(1) 平成26年度事業報告書

平成26年度事業報告書
自
至
平成26年4月1日
平成27年3月31日
一般社団法人 日本造船工業会
平成26年度事業報告書
第1
目次
組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1.会員・準会員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
(1)会員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
(2)準会員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2.総会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
3.役員、相談役及び顧問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
(1)理事及び監事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
(2)会長及び副会長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
(3)専務理事及び常務理事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
(4)相談役及び顧問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
4.常設委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
5.会議・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
6.事務局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
第2
事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
1.企画委員会関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
(1)造船業の経営基盤強化に係わる諸施策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
①需要減少下における造船業対策の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
②長期需要予測の策定及び関連諸調査の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
③人材確保に向けた広報活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
④外国人労働力の実態調査、研修・実習制度の規制緩和要望の推進・・・・・・・・・
6
⑤造船技能伝承事業の支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
⑥鋼材需給関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
⑦シップリサイクルに係わる諸施策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
⑧造船関連諸統計・経済関連諸資料の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
⑨海事産業振興策への取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
⑩法務セミナーの開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
(2)艦船対策、修繕・改造船対策、その他国内船対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
①官公庁船の建造促進のための環境整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
②防衛省からの受託事業の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
③修繕・改造船の動向把握・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
(3)造船業の国際協調に係わる諸施策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
①国際協調の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
②韓国・中国をはじめとする世界造船業の動向調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
③国際需要予測専門家会議・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
④その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
(4)新分野需要開拓の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
①海洋基本計画への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
②新規プロジェクト及び新規需要開拓のための対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
2.技術委員会関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
(1)造船業の技術基盤整備に係わる諸施策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
①技術開発テーマ(業界共通課題)の創出並びに研究の推進・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
②海洋基本計画への対応(技術課題)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
③造船技術者社会人教育への支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
④造船学術研究推進機構への支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
⑤関西海事アライアンス講義への支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
⑥オープンキャンパスへの参加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
⑦造船系8大学との交流・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
(2)構造規則関係及び環境関係諸問題に係わる諸対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
①IMO・ISO等諸規則への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
②環境対策に係わる情報の収集と対応策の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
③トライパタイト、ASEF、NACE等、国際対応(技術関連)・・・・・・・・・・ 23
3.労務総務委員会関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
(1)造船産業労使会議等、労働関係諸問題に係わる対策の推進・・・・・・・・・・・・・・ 25
①日本基幹産業労働組合連合会(造船重機部門)との協調関係の推進・・・・・・・・ 25
②賃上げ・一時金・退職金・高齢者雇用対策等に関する情報交換・・・・・・・・・・・・・・・ 25
③労働関係諸法規等に関する情報交換・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
④安全衛生労使合同対策の推進(日本基幹産業労働組合連合会(造船
重機部門)との連携事業)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
(2)安全衛生対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
①安全管理目標と安全成績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
②労働災害防止強化対策「アクションプラン」の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
③安全総点検 Year2014 の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
④安全衛生に関する情報発信・緊急要請等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
⑤全国造船安全衛生対策推進本部(全船安)に対する支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
(3)造船業界に係わるPR活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
①造船関係資料・パンフレットなどPR資料の作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
②会長記者会見、会長インタビューなどパブリシティ活動の推進・・・・・・・・・・・・ 30
③アテネ国際海事展への参加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
