小説における視点と時制 : 日英時制体系における

Kobe Kalsel
Kobe
Kaisei College
College
小 説 に お け る 視 点 と 時制 :
日英 時制体系 に お け る 参照 点 と し て の 発 話 時
“
”
山 内 真 理
1.は じ め に
英語 の 小 説 で も 日本語 の 小 説 で も
作 中で 起
、
こ る
出 来事 を描 写 す る た め の
時 制 は 基 本 的に は 過 去形 で あ る
。
こ
実 際 に 作者 か らみ て 過 去 に 起
っ
た こ と だ か ら で は な く1)、 小
こ
型 的 な形 で あ る 3人 称小説) が
”
来事
を
、
“
虚構上 の
れ は もち ろ ん
“
「虚構 上 の
、
”
対 話相手
あ る 2 ) こ の 点 で は 両 言語 と も同様 で あ り
き
、
る こ と
も難 し くな い
(1) a .
つ
問答
こ の
、
の
全 体 が 過 去形 で 描 写 され て
最 中 に 、烏 飼 重 太 郎 は 、 そ
彼は表へ 出 る と
い
、
すで に起 こ
て
っ
た出
る か らで
い
い
る 相 当箇 所 を み
つ
け
。
か む と、音の せ ぬ よ
色 を見 て
“
が
日 本語 と 英 語 の 翻 訳版 を比 べ た と
、
次 の (la)
(lb)の よ う に
”
語 り手
、
説 (
特に その 典
」 と い う様式 を もっ
に伝 え る
。
作 中 で 描 か れ る 出来事 が
、
た
。
うに 部 屋 を 出 て 行
市 内電 車 に 乗 っ
、
し ば ら く乗
寄 りじみ た動 作 で あ っ た
っ
て
た
た
っ
。
とそ の 場 をは ず し た 。 彼 は
っ
古帽子 を
、
。
ぼんや
り向 い 側
の
あ る 停 留所 ま で 来 る と 、 そ
車窓 か
こで
ら見
降 りた
え る 動 く景
ひ ど く年
。
点 と線 :33−34 )
(
。
Deteetive
Torigai
the room
.
b.
While this conversation was taking place ,
quietly left
Outside
he
,
Ta g his old hat he went out on tiptoe so as not tr) disturb anyone .
,
bOarded a
st reetcar
through the Window
Es move
ets were
and
sat
down .He 100kedabsentmi
aeress
皿
dedly a 七the passing scenery
as care
the aisle .
When t}
1e car reached
of 跏
釦 l as those
一
a oertaj 皿
stOp
he got off .
,
1d man . (PointSand Lines:26 )
167 一
一
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Kobe Kaisei
Kobe
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一 方
日本 語 の
、
小 説の 地 の 文 に は
ル 形 ・テ イ ル 形 ) が 混在 し
(
こ れ は 英 語 と比 べ た と
、
で
ある
につ
い
作 中世 界 の 描 写 に つ
。
て
、
彼女 だ
。
髪型 が 少 し 変 わ
き ら き ら光
っ
た。
っ
しい
足
を止 め
つ
こ とが で
一
英語 で は 貫 し て 過 去
、
。
ーマ をか け たか
パ
る イヤ リ ン グ が 見 え隠れ して
ん とすま
、
ち
耳 の す ぐ下 で 切 りそ ろ えた 髪 の 下 に
。
る
い
し気味
、 ウエ イ タ ー た ちの 視線 に も臆す る
とな く
こ
、
姿勢 も
きる
She rode
hair,
of
avoid 血 g the waiters
She stopped
鼻梁 を
い い
、
:
mistake
て も、形 の
579 −580 )
火車
(
。
っ
くち び る を 、 さ っ と ひ とは け 紅 を の せ た 白 い 頬 を 、 よ く見 る
の
her.
.Itwas
−length waves
different
.
Earrings
flashed
beneath
shoulder
was
Her hairstyle
fbrward on long legs brushing between 七he tables neither
,
,
,
looks nor trying to play down her own
looked aroun
乱
and nose
looks : 七he delicate
a 七eher
her pale cheeks .(All She was
wor
the slightly pursed lips the h 血 t of
止
い
て は
日本 語 で は 過
、
3b )を 参 照 )
拙訳 (
(
。
the living room
rug
.
What
SheU let
him in made
it
easy fc
}r him .
Why he wouldn
t even
been ,
’ She Was standing right
…1
beside
it
.[
her body tO the trunk .
伽
,
,
一
295)
soft across
She was going to be murdered
toge止 er in the same gravel Why
blush on
rose
:
,
−
appreci
,
再現 す る こ と は で きそ う に な い
now
3) a .
(
She heard fbotsteps
coUld
,
,
height.
Even fめ m this distance
Honma
3a)の よ う な い わ ゆ る 自由 間接 話 法 部分 に つ
(
て
、
び た 足 を優 雅 に 動 か し 、
す ら りと の
。
と周 囲 を 見 回 す 。 こ れ だ け 距 離 が あ
ょ っ
b .There coUld be no
去 形 を用 い
作 中 の 具体 的 な事 態
、
。
、
て 目 を引 く特 徴
っ
た。
テ ー ブ ル の 間 を擦 り抜 け て
美
き際 立
日 本語 で は
、
も頻 繁 に 非過去形 が 用 られ る が 3) 対 照 的 に
2) a .
(
間違 い な い
さ らに
えば
て い
い
形 の み で 語 ら れ る と い う印象 が あ る
過 去 形 (タ 形 ・テ イ タ 形 ) と 非 過 去 形
、
!
WoUld
couldn
fool she d
’
a have to drag
he bury the trunk ? She and Anita Low
t she
’
scream
? (
Contents−One Body
26)
:
168 一
一
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b.
も う足 音 が 聞 え て き た
う
だろ
こ
。
を トラ
ん だか ら
ゆ
ま で ひ きず っ
く りと居 間 を横切
っ
ち が 招 き入 れ て
っ
ン ク
。
仕事 を し や す く し て
、
く必 要 もな い じゃ な い
て い
し ま う ! トラ ン ク は 埋 め る ん だ ろ
同 じ 墓 に !ど う し て 悲 鳴 が 出 て
よ
は
しは
ー プ か らな る シ
、
英語 で
うに
説の 地の 文で は
本 稿 で は
、
と い う特徴
この
、
past with
“
イ タ
の こ
こ
う し て す ぐ脇
うか
私 とア
。
、
とっ
よ
うに
ニ
ー タ ・ロ
うか
、
に立
て る
っ
ウ が一緒 に
もち ろ ん
。
二
こ
、
の
つ
非過去形 ど う
日 本語 で も
、
に会
っ
*
ある
*
「
昨 日私 た ち
た 」 と言
の で
、
Wb met him tomorrow
う こ と もで き な い
。
小
。
う した 対 応 関係 の ば ら つ き が
違 い か ら 生 じる もの と 考 え る
ス の
to 七he moment
res ect 英語 で は こ れ が 常 に
”
Views a situation
時制 の 使用
、
”
of s eech
(下
例 え ば Declerck
。
as either
past or non −
線部 は 筆者 )と 一 般化 し て い る
成立 す る の に対 し
、
日本 語 で は
こ と
「発 話 時」 ま た は 「
発 話者 」 が 時 制 選 択 の 要 に な る の
て
死体
。
例 えば 「
昨 日」 の 出来 事 を 表 す の に
時点 も基 準 に す る こ と が で き る (ま た そ うす る しか な い
は
もの だ わ
す な わ ち 「発 話 時 基準 」 あ る い は 「発 話 者 視 点 」
、
English speakers
“
、
。
対 応 関係 が 成 立 し な い
小説の地の文で
、
うな
それ ぞれの 過去形 どうし
、
「* 明 日私 た ち は 彼
、
の ス テ
1990 : 514 )は
(
た よ
。
「
明 口」 の 予 定 を表 す の に
、
を 規 定 す る 中核 的 な 特徴
が
を もち
ス テ ム
う」 と は 言 え ず
と言 え な い よ
っ
ど こ か ら生 じ る の だ ろ
、
WVe rneet him yesterdaor
と言 え ない
は 彼 に会
や
両 者 と も形 態 的 に は 「
過去形」「
非過 去 形 」 の
、
基 本 的 に は 一 貫 して 対 応 す る
*
な ん て 馬鹿 だ っ た ん
。
比 較 に な ら な い ほ ど 異 な る 文 法 形 式 も多 い の だ が
、
と時 制 形 式 に 関 して は
ル
く
ない ん だろ う?
こ
う な 対 応 関係 の ば ら つ き は
英 語 と 日本 語 と で
グ
て い
[…】
。
殺 さ れ て
こ の
っ
、
文脈 上 の 他 の
もあ る ) 英 語 で
。
に対 し
、
日本 語 に
「
発 話 時」 は 「
可 能 な 参 照 点 の 一 つ 」 に す ぎな い の で あ る 4 }
以 下 で
。
は
、
まず
、
英 語 と 日本 語 の 時制 使 用 に こ の 点 で の 違 い が あ る
間 接話法 の 従 属 節 内 で の 時制 使 用 に つ
一
い て
確 認 した 上 で
、
そ
の
こ
違い が
、
とを
、
小説
169 一
一
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の
地 の 文 で の 時制使 用 に ど の よ うに 影響 す る か を 見 て
去 形 の 使用 に か か る制 約 と
い
く
。
特 に英 語 の 非 過
日本 語 で は 表現 しわ け る こ と の で きな い
、
形 /非 過 去 形 の 使 い 分 け に 注 目 し て 考察す る
過去
、
。
2.従属 節 に お け る 非過去 形
英 語
に
と 日 本 語 で は 、非 過 去 形 の 主 節
〈状
、
ある
一
態 〉 や 〈 般 的陳 述 〉 は
英語
、
用 法 は か な り似 か よ っ て
で の
、
日本 語 と もに
い
る
特
。
非 過去 形 の 使 用 領 域 で
。
発 話時点 を 含 む 期 間 に 成 立 して い る 状 態 >
〈
Ihave a headache
fever. and
with his parents .
