「参考品・保存品」に関する アンケート調査の結果

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「参考品・保存品」に関する
アンケート調査の結果について
第35回医薬品GQP・GMP研究会
平成27年10月27日(火) メルパルク東京ホール
平成27年11月 5日(木) メルパルク大阪ホール
平成27年11月10日(火) タワー111スカイホール
大阪医薬品協会 品質委員会
品質システム研究部会
(1)-1 原料(重要)を単独で保管していますか?
現在
将来
c.単独では保管
していない
16%
b.一部単独で
保管
13%
c.単独では保管
していない
11%
b.一部単独で
保管
13%
a.すべて単独
で保管
71%
a.すべて単独
で保管
76%
現在、71%の製造所が「すべて単独で保管している」との回答であった。また、「単
独では保管していない」との回答は、将来(1年後)において5%減少しており、リス
ク評価の結果より、すべて単独で保管することが必要と考えているかもしれない。
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(1)-2 原料(重要)を単独で保管していないと回答さ
れた製造所の理由は?
将来
現在
e.その他
33%
a.リスク評価の結果
必要なし
33%
d.最終製品の参考品 b.準備中
17%
又は保存品と兼用
17%
e.その他
38%
a.リスク評価の結果
必要なし
50%
d.最終製品の参考品
又は保存品と兼用
12%
将来的には、リスク評価の結果より単独で保管する必要なしとする方向で検討を進められ
ていることが窺えた。「d.最終製品の参考品又は保存品と兼用」と回答された製造所の見
解としては、「製品の品質試験を行うことで原料の品質を確認出来ると考える」とのこと
であった。また、原料(重要)については、場所が無いという回答は無かった。
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(1)-1 原料を単独で保管していますか?
現在
将来
c.単独では保管
していない
19%
c.単独では保管
していない
23%
b.一部単独で
保管
15%
a.すべて単独
で保管
62%
b.一部単独で
保管
16%
a.すべて単独
で保管
65%
原料(重要)と比較すると、すべて単独で保管していると回答された製造所が10%程度
少なかった。
(1)-2 原料を単独で保管していないと回答された製造所
の理由は?
現在
将来
e.その他
29%
a.リスク評価の結果
必要なし
47%
d.最終製品の
参考品又は保
存品と兼用 b.準備中
12%
12%
e.その他
21%
d.最終製品の
参考品又は保
存品と兼用
7%
a.リスク評価の結果
必要なし
71%
将来的には、リスク評価の結果より単独で保管する必要なしとする方向で検討を進め
られていることが窺えた。また、原料(重要)と比較して将来的に単独で保管しない
と考えられている製造所が多かった。原料はリスク評価が比較的容易なためではない
かと思われる。
※赤字部分は、研究会会場で訂正した箇所。
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(2) 原薬・原料(重要)・原料は、どこで保管されて
いますか?
原薬 現在
b.供給業者等
8%
a.製剤製造業者
92%
原料(重要)現在
b.供給業者等
6%
a.製剤製造業者
94%
原料 現在
b.供給業者等
6%
a.製剤製造業者
94%
原薬・原料(重要)・原料ともに90%以上の製造所が製剤製造業者(自社)で保管してい
るとの回答であった。10%以下ではあるが供給業者等(原材料メーカー等)で保管してい
るとの回答も見受けられたが、それぞれで大きな差異は認められなかった。
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(3) 原薬・原料(重要)・原料の保管数量はどれぐら
いですか?
原薬 現在
d.その他
1%
a.試験必要量
の2倍以上
99%
原料(重要)現在
d.その他
2%
b.試験1回量
4%
a.試験必要量
の2倍以上
94%
原料 現在
d.その他
3%
b.試験1回量
8%
a.試験必要量
の2倍以上
89%
原薬・原料(重要)・原料ともにほぼ90%以上の製造所で試験必要量の2倍以上を保
管しているとの回答であった。原薬の回答ではGMPにもとづき試験必要量の2倍以上
保管しているのに対して、原料(重要)及び原料では試験1回量と回答された製造所
も見受けられた。
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(4) 原薬・原料(重要)・原料の保管期間の設定方法
については、どのように設定されていますか?
