AMIS-101の特徴

生理活性反応測定装置(Micro Bioactivity Analyzer)
AMIS-101 の特徴
2011
年 6 月 改訂
株式会社
バイオエックス
〒 610-0121 京都府城陽市寺田今堀 121-17
TEL:0774-27-2422
FAX: 0774-54-3561
URL: http://www.bio-x.co.jp
E-mail: [email protected]
目
1
. AMIS-101 の検出原理
2
. AMIS-101 の特徴
3
次
2
2-1
同一センサーで様々な測定系に対応
3
2-2
高感度測定が可能
3
2-3
微量測定が可能
4
2-4
リアルタイムに反応を観察
4
.測定事例集
3-1
3-2
3-3
3-4
京都市産業技術研究所におけるリパーゼ測定
3-1-1 Lipoprotein Lipase の活性測定
3-1-2 リパーゼ特性解析方法
産総研(独立行政法人産業技術総合研究所)における評価報告
3-2-1 グルコース濃度の測定
3-2-2 へキソキナーゼによる ATP 分解反応の測定
3-2-3 ミオシン蛋白質の ATP 加水分解反応の測定へ
京都大学農学研究科との共同研究による食品分析測定
3-3-1 ラクトース(乳糖)濃度の測定
3-3-1-1 グルコース定量によるラクトース濃度の測定
3-3-1-2 ガラクトース定量によるラクトース濃度の測定
3-3-2 飲料中の総ポリフェノール
飲料中の 総ポリフェノール量の測定
総ポリフェノール 量の測定
( 前処理を用いない直接測定 )
その他の測定事例集
5
6
7
7
8
10
13
14
-1-
1. AMIS-101 の検出原理
(化学反応を電気信号にダイレクトに変換する、ラベルフリー)
センサー (注 )は下図のようにセンサー膜上に反応セルを設置した構造をと
っており、反応セル内における化学反応によって生ずる水溶液(あるいは懸濁液)
中のプロトンの増減(水素イオン濃度の変化)が電界として半導体内の電子分布
状態に影響を与え、結果として半導体の電流量の変化として検出される。
AMIS
(
注 )AMIS
Accumulation Method Ion Sensor
信号累積型イオンセンサー
化学イオンの存在により半導体内の電子分布が変化し、その
結果ゲート間を流れる電流量が変化する。
容易に測定できる系
水溶液又は懸濁液中の化学反応、生化学反応
例:酵素反応、タンパク代謝反応、微生物代謝反応、一般化学反応
酵素反応や酵素反応を応用した反応の測定の場合は従来のような複
雑な発光、発色プロセスを必要とせず、反応をダイレクトに電気信号
に変換するため、ラベルフリーでシンプルな測定が可能である。
そのままでは測定できない系
電荷の増減、構造の変化などの物理的な変化で溶液中のプロトンの増減に結び
つかない現象、プロトンの増減を伴わないイオン変化量
例:タンパクの凝集・分散、タンパクの構造変化、抗原-抗体反応、
この様な系では試薬などによってプロトンの増減に変更する工夫・検
討を加える必要がある。
-2-
2. AMIS-101 の特徴
同一センサーで様々な測定系に対応
AMIS センサーはイオン選択性のセンサーとは異なり、目的に応じた試薬を選択
することによって様々な反応系に対応することができる。(別紙データ集参照)
2-1
高感度測定が可能
AMIS センサーは CMOS 構造を採用し、センサー内に電荷として蓄積し、セン
サー内で信号を増幅した後に取り出すため S/N 比が改善されるため、高感度の測
定が可能である。
2-2
繰り返し測定をした信号をセンサー内に累積し、センサー内で信号の増幅
を行うことによって S/N比を改善する。
高感度測定の例
基質グルコース( 5mg/ml)中で反応させたグルコース脱水素酵素( GDH)活性
測定の限界濃度は約 5ng/ml (5ppb)であった。
0.0
-5.0
0
0.01
0.02
0.03
-10.0
0.04
0.05
R2= 0.9997
-15.0
ヘ
o
・-20.0
・
-25.0
-30.0
-35.0
-40.0
GDH 終濃度 (μg/ml)
酵素 (GDH)濃度と出力値の関係
-3-
0.06
微量測定が可能
センサーの反応セルへの試料投入量は 10-20 マイクロリットルであり微量サン
プルの測定が可能である。
2-3
微量測定の例
上記グルコース脱水素酵素活性測定に必要な酵素量は
5ng/ml × 0.02ml = 0.1ng ( 約 1 フェムトモル ) となる。
リアルタイムに反応を観察
リアルタ イムに反応を観察
反応がリアルタイムで観察でき、 5 分程度の短時間で定量分析が可能となる。
2-4
リアルタイム測定の例
クレアチニンデイミナーゼによるクレアチニンの検出
Creatinine Deiminase
Creatinine + H 2 O + H
+
酵素溶液( 0.1mg/ml)
基質( 0.01mg/ml)
10mg/dl
0.12
0.10
0.08
V 0.06
0.04
0.02
0.00
7mg/dl
5mg/dl
N-Methylhydrantoin + NH 4
18
+
μリットル(酵素量 1.8μ g)× 2 ( サンプル+コントロール )
2 μリットル(基質量 20ng )
3mg/dl
1mg/dl
50
y = 4.2 517x - 0.0238
2
R = 0.9977
40
30
20
10
0
100
200
0
300
0
Sec.