He lives
<発
He
頭 も痛 い し
、
彼 は両 親 と暮 ら して
話時点 を含 む 期 間 に 認 め ら れ る 個別 的 主 体 の 特 性
big but still not fat.
’
s He states
the obvious
in a grave manner
。
い
る
っ
てはい ない
。
>
彼 は 大柄 だ が ま だ 太
. 彼
熱 もあ る
は分か
りき っ た 事 を勿体ぶ
っ
て
。
言う
。
< 発 話 時 点 を含 む 期 間 に 習 慣的 に 行 わ れ る 行 為 >
The committee
at 2 :00 p
皿
meets
<
Monday 委 貝 会 は 毎 週 月 曜 午 後 2 時 に 開か れ る
。
.
We take the children
on
each
to
my
「
mother
s
金 曜 日 は 母 の 家 に 子供 た ち を連 れ て 行 く
。
Fridays.
一
特 定 の 時 に しば ら れ ずに 認 め ら れ る 般 的 主 体 の 特 性
Asbestos doesnt bum .
’
Now and then everbody
,
someone
elSe
こ れ に 対
こ こで は
し
、
wa 皿
アス
ベ ス
>
トは 燃 えな い
ts to be 誰 で も別 人 に な りた い
。
と思
うこ とが あ る
。
.
従属節 内 で
の
非 過 去 形 の 振 る 舞 い は 、 両 言語 で 全 く異 な る
間接 話 法 の み を と りあ げ る
一
。
まず
、
。
英語 で は 、主 節動詞が 過去形 で
170 一
一
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ある場合
に従 っ
て
引用 され た 元 の 発 話 中 の 非 過 去 形 は
、
、
一
従属 節 内 で は く時制 の 致 〉
4b )
5b )の よ うに 過 去形 に な る の が 普通 で あ る
(
(
、
。
cricket .
4) a .(John said ,
) I Ioathe
(
‘
b .John said
’
that he loathed cricket .
5)
(
)
a .(Everyone thought,
He
‘
’
s b .Eve 笥yone though 七he was
s αy を は
being a fbol.
’
being a fool.(
Leech l994
じめ と す る 一 部 の 動 詞 群 に つ
意的 に なる が
、
〈不 一
るの
い
、(
6b )の よ
で
ては
致 〉 が 許容 さ れ る の は
在 で も成 立 し て い る 場合 に 限 ら れ る
して
い
、
、
ま引用 す る
こ とはで
従 属 節 内 で 述 べ られ た 事 態 が 現
6a )は 格言 と して 現 在 で も通用
例 え ば、 (
。
うに 非 過 去 形
きな い
106 )
従 属 節内 で の 時制 の 一 致 は 随
の
ま ま引 用 す る こ と が で き る が 、 (
7a)は
テ ス の 存 命 中 に の み 成立 す る 事 態 で あ る た め
ソ ク ラ
:
、
7b )の よ う に 現在 形 の ま
(
。
said ,
6)a .(Socrates
(
) Virtue is ‘
owledge
,
’
said that virtue
is knowledge.
b .Socrates
c .Socra七es said that virtue was owledge .
7 ) a ,(Socra七es said )
(
,
1 am blameless.
‘
’
b . Socratessaid that he
*
is blameless.
c .Socrates said that he was
6c)は
(6b )
(
と も に 文 法 的 に 可 能 な文 で あ る が
が 今 も妥当 で
。
点が
英 語 の 重 要 な 特徴 で あ る
、
、
6b )に は
(
あ る と い う現 話 者 の 意 見 が 含 意 さ れ る
は ない
こ
blameless . (Leech 1994: 106・107)
う した 現 話 者 の 見 方 が
、
。
、
ソ ク ラ テス の
この よ
うな含 み
は(
6c)に
従 属 節 内 の 時制 の 選 択 を 左右 す る と い う
8a )
8b)の 文脈 の 違 い か ら分 か る よ う に
(
(
。
一
話 者 が 、 従属 節 中 の 事 態 を 過 去 の 部 と し て 伝 え よ う と して い る か
状 況 の 一 部 と して 伝 え よ う と して
い
一
言葉
るか に よ
っ
て
、
ふ さ わ しい
、
、
現
現 在の
時 制が 異 な る
171 一
一
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ある
の で
。
Jane said that her ex −husband
8a)
a,
(
b .Jane
said
ries when
この
ら
つ
うに
よ
that her ex −husband is a pathological gambler
ら
そ
、
こ れ と は対 照
く相 対 的 に 〉 用 い
っ
て
て は
られ る
。
的に
間接話 法 の 従 属 節 中で は
、
非過 去 形 は
妥 当性 に つ
の
い て
ど う思
っ
て い よ
〈以 前 〉 の
、
、
主節 時 に
事 態 を 表現 す る 5 )
。
9a )を 引用 す る な
(
、
。
ま た 、 発 話者 が
(10a )を 引 用 す る な ら
うと も
、
主 節 の 事 態 か らみ て 〈同 時 ま
、
9b )の よ う に 従属節内 は 非 過 去形 の ま ま に す る しか な い
(
、
非 過 去形 は
、
。
引 用 元 の 発 言 者 が 故 人 で あろ う と な か ろ う と
、
−
発話者の 視 点か
、
ま ・こ こ 〉 と 、 そ うで な い 世 界 が 区別 さ れ
〈い
後 〉 の 事 態 、 過 去 形 は主 節 の 事態 か らみ て
したが
wor
he has the kids. (Riddle l986 :276−278)
日本 語 の 時制 は
た は以
she really
ね に 発話 者 の くい ま ・こ こ 〉 と の 関 わ りを 含 意 す る
対 して
and
従 属 節 に お け る 英 語 の 時制 使 用 に お い
、
発 話者 の
、
she
’
a divorcedhim .
gambler and thats why
pathologieal
was
、
(10b)の よ
うに 時 制 は 元 の 発 言 の まま に す る しか な い 6 )
。
9) a .「私
(
は潔
白だ 」 (と 、 ソ
ク ラ テ ス は言
b .私 は 潔皇 だ と ソ ク ラ テ ス は言 た
c .私 は 潔一
EIIi2 .zk と ソ ク ラ テ は 言
っ
a .「地 球 は 太 陽 の 周 りを 回 っ
(10)
h ,地 球 は 太 陽 の 周
て い る
と
C .地 球 は 太 陽 の 周 り を凰 2 な
たと
(10a )を 英 語 で 表 現 す れ ば 、 σqρθ而
い
の
よ
うに 過 去 形 を 用 い
る 」 とい
う陳述 が
、
)
。
っ
た
。
≠(
9a )
[
】
」 〈と 、 コ
りを凰 2 皿
sun
た
9a)]
[=(
。
ス
っ
クス は言っ た
。
コ ペ ル ニ
ク ス は言 っ た
。
c μ s 8 α 認 舌舵 e α r 抗
う
[ (10a )
l
=
1≠ (10a)1
d
厂εuoZu θ
α
ro
ωπ
d
厂地 球 が太 陽 の 周 りを 回 っ
。
は 妥 当 で は な くな
一
ク ス は言っ た。)
ペ ル ニ
コ
る こ とに な る だ ろ
現在 で
ペ ル ニ
っ
て い る か ら で あ る。
漉e
て
こ の よ
172 一
一
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うな非 過 去形使 用 に か か る 制約 は
日本 語 の 時制 選 択 に は 関与 しな い
、
また
。
英 語 で は 〈時制 の 一 致 〉 に 従 うか 従 わ ない か に よ っ て 意 味 の 違 い が 生 じ る が
日本 語 で は
そ の 差 を 時制 の 違 い で 表現 し分 け る
、
以上 を ま とめ れ ば
を
い
、
次の
ま ・こ
〈い
よ
、
。
間 接話法 の 従 属 節 内 に お け る 英 語 と 日本 語 の 時制 の 違
、
うに 特徴 づ け る
こ 〉 との
とは で き な い
こ
、
こ とがで
きる
英語 で は
:
、
引用 内 容 と
関 わ りの 有無 が つ ね に 区 別 され る の に 対 し
、
、
発話 者 の
日本 語 で は
、
くい ま ・こ こ 〉 が そ の ま ま 保持 さ れ る 。
引用 され た 元 の 発話 者 の
3 .語 り手 の 視 点 と作 中 人物 の 視 点
前節 で は
主 節 に 過去形が用
、
本 語 の 時制 使 用 を比 較 し た
あるか に よ
〈い
この
っ
て 、従
い
られ て
日本 語 で は
。
が 働い て
は
い
、
。
、
従 属 節 内 の 時制 選 択
、
る こ とを見て
、
い
、
英語 と 日
、
、
作 者の 現実の
「虚構 上 の 語 り手 が
英語 の 小 説 で は
決め 手になる
こ れ と 同種 の メ カ
ニ
ズ
。
ム
。
小説 の場 合 は
重要なの は
の
く
上 の 対 話相 手 に 伝 え る 」 と い う様 式 で あ る
な の だが
、
主 節 時 と同 時 で あ る か そ れ 以 前 で
小 説 の 地 の 文 に お け る 時 制 選択 に も
言 うま で もな く
な らな い
、
る 間接 話 法 を と りあ げ
属 節 内 の 時 制 が 決 ま る の に 対 し、 英 語 で は 、 発 話 者 の
ま ・ こ こ 〉 と の 関 わ りの 有 無 が
節で
い
、
〈い
ま ・こ
こ 〉
は問 題 に は
す で に 起 こ っ た 出来 事 を
、
虚構
点 につ
い て は
語 り手 の 〈い ま ・こ
こ 〉一
虚 構 上 の 発話時点 一
、
この
と の 関 わ りを 含 意 す る か ど うか が
、
。
時 制 選択 の 決 め 手 に な る
。
日本 語 も同様
こ
う して
、
小
説 の 地 の 文 に お け る 非 過 去形 の 使 用 に は 、 間接 話法 の 従 属 節 の 場合 と 同 様 の
制約 が か か る こ とに な り
、
その
きな違 い に つ なが る の で あ る
点が
、
日本語 の 小
説 に お け る 時制 選 択 と の 大
。
一
173 一
一
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3.