(4)税制改正要望活動等の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
①税制改正要望項目の取りまとめ及び要望活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
②経理問題・資金問題に関する情報交換・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
(5)法規株式関係対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
4.中手造船委員会関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
(1)中手造船対策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
①中手造船業に係わる経営基盤の整備、関連諸施策の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
②中手造船業に関連する諸統計資料の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
5.その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
(1)事務連絡組織関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
(2)造船工業会ニュースの作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
[付
表]
会員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
役員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
相談役・顧問名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
一般社団法人日本造船工業会 組織図・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
【事業報告の附属明細書について】
平成 26 年度事業報告には、
「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則」
第 34 条第 3 項に規定する附属明細書「事業報告の内容を補足する重要な事項」が存在
しないので、省略。
第1
組織
1.会員・準会員
(1)会員
年度末における会員数は、法人会員17、団体会員1、計18であり、年度末における
会員の現況等は、巻末「会員名簿」の通りである。
(2)準会員
本会準会員数はゼロであり、年度中の異動はなかった。
2.総会
第69回定時総会を平成26年6月17日に開催し、平成25年度事業報告書並びに同決算
書の承認、平成26年度事業計画並びに同予算の承認、定款の一部変更の承認、平
成26年度防衛省受託事業契約に係わる締結決定の理事会への委任、平成26年度日
本財団助成金交付申請決定の理事会への委任、三島愼次郎氏(ジャパン マリンユ
ナイテッド)の理事選任、髙橋幸夫氏の監事選任を行った。
平成26年10月10日、書面による第70回総会決議を行い、加藤陽一氏(佐世保重工
業)を理事に選任した。
平成27年1月28日、書面による第71回総会決議を行い、河野健二氏(常石造船)を
理事に選任した。
3.役員、相談役及び顧問
(1)理事及び監事
平成26年6月17日の第69回定時総会において、指定代表者の変更に伴い、三島愼次
郎氏(ジャパン マリンユナイテッド)を理事に選任、小笠原利之監事の辞任に伴
い、後任として、学識経験者から髙橋幸夫氏を監事に選任した。
平成26年10月10日、指定代表者の変更に伴い、書面による第70回総会決議を行い、
加藤陽一氏(佐世保重工業)を理事に選任した。
平成27年1月28日、指定代表者の変更に伴い、書面による第71回総会決議を行い、
河野健二氏(常石造船)を理事に選任した。
年度末における理事・監事の現況等は、巻末「役員名簿」の通りである。
(2)会長及び副会長
-1-
年度内に会長及び副会長の異動はなかった。
年度末における会長及び副会長の現況は、巻末「役員名簿」の通りである。
(3)専務理事及び常務理事
年度内において、専務理事及び常務理事の異動はなかった。
年度末における専務理事及び常務理事の現況は、巻末「役員名簿」の通りである。
(4)相談役及び顧問
相談役には、合田茂氏(住友重機械工業・名誉顧問)、藤井義弘氏(日立造船)、
相川賢太郎氏(三菱重工業・相談役)、岡野利道氏(三井造船・相談役)、伊藤源
嗣氏(IHI・相談役)、西岡喬氏(三菱重工業・相談役)、田﨑雅元氏(川崎重
工業・相談役)、元山登雄氏(三井造船・相談役)の8名が在任し、年度内の異動
はなかった。
年度末における相談役の現況等は、巻末「相談役名簿」の通りである。
4.常設委員会
常設委員会委員長は、柳澤順三氏(企画委員会)、福田典久氏(技術委員会)、髙
石祐次氏(労務総務委員会)、檜垣幸人氏(中手造船委員会)の各氏であり、年度
内の異動はなかった。
年度末における各常設委員会等組織図(含む委員長)は、巻末「本会組織図」の通
りである。
5.会議
総会、理事会、正副会長会議及び常設委員会を適宜開催し、それぞれの所管事項
の処理に当たった。
理事会は、平成26年6月、平成27年3月の計2回開催し、本会会務執行上必要な事項
について審議し、議決した。
正副会長会議は、平成26年4月、9月、10月、12月、平成27年3月の計5回開催し、
本会方針及び重要事項について審議した。
また、平成26年10月、平成27年1月に書面による総会決議、平成26年5月、9月に書
面による理事会決議を行った。
企画委員会、技術委員会、労務総務委員会、中手造船委員会の常設委員会は、そ
れぞれの専門分野について調査、研究、立案等を行い、その取りまとめに当たっ
-2-
た。
6.事務局
事務局は前年度に引き続き、総務部、企画部、技術部の3部体制であった。
年度末における事務局組織(含む所管業務)は巻末の「本会組織図」の通りであ
る。
-3-
第2
事業
1.企画委員会関係
(1)造船業の経営基盤強化に係わる諸施策の推進
①需要減少下における造船業対策の検討
(a)技術・企画合同戦略検討会
技術的かつ政策的な観点から各課題の国際競争力強化に向けた戦略を議論すべく、
技術及び企画の両委員会の傘下に、平成22年1月「技術・企画合同戦略検討会」
を立ち上げた。
平成26年度は、10月に中国・上海で開催されたトライパタイト会議(海運・造船・
船級による3者会議)、11月に韓国・済州で開催されたASEF(アジア造船技術
フォーラム)への対応を協議した。IMO対応等の技術的課題への取り組みとし
ては「IMO-NGO問題WG」及び「GBS-SCF(目的指向型構造基準-船
舶建造ファイル)問題WG(同WGの下部機構として3つのSWGを設置)」を設
けて検討を行った。
また、平成26年11月度の正副会長会議において、IMO規則の制定・改正をより業界
の意向に沿ったものにする必要があることなどから、取組み体制を強化すべきと
の意見があった。これを踏まえて、本戦略検討会、企画委員会、技術委員会が連
携して強化策の検討を行った。一方、平成27年(2015年)秋に新ASEF・NGOを発足
させ、同組織を核としてIMO・NGO資格取得に向けた活動が開始されることになっ
た。新ASEF・NGOでは、日韓中の3カ国が1年毎の順番で会長、事務局長などを務め
ることになっており、日本が初代会長国となる予定であるため、この新組織も活
用して課題となっている取組み強化を図る方向で検討を進めた。
( 技術委員会関係
(2)-③トライパタイト、ASEF、NACE等、国際対応参照のこと)
②長期需要予測の策定及び関連諸調査の実施
需給小委員会では、今後の政策展開の基礎とするため、専門的な観点から新造船
の建造需要量予測を継続して行っている。
平成26年度は、新造船建造需要量予測“SAJ2014”を策定し、5月に韓国・慶州
で開催した国際需要予測専門家会議において報告した。
SAJ2014では、予測期間を平成42年(2030年)から平成47年(2035年)まで延
長し、予測期間(平成26年から平成47年)の新造船建造需要量(年平均)を5,970
万総トンと予測した。前回の予測の年平均5,990万総トンに比べ、20万総トン程度
-4-
の微減となる予測結果となった。予測期間の前半における新造船建造需要量は乏
しいものの、後半は解撤需要の増大から新造船建造需要量は大きく増加する見通
し。本小委員会では、SAJ2014に最新の市況を反映させるべく、“SAJ2015”
の策定作業に着手し、年度を越した。
③人材確保に向けた広報活動
企画部会は人材確保・育成対策は継続性が重要であるとの認識のもと、下記事業
を行った。
(a)壁新聞の発行
平成18年度から中学・高校生を対象として造船業の重要性と社会貢献をテーマと
した社会科副教材としての「壁新聞」
(Shipbuilding News、A1版・裏表面)の発
行を開始した。
平成26年度は、壁新聞第10号「海洋資源と調査・探査船の開発」をテーマとして、
海洋資源の調査・探査に関わる様々な造船関連技術や日本のEEZ内に存在する
有望な海洋資源について分かりやすく解説し、中学・高校生に対して海洋と造船
業の重要性の理解促進に努めた。
壁新聞は、主として本会会員造船事業所が所在する地域、東京及び大阪の中学・
高校(18都道府県、約9,300校)に配布した他、縮小版(A3版)も作成し、造船所
見学者・海事関係機関・博物館・図書館などに配布し、造船業のPRに供した。
(b)大学生向け情報提供「Japan Shipbuilding Digest」の発行
本会は、平成19年2月に、学生の造船業に対する理解を深めるために、会員各社の
技術開発と 業界トピッ クスを中心 とした情報 を提供する 「Japan Shipbuilding
Digest」を創刊した。
平成26年度は、第38号から41号まで4回発行し、電子メール等によって造船系大
学の学科担当教授や学生に配信するとともに、本会ホームページへの掲載や一般
