大学基準協会の大学評価システム、

大学基準協会の大学評価システム、
大学基準に基づく点検・評価の考え方について
公益財団法人 大学基準協会
大学評価・研究部
大学評価実務説明会
2015(平成27)年 4月22日・30日
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<アウトライン>
Ⅰ.大学評価の概要
Ⅱ.大学評価のポイント
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Ⅰ.大学評価の概要
(1)大学評価の目的
(2)大学評価の特徴
(3)大学基準
(4)点検・評価項目と評価の視点
(5)評価体制
(6)評価プロセス
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(1)大学評価の目的
【ハンドブック 7ページ】
 本協会が定める「大学基準」に基づき大学の諸側
面を包括的に評価することを通じて、大学の教
育・研究活動等の質を社会に対し保証すること
(質の保証)
 大学評価の結果の提示やその後のアフターケア
を通じて、大学全体の改善を継続的に支援する
こと
(質の向上)
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(2)大学評価の特徴 ①
【ハンドブック 7~8ページ】
1.内部質保証システムの有効性に着目した評価

内部質保証システム(大学の質を自らが保証するため
の恒常的・継続的な大学運営システム)が構築され、
有効に機能しているかを評価する。
2.自己改善機能を重視した評価

学内で取り組まれている自己点検・評価の結果が、改
善・改革に結びついているかを評価する。
3.理念・目的、教育目標の達成度を重視した評価

法令要件の遵守等を評価(基盤評価)した上で、大学
が掲げる目標に向けた取り組み状況とその達成状況
を評価(達成度評価)する。
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(2)大学評価の特徴 ②
4.改善報告書の検討
 大学評価の結果を踏まえた、大学の改善・向上のため
の継続的な支援。
5.ピア・レビューの重視
 本協会の正会員大学から推薦された教職員による、専
門的な知見・識見を駆使した評価。
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(3)大学基準 ①
【ハンドブック 8~9、99~107ページ】
「それぞれの大学の特徴や立場を尊重し、その改善・向上を促
すという観点に立って、各大学の理念・目的を踏まえて、大学
のあるべき姿を追求するための注意点を明らかにすることに
主眼」を置いている。
 大学基準協会が行う大学評価の基準
 大学として適切な水準を維持するとともに、その向上を図る
ための指針
 国・公・私立大学に適用できる汎用性をもって設定
⇒ 大学基準協会が評価の際に活用するだけでなく、大学にお
いても、恒常的な自己点検・評価活動の中で、活用すること
が期待される。
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(3)大学基準 ②
【ハンドブック 99~107ページ】
1.理念・目的
2.教育研究組織
3.教員・教員組織
4.教育内容・方法・成果
①教育目標、学位授与方針、
教育課程の編成・実施方針
②教育課程・教育内容
③教育方法
5.学生の受け入れ
6.学生支援
7.教育研究等環境
8.社会連携・社会貢献
9.管理運営・財務
①管理運営
②財務
10. 内部質保証
④成果
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(4)点検・評価項目と評価の視点
【ハンドブック 8~9、108~124ページ】
<点検・評価項目>
 大学基準ごとに複数設定
 点検・評価項目単位での点検・評価
 「方針」の明確化(基準1と2は除く)
<評価の視点>
 点検・評価の手がかりとなるような具体的な解釈例を示
したもの。
⇒ 大学自らがその特質に応じて具体的な評価の視点を
定めることが必要。
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(5)評価体制
【ハンドブック 13~15ページ】
理事会
大学評価委員会
大学評価分科会第1群
大学評価分科会第2群
大学財務評価分科会
異議申立審査会
国・公立大学部会
私立大学第1部会
私立大学第2部会
改善報告書検討分科会
再評価分科会
追評価分科会
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(6)評価プロセス(概要)
【ハンドブック 9~11ページ】
① 大学による
自己点検・評価
⑦ 改善報告書の検討
⑥ 評価結果に対する大学の
対応・改善報告書の作成
⑤ 評価結果の
通知
②書面評価
③実地調査
④ 評価結果(委員会案)
の提示
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Ⅱ.大学評価のポイント
(1)大学評価の役割の転換
(2)内部質保証のポイント
(3)方針の明確化
(4)教育研究活動の検証体制
(5)説明責任の重要性
(6)評価者の視点
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(1)大学評価の役割の転換
【第1期の大学評価(2004~2010年度)】
【第2期の大学評価(2011年度~) 】
点検・評価報告書を中心とし
た書面評価や実地視察から、
申請大学の教育研究活動等
の詳細を把握し、その質を評
価。
教育研究活動等の詳細を点
検・評価するのは、大学に委
ね、学内の内部質保証システ
ムが十分に機能しているか(
それを証明できているか)を評
価。
点検・評価報告書の作成が自己点
検・評価の目的になっていた傾向が
ある。
定期的な検証システムによって、
PDCAサイクルを回しておくことが
必要。
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(2)内部質保証のポイント
① 内部質保証システム全体に責任を負う組織および