1 .状 態
・特性 ・習慣 ・総称
2節 で 確 認 した
体の 特性 〉
うに
よ
発 話 時 点 を 含 む 期 間 に お け る 〈状 態 〉 や く個 別 的 主
、
〈習 慣的 行為 〉
、
そ して
、
一
特 定 の 時 に し ば られ な い 〈 般 的 主 体 の
、
特性 〉 を表現す る に は 、 日本 語 で も英 語 で も非 過去 形 を用
「す で
に起 こ
例 えば
。
(1D は
、
きで あ る が
る 場面 の 続
〈習 慣 〉 を 描 写 す る 二
れ に対 し
こ
と に なっ て
、
の
were
文で 過去形が用 い られ て い る (
る」
) こ とか ら分 か る よ う に
い
表 現 す る こ と もで き る
11 )
a .She lay for a few moments
(
of ,
dresisng−gown
room
and
wards
and
se 七
,
,
her
made
lled / set )
c α
。
る
い
「
起こす
(
小 説の 世界 の 中の
、
。
皿
way
the passage to the
alollg
were
called
students
,
but most
their alarm
’
students
utility
promptly at seven
to early
aceustomed
each
by one
morning
waking
when
the
on 6.
30 to give themselves time fbr tea−making
clocks
at The Shroud forNightingale:43 )
gosip.(
b . し ば ら く横 た わ
彼女 はベ
学生
ッ
っ
た まま
ドか ら 出 て
た ちの 便利室の ほ
ナ イチ
日 本語 で は
、
の
。
the maids
ろ か ら始 ま
,
The Nightingale nurses
of
対
this
plating
gratifying
programme then she
her feet
into
her slippers
s 七
ruggled
into
her cheap
conte
bed shuffled
got out
日 本語 と 英語 で
、
看護 学 生 が 朝 の 6時 す ぎ に 起 き と こ
、
この よ
、
英 語 版 (11a )で は 彼 女 が 属 す る 全寮 制 の 看護学校 で
、
つ
〈習慣 〉 を 非 過 去形 で
は
一つ が 過
で は こ の うち
翻 訳版 (11b)
非 去形 に な っ て
こ
。
た 出来 事」 と して 語 られ る 小 説 内 の 世 界 に 関 し て は
っ
う な 意味 を表 現 す る た め に 非過去形 が 使 え る か ど うか
照的で あ る
る
い
こ とに
ン
ゲ ール ・ハ
なっ
て い る。
こ と に慣 れ て し ま っ て
る ため
ス
、
こ
リッ
うし た 満 足 の
パ を突
うへ 向か
っ
た
っ
かけ
ゆ く授 業 を よ く よ く考 え て み て か ら
安物
、
の ガ ウ ン にや
と腕 を通 し て
っ
、
、
。
ウ ス で は 毎朝
七 時 き っ か りに 、 メ イ ドが 看 護 婦 た ち を起 主
しか した い て
い の
い て
学生 は
、
病棟
に い る 間 に早 く目 を さ ます
、 お 茶 を沸 か した り噂 話 を 交 わ し た りす る 時間 に あ て
、 目覚 ま し を六 時半 に 一
一
。
(ナ イ
チ ン ゲ ール の
屍衣
74)
:
174 一
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronio
Library Service
Library
Kobe Kalsel
Kobe
Kaisei College
College
日本語 で
は 、 〈習 慣 〉 だ
特 定 の 時 点で
る
。
、
を表 現 す る 場合 に も
〈状態 〉
の
(12a)の よ う に
けで な く
、
場 合 に よ っ て は小 説 内の
非過 去形 を用
、
英 語 で は こ の 意 味 で 非 過 去形 を 用 い る こ と は で きず
形 を用い る こ とに なる
4 判 の 用 紙 で 垂
unfolded
done
on a word
の よ うに 過 去
(12b )
。
12)a ,本間 は そ れ を 手 に と
(
b.Honma
、
た
っ
。
ワ ープロ で
。
縦書 きの 文 面 が tw3
、
火車
(
。
a single
,
く習慣 〉 を 描 写
な く
け る 〈状 態 〉 の 描 写 に も、 「す い て
とい
三 原 が 乗 っ た 時点 に お
うふ うに 非過 去形 が用 い られ て い る
(13)
三 原 は警視庁前 か ら新 宿 行 の 都電
夜 の 八 時 を ま わ
ゆ
っ
て
っ
くりと腰 か け
、ラ
腕 を組
、
シ
ッ
わ っ
こ
の よ
。
(
点 と線
。
うに 、 日 本語 で は
:
乗っ た
背 中に こ こ
。
べ
様の
メ カ
ニ
ズ ム に従
っ
で は 立 ち入 ら な い
、
つ
。
ろ よい
車 内 は い
動揺 が雄
、
彼は
。
。
に 行 先 を決 め な い で 塑
っ
て い る
。
行先 を 決 め
た と き に は 、 ぼ ん や り電 車 に す
153)
〈相 対
える
。
て
も
的 〉 に 用 い る こ とが で き る
間接 話 法 の 従 属 節 内 に み られ る
て い る と言
意 的 で あ る と い う点 だ が
る」厂
あ る」
「
過 去 の 出来 事」 と して 語 られ る 小 説 で あ っ
、
非 過 去形 の 働 きは
」 だ けで
。
え に 行 きづ ま
小 説 内 の 世 界 に 視 点 を 据 え て 非 過 去形 を
こ こ での
い
る
。
に
≧≧ た
は 妙 だ が 、何 か 考
て灘
す る 「乗 る 」 「
思 案す
ア ワ ー は過鯉
ュ
んだ
三 原 は都 電 に 乗 る の が 妊越
な い と い うの
33)
:
document on legal−sized paper
processor. (All She Was Worth : 21 )
it.
It was
−spaced
geZ2
.
(13)で も、 同 様 に 、 三 原 の
、
る こ とが で き
い
〈相 対 化 〉
、
。
と同
従 属 節 内 と の 違 い は く相 対化 〉 が 随
選 択 の 決 め 手 と な る さ らな る 要 因 に つ
い
て はこ こ
。
一
175 一
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronlo
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Llbrary
Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
こ れ
に対 し
、
この よ
形 の 使用 に 対す る 制 約 が きつ くな る
逐 語 的で は な い も の の
三原 が 乗
、
(14) Mihara took the streetcar
Board .
It 蠅
Police
streetcar
The rocking
legs.
Mihara 躅
of them
problem
almost
o
,
clock
.
He
empty
was
the eveni
and
皿
over
騒
童
brtably and
see 皿
,
to sit
chose
d to board one
he 甅
,
,
hout a set destination
in mind
And when
his
cross
some
wi 七
,
.
.
not unpleasant
ay
hour
g rush
to sit comp
able
豐
to trouble him he often
arose
。
.
Strange as it皿
fbnd of streetcars
for
the ride
just
三
、
to Shinjuku from in front of the metropolitan
of る
い
、
the car
motion
当然 、 非過 去
、
た 時 点 に お け る 〈状 態 〉 は もち ろ ん
っ
past eight
塑
は
13)を翻訳 し た 英語 版 (14)で は
例 え ば、 (
。
原 の 〈習慣 〉 もす べ て 過 去形 が用 い られ て
The
英語 で
〈相 対化 〉 が 起 こ ら な い
うな
血 a steetcar
he gay!g
while
it thought .(Points and Lines; 106)
また
英語 で は
、
15)の 太 字 部分 の よ うに
(
、
述 〉 で あ っ て も過去形 が 用 い られ る こ とが あ る 点 に 注 目 され た い
“
Whenever
be ”thought Miss Beale.
15)a . lt would
(
,
h ・ spital the nrst peoPle
Their training programme
her but now
with
cent
noise
,
to be sacri
could
, (
Shroud
い
。
は常 に妨げ られ得 る
彼女 た ち の 授 業 計 画
ま は と て も抗議 な ど し て
い
な 黙 認 と も とれ る つ ぶ や き を も ら し た
手は
こ
、
とで あ っ た が
、
い
。
と 自体 が 不 可 能 とい うわけ で は ない
〈い ま ・こ こ 〉
、
す なわ ち
一
。
い
。
・
point
vaguely
a acquies
−
、
こ
つ
も 看護
そ れ は きわ め て 腹 立 た し
る と きで は な い
ー
(
ナ イ チ ?ゲ ル
制 約 が あ る と は い え、 英 語 の 小 説 で
語 り手 の
nurses
a sore し た 時 、 まず 犠 牲 に な る の は い
る
the
皿
f()r a Nightingale: 14)
こ
、
i
い
し
出 e student
were
しか
acrisis
塑
hardly the time to protes七.
She made
was
b .「そ うで し ょ う と も」 病 院が 危機 に 直 面
学 生 鉱
償 eed
there
般的陳
〈
。
be interrupted.