紙・業界紙への提供を通じ、啓蒙活動に努めた。
(c)練習船一般公開時等におけるPR活動
例年、航海訓練所では、練習船の一般公開を東京、横浜、名古屋、長崎など全国の
港で、4月~1月にかけて年間20回以上行っており、毎回数千~数万人の見学者
が訪れる。若年層の集客力が高く、広範囲に寄港する練習船の一般公開は、パン
-5-
フレット類を配布するPR活動の場として適していることから、本会は、イベント
に合わせて、壁新聞縮小版(A3版)を21港で合計27,900部配布した。
(d)一般・若年層向け造船業の紹介資料
ア)「Shipbuilding in Japan - For Sale」作成の支援
国土交通省、日本中小型造船工業会、日本舶用工業会、日本船舶輸出組合、日本
船舶技術研究協会と連携し、日本造船業の海外向け広報パンフレット
「Shipbuilding in Japan - For Sale」を作成した。
イ)「小学校における副教材等による海事教育の推進」事業の支援
日本海事広報協会では、
「小学校における副教材等による海事教育の推進」事業を
実施している。本事業は、実際の小学校教育で活用できる副教材を制作して授業
に活用してもらうことで、小学生の海事産業に対する関心を高めることを目的と
して実施している。本会は日本海事センター、日本港運協会、日本内航海運組合
総連合会等とともに、企画・編集・資金の協力を行っている。
平成25~26年度の2年度事業として岡山県倉敷市を対象に実施し、平成25年度は教
材を制作、平成26年度は倉敷市内の全小学校に本教材を無償配布して小学校教諭
による本教材を用いた社会科授業を行った。
④外国人労働力の実態調査、研修・実習制度の規制緩和要望の推進
本年度は、外国人技能実習制度とは別枠で外国人技能者を受け入れる措置「外国
人造船就労者受入事業」が特例的に導入されることとなった。
(a)特例措置導入の背景
我が国造船業は、リーマンショック以降の需要減退により、操業のスローダウン
を余儀なくされ、その間、協力会社従業員を中心に造船部門の人員数は減少傾向
にあったが、昨年から受注環境の改善に伴い、各造船所とも所要の工事量を抱え、
それまでとは逆に現場を中心として人員不足の状況が見られるようになった。我
が国全体が少子高齢化の影響を受ける中で、政府は高い国内生産比率を維持して
いる造船業に対して、緊急かつ時限的な措置として、即戦力となり得る外国人材
の活用促進を図ることを決定した。
(b)外国人造船就労者受入事業の概要
本事業の具体的内容は「外国人造船就労者受入事業に関する告示」並びに「同ガ
-6-
イドライン」で定められており、平成27年度~32年度(2015~2020年度)までの
6年間の時限的措置として認められた。対象となる外国人は過去に日本の造船所
で所要の技能実習を修了した者に限定され、技能実習とは異なる「特定活動」の
在留資格を得て就業することとなる。また、受入企業や監理団体には適正監理計
画等により政府当局の認定要件を課し、当該事業における外国人材の厳格な管理
が求められている。
(c)本会の対応
本会は年度当初から、海事振興連盟や自民党・日本経済再生本部等の関係会議に
おいて、外国人材の活用拡充に係る要望活動を行ったほか、新制度の制定にあた
って、造船業の専門的立場から関係当局に意見を具申した。
12月には新制度の具体的な内容に関する説明会を全国5カ所(横浜、神戸、広島、
今治、福岡)で実施し、円滑な導入が図られるよう努めた。
(d)技能実習制度の見直し
本会は現行の最長3年間の実習期間を5年に延長すべく、かねてより実習制度の
拡充に関する要望を続けてきた。日本再興戦略(改訂2014)では、技能実習制度
について、実習制度の適正化を図りつつ、3年から5年への期間延長や受入枠を
拡大すること等が盛り込まれた。今後の実習制度は、2015年度中に新制度へ移行
することを目指し、関係省庁で検討が始められた。
⑤造船技能伝承事業の支援
造船技能者を早期かつ確実に育成することを目的に、国土交通省及び日本財団の
支援を得て、本会、日本中小型造船工業会(中小造工)及び日本造船協力事業者
団体連合会(日造協)で構成される造船技能開発センターが平成16年度に発足し、
現在、6か所の研修センターで活動している。各研修センターでは、造船技能者の
現場での安全意識向上に有効な安全体感研修や、海洋技術安全研究所が造船技術
者・研究者に船舶海洋工学の基礎知識を習得させることを目的として実施してい
る船舶海洋工学研修のサテライト授業が受講できるようになっている。
平成26年度においては、新入社員等の研修、各種の専門技能研修、指導者研修を
実施し、受講生の総数は309名であった。また、安全体感研修の受講生は662名、
船舶基礎工学研修のサテライト授業受講者は44名であった。
平成16年度~平成26年度における研修修了者は累計で4,217名、(安全体感研修、
-7-
船舶海洋工学研修を含めると8,236名)となった。
造船技能開発センターでは、研修事業の具体的推進を図るために、運営委員会及
び下部機構を設けている。本会は、それぞれの委員会に委員を派遣し、活動を支
援した他、研修事業の動向・ニーズの把握に努め、本会意見の反映に努めた。
技能開発センターに係る日本財団の支援は今年度で終了し、平成27年度以降は新
たな支援体制を構築すべく、関係者間で調整が進められた。
⑥鋼材需給関係
(a)造船用鋼材、資材調達問題に関する諸施策の推進
本会会員の海洋構造物用を含む造船用鋼材の消費(購入)量調査を行った(平成
26年4月・10月)。平成25年度の消費量実績は321万トン(前年度比7%減)であり、
平成26年10月調査における鋼材消費量の見込は平成26年度・337万トン、平成27
年度・343万トンであった。(平成26年度消費量実績は調査中)
鋼材及び舶用機器の需給状況を的確に把握するための調査及び分析を行い、会員
会社の参考に供した。
(b)鋼材市場の調査
鋼材価格の動向と需給状況を把握するため、専門紙による市中価格と経済調査会
による大口需要者取引価格の比較を毎月行い、会員各社の参考に供した。
⑦シップリサイクルに係わる諸施策の推進
シップリサイクルの推進については、平成25年11月にASEFにおける共通イン
ベントリー作成マニュアルが完成した。平成26年度においては、本件をめぐる状
況の推移をウオッチした。
⑧造船関連諸統計・経済関連諸資料の整備
工事量、船腹量、荷動量、売上げ、人員数など造船関連の統計情報や資料を収集
分析し、「造船関係資料」として取りまとめた(平成26年9月・平成27年3月)。
⑨海事産業振興策への取り組み
(a)国際協力銀行法に基づく先進国向け輸出金融
国際協力銀行の平成26年度の船舶輸出への融資案件は26隻、融資承諾額は267億円
であった。
-8-
(b)海運税制充実への支援
日本海運業の競争力強化は日本造船業の強化につながることから、本会はかねて
より、日本船主協会が推進する税制改正要望を支援してきた。
本年度は、期限切れを迎える船舶特別償却制度等は新造船の代替建造資金の一部
として重要な位置を占めることから、造船業の立場から関係議員への陳情を行っ
た。その結果、若干の適用要件が加わったものの、同制度等の2年間の延長が認
められた。
(c)海事産業基盤の維持強化
船価の低迷、資材価格の高止まりによって、造船業の事業環境は依然厳しい状況
が続くと考えられることから、海事振興連盟、国会議員、関係方面に対し、下記
要望及び提案を行った。
ア)新たな海洋基本計画へのフォローアップ
政府の総合海洋政策本部参与会議では、平成26年6月に新体制が発足したことか
ら、本年末を目途に意見書を取りまとめることになった。経団連では、海洋産
業の振興に向けた提言を取りまとめ、同本部を中心に建議することになったた
め、本会は経団連に対して、「早期に海洋資源開発の産業化を図るために、「政
府主導による官民オールジャパンが参加する推進主体を設立する」などの体制
づくりが必要である。」との提言を行った。
イ)地方創生と造船業の振興
政府は、将来にわたって活力ある社会を維持していくために、まち・ひと・し
ごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施する「地方創生」を最重要課
題と位置づけた。
かかる背景を踏まえ本会は、
「造船業で地方創生」というテーマでパンフレット
を作成し、造船業は雇用や輸出面で地方創生に大きく貢献しており、造船業を
国の重要産業として位置づけてほしいとの要望活動を、海事振興連盟を中心と
する関係国会議員に対して行った。
ウ)艦艇・巡視船艇の建造・技術基盤維持に向けた支援
本会は、我が国の周辺海域を護り、安全・安心な海洋立国日本を支える、艦艇・
巡視船艇の建造・技術基盤維持に向けた支援を、海事振興連盟をはじめとする
-9-
国会議員や関係省庁に要望した。
⑩法務セミナーの開催
造船・海運を取巻く環境や法制度が変化していることを踏まえ、平成27年3月2
日に、新たな知識を得るために法律の専門家による法務セミナーを開催し、会
員会社の参考に供した。
(2)艦船対策、修繕・改造船対策、その他国内船対策の推進
①官公庁船の建造促進のための環境整備
(a)艦船造修基盤の整備
ア)平成27年度艦船建造予算
防衛省艦艇及び海上保安庁巡視船艇の建造・技術基盤を維持していくために、
安定的・継続的な艦艇建造隻数の確保等を関係先に要望した。
平成27年度の艦船建造予算として、2隻・2,323億円、船齢延伸等の予算として、
176億円が確保された。
海上保安庁巡視船艇については、1,000トン型巡視船など23隻(うち継続分17
隻)256億円の建造予算が確保された。
イ)自民党安全保障関係団体政策懇談会への要望
平成26年10月に、自民党安全保障関係団体政策懇談会に出席し、艦艇建造基盤
維持に関する要望を行った。
ウ)公明党政務調査会外交・安全保障部会への要望
平成26年11月に、公明党政務調査会外交・安全保障部会に出席し、艦艇建造基
盤維持及び研究開発税制改正に関する要望を行った。
エ)艦船造修整備に係わる官民合同会議への取り組み
平成27年2月に、艦艇部会艦船技術小委員会を中心に、海上自衛隊補給本部と共
同で「艦船造修整備に係わる官民合同会議」を開催した。会議では、艦船の修
理・整備作業全般に係わる官民の課題解決に向けた検討、人的要因に起因する