その権限、手続きを明確にしていること。
② 方針を明確にしていること。
③ 大学自身が根拠資料を用いながら、大学の諸活動
の適切性を証明すること。
⇒大学全体と各組織の自己点検・評価が適切に連動し
、教育等の質の保証につながっていることが重要。
⇒内部質保証システムが機能していることが重要。
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(3)方針の明確化
 方針とは、目的・目標を達成するための大学の基本
的な考え方、活動の方向性を示すもの。
 「理念・目的」及び「教育研究組織」を除く、8つの基準で
目的・目標に沿って、「方針」を明らかにする。
 大学構成員が理解し、共有することが重要であり、必要
に応じて社会に公表する。
 方針に基づいて、具体的な到達目標を設定することが重要。
 理念・目的や他の方針との整合性にも注意する。
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(4)教育研究活動の検証体制
 活動ごとに、方針に基づいた活動が行われているか
をチェックし、適切性を検証する体制を大学自身が
有していることが重要。
 本協会は、活動・取り組みに加え、大学自身によって活動
が適切に行われているかを検証できているかを評価する。
 大学評価では、検証するための責任主体・組織、権限、手
続きを明確にしていることが求められる。
 教員組織が適切であるかをどのようにチェックしているか。
 教育課程・内容を見直す際、どこが、どのようなプロセスで行うのか。
各基準での検証体制の充実が基準10における大学全体の
内部質保証につながっていく。
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(5)エビデンスに基づく評価の重要性
 「自己点検・評価」から「内部質保証」へ
 自己点検・評価 ≠ 内部質保証
⇒検証や自己点検・評価の結果等を踏まえ、大学の改
善・改革につなげる仕組みを構築することが必要
 大学自身が自らの教育研究活動の質を、根拠資料
(evidence)に基づいて説明する
根拠資料をおおまかに分類すると…
 現状を説明する資料
 現状を分析(点検・評価)する際に活用した資料
 効果があがっていることを示す資料、または、問題の改善を図る
ための計画や、問題点の改善に着手したことを証明する資料
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大学基準(基準3教員・教員組織)
点検・評価項目との対応
(1)=緑、(2)=赤、(3)=青、(4)=紫
[基準]
大学は、その理念・目的を実現するために、求める教員像や教員組織の編制方針
を明確にし、それに基づく教員組織を整備しなければならない。
[解説]
(1) 大学は、大学として求める教員像や教員組織の編制の方針を明確に定め、学
部・研究科等の教育課程、学生収容定員等に応じた教育研究上必要な規模の教員
組織を設けるとともに、(2)組織ごとに十分な教員を配置し、教育と研究の成果を上げ
る必要がある。また、大学は、 (1)教員の適切な役割分担の下で、組織的な連携体制
を確保し教育研究に係る責任の所在が明確になるよう教員組織を編制する必要が
ある。
大学は、(3)教員の募集、採用、昇任等を適切に行うとともに、その地位の保障にも
十分に配慮する必要がある。 (3)教員の採用に際しては、広く国内外に人材を求める
等人事の活性化を図るとともに、 (3)明文化された基準と手続きに従い、公正かつ適
切な方法で採用を行わなければならない。その際、大学は高度の教育機関であると
ともに、学術研究の中心機関でもある点を考慮し、人格、教育研究指導上の能力、
教育業績、研究業績、学界および社会における活動実績等に留意して、候補者を選
考する必要がある。また、 (2)特定の範囲の年齢に偏ることのないよう教員の年齢構
成に留意するとともに、男女共同参画社会の実現に向けて教員の適正な男女比構
成にも配慮することが重要である。
大学は、(4)教員の資質向上を図るために、組織的に、また、多面的に必要な措置
を講じなければならない。
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点検・評価項目(基準3教員・教員組織)と大学に求められている内容
(1)大学として求める教員像および教員組織の編制方針を明確に定めているか。
→・教員に求める能力・資質の明確化
・教員構成の明確化
・教員の組織的な連携体制と教育研究に係る責任の所在の明確化
(2)学部・研究科等の教育課程に相応しい教員組織を整備しているか。
→・編制方針に沿った教員組織の整備
・授業科目と担当教員の適合性を判断する仕組みの整備
・研究科担当教員の資格の明確化と適正配置
(3)教員の募集・採用・昇格は適切に行われているか。
→・教員の募集・採用・昇格等に関する規程および手続きの明確化
・規程等に従った適切な教員人事
(4)教員の資質の向上を図るための方策を講じているか。
→・教員の教育研究活動等の評価の実施
・ファカルティ・ディベロップメント(FD)*の実施状況と有効性
*ここでは教員の資質向上に関するFD活動を指す(教育方法の改善に関するFD活動は基準4(3)で評価)
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(6)評価者の視点
 「方針」は何か
 具体的な到達目標、計画は何か
 構成員で共有できているか
 方針に沿って活動を展開しているか
 活動を行うにあたっての組織体制、権限、責任所在は明確に
なっているか
 成果を得るために、どのような仕組みをもっているか
 「問題点」あるいは「長所」と認識する事柄について、その改善、
伸張のためにどのような将来計画を立て、実行しようとしてい
るか
 改善につながっているか
 「大学評価 評価に際しての留意すべき事項」(ハンドブック掲載)
 「大学評価委員会 評価に際しての指針」(ホームページ掲載)
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おわりに
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