授業改善書 科目名 国際経営論 担当者 菰田 文男 授業の概要 本講義では、長く続いている日本経済の低迷の原因の一つは日本企業の研究開発戦略、 商品戦略、グローバル戦略などのミスがあり、急速な IT化の進展が導く経済成長パタ ーンの変化や消費者の価値観の変化に適切に対応できなかったこと、さらに遡ればその 背景には企業内部における人材教育の不足などあったという観点にたって代表的な諸事 例を提示し、日本経済の再活性化のためにはこの問題点を解決し企業の「選択と集中」 を中心とする戦略の見直しが求められることを論じている。 テーマの性格上、理論的な説明と実証的な事例紹介とがともに必要であり、また取り あげる産業も多岐にわたらざるをえないので、15回の講義で扱うには情報・知識量が多 くなりすぎるということになってしまう。したがって、毎回の講義においては、講義内 容についての資料を配付するとともに、パワーポイントとプロジェクターを用いること によって、限られた時間内に受講生に対して必要な内容を正確に理解してもらえること を心がけた。 授業の問題点 講義においては、理論的・抽象的な解説と、具体的・実証的な事例の提示とをバラン スよく組み合わせて学生の理解を促すことを心がけた。単に情報の獲得のレベルにとど まるだけでなく、知識にまで高められるためには抽象理論・原理が現実社会とどのよう に結びついているかを理解することが不可欠と考えるからである。しかし、その結果と して上述のように必然的に扱う情報・知識量が多くなってしまう。したがって、毎回の 講義で内容の要約や統計データを資料として配布することによって、対処した。資料に ついては、 「資料内容が面白く、興味が持てた」等の肯定的なコメントを得たが、反面で やはり学生にとって消化不良になりがちであるという負の側面を全て克服することは難 しい。たとえば、 「統計データをもう少し見やすくして欲しい」というコメントなどもあ った。 また、プロジェクターを用いてスクリーン上で情報を共有することによって解説する 際も、直感的な理解が可能となるように、文章だけでなく可能な限り画像データとして 表現することを心がけた。画像での表現は理解を容易とする上で大きな効果があること は間違いないようであるが、その反面で単に表面だけを眺めてその深い意味を理解する ことに終始してしまいがちであることも予想されるので、さらに工夫することが必要で あると考えている。 授業改善の課題・方策 扱うテーマとその視点自体は現在の延長上で、それを発展的に継承することで大きな 問題はないと考える。 今後、最重要な改善点は、扱う事例を的確に選別し、盛りだくさんとなってしまって、 受講生の消化不良にならないように努めることである。 次に、経済は日々進化するので最新のデータや事例をフォローして、ダイナミックな 「生」の経済を受講生が学ぶことができるように努めることも必要である。 それ以外にも、資料の作成やパワーポイント作成にかんしても、理解を容易にするた めのテクニカルな部分的改善も必要である。 その他 特になし
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