故障事例の分析及び再発防止対策の検討を行った。
(b)防衛省への協力
-10-
海上自衛隊幹部学校長から、幹部候補生を対象にした「日本造船業の現状と課
題」
「艦艇造修の現況等」
「艦艇建造の概要と課題」について講義の要請があり、
平成26年6月及び11月に艦艇部会から専門家を派遣して講義を行った。
②防衛省からの受託事業の実施
防衛省からの受託事業については理事会の議を経て、下記15件・受託金額合計:
121,856,400円の受託契約を締結した。
(a)海上幕僚監部(下記5件・受託金額合計:22,269,600円)
・艦艇の効率的な燃料供給システムに関する調査研究(その2)
・潜水艦への民生技術活用に関する調査研究
・新型艦艇の推進方式に関する基礎資料の作成
・複合材プロペラの製造及び整備に関する技術調査(その2)
・流体雑音低減に関する潜水艦船体形状の調査研究
(b)技術研究本部(下記6件・受託金額合計:49,842,000円)
・船舶設計基準関連(護衛艦の抗たん性)に関する基礎資料の作成
・潜水艦の耐圧殻構造様式に関する基礎資料の作成(その4)
・水上艦船の消火システムに関する研究に資する技術資料の作成
・潜水艦の区画冷却に関する研究に資する技術資料の作成
・船舶設計基準、細則及び解説(掃海艦艇ぎ装)に関する基礎資料の作成
・ハイブリッド推進艦の艦内補機のあり方に関する基礎資料の作成
(c)補給本部(下記4件・受託金額合計:49,744,800円)
・潜水艦増勢に伴う検査修理に関する分析・調査
・定期検査実施要領等の見直し案の作成(艦船の部)
・艦艇の技術維持活動(艦船の部)
・艦船用外舷及び船底塗料等に関する技術資料の作成
③修繕・改造船の動向把握
船舶修繕・改造工事量(本会会員ベース)の調査を行い、平成25年度は1,236隻(平
成24年度比・52隻増加)、14,590千総トン(同・14%増加)、完成高は906億円(同・
9%減少)であった。(平成26年度実績は調査中)
-11-
(3)造船業の国際協調に係わる諸施策の推進
①国際協調の推進
(a)JECKU造船首脳会議、同準備会議
JECKU造船首脳会議に先立ち、平成26年8月にフランス・ナントにおいて、各
極の実務者クラスが出席するJECKU専門家準備会議(EPM)が開催され、
計37名が参加した。専門家準備会議では実務者としての問題意識や課題について
の議論を行い、議題の選定、発表担当極の調整等の造船首脳会議の準備に当たっ
た。
第23回JECKU造船首脳会議(TEM)は、平成26年11月にフランス・パリに
おいて開催された。日本、欧州、中国、韓国、米国の主要造船会社の首脳及び関
係者計96名が参加した。本会議では、世界経済、各極造船業の現状と見通し、新
造船需給、船種別市況動向、造船コスト、環境問題についての意見交換が行われ、
首脳間の相互理解を深めた。本会議にて承認された議長声明の骨子は以下の通り
である。
ア)2014年の世界経済は困難な状況のままであり、世界の造船市況もこれを反映
して、全ての地域において受注残は限定的な増加にとどまった。
イ)太宗船マーケットにおける供給は依然として需要を上回っており、日々の活動にお
ける不均衡を生み出している。造船所は過剰な供給能力への対策として、建造量よ
りも質の向上や、オフショア市場のような新しい事業分野を開拓しているが、これら
の対策だけでは不十分。
ウ)海運業界の環境対策の推進は造船業界が不効率船舶の市場退出を支援し、業
界に要求される規制要件を達成する高性能で技術的先進性を有する船舶を提
供するための真の機会をもたらす。
エ)現在の環境規制の枠組み(EEDI、SOx、NOx、BWS)とは別に、海運及び造船
業界のパラダイム・シフトとして、船舶の自動化、輸送効率の向上、ビック
データ及び情報技術の拡張的な採用に焦点を当てた議論が重要。
オ)海運に対する認識を革新的に変え得るパラダイム・シフトの導入を模索する
際に、CESSはベストプラクティスを議論するための効果的なプラットホーム
を提供することができるであろう。
次回の造船首脳会議は、平成27年11月4日~6日に中国・中山で、専門家準備会議
は、平成27年8月26日~28日に中国で開催されることとなった。
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(b)CESS活動
CESS(Committee for Expertise of Shipbuilding Specifics、造船関係専門
委員会)は、日本、欧州、中国、韓国、米国の主要造船事業者及び業界団体で構
成される組織である。平成26年度はトライパタイト会議対応、IACS対応、A
SEF、NACE等の各種国際会議への対応を行った。平成26年8月にフランス・
ナントで年次総会(JECKU専門家準備会議と併催)が開催され年間活動の報
告と今後の活動予定が承認された。
(c)日中韓及び日韓造工事務局会議
第4回目となる日中韓造工事務局会議を平成26年7月に函館で開催し、造船業を取
り巻く情勢、各国の造船事情等についての情報交換を行った。
日韓造工事務局会議を平成26年4月に静岡で開催し、両国の造船事情等についての
情報交換を行った。
②韓国・中国をはじめとする世界造船業の動向調査
韓国、中国を中心とする造船に関連する調査を継続的に行い、その結果を本会会
員に供した。その他、IHS統計、クラークソン統計などを随時整理し、本会会
員および国内外の関係者からの問い合わせに対応した。
③国際需要予測専門家会議
平成26年度の国際需要予測専門家会議は、5月に韓国・慶州で開催された。本会議
には日本需要予測の専門家計31名が出席し、新造船建造需要量予測の発表と議論
が行われ、造船市況に影響を与える要因に対しての共通認識が図られた。
④その他
(a)主要造船国との交流
本会は、従来から欧州造船工業会、中国船舶工業行業協会、韓国造船海洋プラン
ト協会など各国(地域)の造船工業会との密接な交流を行っている。平成26年度
は、各国(地域)の造船業の現状、造船市況、業界を取り巻く諸問題等について
各局と意見交換を行い、相互理解の促進に努めた。この他、英国、米国、豪州、
シンガポール、フィリピン・韓国等の海事関係者、海外紙の記者などの来訪者・
問い合わせに対して適宜対応を行った。
-13-
(b)OECD(経済協力開発機構)造船部会
平成26年度のOECD造船部会は、6月と11月に開催され、公的輸出信用アレンジ
メント船舶輸出信用セクター了解や造船業における過剰供給問題を中心に議論が
進められた。11月の造船部会では本会の需要予測が参考に供された。
(4)新分野需要開拓の推進
①海洋基本計画への対応
本会は、平成25年4月に閣議決定された新たな海洋基本計画を着実に実行するため
工程表に具体的な数値目標や達成時期を明記するよう働きかけを継続的に行った。
(「(1)⑨海事産業振興策への取り組み」の項を参照のこと。)
②新規プロジェクト及び新規需要開拓のための対応
(a)海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)
日本政府は、交通・都市開発事業の海外市場への我が国事業者の参入促進を図り、
需要リスクに対応した出資と事業参画を一体的に行うため、平成26年10月20日に
同機構を設立した。
同機構設立に際しては、政府による出資に加えて民間からの出資を募っており、
本会は1億円を出資した。その結果、政府・民間共に約54億円、合計108億円の出
資があった。
機構設立後、アドバイザリー会議が開催され本会からも出席し、日本の技術や国
内建造を優先的に支援してほしい旨を改めて要請した。
(b)再生可能エネルギー
本会は日本風力発電協会に加盟し、技術部会を中心に参加し情報の収集と発信に
努めた。その他、ブラジル、ノルウェーなど海洋産業における新規事業開拓のた
めの情報収集を行った。
2.技術委員会関係
(1)造船業の技術基盤整備に係わる諸施策の推進
①技術開発テーマ(業界共通課題)の創出並びに研究の推進
(a) GBS-SCF IPR(知的財産保護)業界標準開発
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日韓中欧米造工共同の「SCF業界標準・造船業界案」が平成24年9月にまとまり、
ICS(国際海運集会所)やBIMCO(ボルチック国際海運協議会)等の国際
船主団体と協議を重ねたが、図面への複雑なアクセス手続きや厳格な管理面など
に船主の懸念が強く調整が難航した。業界標準案を簡素化・分冊化する等、改定
作業を重ねた結果、平成27年3月に、
「業界標準概要版Version2.50」と「業界標準
共 通 解 釈 版 Version0.90 」 さ ら に は 船 主 の 主 要 懸 念 事 項 へ の 説 明 も 兼 ね る
「Executive Summary」を作成した。本研究は日本海事協会との共同研究事業とし
て実施した。
(b)中手技術連絡会の技術研究開発
技術委員会に参画している中手造船会社では中手固有の技術的問題に対応すべく、
技術連絡会を組織し日本海事協会、日本造船技術センター等の協力を得ながら、
下記の取り組みを行った。
性能分野では、
「CFD(数値流体力学)による斜航・旋回状態における操縦流体
力推定に関する研究及び最適トリムに関する調査研究」を平成24年度~平成26年
度に実施した。平成27年度からは「CFDを用いた複雑形状(省エネ付加物)対
応計算、船型/省エネ付加物最適化、波浪中計算及び操縦性能計算に関する調査
研究」を新たに開始すべく準備を進めた。
構造分野では、
「CSR規則と調和CSR規則の比較表作成」を平成25年度~平成
26年度に実施した。また、平成27年度以降の次期テーマの選定につき調整を進め
た。
艤装分野では、IMOでの既存の騒音コードを強化義務化する改正案の採択を踏
まえ、日本海事協会との「騒音予測プログラム開発に関する共同研究」を本年度
も引き続き実施した。
(c)スマートナビゲーションシステム研究会
日本舶用工業会の実施した、「環境への全体最適を狙ったスマートシップ研究会」
での成果を踏まえ、平成25年より船内情報統合化と活用のための「スマートナビ
ゲーションシステム研究会」が発足した。本会はオブザーバーとして参加し、所
要の協力を行った。