-4-
2
4
6
mg/d l
8
10
12
3. 測定事例集
京都市産業技術研究所におけるリパーゼ測定
疾患の診断やバイオディーゼルの製造など臨床的にも産業的にも重要な酵素で
あるリパーゼの簡便な活性測定で、酵素反応により生成する遊離の脂肪酸を検出
することによって酵素活性を定量的に分析することが可能であった。
3-1
3-1-1 Lipoprotein Lipase
[
反応機構 ]
Lipoprotein Lipase
の活性測定
による Olive oil の加水分解の結果生じるオレイン酸を検出
[使用試薬]
酵素: Lipoprotein Lipase (TOYOBO LPL311)
基質:トリアシルグリセロール( Olive oil): 3mg/ml Buffer+超音波処理
[結果]
今回用いた酵素量の範囲では酵素量とシグナル変化の傾きは比例関係にあり,
定量的に酵素活性を測定できることが確認できた。
-5-
リパーゼ特性解析方法
トリアシルグリセロールをリパーゼによって加水分解すると,リパーゼの種類
によって遊離の脂肪酸以外にも,ジアシルグリセロール,モノアシルグリセロー
ル,グリセロールなどが生成される。ここで用いた Lipoprotein Lipase はトリアシ
ルグリセロールをグリ
セロールまで完全に加
水分解する特性を有す
る。生成したグリセロ
ールをリン酸化しさら
に酸化することにより
生成するジヒドロキシ
アセトンリン酸等の化
合物を検出した。
3-1-2
グリセロールのリン酸化にはグリセロールキナーゼを,リン酸化したグリセロ
ールの酸化はグリセロリン酸オキシダーゼをそれぞれ共役酵素として添加する反
応系を構築し,共役酵素を添加しないものと添加したものとのシグナル変化値の
比較を行ったところグリセロール酸化系を用いることにより反応のシグナル変化
の増加が確認できた。従来分光光度計では測定困難であった分析分野へ応用する
ことが可能であることが確認できた。
[結果]
-6-
3-2
産総研(独立行政法人産業技術総合研究所 関西センター)による評価報告
グルコース濃度の測定
グルコースオキシダーゼはグルコースを酸化し、グルコノラクトンと過酸化水
素を生じる反応を起こす。グルコノラクトンは直ちに分解して、グルコン酸が生
じる反応を起こす。
3-2-1
[使用試薬]
酵素:グルコースオキシダーゼ
基質:各濃度のグルコース溶液
[結果]
0.05
0g/L
0
0.1g/L
)
(V -0.05
t
up
t
u -0.1
o
0.25g/L
0.5g/L
-0.15
1g/L
-0.2
105
155
205
255
305
355
グルコース濃度に依存して出力変化量
が大きくなった。グルコースが多いほ
ど、より酸性となって、ISFET の応答
がより大きくなったといえる。空腹時
の正常血糖値
80-100mg/dl(=0.8-1g/L)を十分に測定
できる感度を持つことが示された。
Time (sec)
へキソキナーゼによる ATP 分解反応の測定
ヘキソキナーゼは、グルコースやフルクトースなどの糖および ATP を基質とし
て、糖の 6 位のヒドロキシル基に ATP のγ位のリン酸を転移し、糖のリン酸エス
テルにする反応を触媒する ATPase 酵素の一種である。グルコースを用いてグルコ
ース 6 リン酸が生成する際の pH 変化を測定した。同時に比較ため NAD を用いた吸
光度法による測定を行った。
3-2-2
〔実験法〕
AMIS-101 による測定:
ヘキソキナーゼ(5U/mL、6μL)、塩化マグネシウム(30mM、6μL)、ATP
(1.6mM、6μL)に、グルコース(1g/L、2μL)を加えて測定した。
吸光度法による測定:(測定が可能な量まで増量している)
NAD(6.8mM、0.1mL)、ATP(16.5mM、0.1mL)、グルコース 6 燐酸デヒド
ロゲナーゼ(300U/mL、0.01mL)、グルコース(3.35mM、0.25mL)、塩化
マグネシウム(13.4mM、2.3mL、50mM-trisHClpH8)、水 0.25mL、にヘキ
ソキナーゼ(116U/mL、0.01mL)を加えた際の 340nm の吸光度変化を測定
した。
-7-
〔結果〕
0.05
0.7
0
0.6
-0.05