It was
always
一
時 間 に し ば られ な い
、
の
。
彼女 は あい ま
屍衣 :26 )
う し た 意 味 で 非過 去形 を 用
非 過 去形 を 使 え る か ど うか の 決 め
く虚 構
上
の
発 話 時 点 〉 と の 関 わ りを
176 一
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronio
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Library
Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
含 意 す る か ど うか で あ り そ れが可 能 な 設 定 で あ れ ば
、
と もで きる
こ の
こ
。
と を確認 す る た め に
本稿 の 考察対象 で あ る 3人 称小 説 か ら
、
3人称 小 説 と 比 べ
。
を表す非 過 去 形 を 目 に す る こ とが 多 い
あ る 時点 と結 び つ
の
ま ・こ こ 〉 と は 重 な り よ うが な い た め
し
、
、
る 」と い
い
関 わ りを もつ 状 況 に つ
、
て で
その ため
。
きる と 考 え られ る 例 え ば 、(16)
で は
につ い て の
説明部 分 に 、(
17)で は
。
人物 の 特性 描写部 分 に
f(}rfeits his money
sends
me
to fi d the
out
。
fee tS 10 percent
・Shlee this 瓧
(
該 当箇所 を太 字 で 示 す )
る
い
窒
語 り手 (
身柄 拘束 人 ) の 仕事
、
Vimie giyes the court
Willreturn for trial.lf the
that the accused
語 り手 ( 主 人公 )が
、
語 り手 (
検 視 官)の 仕 事 場付 近 の 情 景
、
を 描 写 す る 部分 に 非過 去 形 が 用 い ら れ て
As a bail bondsman
しか
。
語 り手 (
弁護 士 )の 同僚 に対 す る 評価 や そ の
、
18)で は
そ して(
、
語 り手 の 〈い
、
あ れ ば 、 会話 の 場合 と 同 じ よ う に 非 過 去形 を用 い
る こ とが で
16)
(
.
い て は
つ
「
語 り手 が 自分 の 属 す る 世 界 で の 出
、
う虚 構 が 成 立 す る
い
特に
、
1人称小 説 で あ っ て も 小 説 内
。
非過去形 を 選択 す る 余 地 は な い
、
3人 称小 説 と は 異 な り 1人称小 説 で は
来事 を伝 え て
る と 、 1人 称 小 説 で は
た 具 体 的 ・個 別 的 な く状 態 〉 に
い
しば し 1
、
人称小 説 に 目を移 す こ と に す る
〈習慣 〉
非過 去形 を選 択す る こ
、
皿
accused
the bond
of and
and
,
an
bond as
a cash
takes a hike Vh
accused
apPeali
皿
a securement
皿
,
ie
9 prospect to Vinnie he
,
drag him back i皿 to the system ,
My
I only
collect
it if I m
量
suocess
血
1.
.[… IThe bond amount
1 flipped the iblder open and the bond agreement
seven hundred dollars
.
[
[
hat meant 1 d get seventy . (High Five:2−3)
was
’
17)
(
Mack
‘
’
,
Gold our
sid Martin ,
Somethjng serious
‘
.He1 旦 asizable
decades ag
董ddle・
weight
He
h
ad
型
Khan
,
・ , a m
k
証
s , and
shrewd
,
,
Martin a
,
,
With a ehest
,
・
・
look of somebody
一
your help,
wrestler
at
who
.
・ ng
・
,
l w
旦 mixed
the U three
・
He is no question the best lawyer 1 know
The white clock face noated撒 e a 制 l moon
need broad as the map
,
18)
(
face a little
like th ・ se M
・
the venerable
ma11
we
Mack ,
‘
partner
managing
・
・
io聡
f・America .
。
it叩
f Genghis
with
life
.
Pleading GUilty:5 )
(
i the da rk sky ,
risi 皿 g high
above
皿
】
177 一
一
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Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
The great
the old domed train sta 七ion the ra 丑road tracks and the I−950verpass .
,
hands stopped
clock s filigree
’
It
was twelve −seventeen
befbl
℃ .
lower end
Health and
where
the last passenger train did 皿
when
It would
,
Human
i 七he city
,
皿
s
to erect its
hospital
for
the
decided
serVices
be twelve −seventeen
always
years
any
dead,
Time
has
h
曲
contented
here .
B ・
・ildings 壁
stopPed
ei幽
sea
.皿
t t恤
曲
littered with
s pe 叩 etu 田
1e ea 禹
debr
L
見た
よ
99
洫
not11
叩
ble 鋤 d m
眦
…a
鯉
とい
時 制 選択 に
、
っ
て
通 用 し うる 事 柄
うこ と に な る
。
1人 称
それ は
、
、
、
3人 称小 説 で は
。
語 り手 の
、
手 と も に 属 す る 世 界) に あ
作 中 の 世界 の 外 (
語 り手 と 読 み .
、
非 過 去形 を 用 い る 可 能性 が 出 て く る の
、
すなわ ち
、
、
称的 〉 ある い
〈総
背景 的 な情報 を 与 え る た め の
、
形 が 用 い られ て
る
い
例 で ある
きて い る 例 で もあ る
(19)
er
く一 般
は
は作
中世 界 の 外 で も
的 〉 な 陳述
場合 と い
の
。
(19)と(20)は
にで て
自分 の 属 す る 世 界 と は 別 の 世
、
界 の 出 来事 を語 る 立場 に あ る か らだ と 考 え ら れ る
〈い ま ・こ こ 〉 は
dirt
ligLts誼
no
うな 違 い が 生 じる と す れ ば
この よ
、
した が
腆
raw
t丗酔
う注 釈 つ きで は あ る が 、 3人 称 小 説 で は
1人 称 小 説 と は 異 な り 3人 称小 説 の 語 り手 は
、
出 ere
dis うな 〈習慣 〉 を 表す 非 過 去形 の 例 は 少 な く と も ま れ で あ る
小 説 と3人 称小 説 と で
り
d
・
patChed
皿
e a
of weed
sbore
d ・ wn ・
tom
and
16)
:
手 元 の 資料 お よ び 記憶 の 範 囲 で
で
y
血 soned
塾 apo
蓋5 wbere
dark (Pos七mortem
上
boarded
There
旦堕
rnore
il mystery
certi
例 と も
、
波線 部 の 表 現 に よ っ て 語 り手 が 表
皿
thi皿 gs people
always
._
stories
to
want
ow
itself iS documented
beat the drip of blo・ d
・r
plasma
−
; miniutes
,
that Oyster and
_
iden七ical[… ]. (The Crime of Miss Oyster Brown
孟me
twi 皿 s the
about
not 20) In a kospita い
(
,
二
陳述 〉の 部分 に非過去
。
so Pearl were
。
〈一 般 的
seconds
,
52)
:
in a pUlse
rneasured
in ・the・st ・ PPi皿 9
・
・
f a heart ;
178 一
一
NNII-Electronic
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Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
hours
洫
the
rise
fa皿
and
tion .
When the events
there were
unaware
、
at
the Jon Carpendar Hospital
who
い
were
they had been doing or where
they were
moment
particular
at any hours. (Shroud fbr a Night血 gale :37 )
21a )と そ れ を英 語 に 翻 訳 した (21b )を見比 べ て み る
(
区別 の 基 準 は 明 確 で あ り
る点に注 目 され た
い
非 過 去形 が 用 い ら れ て
、
日本語 で は く一
。
非 過 去形 に よ る 表現 が
の
つ
英 語 で は 非 過 去形 と過去形 と に 区 別 し て 表 現 さ れ て
〈い
・
an opera
of 般 性 〉 の 度 合 い に 差 が あ る よ う に は 感 じな い 、 二
この
, 28th−29th Janu 町 y came to be documented
the night
of fbw of the what
the length of
ternperature chart
of their
wakhlg
次 に
of a
るの は
い
、
い
、
。
語 り手 の
ま ・こ こ 〉 に も通 用 し うる 内容 (
太字 部 分 ) で あ り、 過 去 形 が 用 い られ て
るの は
、
作 中人 物 (
本 間 )の 経験 に結 び 付 け られ る 内容 で あ る
。
/
一
2Da .
(
東 北 新 幹 線 を利 用 す れ ば 、東京駅 か ら 宇都宮 ま で 一 時間 以 内 で こ
弖
。
乗 り換 え 電 車 の 連絡 の 悪 い 時 間 帯 だ
山手線 の 新宿 駅
だ か ら 、便 利 に な っ た も の だ
b 。 The New
Utsu皿 omiya
Tohoku
hours when
co −253 )
bullet train from Tokyo
an
ections
−
hour
to get to the eenter ofTokyo
:252
(火 車
。
the suburb
丘 om
slowest
殲
justabout
the same
whe
い
本 来 は 連続 す る 一 節 で あ る
太字 で 示 した 部 分 は
。
とすれ ば
、
ガ ラス と
い
、
a
い
て
う
。
during the off
,
Worth : 138−139)
22)と(23)は
(
。
い
る
説 明 して い る (
22)に 対 し
と い う点 だ ろ
い る
of time it 1ΩgkL
どち らに お
、
そ
、
、
もか な り
い
て
。
違 い がある
23 )
で は 鑑識
(
う し た装 置 の 操 作 が
犯 罪 科学鑑 識 の プ ロ で あ る 作 中 人物 た ち に と っ て 日 常 的 に 経 験 し て
一
to
週
同様 の 区別 が な さ れ る
、
…
23)で は 過 去形 が 用 い られ て
(
う物 質 に つ
用 の 装置 の 機能 が 説明 され て
も
て
Station g 鐘
amount
Ho 肥
,(
All She Was
一
か な り 般性 の 高 い 文 に つ
一 般性 の 高 い 内
容 に み える が
時間 が tw .