(d)将来の生産技術のあり方の検討
日本船舶技術研究協会の「船舶建造工程の高品質化・効率化技術の調査研究」に
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対して所要の協力を行った。レーザーアークハイブリッド溶接技術、工場モニタ
リング技術開発を進めた他、将来造船所のコンセプトイメージを作成した。また、
日本船舶技術研究協会は平成26年度の新規事業として、産官学連携の「造船所へ
のパワーアシストスーツ適用可能性に関する調査研究委員会」を創設した。本会
はスーツ試着を含めた調査に協力した。
(e)研究開発基金を利用した研究開発
本会に返戻されたJRTT(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)出資金を活用し、
会員の研究開発事業の一助とすべく基金利用に係わるスキームを構築した。住友
重機械エンジニアリングと大島造船所共同の「省エネ付加物まわりの流れの研究」
及びJMUを主幹事とする「新型高精度大型模型船用2重反転プロペラ動力計の開
発研究」の2件が本会技術委員会にて承認されて研究が開始され、平成26年度も研
究を継続した(完了は平成27年度の予定)。
平成26年度は三菱重工を主幹事とする「LNG船の蒸発ガス処理システムに関す
る研究」に関する申請が承諾され、研究を実施中である。
(完了は平成27年度の予
定)
②海洋基本計画への対応(技術課題)
海洋資源開発および海洋再生可能エネルギー研究開発に対する会員各社の動向を
フォローするとともに、関連する委員会等での資料の収集等に努めた。
ブラジル海洋造船学会と本会は、平成26年5月に日伯の海洋造船事情につき投資戦
略、伯労働者、学生教育事情等について意見交換を行った。
③造船技術者社会人教育への支援
本会は、日本中小型造船工業会、日本船舶海洋工学会と共同で、我が国造船業に
おける若手技術者の技術力向上を図ることを目的として、平成13年4月より「造船
技術者 社会人教育」を推進している。平成26年度は、平成26年3月29日に大阪大
学で、第14回「造船技術者 社会人教育」を開講した。
例年同様、3日間の集中講義と6ヶ月間のEメールによる通信教育が行われ、平成
26年9月27日に成功裡に終了した。
基礎コース(10コース)と中堅コース(2コース)の計12コースから構成される本
講座には、造船会社27社217名、海運会社、船級協会等をはじめとしたその他の関
係者65名の総勢282名の受講生が参加し、累積受講修了者数は3,169名となった。
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本会は、本教育事業を運営する「造船技術者社会人教育センター(平成20年4月発
足)」の事務処理等、事業が円滑に推進されるよう協力を行った。
④造船学術研究推進機構への支援
平成5年2月、
「大学における船舶・海洋関連の学術的基礎研究活動の活性化及び多
くの優れた人材のこれら研究分野への積極的参加」を支援するため、本会会員に
よる「造船学術研究推進機構」が設立された。本機構は、全国の国公私立大学の
関係学部及び大学院、高専を対象に研究テーマの募集を行い、助成金を交付して
いる。
平成26年度においては、19大学1高専から49件の応募が寄せられ、審査を行った結
果、そのうち18件を選定し、総額1,630万円の研究助成金を交付した。
過去22年間では、累計1,013件の応募のうち346件に総額3億9,195万円の助成金を
交付している。
本会は、同機構の運営及び事務処理等、事業が円滑に推進されるよう支援を行っ
た。
⑤関西海事アライアンス講義への支援
関西3大学(大阪大、大阪府立大、神戸大)大学院の連携授業「関西海事教育ア
ライアンス」は、平成20年に開講された。平成26年度も会員会社の専門家による
「造船産業技術特論」講義を通じて協力を行った。平成26年度に本講義を履修し
た学生は53名(大阪大学23名、大阪府立大学13名、神戸大学17名)で、5年間の累
積履修者数は312名となった。
⑥オープンキャンパスへの参加
神戸大学海事科学部では、オープンキャンパスの一環として卒業後の進路を紹介
する「業界相談コーナー」を平成25年度より新たに企画した。本年度も本会に対
して参加の要請があった。本会は、日本船主協会、日本舶用工業会等とともに平
成26年8月8日に開催されたオープンキャンパスに参加し、造船所の紹介DVDや
壁新聞等の各種パンフレットを用いて高校生等若い世代の方やその保護者等に造
船業の魅力をPRした。
⑦造船系8大学との交流
海洋造船系の専攻を有する8大学担当教官と本会技術委員会は、造船業界の現状と
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展望、大学教育の仮題などについての認識を共有し、理解の醸成を図るため、定
例的に懇談会を開催している。本年度は10月10日に開催し、卒業後の進路等につ
いて意見交換を行った。
本年度は、造船8大学に商船系の東京海洋大と神戸大を加えた10大学の学生を対象
に、シージャパン2014の機会を活用し、平成26年4月11日に学生向けのPRイベン
トを開催した。同イベントでは、セミナー、展示会見学、企業若手社員との懇談
会を有機的に結びつけたプログラムを企画、産学双方の関係者から高評価が得ら
れた。
(2)構造規則関係及び環境関係諸問題に係わる諸対策の推進
①IMO・ISO等諸規則への対応
(a)GHG(温室効果ガス)削減
GHG関連で継続審議中の諸問題に対応するため、
「性能分野WG」では、本年度
は、日本船舶技術研究協会をはじめ船級や研究所等の協力の下、最低出力ガイド
ラインの強化提案への対応、海上試運転解析法実施法の改正ISO法の作成(正
式ISO規格とすべく2回目のDIS投票を実施)等を行った。
改正ISO法の作成では、ITTC(国際水槽試験機関)をはじめとする関係者
への説明・根回しを積極的に行った。
EEDIインダストリーガイドラインへ上記の改正を反映させるべく海運・船
級・造船等の業界団体が参加するジョイントWGに積極的に参加し意見の具申を
行った。
企画委員会と合同で設立した「EEDI合同WG」では、既存船の実燃費の監視・
報告・検査(MRV)制度等の検討を行った。
(b)水密区画タンクテストへの対応
平成26年1月に開催されたIMO/SDC1(船舶設計建造小委員会)において、
水張試験の要否及び試験方法を規定したタンクテストガイドライン案、同ガイド
ラインを条約に位置付けるための条約改正案並びに水張試験の省略を認めるため
の造船所の品質管理ガイダンス案について検討する通信会合グループ(CG)を
設立し、日本がコーディネーターを務めることが合意された。
本会は生産部会を中心に日本船舶技術研究協会内に設置された「水密区画検査検
討会」に参加し、各国の参加者とも連携し、タンクテストガイドライン案等の合
意に向け意見を具申し、CG報告書の作成に協力した。
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しかしながら、平成27年1月に開催されたIMO/SDC2においては、ギリシャ
は、
「 条約改正せずとも主管庁の判断で水張試験の省略を行う現在の慣行を継続す
べき」と主張し、この意見が多数を占めた。今後、IMO海上安全委員会におい
て、タンクテストガイドライン案の取り扱いを含め、IMO/SDC2の審議結
果について検討されることとなった。
(c)その他の主要基準・規格への対応
ア)IMO審議関連
本会は、上記案件の他、IMO審議関連で造船設計に影響の大きい課題に対応す
べく、日本船舶技術研究協会内に設置の委員会やWG等に対して業界意見の発信
に努めた。本会が関与している主要な案件は以下の通り。
○大気汚染防止関係
・大気汚染防止基準整備プロジェクトSG会議
NOx3次規制やブラックカーボン規制に対応。
・SOxスクラバー諸課題検討WG
○復原性関係
・目標指向型復原性基準SG会議
非損傷時復原性基準の全面的な見直しに対応。
○船舶設備関係
・船上揚貨装置検討会
貨物クレーン等の技術基準策定に対応。
○新船種関係
・ガス燃料船基準検討プロジェクトSG会議
国際ガス燃料(IGF)コードの見直しに対応。
・液化水素運搬船基準検討WG
世界初の試みである液体水素のばら積み輸送船の日本案取りまとめ。
○塗装関係
・船体付着係生物管理SG会議
非強制の「外来水生生物の越境移動を最小化するための船舶の生物付着及
び制御のためのガイドライン」が平成23年7月のMSC62で採択。その後、
強制化へ向けた動きも見られることからフォローを実施。
○その他
・防火検討会
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・船内騒音検討会及び同WG
イ)ISO関係
上記、IMO案件の他、日本船舶技術研究協会では、積極的にISO(国際標準
化機構)での日本提案を検討している。うち、造船業に関連の深いISO関係の
委員会/分科会には本会の専門家が参画し、専門的見地からの適切な意見の反映
に努めた。本会が関与している主要な案件は以下の通り。
○環境分科会/防汚塗装WG
・
「防汚物質・防汚塗料の海洋環境リスク評価法のJIS化に関する調査研究」
報告書の取りまとめ等。
○環境分科会/船体等性能測定関係ISO規格検討WG
○プロペラキャビテーションISO規格検討WG
○洋上風力発電及び支援船に関するISO規格検討WG
○LNG燃料船WG
○構造分科会
○振動分科会
ウ)国土交通省関係
国土交通省からの各種の造船規則基準策定に関する意見照会に対しては、会員
会社の意見を取りまとめ、適切に回答を行った。
国土交通省主宰のコンテナ運搬船安全対策検討委員会に出席し、適切に対応し
た。
(d)関係団体会合への参加
関係諸団体の会合へ参加し、規則等の動向をフォローするとともに、業界意見の
適切な反映に努めた。主要な団体は以下の通り。
「日本適合性認定協会」、「防錆協会」、「日本機械工業連合会」、「日本海事協会」、
「海技振興センター」、「日本内燃機関連合会」など。
(e)IMO会合等への専門家派遣
以下の会合に本会会員会社の専門家を派遣し、適切な意見の反映に努めた。
○IMO関係:MSC(海上安全委員会)、MEPC(海洋環境保護委員会)及
