ジャポニカアレイ:1070人の日本人参照パネルから日本人集団に適し たSNPアレイを設計し遺伝子型インピューテーションの精度を向上 Open Japonica array: improved genotype imputation by designing a populationspecific SNP array with 1070 Japanese individuals Journal of Human Genetics advance online publication 25 June 2015; doi: 10.1038/jhg.2015.68 東北大学東北メディカル・メガバンク機構は、1070人の日本人の全ゲノム塩基配 列データから、2000万個を超える一塩基多型(SNP)を含む参照パネル(1KJPNパ ネル)を構築した。この1KJPNパネルは、これまでで最も多くの日本人集団ハプロ タイプを含んでいる。今回、1KJPNパネルから、新規にSNPアレイを設計し、ジャ ポニカアレイと名付けた。ジャポニカアレイは日本人の全ゲノムインピューテー ションを行うのに適している。このアレイには、インピューテーションのための タグSNP、Y染色体やミトコンドリアのSNP、これまでに報告されたゲノムワイド 関連研究や薬理ゲノミクスに関連するSNPといった659253個のSNPが含まれてい る。1KJPNパネルや国際1000ゲノムプロジェクトのパネルといろいろなSNPアレイ を用いて比較した結果、既存の市販SNPアレイよりもジャポニカアレイの方が日 本人のインピューテーションに優れた性能を持つことが示された。一般的SNP 〔マイナー対立遺伝子頻度(MAF)>5%〕については、ジャポニカアレイのゲノ ムカバー率(r2>0.8)は96.9%であり、つまり、ほぼすべてのコモンSNPはこのア レ イ で カ バ ー さ れ る。一 方、ジ ャ ポ ニ カ ア レ イ の 低 頻 度SNP(0.5% <MAF ≼ 5%)のカバー率は67.2%に達しており、これは既存のアレイのカバー率よりも高 い。さらに、1KJPNの288試料を用いて、ジャポニカアレイの遺伝子型判定性能が 高品質であることを確認した。平均のコール率は99.7%で、ハイスループット塩 基配列解読から得られた遺伝子型との一致率は平均99.7%であった。この研究で 実証されたように、集団特異的な参照パネルに基づいたSNPアレイの作製は、ゲ ノムワイドな遺伝子型インピューテーションを活用した関連研究を促進する実用 的な方法である。 Yosuke Kawai, Takahiro Mimori, Kaname Kojima, Naoki Nariai, Inaho Danjoh, Rumiko Saito, Jun Yasuda, Masayuki Yamamoto and Masao Nagasaki Full text: 現在、本論文はAOP (advance online publication )として掲載されております。
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