6−1 −esLiELの
の
Line in u 皿 der
と 、本 間 の 家 の あ る 常 磐 線 の 金 町 か ら、
出 て 行 くの に 、 そ れ と 同 じ く ら い
へ
とが で
い る
、
事態
179 一
一
NNII-Electronic
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Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
で
ある こ とを考 えれ ば
験に
ひ
きよせ
るの は
い
表 現 す る た め だ と考 え る こ と が で き る
て
制 の 使い 分 けは
作 中人 物 の 経
、
22)と (
23 )に お け る 時
(
。
21b )で の 時 制 の 使 い 分 け と 同種 の もの だ と 言 え る
(
、
確 認 して お け ば
で
過 去形 が 用 い ら れ て
こ こ で
、
21a)
22a)か ら わ か る よ うに
日本 語 版 (
(
、
特 に動詞述語の 場合
表現 す る し か な く
、
日本 語 で は 非 過 去形
、
可能なの は ル 形の み で
、
ここで
。
テ
、
イル
形 も用 い る こ と が で きな い 7 )
。
22)a .
(
“
”
Ground glass? Rhyme
Glass 塾
essentially
the crystalline
Cooper
glass .
b .
suggested .
melted
’
「
砕 い た ガ ラ ス か ?」 ラ イ ム は 思 い
本 来
亙
ガ ラ ス は 砂 が 融 解 し た もの 距 が
、
ガ ラ ス に 複屈 折 は な 竺
粉
。
ン ・コ
レ ク ター
:
ク
。
an
’
ーパ ー は サ
crime
traee samples
“
Get hi皿
more
gas e 】皿
and
at c
1 want
.
血
プ ル を 注 意 深 く観 察 した
rnass
Ihad
.
electron
;
。
(ボ ー
菫ned
eroseope
what
e
then looked around
Sellitto
down
”
to
marTied
互ements
hl
were
finger
[
print uni
substan
photospeetrometry
And a
七 too.
their component
董nto
瑠 es
“
. We
tihe room
,
meta1
EDX here.
an ・
1e scenes
a vacuum
bmke
omatograph
,
。
itis.
I wish
what
it dete mit
扈
Rhyme ordered
”
,
ow
lab tOol wqass a scanning
found
equipment
ン
」
one
ments
’
−dispersive X ・
ray
energy
・
した
127−128)
’
A popular
に
製 造 過 程 で 結 品 の 構造 が 部分 的 に 変化立
、
1 don 七 23)a .
(
No ,1 don t think its glass.
“
きを口
つ
ground
with
Collector
: 80 )
.(
The Bone
closely
alters
don t get birefri皿 gence
ined the sample
皿
process
.
You
structure
exa
but the glassmaking
sand
light
to identify
each
11steged
n 〔
妃
d
一
MS . A
”
ele
one
・
of
them .【… l
phoned the wish
Sellitto
b. 「違 う
list
to the CSU Iab. (同上 :80 )
こ れ は ガ ラ ス じ ゃ ない
。
。
だ が 、何 だ か わ か ら な い な
。
EDX
が あれ ばい
い
ん だ が 」
科学捜 査 研 究 所 な
と EDX
ら ど こ で も備 え て
い
る 検査 機 器
の
一つ
エ ネ ル ギ ー分 散 型 X 線 分 析 器 〉が 合 体 した もの
(
だ
ら 採 取 した 微細 証 拠物件 に 含 ま れ る 元 素 を im 1で る
。
が
、走 査 型 電 子 顕 微 鏡
こ れ を 使 え ば 、現 場 か
’
一
。
180 一
一
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Kobe Kalsel
Kobe
Kaisei College
College
「手 配 して や
した
。
「も っ
て くれ 」 ラ イ ム は セ リ ッ トー に 指 示 し
っ
と 器 具 が必
すなわちガス ク
要だ
VMD
。
(
真空蒸着)装置 も欲 しい
トグ ラ フ は 試料 を 各 成 分 に 分 画 し 、MS
ロ マ
は 電 磁 気 的 相 互 作 用 を 利 用 し て 、原子
i亙
。
こ
こで
、
。
(同 上
:
い
て は
3 人 称小 説 で の
、
非 過 去 形 で 表す か
”
“
の
お ね だ りリス ト
〈状 態 〉 や
まとめ て お こ う
て
い
〈習慣 〉 の
。
、
語 り手 の 立 場 か ら
〉
ら
そ の 人物 が 見 て
る 状 態 や 経 験 して
用
られ る こ と に な る
、
〈一
、
い
、
に
い て
つ
語 り手
事 態 を伝 え る か らで あ る
。
こ こ 〉 と は 異 な る 」世界 の
っ
て も
、
を鑑識 課 研 究 室 に 伝 え
。
い
る
〈状態 〉 や 〈習 慣 〉
点 をお く こ とが
、
で
きる た め
、
経 験 して い る こ と と し て
っ
た こ と と して 過 去 形 で
こ れ に 対 し、
と の 関 わ りで 時制 が 決 ま る た め
、
は
、
英語 で は
常に
、
、
作 中人 物 の 立場 か
習慣 と し て 表 す に は
過
、
去形 が
日 本語 で は 非 過 去 形 を用
、
い
る しか な
い
。
作 中人 物 の ど ち ら の 視点 か らの 陳述 に も使 え る
ど ち らに 視 点 をお くに し ろ 、
述〉で あ
に よっ て撞
い
。
般的陳 述 〉
日 本語 の 過 去形 は
が
作 中世 界 の
す で に起 こ
、
語 り手 の 〈い ま ・こ こ
一方
違
表 現 、 そ して 〈一 般 的 陳 述 〉
そ の 人 物 に 見 え て い る もの
、
表 す か 、 そ の ど ち ら の 選 択 肢 も可 能 で あ る
い
す な わ ち 質量 分析 計
の イ オ ン を 質量 の
日 本 語 で は 文 脈 中 の 可 能 な 時点 に 視
作 中 人物 の 立 場 か ら
、
GC −MS も」 GC
128)
に 用 い られ る 時 制 に つ
につ
・分 子
。
[… 】
セ リ ッ トーが 電 話 を か け 、 ラ イ ム
た
そ れ か ら部 屋 を 見 ま わ
、
「そ の 時点 で す で
こ れ に対 し
、
事態 で あ る
に
終 わ っ た」 (
具体 的 な)
英語 の 過 去 形 は
こ と を表示す る
、
「
語 り手 の
もの な の
で
〈い
一
、
〈
ま ・
般 的陳
作 中人物 の 経 験 に 由 来す る もの と し て 伝 え る場 合 に は 過 去
形 を用 い る こ と が で き る
。
一
181 一
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronlo
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Llbrary
Kobe Kalsel
Kobe
Kaisei College
College
3.
2 .作 中人 物 と の 距 離 感
前節 で
みたよ
し た く状 態 〉 を
うに
一
方で
英語で は
、
〈一
違 い で 区別 す る こ とが で き る
い
は
英語で は
と して 働 い て
こ の 節で
も
こ こ で
「
語 り手 の
、
い る こ
は
。
。
る 日本 語 と
作 中世 界 と を常 に 区別 す る 英語 と い う違 い が
され る
。
こ こで は特に
、
の
うした 違
こ
作 中 人物 の 内 的 意 識 の 描 写 に お け る 時制選 択 を み て
、
、そ
の
ま ・こ こ 〉 と の 関 わ り」 が 常 に 選択 の 土 要 因
くい
とに よ る
両 言 語 に み られ る 時制 選 択 で の
作 中 の 時点 に 視点 を移 せ
、
作 中 人物 が そ の 場 で 知 覚
、
一
般 化 〉 と作 中 人 物 に 由 来す る 〈 般 化 〉 と を 時制
の
、
日本 語 とは 違 い
直 接 「見 た ま ま 」 に 再現 す る こ と は で き な い もの
、
語 り手 に よ る
、
、
その
、
語 り手 の 〈い ま ・こ
、
おこ
こ 〉
。
う Leech &
。
Short(1981 337)は 、
:
24)の よ うに 分 類 し て
作 中 人 物 が 心 の 中 で 言語 化 し た 内 容 を 表 現 す る 手段 を (
るが
ここで と
、
“
FDT
24c)に 太字 で 示 し た 、
(24a)
(
。
の
〜幽
文を
、
(自由 間接 話 法)で あ る 8 ) ま た Leech
とFIT
毋 ε
りあ げ る の は
よ
うに
、
思
b .He wondered
c .Did she
d .He
she stilZ love
、
るが
、
ここで
、
もそ の 分 類 に 従 うこ と にす る
i love me ? (
Free Dhrect Thought
‘
’
Thought:DT )
Does she still love me ? (Direct
s 止皿
FDT
:
い る
。
)
,
stimove
wondered
Shortで は Does
、
”
she
&
い
(自由直接 話 法)
考動 詞 が タ グ と し て 文 頭 文 中 文末 に 現 れ て
ftee の 範疇 に 分 類 して い
24 )a ,Does
(
、
と
選 択 され る 時制 の 違 い に 反 映
、
効 果 の 違 い に 注 目す る
ま ず 本 節 の 対 象 とな る 形式 を 確 認 して
くが 、
い
if she
him ? (Free lndirect Thought
loved him .