び傘下の小委員会など
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○ISO関係:海上試運転WG(ISO15016改正WG)、船体及びプロペラ性能変
化の測定WG(ISO19030WG)など
○その他:IACS(国際船級協会連合)理事会との業界懇談会、NACE(国
際防食技術者協会)会合、ギリシャ船主協会との最低出力会合、韓
国造船工業会とのPSPC(バラストタンク塗装基準)塗装問題会
合など
②環境対策に係わる情報の収集と対応策の検討
(a)VOCへの対応
平成18年4月1日、
「改正大気汚染防止法」の施行により、造船業界も揮発性有機化
合物(VOC:Volatile Organic Compounds)の排出規制の対象となっている。
生産部会・VOC削減対策検討会では、法規制と自主的取り組みを併せて、VO
Cの削減を目指し、平成26年度は、次の作業を行った。
ア)規制対象施設(排風量10万㎥以上の能力を有する塗装施設:排出基準値は
700ppmC)を有する本会会員会社19事業所について、年1回以上の濃度計測(法
改正により計測回数緩和)を徹底するよう周知するとともに、測定結果の収
集に努めた。
イ)自主的取り組みを策定する上で必要となるVOCの総排出量、塗料使用量、
塗装面積の調査、低VOC塗料の導入状況、VOCの発生源対策状況、VO
Cの後処理対策状況の調査を実施した。
ウ)代表的な低VOC塗料と従来品と比較してのVOC削減率調査を行った。
(b)労務総務委員会環境部会の活動
ア)地球温暖化対策関係
日本経団連の環境自主行動計画「温暖化対策編」に続く新たな取り組みとして、
平成25年度(2013年度)より低炭素社会実行計画フェーズⅠ(目標年度2020年
度)がスタートした。本会も引き続き本取り組みに協力するため、平成26年4
月に造船業界全体の次期目標を「平成32年(2020年)のCO 2 排出量を原単位
で基準年(2012年)比5%程度削減する」と公表した。その後、
「2013年度におけ
る造船業のCO 2 排出量削減概況」を取りまとめ、平成26年9月に日本経団連に
報告するとともに会員会社にフィードバックした。
本取組みには造船業界全体の取組みとして日本中小型造船工業会と目標を統一
して参加しているため、平成26年7月に本会より同工業会会員会社へも状況を周
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知するべく説明会を実施した。
平成27年末に開催されるCOP21に向けて、日本政府は平成42年(2030年)に
おける温室効果ガス削減目標の早期提出が求められている。目標を決めるにあ
たっては各業界団体の目標の積上げが重要であることから、政府及び経団連か
らは平成42年度(2030年度:低炭素社会実行計画フェーズⅡ)の業界目標数値
を提出するよう要請があった。
2030年における政府の電源構成(エネルギーミックス)が明確でなく、造船業
の生産量も現時点で見通しが立たないため、平成27年1月に開催した環境部会で
は目標の早期提出は困難と判断し、当面の間は2020年度の目標を2030年度まで
延長することで対応、フェーズ2の目標値については、次年度より検討すること
とした。
イ)廃棄物対策・リサイクル関係
経団連の環境自主行動計画「循環型社会形成編」に関する調査に協力し、平成
26年12月に「2013年度における造船業の廃棄物最終処分量」を取りまとめ、経
団連に報告するとともに会員会社にフィードバックした。
現行の枠組みは平成27年度(2015年度)をもって終了することから、経団連で
は平成28年度(2016年度)以降の取組みにつき検討を開始した。検討に際し、
各種業界団体へデータの提出等協力依頼がなされたため本会も要請に応じ適宜
協力した。
ウ)化学物質関係
「化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)」に基づき調査された、「平成25
年度における造船業の化学物質排出量・移動量」を取りまとめ、各社の参考に
資した。
エ)条約・法律改正関係
日本経団連・環境安全委員会には、本会も委員として参加している。ここで取
り上げられたテーマのうち造船業界に関係するものについては、会員各社へ情
報提供するとともに、造船業界の意見を取りまとめ、法律改正・条約制定に反
映できるように対応している。
平成26年度は主に以下の課題について適宜対応し、会員各社へフィードバック
した。
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○主な課題
・COP20の動向
・生物応答を利用した水環境管理手法(WET手法)の制度導入
・閉鎖性海域対策-第8次水質総量削減
・底層溶存酸素量および沿岸透明度の環境基準の設定
・土壌汚染対策法の改正要望検討
・形質変更時の届出要件の見直し
・自然由来物質の規制の適正化
・水銀廃棄物適正処理対策
・PCB廃棄物処理法
・化学物質によるリスクアセスメント
・PM2.5
・ISO14001:2015年改正
等
③トライパタイト、ASEF、NACE等、国際対応(技術関連)
(a)トライパタイト会議
トライパタイト会議は、10月29~31日に中国・上海で開催された。主要議題は以
下の通りであり、技術的諸規則の重要な課題について、造船業界の見解を述べ関
係者との相互理解の増進に努めた。
・海上試運転ISO解析法の扱いを含むGHG/EEDI問題
・LNG燃料船の開発を含むNOx・SOx等の大気汚染削減問題
・バラスト水条約実施に伴う諸問題、IACS調和CSR適用に関する諸問題
・SCF業界標準開発状況
・PSPC塗装規則の問題点改善方策
・水密区画タンクテスト
等
(b)トライパタイトのジョイントWG
トライパタイトの専門家で深く議論すべき課題については、IACS(国際船級
協会)メンバーを議長とするジョイントWGを組織し意見の集約を図っている。
具体的な取組みとして「GHG/EEDI-ジョイントWG」における業界ガイド
ラ イ ン の 作 成 や 「 S A D R (Structured Approach for the Development of
Regulations)」での適切な規則策定プロセスに関するあるべき姿の検討等がある。
本会から造船業界を代表する専門家を各ジョイントWG会合へ派遣し、専門的な
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見地からの意見反映に努めた。
(c)ASEF(アジア造船技術フォーラム)への対応
平成26年11月27~28日に韓国・済州島で第8回ASEFを開催した。両日の本会議
では、本会からGHG削減に向けた造船業の取組み事例の一例として、福島沖洋
上風車プロジェクトを紹介した。安全や環境規則に関連し、造船業界へインパク
トの大きな諸課題につき、アジア各国の造船事業者の専門家による情報交換を行
い、相互理解の醸成に努めた。
11月26日に開催されたIMOオブザーバーNGO資格取得検討CG会合では、長
年協議してきた新ASEF憲章案の最終化に向け進捗がみられた。同CG活動を
今回で区切りとし、憲章案の最終化は別途設立する準備会合に委ねることがフォ
ーラムで承諾された。
(d)関連業界団体会合への参加
IACS(国際船級協会連合)の「GPG一般政策部会」(平成26年6月・ロンド
ン)及び「理事会」
(平成26年12月・ロンドン)における業界協議(主要トライパ
タイト参加団体が参加)の場へ、本会からCESS(造船関係専門委員会)議長
並びに技術専門家の代表者を派遣し、調和共通構造規則やEEDIに関して問題
点の指摘を行った。
アジアの船主団体で構成される「アジア船主フォーラム(ASF)」(平成26年5
月・大津)、及びアジアの主要船級協会が加盟する「アジア船級協会連合(ACS)」
(平成26年11月・神戸)の総会時に、本会の代表を派遣し、関係者との意見交換
を行った。
(e)NACE(国際防食技術者協会)への対応
塗装関連案件における情報交換と相互協力を目的に、本会との間で平成23年7月に
協力協定を締結した。
平成26年度は、造船業と関連の深いNACE作業部会「TG461(表面粗度計測基
準の検討)」、
「TG475(汚損状態写真判定基準の検討)」へ専門家を派遣し、情報
収集と本会意見の反映に努めた。またPSPC(バラストタンク塗装基準)実施
後の不都合点等の対応について韓国の造船事業者と意見交換を行い、今後、必要
に応じてNACEの協力も得て進めていくこととした。
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3.労務総務委員会関係
(1)造船産業労使会議等、労働関係諸問題に係わる対策の推進
①日本基幹産業労働組合連合会(造船重機部門)との協調関係の推進
第54回造船産業労使会議は、平成26年12月3日、労使首脳が参加して開催され、
「造
船業を取り巻く諸課題」、「基幹労連の諸活動」等に関し、報告並びに意見交換が
行われた。
下部機構の労働経済調査研究委員会は、10月31日に開催され、基幹労連の活動方
針、労働経済に関する最近の情勢、造船業の現況等について報告及び意見交換を
行った。
また、政策懇談会を1回開催し、最近の造船事情、基幹労連の諸活動、政府への政
策要望事項等について意見交換を行った。
②賃上げ・一時金・退職金・高齢者雇用対策等に関する情報交換
(a)春季交渉関係
基幹労連は、アクティブプラン2015(AP15)春季取り組みとして、傘下の各組合
が平成27年2月20日から26日にかけて要求書を提出した。
産業・労働政策中期ビジョンで定められた基本方針においては、賃金改善に係る
要求は二年毎とされており、今次春季取り組みは一時金を中心とする要求内容と
なった。
総合重工では、三菱重工が62万円+4.0ヶ月、IHIが5.7ヶ月、三井造船が5.0
ヶ月、住友重機械が5.4ヶ月、大手造船専業の住友重機械マリンエンジニアリング
は5.0ヶ月の要求となった。川崎重工並びにジャパン マリンユナイテッドは業績
連動方式を採用している。
交渉の結果、平成27年3月18日に総合重工を中心に順次回答がなされ、一時金につ
いては、三菱重工:59万円+4.0ヶ月+生産協力金3万円、IHI:5.43ヶ月、三井
