株式会社メディカ出版 INFECTION CONTROL 編集室 「感染防止対策等に関する平成 26 年度診療報酬改定に係わる資料」 (特別編)「感染防止対策加算」点数の新設により平成 24~27 年度の 4 年間で診療報酬はいくら ▽ 使用されたかについての試算 平成24年度診療報酬改定により新設され、次の平成26年度診療報酬改定においても継続さ れた「感染防止対策加算」点数(感染防止対策加算1=400点、感染防止対策加算2=100点、 感染防止対策地域連携加算=100点)の診療報酬は、新設された平成24年度から平成27年度 ▽ までの4年間で一体いくら支払われたことになるのでしょうか。 4年間の概算を手元の資料をもとに計算してみたいと思います。以下、メディカ出版のWeb サイト「平成24年度・26年度診療報酬改定に係わる資料」にある(番外編)都道府県別「感 染防止対策加算1」届出病院一覧、 (番外編)都道府県別「感染防止対策加算2」届出病院一 ▽ 覧をもとに計算しました。 計算に使用した基礎データは次の通りです。 ・ 「感染防止対策加算1」届出病院の総病床数=445,050床(4枚目の表1参照) ・ 「感染防止対策加算2」届出病院の総病床数=444,381床(4枚目の表1参照) ・病床利用率=81.0%(病院の全病床) ・平均在院日数=17.2日(一般病床) 病院全体の平均在院日数は30.6日ですが、これは精神病床の284.7日や療養病床の168.3 日なども含んだ平均値です。加算1・加算2施設の平均在院日数は当然これより短いと 考えられます。そのため、ここでは一般病床の17.2日を採用します。 ※病床利用率と平均在院日数については厚労省の「平成25年(2013)医療施設(動態) ▽ 調査・病院報告の概況」 (平成26年9月2日公表)より 感染防止対策加算2=100点に関する診療報酬 444,381床×100点× 30 日×81.0%≒62,631,058点 17.2 1ヵ月=約6億2,631万円となります。 1年間では 6億2,631万円×12ヵ月= 75億1,572万円 4年間では 75億1,572万円×4年 =300億6,288万円 つまり ▽ [A]4年間=約300億6,288万円となります。 感染防止対策加算1=400点に関する診療報酬 445,050床×400点× 30 日×81.0%≒250,901,388点 17.2 1ヵ月=約25億901万円となります。 1年間では 25億901万円×12ヵ月= 301億812万円 -1- 株式会社メディカ出版 INFECTION CONTROL 編集室 「感染防止対策等に関する平成 26 年度診療報酬改定に係わる資料」 4年間では 301億812万円×4年 =1,204億3,248万円 つまり ▽ [B]4年間=約1,204億3,248万円となります。 感染防止対策地域連携加算=100点に関する診療報酬 地域連携加算については、加算1とのセット加算とされていますので、加算1を算定してい る施設しか算定できません。しかも、地域連携加算については、届出先である各地方厚生 局のHPにも届出数が計上されていませんので、加算1施設のうちどの程度が算定しているか についてのデータがありません。そこで、高位=100%、中位=50%、低位=30%が算定し ていると仮定した上で、それぞれ計算してみたいと思います。 〈高位=100%(すべての病床が算定している)の場合〉 445,050床×100%×100点× 30 日×81.0%≒62,725,347点 17.2 1ヵ月=約6億2,725万円となります。 1年間では 6億2,725万円×12ヵ月= 75億2,700万円 4年間では 75億2,700万円×4年 =301億800万円 つまり [C]4年間=約301億800万円となります。 〈中位=50%(50%の病床が算定している)の場合〉 445,050床×50%×100点× 30 日×81.0%≒31,362,674点 17.2 1ヵ月=約3億1,362万円となります。 1年間では 3億1,362万円×12ヵ月= 37億6,344万円 4年間では 37億6,344万円×4年 =150億5,376万円 つまり [D]4年間=約150億5,376万円となります。 〈低位=30%(30%の病床が算定している)の場合〉 445,050床×30%×100点× 30 日×81.0%≒18,817,604点 17.2 1ヵ月=約1億8,817万円となります。 1年間では 1億8,817万円×12ヵ月= 22億5,804万円 4年間では -2- 株式会社メディカ出版 INFECTION CONTROL 編集室 「感染防止対策等に関する平成 26 年度診療報酬改定に係わる資料」 22億5,804万円×4年 = 90億3,216万円 つまり ▽ [E]4年間=約90億3,216万円となります。 以上を合計すると、加算1=400点、加算2=100点、地域連携加算=100点の4年間の診療報 酬は以下のようになります。 〈地域連携加算が高位=100%の場合〉 [A]+[B]+[C] 300億6,288万円+1,204億3,248万円+301億800万円=1,806億336万円 〈地域連携加算が中位=50%の場合〉 [A]+[B]+[D] 300億6,288万円+1,204億3,248万円+150億5,376万円=1,655億4,912万円 〈地域連携加算が低位=30%の場合〉 [A]+[B]+[E] ▽ 300億6,288万円+1,204億3,248万円+ 90億3,216万円=1,595億2,752万円 以上をまとめると、 「感染防止対策加算」が新設されたことにより、平成24~27年度の4年 間の診療報酬は最大で1,806億円、最少でも1,595億円が使用されたことになります。この試 算はあくまで参考であり、正確な数字ではありません。しかし、この4年間でこれだけの金 額になっているであろうということは、頭の隅に入れておく必要があろうかと考えます。 -3- 株式会社メディカ出版 INFECTION CONTROL 編集室 「感染防止対策等に関する平成 26 年度診療報酬改定に係わる資料」 -4- 株式会社メディカ出版 INFECTION CONTROL 編集室 「感染防止対策等に関する平成 26 年度診療報酬改定に係わる資料」 〈メディカル ドゥ編集部/平野泰弘〉 -5-
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