still Indire(兇 Thought
(
こ の よ うな 表現 形式 と 比 べ た と き
日本 語 に 特徴的 な 点 は
DT )と 間接 話 法 (IT)の 差 が 小 さ い
話 法(
こ
、
由 間 接 話 法(FIT )に 相 当す る 表現 が な い
一
こ
、
とで あ る
。
IT )
:
一
、
2 節 を 参 照 ) そ して
(
と
FIT )
:
には
つ
、
直接
形 態的 に 自
、
比 較 の ため に
、
時制 と代
182 一
一
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Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
25a )
25b )
25c)
で ある
名詞 をそ の まま 日 本 語 に 置 き換 え た もの が (
25d)
(
(
(
25 )a ,彼 女 は ま だ僕 を愛 し て い
(
るだろ
うか
。
b 。「彼女 は ま だ ぼ く を愛 し て い る だ ろ うか」 と彼 は 思
c .彼 女 は ま だ彼 を愛
して い た だ ろ
ce.彼女 は まだ ぼ く を 愛 して
い
うか
た だ ろ うか 、 と 彼 は 思
d .彼 女 は まだ ぼ くを 愛 し て
い
(25c)(25d )は
’
’
覃
違い は
うか
、
。
。
っ
た
意味 的
に
。
等 価 に し よ う と思 え ば
また
。
、
25cl)は
(
、
。
DT
、
(25b)と IT
25a )と 同 じ形 に な る
(
。
う に 、 少 な く と も英 語 の よ うに 時制 と代名 詞 で 区別 さ れ る FDT とFIT の
、
日 本語 に は な
い 9)
。
日英 比 較 と い う観点 か
ある
。
(と 代 名 詞 ) を 変 更 す る 必 要 が あ る
25d )の 違 い は 引 用符 の 有無 だ け に な る
(
この よ
。
[≠ 24d ]
た
っ
うか 、 と彼 は 思
24 )と は 意 味 が 異 な る
(
、
25c )(
25d )の よ うに 時制
(
と
。
d .彼女 は ま だ 彼 を 愛 し て い
るだろ
。
≠ 24c】
[
’
た
っ
。
うか
るだろ
。
ら こ こ で 問 題 に なる
両 者 に 違 い が あ る とすれ ば
こ こ まで
、
、 英 語の
の は
FDT とFIT の 違 い
ど ち ら の 方 が 日本語 の
FDT
に近
い の
で
だろ
確 認 し て きた 日英 の 違 い 一 作 中 の 時点 に 視 点 を 移 せ る 日 本 語
語 り手 の くい ま ・こ こ 〉 と作 中 世界 と を 常 に 区別 す る 英 語 と い う違 い 一
を ふ まえ れ ば 、 「
作 中 人 物 の 視 点 か ら の 描 写」 は
る はず で あ る
。
こ こで の
FIT で の 過 去 時制 使用 つ
1As
、
英 語 で は 過 去形 の 領域 に な
見方 に 一 致 す る もの と し て
い ての
Declerck (1990)に
。
,
may
assume
the temporal standpoint of a par −
ticipant in a past situation in order t est that the situation
frLQIulhlis
−pQil t f .This means
past time
よる
lo)
説 明 を あげ て お く (
下 線 は 筆者 )
is well −known the speaker
、
that he relates the situations
is ex ressed
to a particular
he time rather than to his own h r − −now ).
The past timesphere
七
tenses in 貸ee indirect
speech
ast time that the s
ri
thus explained
are as ten ha are
bound b the
focusin
Declerek 1990 : 538>
on .
(
一
183 一
一
NNII-Electronic
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Library
Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
ら そ の 思 考 内容 を表現 す る さい
作 中人物 の 視 点 か
的 に 再 現す る が 、英 語 で こ れ に相 当 す る 手 法 は
る こ と を明 示 」し な が ら
まで
で
よ
FDT
、
「
作 中人 物 の 視 点 に 立
、
で
直接
っ
て
い
き る だ け元 の 形 に 近 い 姿 に (疑 問文 は 疑 問 文 の ま
で
11
間投 詞 な ど もそ の ま ま)再現す る FIT だ と言 え そ う で あ る )
。
、
は
、
英語 の FDT は どの
は 、時制
うに 、日 本語 で
したが
か
、
日本 語 で は
、
らは
っ
、
て
(26 )の よ
、
う な役 割 を果 た す の だ ろ うか 12) す で
よ
お
(
よ び 代名 詞 )の 面 で は FDT
うに 、 英 語
そ の 違 い は 見 え に くい
“
に 指摘 し た
。
とい え る形 しか ない
。
け る FDT とFIT を 日 本語 に 翻 訳 した もの
にお
。
thousand varieties of deciduous vege 七ation in
”
“
What s undemeath
the leaf
?
Manhattan he explained . Not very helpful.
26 )a .
(
There
譬
re
about
eight
”
’
,
Wh
does
he thj皿 k there s
’
A scrap
But there was .
hin there?
.
Blank
of newsprint
‘
‘ all the rest
Is it like
arou
the dirt
of 皿
on one
Was he α伽 α
b.
「マ
ン
ハ
ッ
タ ン の 落 葉植 物 は お よ そ八 千 種だ
だ liか
し か し
が あっ た
に は
.
“
r n
Well,
not
’
の だ ろ
うと お り
片 面 は 白紙 だ が
。
「
周 辺の 土
。
n
.
大 い に 参考 に な る 手 が か りと は 言
、
、
’
?
そ れ で 終 わ りで は な か っ た
反対側
には
月の 満 ち 欠 け が 描 か
新 聞用 紙 の 切 れ 端
。
れて
「い え 、全 く同 じ じ ゃ な い わ
。
「’
が カ
い
る
。
[… ]
と 変 わ ら な い か ?」
「変 わ りま せ ん 」 そ う答 え た もの の 、 な お も よ く観 察 し て み た
。
exactly
?」
る と思
ライム の 言
、
弖
print−
The Bone Collector; 192)
sri ht? (
え ない なe 葉 の 下
rtぜ
was
di俛
”
’ the other
,
d there?
Hell it
was
Yes . Then she looked closely .
”
It s a different
color .
‘‘
side
.[… 】
”
耐ith a drawing of the phases of the moon
ed
an 色が違
’
こ と は $ 女i に オ い の だ ろ
一
い
’
・
。
’
違っ
。
てい
ます」
(ボ ー ン ・コ
レ クター
315−316)
:
184 一
一
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Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
コ
ーパ
Leech
&
を利 用 し
ス
英 語 の 話 法 を 体 系 的 に 記 述 ・分 析 し た 研 究 と し て
、
Short(1981) Semino
Leech (2004)が あ る が
&
,
お よ び そ の 他 の 話 法〉 と比 較 した と きの FIT
(
に
、
、
彼 ら に よれ ば
、
、
FDT
特徴 は 「
作 中人 物 の 内 的 意 識
の
自然 な形 で 接 近 で き る 」 こ とで あ る (
下 線 は 筆者 ):
Its【
FIT s ]appeal f{)r writers primarily lies
in
its
flexibility
in terms of fbrmal fea−
turesand itSusefulness in resentin thou hts in a r matic and i mediate
’
but without
wa
the more
obvious
artifidalit of
F DT . (Semino & Leech 2004 :
123)
逆 に 言 う と
日本 語
、
FDT
の
とは違い
、
英語 の FDT
の
使用
に は
「
不 自然 に 接
、
近 」 し す ぎ る こ と に よ る 人 工 性 ・技 巧 姓 が つ き ま と う こ と に な る
Semino
。
&
Leech に よ れ ば 厂芝 居 の 独 白 を思 わ せ る 」 手 法 で あ り 感情 の 高 ま りな ど に 多
、
く用 い られ る と い う(
20〔}4 : ll8)
。
さ らに 、 Leech
Short (1981)に は
&
うな例 が あ げ られ て
27 ) a . ヱ1エ貳IL填皿
(
and
ough
what
る
興 味深 い 用 い られ方 と し て
、
(27)の よ
。
thg h∴.he憩 」止 .ユ“ 姐 h垣 鍵 e 鍍 算盤 足無 d.
壇旦盈q 艱 !
‘
A 吐
い
、
it is呵
a man
he thought .
But 1 Willshow
us 也 ,
endures
him
what
a man
can
do
.
燵 垣 垂 −Qld .
皿 a瓜 .
−h−q .
§瓠d 組 9 !鳳 .
一
穽挺LΩ」
具.
th這 £ Ωロ襲 e .
b − P Ωロニ
興 4 塑 墟旦並 5yhe旦 塾
’
、
壟Ω胆
e島
,
But I mus
an
k he thought .
Because
it is all I have left...(The Old M
、
,
∫the Sea Leech &
(
こ の 例 は FDT
の 二
‘thi皿
,
α
n
.
Short,
p 347 に 引 用 )
と DS (Direct Speech)の 対 比 に よ
=
面性 」 を 効果的 に 表現 す る もの と して 説 明 さ れ て
一
っ
い
て
る
い
、
わば
「同 一 人 物
:
185 一
一
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Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
h
the old mmls
出 ese extrac 偽
i
e齬
reactions
to
血 e world
皿
d
伽
a
肥
thmugh DS .
But FDr is
used to show the more
reflective side of his
portrayed
It
is
almost
as if
h r flective
more
h 且oso hical
sid fh ld
man
car 一
nature ,
nes
’
’
Hemingway dramatizes
tihe
elemental
way
こ う した 記 述 を念 頭 に お い
て
の例
,
見直す と
28a)と FDT の 例 (29b)を あ げ て お
(
そ の 延 長 と し て 生 じ た Rhyme
交 わ しな が ら
向け て お り
この
に FDT が 用
られ て
、
い
28)a .
(
Rhyme
わば
い
る。
う
。
28a )で は
(
一
、
思 考 に FIT が 使 わ れ て
一
同
。
つ
い
に
作品 か ら
、
FIT
会話 を 受 けて
の
る
つ い
。
こ
、
れ に 対 し、
Lon の 反 応 や 行為 の 方 に 注意 を
「も う一 人 の 自 分 」 と で も言 えそ う な 思 考 の 部 分
’
. Who
‘
repeated
”
is it?
”
‘
‘
Lon Sellitto
,
”
Lon ?