造船:4.5ヶ月(事業構造改革推進協力金0.5ヶ月を含む)、住友重機械:5.3ヶ月、
住友重機械マリンエンジニアリング:3.9ヶ月で妥結した。
中手専業各社では、大島造船所・サノヤス造船・佐世保重工・尾道造船・函館ど
つくが40万円+4.0ヶ月を要求し、名村造船所が51万円+4.0ヶ月、新来島豊橋造
船・内海造船が5.0ヶ月分の要求となった。
交渉の結果、平成27年3月26日に回答がなされ、大島造船所:33万円+4.0ヶ月、
名村造船所:5.5ヶ月、サノヤス造船:18万円+4.0ヶ月、佐世保重工:4.5ヶ月(チ
ャレンジ奨励金0.5ヶ月を含む)、尾道造船:40万円+4.0ヶ月、新来島豊橋造船:
-25-
2.0ヶ月+α、内海造船:2.0ヶ月、函館どつく:4.08ヶ月の回答となった。
(b)労務関係
本会は、基幹労連「アクティブプラン」の交渉の背景となる一般経済情勢及び他
産別の動向等の調査を行うとともに、会員会社の賃金、一時金、労働時間等労働
諸条件、高齢者・障害者雇用対策等の実態について定期的な情報交換を行った。
③労働関係諸法規等に関する情報交換
本会は、労働関係情報の収集に努め、労働行政の動向を把握し、問題点の検討を
行った。
福利厚生関係では、「造船業における福利厚生の実態調査(制度編)」を取りまと
め、会員会社の参考に供した。
④安全衛生労使合同対策の推進(日本基幹産業労働組合連合会(造船重機部門)
との連携事業)
造船産業労使会議の下部機構である安全衛生推進専門委員会は、(a)本会及び基幹
労連の安全衛生活動、(b)安全衛生対策強化月間(平成26年7月及び平成27年2月)
の実施要綱、(c)全国造船安全衛生対策推進本部(全船安)の活動状況、(d)平成
27年度事業計画等について、報告・審議を行うとともに、平成26年7月には、労使
合同による安全衛生点検を以下2事業所において実施した。
・7月2日:ジャパン マリンユナイテッド 舞鶴事業所
・7月9日:IHI 愛知工場
(2)安全衛生対策の推進
①安全管理目標と安全成績
安全衛生部会は、平成26年の安全管理目標を休業災害度数率0.50未満、強度率0.14
以下と設定し、安全衛生管理体制の強化、重大災害の根絶及び類似災害の防止対
策の徹底等、重点推進項目を掲げ、諸施策を実施した。
なお、平成26年の本会会員造船所全体の安全成績は引き続き改善傾向を示してい
る。休業災害は対前年比で6件の増加となったものの、死亡災害は本会が安全成績
の集計を開始して以来、初めて0件となった。
休業災害発生件数は84件(対前年比6件増)、死亡災害は0件(前年2件)、休業災
害度数率は0.74 (前年実績0.60)、強度率0.03(同0.14)であった。
-26-
②労働災害防止強化対策「アクションプラン」の推進
(a)安全情報の経営トップへのタイムリーな提供
本会理事会・正副会長会議において、
「安全衛生事情」を議題に取り上げ、各社別
安全成績を示し、引き続き、経営トップの災害防止への意識高揚に努めた。
(b)安全の専門家による安全衛生特別点検の実施
死亡災害が発生した事業所において、安全の専門家による安全衛生特別点検を実
施している。平成26年度は死亡災害が1月に2件、2月に1件発生したが、アクショ
ンプランに基づく特別点検は翌年度の4月以降に実施することとなった。
(c)教育啓発用災害事例シートの活用
平成25年度の厚生労働省委託事業において、造船所における過去の重大災害を中
心とした事例を調査・分析して取りまとめた、
「教育啓発用災害事例シート」を全
国の造船所に配布した。
本資料は写真やイラストを多用し、災害発生状況と原因、災害防止対策等を分か
りやすく表記し、造船所の職長・班長クラスや協力会社の安全担当者が作業員向
けの教育に利用でき、かつ、作業現場への掲示もできる事例シートとして作成さ
れた。有効活用されるよう、エクセル版、パワーポイント版、PDF版と様々な
用途で使えるように電子データ化し、全船安のホームページに掲載するとともに
CDでの配布も行った。
③安全総点検Year2014の実施
平成24年度から取り組んでいる「安全総点検Year」を本年度も重点活動テー
マの一つとして取り上げ、各事業所に安全総点検を要請し、安全衛生計画や安全
点検要領等を改善するとともに、パトロールの質の向上と回数の増加により更な
る安全対策の充実を図った。
会員事業所の要望に応じ、安全衛生特別点検団のメンバーである専門家の協力を
得て、(ⅰ)現場の安全診断とアドバイス、(ⅱ)安全衛生教育、(ⅲ)安全衛生マネ
ジメントシステム導入支援(リスクアセスメントの取組みと推進)、(ⅳ)5S・ヒ
ヤリハット等安全衛生の基本的活動の促進等に関する支援を実施した。
本年度は以下の通り支援事業を実施した。
(a)若手向け安全講習会と現場実習(サノヤス造船 大阪製造所)
-27-
(b)安全特別点検(尾道造船、今治造船 広島工場、ジャパン マリンユナイテッ
ド 横浜事業所 磯子工場、内海造船 因島工場)
(c)安全衛生責任者研修会(今治造船 今治工場)
④ 安全衛生に関する情報発信・緊急要請等
(a)厚生労働省「労働災害のない職場づくりに向けた緊急要請」への対応
8月5日付の厚生労働省からの本会会長宛要請文書(「労働災害のない職場づくり
に向けた緊急要請」)を受け、以下の取り組みを行った。
ア)安全衛生部会長通知の作成
9~10月を「特別災害撲滅期間」とし、各事業所による一層の安全対策の実施
を要請した。
イ)安全衛生点検の実施
安全衛生部会長通知にて「安全総点検Year2014」の取り組みを改めて周知
し、更に安全衛生特別点検団による「安全特別点検」を上記③(b)に記載した4
事業所にて実施した。
ウ)本件対応計画と実施結果は厚生労働省安全衛生部に報告した。(11月19日)
(b)安全衛生対策強化月間
平成26年7月及び平成27年2月を「安全衛生対策強化月間」に設定し、安全衛生ポ
スターを作成し、会員事業所に配布して、安全衛生対策推進についての啓発を図
った。
(c)安全衛生表彰
本会は、毎年、安全衛生管理目標を達成した事業所並びに一定の安全成績を収め
た事業所に対し、表彰を行っている。
平成26年度は、安全優秀賞に6事業所、安全優良賞に9事業所を選定し、平成27年2
月の安全衛生部会で表彰した。
永年に亘り安全衛生活動・実務に精励した方を称えるために、事業所から推薦の
あった以下7名を安全衛生功労者として表彰した。
・竹本
愛子氏(ジャパン マリンユナイテッド株式会社 呉事業所)
・入江
茂行氏(三菱重工業株式会社
艦艇事業部
・日向
順一氏(川崎重工業株式会社
神戸造船工場)
・来馬
政利氏(三菱重工業株式会社
艦艇事業部
-28-
横浜艦船改修部)
神戸艦船工作部)
・藤森
堪山氏(株式会社名村造船所
伊万里事業所)
・青柳
茂氏(住友重機械マリンエンジニアリング株式会社)
・岩崎
秀明氏(三井造船株式会社
千葉事業所)
(d)労災撲滅対策の強化・徹底について(緊急要請)の発出
平成26年は年間死亡災害ゼロを達成したものの、平成27年に入ると2月までに3件
の死亡災害が連続して発生した。
各事業所に改めて事業所点検・パトロールの強化、安全基本ルールの遵守など安
全意識の再徹底を要請する緊急要請を安全衛生部会より発出した(平成27年3月3
日)。
(e)ホームページを活用した情報の提供
本会ホームページの「労働安全衛生コーナー」を活用し、随時、安全関係統計や
労働災害防止に資する資料集を掲載した。
⑤全国造船安全衛生対策推進本部(全船安)に対する支援
本会、日本中小型造船工業会、日本造船協力事業者団体連合会で構成されている
全船安は、
「船舶製造又は修理業」の労災保険の収支改善に向けて、全国の造船所
において安全相互点検をはじめとする安全衛生推進活動を展開している。
平成26年の全船安傘下事業所約3,400社の休業災害件数は、224件(前年210件)と
なり、休業災害度数率は1.29(前年実績1.23)となった。強度率は0.26(同0.39)、
死亡災害は5件で前年より2件減少した。
本会は、安全衛生関係行政の動向に関する情報提供等、随時、全船安の諸活動を
支援した。
(a)統括安全衛生責任者研修会
本研修会は、平成21年度からスタートし、業界の重点事業として取り組んできた。
平成23~25年度は厚生労働省の委託事業として実施した。平成26年度は国土交通
省海事局の協力のもと、2月に中国運輸局(広島)で開催し、48名が受講した。研
修会では、製造・修繕部長クラスや統括管理に携わる参加者に対し、混在作業が
多い造船現場での統括安全衛生管理の重要性と連絡調整の不徹底による災害防止
についての講義を行った。
本研修会の受講者数は、過去6年間の累計で801名となった。
-29-
(b)労働災害撲滅に向けた指導の強化・徹底について
平成26年上半期の全産業における死亡災害の大幅な増加を受け、厚生労働省では
労働災害のない職場づくりに向けた緊急対策を実施することになり、同省から、
本会及び全船安に対して、8月5日付で「労働災害のない職場づくりに向けた緊急
要請」があった。全船安では、6月から8月にかけて重大災害が連続して発生した
ことから、要請を重く受け止め、9~10月を「特別災害撲滅期間」として設定し、
傘下事業所に労働災害防止対策の指導の強化・徹底に取り組むよう要請した。全
船安はこの期間、総支部専門スタッフ等による事業所の緊急安全点検の実施、安
全ポスターの作成・配布等を行った。
平成27年の初頭にも死亡災害が連続して発生したので、3月に再び傘下事業所に対
し労働災害撲滅に向けた指導の強化・徹底について要請を行った。
(3)造船業界に係わるPR活動の推進
①造船関係資料・パンフレットなどPR資料の作成
「造船関係資料」を年2回(平成26年9月、平成27年3月)、和文版と英文版を発行
し、マスコミをはじめ広く一般へ提供した。正確かつ迅速に最新の造船業の実情
を理解してもらうべく、本会のホームページにも掲載し、啓蒙に努めた。
②会長記者会見、会長インタビューなどパブリシティ活動の推進
本会は、定例の会長記者会見を、平成26年4月、6月、9月、12月、平成27年4月に
業界紙及び一般紙を対象として開催した。会見では新造船の受注量統計等を基に
国内外の造船・海運関連の動きを中心に「最近の造船マーケット」を説明すると
ともに、必要に応じ、