原薬 現在
d.検討中
2%
原料(重要)現在
e.その他
3%
c.製造日
から設定
11%
a.保管期間を
b.一定の条件 固定している
63%
(リテスト等)
をもとに延長し
ている
21%
d.検討中
2%
c.製造日
から設定
9%
e.その他
6%
a.保管期間を
b.一定の条件 固定している
64%
(リテスト等)
をもとに延長し
ている
19%
原料 現在
d.検討中
2%
e.その他
8%
c.製造日
から設定
8%
b.一定の条件
(リテスト等)
をもとに延長し
ている
18%
a.保管期間を
固定している
65%
原薬・原料(重要)・原料ともに約60%の製造所で入荷時に保管期間を固定していると
の回答であった。また、それぞれで大きな差異が認められなかった理由として、製造所ご
との考え方が反映されていると思われる。
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(6) 保管条件はどのように設定されていますか?
原薬 現在
成り行き(室温外
になりうる)
13%
承認書の貯法
の範囲内
40%
室温(1~30℃)
47%
原料(重要)現在
原料 現在
成り行き(室温外
になりうる)
12%
成り行き(室温外
になりうる)
13%
承認書の貯法
の範囲内
32%
室温(1~30℃)
56%
承認書の貯法
の範囲内
35%
室温(1~30℃)
52%
原薬は、原料(重要)及び原料と比較して若干であるが承認書の貯法の範囲内として
いる製造所が多かった。また、約13%の製造所で成り行き(室温外になりうる)と
回答された製造所があったが、保管場所の課題があるものと考えられる。
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(1)-1 最終製品の保存品は単独で保管していますか?
現在
将来
a.すべて単独
で保管
33%
c.単独では保管
していない
56%
b.一部単独
で保管
11%
a.すべて単独
で保管
38%
c.単独では保管
していない
52%
b.一部単独
で保管
10%
最終製品の保存品については半数以上の製造所が単独では保管していないとの回答で
あった。
(2) 最終製品の保存品を単独で保管していない理由は?
現在
a.リスク評価
で必要なし
e.その他
2%
2%
d.最終製品の参考品
(又は保存品)と兼用
90%
b.準備中
2%
c.場所
がない
2%
将来
a.リスク評価
で必要なし
e.その他
3%
3%
b.準備中
2%
c.場所
がない
3%
d.最終製品の参考品
(又は保存品)と兼用
90%
最終製品の保存品を単独で保管していない理由としては、ほとんどの製造所が最終製品
の参考品と兼用しているとの回答であった。
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(1)-1 直接の容器を単独で保管していますか?
将来
現在
c.単独では保管
していない
47%
a.すべて単独
で保管
36%
b.一部
単独で保管
17%
c.単独では保管
していない
43%
a.すべて単独
で保管
41%
b.一部
単独で保管
15%
36%の製造所で直接の容器については単独で保管しているが、将来的には単独で保
管するとの回答が約5%増加している。
(1)-2 直接の容器を単独で保管していないと回答された
製造所の理由は?
現在
e.その他
10%
a.リスク評価で
必要なし
3%
d.最終製品の参考品
又は保存品と兼用
82%
b.準備中
3%
c.場所
がない
3%
将来
e.その他
12%
a.リスク評価で
必要なし
c.場所
3%
がない
3%
d.最終製品の参考品
又は保存品と兼用
82%
現在と将来の予定で直接の容器を単独で保管していない理由を比較した結果、ほぼ同
じ回答結果であった。単独で保管していない理由としては、最終製品の参考品又は保
存品と兼用している製造所が約80%と大多数を占めていた。
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資材詳細の回答
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直接の容器(容器本体)の保管方法(剤形ごと)
①軟膏剤
④注射剤(バイアル)
⑦錠(アルミ包装)
⑩内服液剤(ガラス瓶)
②点眼剤
⑤注射剤(輸液)
⑧錠(バラ包装)
③外用消毒薬(大容量)
⑥カプセル・錠(PTP包装)
⑨散剤・顆粒(SP包装)
100
⑤
90
80
70
60
①
50
40
10
④
②
③
30
20
⑩
③
③④
⑥
⑦
⑥
①②
⑨
⑧
⑥
④
⑧
⑦
⑨
⑩
⑤
②
⑧
④
⑥
⑧⑨
0
(A)参考品を保管していない
(B)各資材単独で参考品として保管
(C)最終製品の参考品と兼用
(D)保存品と兼用
「(B)各資材単独で参考品として保管」では⑤注射剤(輸液)は83%が単独で保管しているが、
③外用消毒薬は25%、⑩内服液剤は27%と低く最終製品の参考品と兼用している比率が高かっ
た。剤形ごとの特性並びにリスク評価の結果によって差が出たと推測される。
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(1)-1 表示材料を単独で保管していますか?