0.5
)V -0.1
(圧
電
0.4
sb
A
-0.15
0.3
-0.2
0.2
-0.25
0.1
-0.3
0
100
200
時間(秒)
0
300
0
200
400
600
800
1000
時間(秒)
AMIS-101 による測定
従来法である吸光度法による測定
反応が開始すると直ちに、AMIS-101 の出力は下がり始めた(pH が酸性に
ずれていった)。これは、ATP から ADP とリン酸エステルが生成し、リン酸
部位の濃度が増大するためであると考えられる。また、従来法である吸光度
法では、基質および反応生成物には吸光度変化は起こらないため、生成物で
あるグルコース 6 リン酸をグルコース 6 燐酸デヒドロゲナーゼにより NAD と
反応させ、生成する NADH に転換しこの紫外吸収を測定することが行われて
いる。この場合、3mL の試料量が必要である。
以上のように、ISFET センサーは少量の試料で簡便にヘキソキナーゼの活
性測定が行えることが示された。
ミオシン蛋白質の ATP 加水分解反応の測定
加水分解反応の 測定
ミオシンは ATP を加水分解する酵素であり、その活性測定は後述のように複雑
である。本装置の優位性を検証するためミオシンの蛋白質濃度とセンサー出力の
関係を調べた。
3-2-3
〔実験法〕
前処理:
ミオシンの ATPase 活性を増強するためサイトスケルトン社の Actin 測
定 filament (ウサギの骨格筋、AKF99)を添加した。
測定条件:
2mM Tris-Cl pH8.0、25mM KCl、10mM MgCl 0.2mg/ml Actin filament (ミ
オシン蛋白質の活性促進剤)、0.025~0.1mg/ml のミオシン溶液を含む 20
μl を ISFET センサーに添加、最終濃度 10mM ATP となるように ATP 溶液
(pH8.0)を添加し反応を開始した。
2、
-8-
〔結果〕
図1
0.15
ATPを添加
0.1
0.05
)V
(圧
電
0
0.1mg/ml
0.05mg/ml
0.025mg/ml
-0.05
-0.1
-0.15
-0.2
0
50
100
150
200
時間(秒)
250
300
350
ミオシンが ATP を消化すると、ADP とリン酸が生成するため、pH は酸性に変化
すると考えられる。ミオシンの濃度依存的に ISFET センサーの出力の変化量は
大きくなったことから、明らかに ATPase 活性由来の反応である事が示唆された。
少なくともミオシンの ATPase 活性はミオシン濃度が 0.025mg/ml でも十分に検
出できるだけの高感度を持ち合わせていることがわかった。
従来用いられているモリブデン法では反応に一時間、発色に 20 分間、もろもろ
の操作を入れれば優に 2 時間を越える実験時間が必要であるが、AMIS-101 では
わずか 5 から 6 分で反応を解析することができた。
-9-
京都大学農学研究科との共同研究による食品分析測定
3-3
3-3-1
グルコース定量によるラクトース
グルコース定量による ラクトース (乳糖 )濃度の測定
牛 乳 や 母 乳 な ど哺 乳 類 の 乳 汁 に 含 ま れ てい る糖 であ る ラクト ース は 、 大 抵 の 大 人 の 腸 内
で の ラ クト ー ス 分 解 酵 素 で あ る ラク タ ーゼ の 分 泌 が 少 な い こ と か ら 、 乳 製 品 を 摂 取 し た 場 合
に 便 が 緩 く な る などの 乳 糖 不 耐 症 の 症 状 を発 症 こ とが 多 い 。 し か し 、 現 在 ラ ク トー ス定 量 に
お ける公 定 法 と し て認 められ ている 、レ イン・ エ イノ ン法 で 高 い定 量 性 を得 るに は 、熟 練 した
技 術 が 必 要 であるとされている。
そこで、ここでは AIMS-101
を用 いることによるラクトース
定 量 の 簡 便 性 の向 上 および、ラクトース検 出 感 度 の 向 上 に ついての 検 討 を行 った。
反応機構 ]
酵素β
[
-
ガラクトシダーゼ でラクトースをガラクトースとグルコースに 分 解 し、生 産 されるグル