「JECKU会議の開催」等、造船業界における主要な出来
事を説明した。
内外のマスコミ、研究機関、金融機関、調査機関、企業等からの問い合わせに対
し、本会で作成した「造船関係資料」等をベースに、造船業の置かれた現状・問
題点、将来の見通し等について説明した。
③アテネ国際海事展への参加
平成26年6月にギリシャのアテネで開催された「Possidonia 2014」国際海事展に
日本船舶輸出組合と共同で出展参加した。
-30-
(4)税制改正要望活動等の推進
①税制改正要望項目の取りまとめ及び要望活動の推進
本会は、国土交通省や他の業界団体と連携を密にしながら、造船業界に関係の深
い税制に係わる要望活動を展開した。財務部会において、
「法人税等の実効税率の
更なる軽減」、「研究開発税制の更なる拡充」等を重点項目とした平成27年度税制
改正要望事項を取りまとめ、平成26年9月の書面による理事会決議で本会要望事項
を決定、平成26年10月に自民党をはじめとする関係方面へ要望を行った。
平成26年12月、政府は平成27年度税制改正大綱を決定したが、本会の重点要望事
項に関しては次の通りの結果となった。
(a) 法人税等の実効税率の更なる軽減
法人実効税率の引下げ(現行34.62%→平成27年度32.11%、平成28年度31.33%)
が実現する一方、課税ベースの拡大(外形標準課税の拡充(大法人)、欠損金繰越
控除制度の縮減(大法人)、受取配当金益金不算入制度の縮減)がなされた。
(b) 研究開発税制の更なる拡充
オープンイノベーション型の抜本的拡充(恒久措置)、総額型とオープンイノベー
ション型を合わせ控除上限30%の確保(総額型25%+ オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン
型5%・恒久措置)が実現する一方、繰越控除制度が廃止された。
②経理問題・資金問題に関する情報交換
本会は、会員各社が発表する「平成26年3月期末決算」及び「平成27年3月期中間
決算」について情報交換を行った。平成26年12月には経理情報交換会を開催し、
IFRS(International Financial Reporting Standards〔国際財務報告基準〕)
への対応状況をはじめ、各社の会計方針及び経理処理、会計監査への対応等に関
して幅広く情報交換を行った。
(5)法規株式関係対策の推進
法規・株式小委員会は、会員会社の株主総会運営の充実化・効率化を図るため、
平成26年7月、平成27年2月に会議を開催し、各社の定時株主総会のスケジュール・
運営・総会関連資料等について情報・意見交換を行った。
4.中手造船委員会関係
-31-
(1)中手造船対策の推進
①中手造船業に係わる経営基盤の整備、関連諸施策の推進
適宜、本委員会を開催し、中手造船業特有の諸問題や海事展についての意見交換
を行った。
本委員会の下部機構である「中手造船委員会産業戦略会議」においては、実務レ
ベルでの情報交換を積極的に進めた。
②中手造船業に関連する諸統計資料の整備
海運市況、造船市況及び韓国等主要の造船国の現状に関する資料を作成して、中
手各社の業務の参考に供した。
5.その他
(1)事務連絡組織関係
本会には、常設委員会関係の他に、総務関係事項等を検討する組織として、総務
部長会議が設けられており、必要に応じ会議を開催し、当面する総務関係諸問題
の処理について、情報・意見交換を行った。
(2)造船工業会ニュースの作成
造船工業会ニュース187号から198号までを発行し会員各社の業務の参考に供した。
海上運賃、新造船船価及び外国為替レート等の毎月の動きに加え、世界の新造船
工事状況、本会会員会社の竣工船実績調査などの統計類を定期的にまとめた。
-32-
会
員
名
簿
法人会員: 17社
会
(平成27年3月31日現在)
社
名
指 定 代 表 者
㈱IHI
会
長
釡
今治造船㈱
社
長
檜
㈱大島造船所
代
表
南
尾道造船㈱
社
長
中
部
隆
川崎重工業㈱
社
長
村
山
滋
佐世保重工業㈱
副
長
加
藤
サノヤス造船㈱
社
長
上
田
孝
ジャパン マリンユナイテッド㈱
社
長
三
島
愼次郎
㈱新来島どっく
社
長
門
田
尚
㈱新来島豊橋造船
社
長
由
利
憲
治
住友重機械工業㈱
相
役
日
納
義
郎
常石造船㈱
社
長
河
野
健
二
内海造船㈱
社
長
森
弘
行
㈱名村造船所
社
長
名
村
建
介
函館どつく㈱
社
長
野
口
忠
雄
三井造船㈱
会
長
加
藤
泰
彦
三菱重工業㈱
相
談
役
佃
和
夫
会
長
社
談
垣
和
明
幸
人
尚
陽
一
団体会員 1
(一社)日本中小型造船工業会
檜
垣
清
隆
準 会 員 0
(本事業年度内の指定代表者の変更)
ジャパン マリンユナイテッド㈱
蔵原成実
→ 三島愼次郎
(平成26年6月17日)
佐世保重工業㈱
寺岡一憲
→ 加藤陽一
(平成26年10月1日)
常石造船㈱
川本隆夫
→ 河野健二
(平成27年1月1日)
-33-
役
理事: 19名
会
長
員
名
簿
監事: 2名
理
事
(平成27年3月31日現在)
佃
和
夫
三菱重工業㈱
副 会 長
同
日
納
義
郎
住友重機械工業㈱
同
同
加
藤
泰
彦
三井造船㈱
同
同
釡
和
明
㈱IHI
同
同
村
山
滋
川崎重工業㈱
同
同
檜
垣
人
今治造船㈱
同
同
門
田
尚
㈱新来島どっく
専務理事
同
木
内
大
助
学識経験者
常務理事
同
桐
明
公
男
学識経験者
同
南
尚
㈱大島造船所
同
中
部
隆
尾道造船㈱
同
加
藤
一
佐世保重工業㈱
同
上
田
孝
サノヤス造船㈱
同
三
島
愼次郎
ジャパン マリンユナイテッド㈱
同
由
利
憲
治
㈱新来島豊橋造船
同
河
野
健
二
常石造船㈱
同
森
弘
行
内海造船㈱
同
名
村
建
介
㈱名村造船所
同
野
口
忠
雄
函館どつく㈱
髙
橋
幸
夫
学識経験者
小葉竹
泰
則
学識経験者
監
事
同
幸
陽
(本事業年度内の役員の異動)
理
事
蔵原
成実(ジャパン
マリンユナイテッド)
(平成26年6月17日退任)
理
事
三島愼次郎(ジャパン
マリンユナイテッド)
(平成26年6月17日就任)
監
事
小笠原利之(学識経験者)
(平成26年6月17日退任)
監
事
髙橋
幸夫(学識経験者)
(平成26年6月17日就任)
理
事
寺岡
一憲(佐世保重工業)
(平成26年10月10日退任)
理
事
加藤
陽一(佐世保重工業)
(平成26年10月10日就任)
理
事
川本
隆夫(常石造船)
(平成27年1月28日退任)
理
事
河野
健二(常石造船)
(平成27年1月28日就任)
-34-
相談役・顧問名簿
相談役: 8名
(平成27年3月31日現在)
茂
平成5年6月16日~平成7年6月22日
本会会長
弘
平成7年6月22日~平成9年6月19日
(同)
川
賢太郎
平成9年6月19日~平成11年6月15日
(同)
岡
野
利
道
平成13年6月19日~平成15年6月17日
(同)
伊
藤
源
嗣
平成15年6月17日~平成17年6月21日
(同)
西
岡
喬
平成17年6月21日~平成19年6月19日
(同)
田
﨑
雅
元
平成19年6月19日~平成21年6月16日
(同)
元
山
登
雄
平成21年6月16日~平成23年6月21日
(同)
合
田
藤
井
義
相
顧問:なし
-35-
一般社団法人 日本造船工業会 組織図
(平成27年3月31日現在)
会
事
担当副会長
(
加藤
泰彦
祐次
)
労務部会
部会長
秀朗
三菱・執行役員人事労政部長
栁井
邦照
)
)
(
)
(
(
)
毅
三菱・広報部長
齊藤 啓介
JMU・取締役専務執行役員
石川
安全衛生部会
部会長
広報部会
部会長
高橋
(
(
IHI・CSR推進部環境グループ部長
環境部会
部会長
信
(
)
)
一郎
川重・法務部長
北村
法規・株式部会
部会長
財務部会
IHI・取締役
寺井
(
(
)
)
)
)
(
)
(
(
)
)
)
①JMU…ジャパン マリンユナイテッド
②SHIME…住友重機械マリンエンジニアリング
部会長
)
(
宏
京平
IHI・取締役常務執行役員
松岡
睦雄
尚
尚
尚
新来島・社長
(
大島・代表
(
隆樹
住重・取締役専務執行役員
岩本
三井・常務取締役
山本
(
理
労務総務委員会
委員長
髙石
副委員長
同
同
廣江
(川重・取締役副社長)
同
南
三菱・常務執行役員
同
大島・代表
幸人
檜垣
担当副会長
幸人
南
門田
今治・社長
中手造船委員会
委員長
檜垣
副委員長
同
(
)
注 社名略称
-36-
会
総
正 副 会 長 会 議
佃
和夫
)
総務部
部長 中川
雅史
能文
(
)
)
企画部会
松田
幹正
隆史
三菱・船舶・海洋営業部次長
部会長
天野
需給小委員会
三菱・事業戦略推進室マーケティンググループ部長代理
委員長
シップリサイクル小委員会
)
中部
隆
外国人活用問題検討会
尾道・社長
委員長
)
(
)
(
)
庸滋
(
(
)
(
(
(
(
洋
)
(
)
洋
)
隆
JMU・専務執行役員
加藤
JMU・企画管理本部
経営企画部企画グループ参与
岩本
三井・輸出船・LNG 船・
海洋プロジェクト営業部課長
大野
メガフロート連絡会
部会長
業務部会
岩本
)
(
義郎
(
(
担当副会長 日納
順三
由夫
彰男
JMU・取締役副社長
村上
和幸
川重・常務取締役
檜垣
部会長
国際部会
艦艇部会
部会長
委員長
技術・企画合同戦略検討会
)
)
)
(
)
毅彦
JMU・企画管理本部
経営企画部企画グループ参与
技術幹事会
(
)
(
)
三郎
)
賢志
JMU・横浜事業所艦船工作部部長
日野
(SHIME・製造本部設計部主席技師)
河地
三井・取締役船舶・艦艇事業本部副事業本部長
坪川
部会長
設計部会
幹事長
)
企画部
部長 寺門
雅史
柳澤
企画委員会
委員長
太田垣
三菱・執行役員
副委員長
同
同
典久
滋
今治・専務取締役
福田
担当副会長 村山
技術委員会
(
三井・常務取締役船舶
・艦艇事業本部長
伸賢
泰則
SHIME・社長
宮脇
小葉竹
(
技術部
部長 寺門
(
公男
事務局組織
桐明
事務局長
(
義郎
長
日納
泰彦
会
副会長
加藤
滋
同
村山
幸人
和明
同
檜垣
尚
釡
同
門田
同
同
委員長
副委員長
同
経営管理本部長
(
常石・専務取締役海外事業
生産部会
部会長
-37)
(
)