将来
現在
a.すべて単独で
保管
24%
c.単独では保管
していない
62%
b.一部
単独で保管
13%
a.すべて単独で
保管
27%
c.単独では保管
していない
61%
b.一部
単独で保管
12%
約60%は単独では保管していないであり、その大半は最終製品との兼用であった。
単独で保管している製造所が、 一部も含めて約40%あった。
(1)-2 表示材料を単独で保管していないと回答された
製造所の理由は?
現在
e.その他
8%
a.リスク評価で
必要なし
4%
b.準備中
2%
d.最終製品の参考品又
は保存品と兼用
86%
将来
e.その他
10%
a.リスク評価で
必要なし
2%
b.準備中
2%
d.最終製品の参考品又
は保存品と兼用
86%
現在、将来ともに最終製品の参考品又は保存品と兼用との回答が86%を占めていた。単独
で保管しない理由が、場所の余裕よりも表示材料保管に対する方針によるものと考えられ、
このことが将来的にも変更計画がほとんど見られないことに反映していると推測される。
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資材詳細の回答
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ラベルの保管方法(剤形ごと)
①軟膏剤
④注射剤(バイアル)
②点眼剤
⑤注射剤(輸液)
③外用消毒薬(大容量)
⑧錠(バラ包装)
100
90
80
③
70
①
60
④
50
①
40
30
20
10
②
③ ④
⑤
⑧
④ ⑤ ⑧
②
③
⑤
① ②
⑧
④
⑧
0
(A)参考品を保管していない
(B)各資材単独で参考品として保管
(C)最終製品の参考品と兼用
(D)保存品と兼用
剤形別では「(B)各資材単独で参考品として保管」で③外用消毒薬(大容量)が20%であった。
「(C)最終製品の参考品と兼用」している製造所が約半数以上を占めていた。
直接の容器の保管と比較して剤形での差は少なかった。
おわりに
今回のアンケート調査の結果については、ポイントのみを
スライドに取りまとめております。
今後、今回のアンケート調査の結果をもとに「参考品・保
存品」の効率的な運用について、引き続き、研鑽を進めてま
いります。その成果については、大阪医薬品協会より冊子と
して発刊することを最終の目標としておりますので、今後と
もご支援賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
最後になりますが、今回発表しました「参考品・保存品」
に関するアンケート調査にご協力をいただきました大阪医薬
品協会品質委員会の会員会社の皆さまに感謝申し上げます。
18
19
ご清聴ありがとうございました。
〔大阪医薬品協会品質委員会 品質システム研究部会 参画会社:27社〕
㈱アールテック・ウエノ、天藤製薬㈱、アルフレッサファーマ㈱、
㈱大塚製薬工場、大原薬品工業㈱、岡山大鵬薬品㈱、京都薬品工業㈱、
共和薬品工業㈱、サラヤ㈱、滋賀県製薬㈱、田辺三菱製薬㈱、
田辺三菱製薬工場㈱、帝國製薬㈱、東洋製薬化成㈱、常盤薬品工業㈱、
ニプロファーマ㈱、日本臓器製薬㈱、富士フイルムファーマ㈱、
藤本製薬㈱、扶桑薬品工業㈱、マイラン製薬㈱、丸石製薬㈱、マルホ㈱、
三國製薬工業㈱、㈱ミューチュアル、森下仁丹㈱、ロート製薬㈱