コースをグルコース脱 水 素 酵 素 で分 解 し、グルコン酸 を検 出 する。
[使 用 試 薬 ]
酵素
:
β
-
ガラクトシダーゼ
(TOYOBO
社製)
グルコースデヒドロゲナーゼ(NAD 型 )(TOYOBO
基質
緩衝 液
:ラクトース一 水 和 物
:
1 mM
リン酸
(ナカライテスク
社製)
社製)
カ リ ウ ム 緩衝 液 (pH 7.0)
〔結果〕
0
ラクトース定 量 における公 定 法 であるレイン・
0
20
40
-10
エイノ ン法 は滴 定 といった熟 練 を要 する手 法
を含 むため、高 い定 量 性 を得 るのは困 難 で
y = -0.4948x - 18.446
-20
60
2
R = 0.9976
V
あ る と さ れ て い る が 、 AIMS-101
を用 いた測
定 で は酵 素 と試 料 ( ラクトー ス) をセル内 で 混
合 するだけでラクトースの定 量 的 測 定 が可
-30
能 であった。
さ らに 、 2.5 PP M
-40
といった微 量 なラクト ース
の 検 出 が 可 能 であることが 明 らかとなった。
-50
Lactose (ppm)
3-3-2 ガラクトース定量によるラクトース(乳糖)濃度の測定
ガ ラ ク ト ー ス は 乳 製 品 な ど に 含ま れ て お り 、 脳 に 含ま れ る 糖 脂 質 や 細胞 膜 構 成 糖
タンパク質の成分として生理的に重要な糖の一種である。しかし、ガラクトース
- 10 -
血 中 含有 量 が 高 く な り す ぎ る と 、 脳 や 肝臓 な ど 身 体 に 深刻 な ダ メ ー ジ を 与 え る
こ と も 知ら れ て い る 。
通常 、 ガ ラ ク ト ー ス は 体 内 に お い て 数種 の 酵 素 の 働 き に よ り グ ル コ ー ス に 変 換
さ れ 、 血 中 濃 度 が コ ン ト ロ ー ル さ れ て い る 。 し か し 、 ガ ラ ク ト ー ス 血症 患 者 に お
い て は 、 こ の ガ ラ ク ト ー ス を グ ル コ ー ス に 変 換 す る 酵 素 が 不足 し て い る た め に 、
血 中 の ガ ラ ク ト ー ス 含有 量 が 危険 な 水 準ま で 高 ま っ て し ま う 。 こ の た め 、 食品 に
含ま れ る ガ ラ ク ト ー ス 量 に 注 意 す る 必 要 が あ る 。 ま た 、 ガ ラ ク ト ー ス は 体 内 で ラ
ク ト ー ス の 分 解 に よ っ て 生 成 さ れ る こ と か ら 、 直接 的 に 摂 取 す る ガ ラ ク ト ー ス だ
け で な く 、 食品 に 含ま れ る ラ ク ト ー ス の 量 に も 注 意 が 必 要 で あ る 。
し か し 、 現 在 こ れ ら を 簡 便 か つ 高 感 度 に 検 出 す る 方法 は 報告 さ れ て い な い 。
し た が っ て 、こ こ で は AIMS-101 を 用 い て ガ ラ ク ト ー ス の 直接 的 定 量 、ラ ク ト ー
ス の 分 解 に よ っ て 生 じ る ガ ラ ク ト ー ス を 検 出 す る こ と に よ り 、 総ガ ラ ク ト ー ス 量
測定における簡便性の向上および、ガラクトース検出感度の向上についての検討
を行った。
の
(1) ガ ラ ク ト ー ス の 定 量
[使 用 試 薬 ]
酵素
ガ ラ ク ト ー ス デ ヒド ロ ゲ ナ ー ゼ (シ グ マ ア ル ド リ ッ チ 社 製 )
緩衝 液 に て 7.6 units/ml 溶 液 を 調 製
: NAD ( ナ カ ラ イ テ ス ク 社 製 )
緩衝 液 に 溶 解 後 、 1 M NaOH 溶 液 で pH 7.0 に 調整 し て 3.5 mg/ml
溶液を調製
: ガ ラ ク ト ー ス (ナ カ ラ イ テ ス ク 社 製 )
緩衝 液 に て 各 濃 度 の 溶 液 を 調 製
: 1 mM リ ン 酸 カ リ ウ ム 緩衝 液 (pH 7.0)
:
補酵素
基質
緩衝 液
[結 果 ]
0
-20
-40
-60
0
100
200
300
400
500
y = -0.2754x - 1.7591
2