“
What
Thom
b .
was
ラ イム は繰
ンが
ン
た
トーで す」
?」
い
何の 用 だ ろ う
。
くづ く 眺 め た 。 「そ れ
トム は 部屋 を つ
レ ク ター
・コ
り返 し た 。 「
誰 が 来 た ?」
・セ リ ッ
「ロ
い っ
“
”
The Bone Collector: 26 )
the reom . The place is a mess . (
examined
ン
he in here?
「ロ
い
、
の
こ
りと りに 加 わ っ て い な い
このや
、
in this
s nature
に 同行 した Bank8 と の 会話 を
方 で 1日知 の Lon Sellitto
は 、一
Rhyme
、
In this
.
”
手 元 の 資料 に 見 られ る FDT
、
同 様 の 効 果 が生 じて い る と み な せ る 例 が 見 つ か る
29a )で は
(
check
Leech & Short:348)
and endurance .
(
courage
、
in the old man
struggle story ofprivation
て も
it j皿
alo wi the h sical insti
皿 ctual h k on a
に
ー
して も ま あ ひ ど い 有様 で す ね 」 (ボ
34 )
:
”
1 didn ’
t know you and Lon were friends Banks added .
“
trot out the yearbook
? Show you the pictures? Strip his
Ah Lon didnlt
29 )a .
(
“ ,
,
一
186 一
一
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Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
sleeve
his scars
show
and
wasn
Sellitto
say I can ive him even less to smile about if he
digging
through his
attach6
case .
And what
detective
was
does he have in’ゐere
.
ll t smiling
’
The senior
嘔
1 had with Lincoln Rhyme ?”
these wounds
and
?
How long were you partnered ? Banks asked
;32)
Bone Collector
“
”
b . 「
ロ ン
とあ な たが パ
ー トナ ーだ
ン
?袖 を ま く りあ げ て 傷 痕 をみ せ
か
っ
たか
い
負傷 した と吹 聴 し た りは
セ リッ
金輪際
て
「お 二
軽口
、
な ど叩
い る
、
現 場 検 証 をす す め
られ て
つ
っ
た。 ふ ん 、そ
ベ
。
何 を持
い
(ボ ー ン ・コ
、
「
調べ
が用
る
次 の よ うな
、
られ て
い
は
日本 語 の 作 品 を 翻訳 し た もの だ が
、
ッ
シ
ケ
ース
い
、
い
とが 確 認 で きる だ ろ
る 日本 語 の
FDT
とは
をごそご
28)と (
29 )の 場 合 ほ ど 明
(
る の は Rhyme
の
い
の
指 示 に従 っ
る
部分 で あ り
『違 う』 と 報 告 す
流 れ に 組 み 込 まれ た 思 考 の 部
。
の
他 者 の 言 葉 に用 い ら
26 ) (29 )に 類 す る もの と み な す こ と が で きる
(
。
(30 )
(31 )
特 に (31)の 日 英 の 表 現 を 比 べ
、
、
っ
44)
→
つ
ェ
ちだ
っ
:
人 工 性 ・技 巧 性 と い う特 質 の た め に 特 殊 な 効 果 を 生 む英 語
に は 一 見 対 応 して
イ ム と捜 査 中 に
〜
、
。
た ん で す か ?」 バ ン ク ス が 会話 を 途
作 中人 物 の 記 憶 や 想 像 の 中で
FDT
用法 も
・ラ
ち が そ の 気 な ら、 こ
(
違 う) と気 づ く
→
れる
の
い
レ ク ター
分 で あ る と い う違 い を 指摘 す る こ と が で き る
、
け くわ えた
きた ?
て
っ
先 の (26a )を見 直 せ ば
FDT
っ
テ ラ ン 刑事 は ア タ
トナー を組ん で
言 っ た と お りだ と 感 心 す る 」 とい う一
さ らに
、
つ
た か ね ?写 真 を見 せ な
っ
リン カーン
け
つ
クス が
ン
も、 内 心 で は そ の 指 示 を 疑 問視 し て
つ
るの は
い
、
た
っ
ー
。
瞭 で は な い か も しれ な い が
→
パ
まい と して 訊 く
こ の 違 い を認 め た うえ で
る
い
。
た 」バ
.(
The
conversation
た か ?」
っ
らん ぞ
い て や
人 は ど の く らい
切 れ させ
FIT が 用 い
しな か
っ
をみ せ び らか さ な か
ル バ ム
トー は に こ り と も し な か
そ とか き まわ して
て
た とは 知 ら な か
っ
「ほ う、 U
は卒 業 記 念 ア
making
,
の
る と
、
FDT が 、 形 態 的
全 く異 な る 役割 を 果 た し て
い
る こ
う
。
一
187 一
一
NNII-Electronic
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Library
Kobe Kalsel
Kobe
Kaisei College
College
if this
all turned to snow
and blanketed
the dingy streets it would
30 )a .Funny ,
(
’
Th
.
only look warmer
ust what ou Tok o otks think Chizuko h onee
,
You
told him ,
don t know real
turned white
,
Honma
b . で
、
て
暖 か そ うに 見 え た りす る ’
面 白い もの
t help thinking so . (All She Was Worth
っ
t
だ 1 の もの だ と し て もそ
し ま うと 、 薄 汚 れ た 町 並 み が
こ れが 雪 に な っ て
れ て 、か え
い
’
ne
に
雪が積 もる ほ
今で も
。
曲
、
わ
た
。
31)a .At Kameari
(
station
middle
−aged
weight
offhis
a
、
,
,
,.. (All She Was Worth
四
。
、
五 人連 れ の 中年 の 婦 人
と少 し身体 の 向 き を 変 え た
だが
て
、左 足
い
た ら しい
の
’
。
“
FIT とFDT
に体 重 が か か ら な
の
話 に 興 じて
ン
ヘ
い
、
。
よ
い
、
うに
それ だ け の た め に
した と き
た 女 子高 生 た ちが
a と で 思 わ た の
よ り網 羅 的 な
「
作 中 人物 の 視 点 に た
、
た思
っ
常に
ーパ
コ
・
ス
自分 で
、
t
こ こ で
い
。
の
す る 表現 は
に
とい
、
英語 で は
て
、
い
「
語 り手 の
〈い
、
い
る」 と い
英 語 で は FIT
FIT と の 対 比 が あ
、
は
。
。
作 中 人 物 の 視 点 に 自然 に 接 近
ま ・こ こ 〉 と は 別 の 世界 で あ る 」 こ と
思 考 を 直接再 現 す るFDT は
う印 象 を 与 え る (こ
一
た。
_區
た調査 が必 要で あ る
考 再 現 」 を表現 す る の
、
っ
て
火 車 :7 )
(
う一 般化 に とどめ て お くこ と に す る
明 示 す る FIT で あ り
近 づ きす ぎ て
ち ら に 目 をや
っ
見 た よ うな 対 照 が 見 られ る
に も とつ
違 い と い う観 点 か ら は ま と め れ ば
を過 去 形 に よ っ
「不 自然
、
うち に 唸 っ
は 意識 し な い
、 ち ら りと こ
うに
傘 を杖代 わ りに 突 っ 張
、
役 割 で あ り、 FDT が 特殊 な効 果 の た め に 使 え る と す れ ば
らこ そ で あ る
ぶ つ か らない よ
。
小 説 にお け る 効 果 に は
と結 論 づ け る に は
8)
:
て どや どや と通 り過 ぎ て ゆ く
日英で
う感 じ る だ ろ
そ
past Honma 面 ed to move aside while keeping the
Without thinking
he let
out a groan ,
The high school girls
left
leg
.
rammed
women
客 が 、 本 間 の 傍 ら を 、 固 ま っ
るか
を ら
b .
亀 有 の 駅 に 着 く と 、数 人 の 乗 客 が 乗 り込 ん で きた
、
白い 綿 に くる ま
の tu の
ぱり
っ
8)
As a tight
formation
of five
passengers got on .
few more
glanced at him ,一
の
っ
や
、
:
た が 、本 問 に は ど う
こ とが
ど に降 れ ば
streets
(
火 車 :7 )
う
こ こで は
、
5PtMeは い
。
う思 え る
the gray city
’
eouldn
Still
whenever
.
