を継承し、新しい
文化の創造」を目指す教育の推進を掲げている。これを受けて、平成 19 年に学校教育法の改正を、
そして、平成 20 年には学習指導要領が改訂された。各学校においては、「生きる力」を継承し、
これを支える「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の調和のとれた子どもの育成を重視して
取り組むこととし、併せて、国の教育振興基本計画が策定され、国をはじめ地方公共団体において
も教育振興に努めなければならないとしている。
このように、国における教育改革は、我が国の未来を見据えた教育の基本理念をはじめ制度や内
容に至るまで、教育全般にわたって行った大きな改革であった。それだけに、これからの時代にふ
さわしい新たな教育として充実・発展することを期して、教員はもとより、社会全体が総力を挙げ
て取り組んでいかなくてはならないのである。
近年、学校教育の課題として、全国的に確かな学力の向上を大きく取り上げている。学力の向上
に当たっては、今の子どもは、何事にもそつなくまじめに取り組むものの、積極的に物事に挑戦す
る意欲に乏しいという学習状況が課題であるとし、各学校においては、学習過程や一人一人に応じ
た指導等について、子どもの学習意欲を喚起するよう工夫・改善に努めている。また、直接指導に
携わる教員の指導力が大きく関わることからその向上に向けての努力もされている。
一方、家庭や地域社会における価値観の多様化や人間関係の希薄化等による社会の著しい変貌
が、学校(園)や子どもたちを取り巻く環境に大きな変化をもたらしている。子どもの規範意識の欠
如による問題行動やいじめ・不登校等の生徒指導上の問題、学校(園)の安全確保の問題等、学校(園)
においては、これらの諸問題への適切な対応を迫られており、その解決に向けての努力が続けられて
いる。また、最近では、携帯電話やパソコン等の情報機器を使ったネットトラブルの発生等により、
問題が複雑化・深刻化するなど、学校教育の大きな課題として、その解決への努力もされている。
日本連合教育会では、昭和24年に発足以来、真摯な実践を積み重ねて、我が国の教育の充実・
発展に寄与してきた。とりわけ、これまでの教育研究大会において一貫して重要視していることは、
幼少期から道徳心や情操等をはぐくむ「豊かな人間性」と社会や文化の発展のための「創造性」を
備えた人間の育成に焦点を当てていることである。
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今回の研究大会においては、教育基本法の理念及び学習指導要領の基本方針、過去の大会主題等
を受けて、「豊かな人間性」と「創造性」を備えた人間の育成を重視することは、本研究大会の主
題に不可欠であると考えた。加えて、子どもたちには、これからの時代の変化にしっかりと向き合
い、我が国の未来をたくましく切り拓いていってほしいとの願いを込めて、大会主題「人間性豊か
で創造性に富み、たくましく生き抜く日本人の育成」を掲げた。
教育を取り巻く現状を考えるとき、学校(園)においては、特色ある教育課程を編成し、学校・
学年(園)が一体となって教育活動に取り組むとともに、教育課題の解決に向けていっそうの努力
が求められる。また、子どもの健全な成長を図るには、学校(園)と家庭・地域社会が共々に支え
る教育を展開しなければならない。こうした考えに沿って、それぞれの学校(園)においては、そ
の実態や特色に即して実践に取り組んできている。本県においても、幼・小・中学校教育指導の重
点に「一人一人を見つめ、育てる」を指標として掲げ、「学習は、本来、一人一人に成立すること
を前提とするものである。指導に当たっては、一人一人のものの見方、考え方、感じ方、願いを大
切にしなければならない。」ということを教育実践の根底に据えて日々の実践に努めている。
学習指導要領の全面実施以来数年間にわたる実践を基に研究を深め、いよいよその成果と課題が
明らかになってきている時期を迎えている。こうした時期の本大会において、学校(園)それぞれ
における多様な実践を持ち寄り、具体的な子どもの姿で語る研究協議を通して主題に迫り、教育研
究のいっそうの充実・深化を目指したい。そして、大会の成果が、明日の教育実践に生きて働くこ
とを期待している。
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