R = 0.9982
Vm -80
-100
-120
-140
600
ガ ラ ク ト ー ス デ ヒド ロ ゲ ナ ー
ゼ ) 、 補 酵 素 ( NAD ) と 基 質 ( ガ ラ ク ト
ー ス )を セ ル 内 で 混 合 す る こ と で ガ ラ ク
ト ー ス の 定 量 が 可 能 で あ る こ と が 明ら
酵素(
かとなった。
-160
-180
Galactose (ppm)
- 11 -
(2)
ラクトースの定量
[反 応 機 構 ]
β-ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ に よ っ て ガ ラ ク ト ー ス と グ ル コ ー ス に 加 水 分
解 さ れ る 。よ っ て 、本法 で は β-ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ の 作 用 に よ り ラ ク ト ー ス か ら 生
じ た ガ ラ ク ト ー ス に ガ ラ ク ト ー ス デ ヒド ロ ゲ ナ ー ゼ を 反 応 さ せ る こ と で ラ ク ト ー
スの定量を行った。
ラクトースは
[使 用 試 薬 ]
酵素
補酵素
混合液
基質
緩衝 液
[
β- ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ (TOYOBO 社 製 ) ( 酵 素 液 A )
緩衝 液 に て 1.0 mg/ml 溶 液 を 調 製
ガ ラ ク ト ー ス デ ヒ ド ロ ゲ ナ ー ゼ (シ グ マ ア ル ド リ ッ チ 社 製 )
(酵 素 液 B)
緩衝 液 に て 7.6 units/ml 溶 液 を 調 製
: NAD ( ナ カ ラ イ テ ス ク 社 製 )
緩衝 液 に 溶 解 後 、1 M NaOH 溶 液 で pH 7.0 に 調整 し て 3.5 mg/ml 溶
液を調製
:酵素液B:補酵素液 = 2:1の比率で混合して調製
: ラ ク ト ー ス 一 水 和 物 (ナ カ ラ イ テ ス ク 社 製 )
緩衝 液 に て 各 濃 度 の 溶 液 を 調 製
: 1 mM リ ン 酸 カ リ ウ ム 緩衝 液 (pH 7.0)
:
方法 ]
① セ ン サ ー A に 酵 素 液 A お よ び 基 質 溶 液 を 各 5 μl ず つ 、セ ン サ ー B に 酵 素
液 A お よ び 緩衝 液 を 各 5 μl ず つ 投 入 し 、30℃ で 5 分 間 イ ン キュ ベ ー ト し
てラクトースの分解および、温度の安定化を行った。
② イ ン キュ ベ ー ト 後 、セ ン サ ー A 、B に 混 合 液( 酵 素 液 B : 補 酵 素 液 = 2 :
1 ) を そ れ ぞ れ 10 μl 加 え て 測 定 し た 。
③ (センサーAの出力)-(センサーBの出力)を反応による出力とした。
0
0
-10
-20
100 200 300 400 500 600
y = -0.0966x - 0.7346
2
R = 0.9997
Vm-30
-40
-50
[結 果 ]
β-ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ と ガ ラ ク ト
ー ス デ ヒド ロ ゲ ナ ー ゼ ) 、 補 酵 素 ( NAD )
と基質(ラクトース)をセル内で混合す
ることでラクトースより生じたガラクト
ー ス の 定 量 が 可 能 で あ る こ と が 明ら か と
酵 素(
なった。
-60
Lactose (ppm)
- 12 -
在のところ、ガラクトースおよびラクトースより生じるガラクトースを、簡
便 か つ 高 感 度 に 検 出 す る 方法 は 報告 さ れ て い な い 。し か し な が ら 、AIMS-101 を 用
いた測定では酵素溶液、補酵素溶液と基質溶液をセル内で混合するだけ、ガラク
ト ー ス の 直接 的 定 量 お よ び 、 ラ ク ト ー ス の 分 解 に よ り 生 じ る 極 微 量 の ガ ラ ク ト ー
ス の 検 量 的 測 定 が 可 能 で あ っ た 。 こ の こ と よ り 、 食品 中 の ガ ラ ク ト ー ス お よ び ラ