,
snow
の ため に
、
、
英語で は
「自然 な 」
188 一
一
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Kobe Kalsel
Kobe
Kaisei College
College
FIT と は 違 っ
た効果の ため に用
作 中人 物 の 思 考 内容 は
、
い る こ
と が で きる ) こ れ に 対 し
。
(
少 な く と も時制 選択 に つ
ら 直 接 再現 す る FDT に 近 い 形 しか な く
、
な形 とい
うこ と に な る
日本語 で は 、
、
い て
は )そ の 入物 の 視
点か
日 本 語 に と っ て は 、 こ れ が 最 も 自然
。
4 .お わ りに
本 稿 で
は
日英 の 時制 形 式 に
、
考 え られ る さ ま ざ ま な違 い
つ い て
中で も
の
、
特に 「
常 に発 話 時 を 基 準 と す る 」 か 「可能 な 参 照 点 の 一 つ と し て 発 話 時 を 利
用
す る こ と もあ る 」 か と い う基 本 的 な 違 い が
用
領域 の ず れ に つ な が
る こ と をみ た
間接話 法 の 従 属 節内 の 場 合
る
小説 の 地 の 文 に お い て も
、
きる た め
、
両者 の 対 応す る 時 制 形 式 の 使
。
と 同様
「
す で に 起 こ っ た 出 来事 1 と し て 語 られ
、
日 本語 は 作 中 の ど の 時 点 も基 準 点 と し て 利 用
作 中 人 物 の 視 点 に 自由 に 移 動す る こ と が で き る
小 説 に お け る 時制 使 用
的 陳述 に つ
、
い て は
、
の
特徴 で は あ る の だ が
ど の 視 点 に 立 と う と 「そ
、
の
時点
手の
〈い
れ る分
、
また
こ とが で
そ の 人 物 へ の 視 点 の 移 動が 義務 的 で あ る
日本 語 で は 非 過 去 形 が 義務 的 に な る 場 合 で も
、
きる
、
、
こ の
よ うな 時 制 形 式
て い る とい
、
、
「語 り
全体 的 に 制 限 さ
「
語 り手 の 視点」 か ら
で
に上 で
の
役 割分 担 の 違 い が
、
区別 す る
時制 の 意 味 の 基
う全 体 像 は 示 す こ と が で きた と 思 う
。
1人 称 小 説 と 3人称 小 説 に お い
使 用 頻度
英語 で は
「
作 中 人物 の 視 点」 か ら見 て い る の か を 時制 の 違 い
本 的な部 分 と関 わ っ
の
作 中人 物 の 思 考
。
小 説 にお け る
英 語の
、
。
ま ・こ こ 〉」 の ため の 形式 で あ る 非過去形 の 使 用 が
見 て い るの か
れ が 日本 語 の
〈以 前 〉
」 を 表 す 過去 形 は
、
、
こ
英 語 と 比較 して み る と、 一 般
用 い る こ とが で きず 、 非 過 去形使 用 が 義務 的 で あ り
を 再現 す る な ら
。
で
て
、
習慣 表現 な ど に 用 い られ
論 じ た よ う な 差 が み られ る の か 、 ま た
一
、
ただ し
、
る非過去形
英語の小説に お
い
189 一
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronlo
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Llbrary
Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
て FDT か FIT か に よ
た点 に
て は
つ い
小説に おい
の
が どの よ
なか
、
て 上で
ーパ
ス
さ らに
。
択 との 問 に は
を整 備 し た 上 で の 検証 が 必 要 で あ る
作 中 の あ る 時 点 と の 同 時性 を 表 す 場合
、
、
こ こで
。
題 と した い
るか につ
い
従属 節 内 で
い て は
時 制選 択 と
の
ど の 程 度の 相 関 が あ る の か
同 様 に 非 SoT 言語 に 分 類 で
あ る
示 唆 した よ う な 効 果 の 差 が 見 られ る の か
うに 使 い 分 け られ て
た
っ
て
コ
っ
きる ロ
、
。
また
、
、
とい
っ
日本 語
非 過 去 形 と 過 去形
、
、 こ こ で は 触 れ る こ とが で き
小 説 の 地 の 文 に お け る 時制 選
、
に
つ
い て
も
例 えば
、
日本 語 と
、
語 な ど と の 比 較 に よ っ て 確 か め る べ きで
シア
示 し た 議 論 を 精 緻 な もの に し て い くた め に
こ れ ら を 今後 の
、
課
。
註
1) こ の 点 に つ い て 、工 藤 (1995 : 168} は こ う 説 明 す る : 「わ れ わ れ は 、く は な し あ い 〉 に 参加
て は 作者) とな る 。こ
場合 に よ
す る と き と は 、 異 な る 態 度 (ス タ ン ス ) で 小 説 の 読 者 (
こ で は 、だ れ ひ と り、実 在 的 に 〈 わ た し 〉 と も 〈 い ま 〉 と も言わ ず 実 在 的 (現 実 的) 発 話
行 為 の 場 と の 直接 的 関 係 ぬ き に 、発 話 の 対 照 的 世界 が 提 示 さ れ る の で あ る」 非 過 去 形 も混 在
す る 日 本 語 の 小 説 を 説 明 し よ うと す る 場 合 に は 必 須 の 了 解 事 項 で あ る が 、 こ こ まで は 英 語
っ
、
、
。
、
小 説 に も当 て は ま る 特 徴 で あ る 。
2)
Fleischman (1990
の
narrate す る こ と は で き な い 」
: 23 −24 )に よ れ ば 、こ の 様 式 以 外 で は 「
“
−
viewed
from
a
re
七
rospective vantage
;the experi
Narration is a verval iconef experience
’
“ ”
itoccurred in some real world or not .
Hypothetical or
:
ence is by defmition past whether
is
experiences
are also commonly
narrated
as if
they were
pas七 for this,
I submit
,
fUture
appropriate
to the verbal
actiVity of narrating are
The tenses
the only way one can narrate .
”
basic
meaning
. また
aecordingly tenses that i clude past time refbrence as part of their
一
一
小 説 に お け る 「発 話 者 一作 者 」 と 「語 り手 」 の 関係 、そ して 「発 話 者 語 り手 発 話 内容 」
1981)や Chafe (
1994)の 分 析 を参 照 の こ と
eech & Short (
間 の 関 係 な ど に つ い て は 1.
3) 特 に ル 形 に 注 目 し た の が 山 内 (2000 )で あ る そ こ で は 、ル 形 の 使 用 は 、 あ る 程 度 「文体 的」 特
微 で あ り、作 者 ご と に 使 用 頻 度 の 違い も大 き い が 、こ の 形 が 使 用 さ れ る 場 合 の 特 徴 や 効 果 の
,
,
皿
、
。
。
面 で
は 一貫性 が あ る こ と を 指 摘 し て い る
分 析 し た もの と し て は
4 } 。
また
、小
工 藤 (1995)
が あ げ られ る
説 に お け る 日 本語
の
時 制使 用 を 体 系 的
に
。
”
一致 (
Sequence of Tense ) が 起 こ る タ イ プ )
一・
か 「非 SoT 言 語 」 か で 言 語 を 大 別 し、 そ れ ぞ れ の 特 徴 を 般 化 し よ う と す る 対 照 研 究 に お い
Hollebrandse
て しば し ば 依 拠 さ れ る 見 方 で もあ る (
Barentsen(1996},
(2005)な ど を 参照 ) ま
相 対 牲 」 に 関 し て は 、工 藤 (1995 )、鎌 田
た 、 口 本 語 の 時 制 使 胴 に お け る 基 準 点 の 「流 動 性 」 「
ー
1992
サ
デ
ン
ス
テ
ッ
カ
&
2000) 町 田 (1989)、三 原 ( )、 イ
安 西 (1983)な ど 、様 々 な 観 点 か ら記 述
(
こ の
、
SoT 言 語 」 (従 属 節 内 で
見方 は、「
“
時制 の
。
、
、
分析が な さ れ て い
る。
一
190 一
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronio
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Library
Kobe Kaisei
Kobe
Kaisei College
College
5)
一般
こ こで の
化 は か な り単 純化 して あ る
実際 に は
。
式 と の 糸1[み 合 わ せ で 相 対 的 な 時 間 的位 置が 決 ま っ
寺 村(1984) 町 田 (1989 )、三 原(
1992)を参照 さ れ た い 。
、
ア ス ペ ク ト 的性 質 と時 制 形
述 語 自体 の
、
くる D 文 レ ベ
て
分析 につ
ルで の
い
ては
、
しろ
、
、
6)
そ もそ も、 日 本 語 で
は
3.
2 節 も参照) む
(
直接 話 法 と 問 接 話 法 との 差 じ た い が 小 さ い
引用
の
「直接 性 」 を 表現 しわ け る 上 で は
い の
方 が 重 要 に なる と思 わ れ る が
、こ
、
こ で は 立 ち入 らな い
7)
い て は 、鎌 田(
2000 }を参 照 の こ と
一般 的 な陳 述 に つ い て は 、ル 形 が 「ポ テ
8)
Leech
つ
日 本 語 は 敬 語 ・丁寧 語
。
を含 め た 口 調 の 再 現 の 度 合
日本 語 の さ ま ざ ま な 引 用 形 式 に
。
。
シャ
ン
ル
」 な 内容
、
テ イル が よ
り 「ア
ク チ ュ ア ル 」・
(
反 復 ) を 表す と い う違 い が み られ る (
⊥ 藤 1995 : 146−161)
な 内容
。
Short(1981
10)
分 類 に は 、実 際 に は Narrative Report of a Thought Act: NRTA (
He
つ の 範 疇 が 含 まれ て い る
her loveノor him )と い う も う ・
こ 内の
ま た 、か
日 本 語 訳 を あ え て 自由 直接話法 と し た が 、Leech & short (1981)お よ び semino
& Leech
(2004)で は 、思 考 の 再 現 形 式 で あ る (Free )Direct l Indirect Thought と 発 話 の 再現 形 式 で あ
る (
Free)Direct!Indirect
Speech
と を区別 して い る
た だ し、 口本 語 の 場 合 は
の
述語 語尾 に よ て 「
直 接 的再 現 」性 の 度 合 い を 変 え る こ と が で
き る 註6 )も参 照
.
Declerckの 言 う freeindire〔t speech ” の 一
Thought )
に相 当
部 が 本 稿 で の FIT (Free lndirect
ll}
例 えば Leech &
ω
&
)の
ondered
about
’
っ
。
、
。
9}
っ
、
。
。
“
する
こ
とに な る
。
註 8 )も参 照
。
Short(1981 )で は 、
Raspberr y 」 ni (
Wilson )に お け る FIT の 使 用 を作 中人物 ご
と に 量 的 に 調 査 し 、登 場 人 物
の 読 者 の 共 感 を 誘 うた め に FIT が 使 え る こ と を 示 し て い る
Leech
&
Short
l981
(
:347)
作 中世界 の 状 態 描 写 な ど に つ い て は 、作 中 人 物 の 視 点 か ら の 「直接 再 現 」 が で き な い の に 対
し 、思考 内容 に 関 し て は こ れ が 可 能 に な る の は な ぜ か 、 とい う点 に つ い て の 明 快 な 説 明 は 今
α
へ
12)
の とこ ろ用
。
意で き て い な い
。
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