ク ト ー ス の 高 感 度 検 出 ( ガ ラ ク ト ー ス お よ び ラ ク ト ー ス 濃 度 に し て 25 ppm ) が 可
能 で あ る こ と が 明ら か と な っ た 。
現
3-3-2 飲料中の 総ポリフェノール量の測定
( 前処理を用いない直接測定 )
直接 検 出 す る こ と か ら 検 体 の 色 や 濁
度 に 左右 さ れ な い 。 従 っ て 試 料 に よ っ て は 前 処 理 を 省略 し て 測 定 が で き る 。 以 下
の デ ー タ は 市販 さ れ て い る 製 品 を そ の まま前 処 理 を せ ず に 測 定 し た 結 果 で あ る 。
AMIS-101 は 反 応 に お け る プ ロ ト ン の 変 化 を
(1)
日本茶 に 含ま れ る 茶カテキ ン の 測 定
[使 用 試 薬 ]
酵素:
試料:
カーゼ
市販 の 日本茶
ラッ
A:
B:
C:
カテキ ン 含有緑茶 ( 1.54mg/ml)
高 濃 度 カテキ ン 含有緑茶 ( 0.85mg/ml )
一 般 緑茶
超高濃度
〔結果〕
0.5
1.2
1.0
0.4
0.8
V
A
B
C
0.6
0.4
0.3
V
0.2
0.2
0.1
0.0
-0.2
0
100
200
300
0
A
Sec.
B
C
Sample
カテキ ン 含有 量 と 出 力 の 関 係
茶カテキ ン 濃 度 の 変 化 に 伴 う 出 力 の 変 化 が 認 め ら れ 、 測 定 が 可 能 で あ る と 考 え ら
れる。
- 13 -
ワ イ ン に 含ま れ る 総ポ リ フ ェ ノ ー ル の 測 定
(2)
[使 用 試 薬 ]
カーゼ
ワ イ ン ( 緩衝 液 で 希釈 )
1 mM 酢 酸 緩衝 液 (pH 5.0)
酵素:
ラッ
試料:
緩衝 液 :
0.0
[結 果 ]
0
20
40
60
-0.5
80
100
たと
V
ワイン)と出力の関係
濃 度 は 、 製 品 ( ワ イ ン ) を 100%
きの相対値を示している。
基質濃度(
とし
-1.0
-1.5
Relative amount (%)
ワインポリフェノールの基質濃度の変化に伴う出力の変化が認められ、測定が可
能であると考えられる。
3-4 その他の測定事例
そ の 他本 測 定 装 置 の 基 本 性 能 を 示 す 測 定 例 を 下 記 に 示 す 。 一 覧表 に 示 す 通 り 、 幅
広 い 範囲 で の 応 用 が 可 能 で あ る こ と が わ か る 。
基質
酵素
グルコース
Glucose Oxidase
グルコース
Glucose Dehydrogenase
Glycerol Kinase +
グリセロール
Glycerophosphate Oxidase
エタノール
Alcohol Dehydrogenase
ホルムアルデヒド
Formaldehyde Dehydrogenase
アセトアルデヒド
Aldehydel Dehydrogenase
ATP
Alkaline Phosphatase
尿素
Urease
クレアチニン
Creatinine Deiminase
オリーブ油
Lipoprotein Lipase
リノール酸コレステロール Cholesterol Esterase
DL-BAPNA
Tripsin
酵素検出感度
(20µl中の絶
補酵素 基質検出感度
(µM)
対量)
10µg/ml
0.5µg/ml
(55µM)
(1ng)
20µg/ml
NAD
(111µM)
1.5µg/ml
ATP
(16µM)
10µg/ml
NAD
(217µM)
0.3µg/ml
NAD
(10µM)
5ng/ml
NAD
(0.1µM)
5µg/ml
0.1unit/ml
(10µM)
(0.002unit)
2µg/ml
(33µM)
1µg/ml
1μg/ml
(8.8µM)
(2ng)
100µg/ml
200µg/ml
(300µM)
60µg/ml
- 14 -
検出対象
過酸化水素+グルコン酸
プロトン
過酸化水素
プロトン
プロトン+蟻酸
プロトン+酢酸
リン酸
アンモニア
アンモニア
オレイン酸
リノール酸
アルギニンカルボン酸