整備士養成WG - 社団法人・日本航空宇宙工業会

航空機整備士・製造技術者養成連絡協議会
整 備 士 養 成 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ
平成 26 年度とりまとめ
1.現状と課題
整備士の養成・確保のための整備士資格の制度・運用の見直しについては、近
年、
(公財)航空輸送技術研究センターを中心として検討が行われ、これを踏ま
えて航空専門学校での履修状況を踏まえた上級資格試験の一部簡素化等の措置
が実施されている。一方、整備士の養成・確保に関して、国際的・中長期的な視
点からの整備士の資格制度のあり方や、MRO 産業の推進を視野に入れた整備士
の養成のあり方といった中長期的課題に加え、当面の課題として以下のものが
ある。
(1)整備士の英語能力向上
航空機の整備は、製造メーカーのマニュアルに従って行われるが、マニュアル
のほとんどは英語で書かれており、整備士には、短時間で正確に英語を読み解く
能力が求められる。また、海外支店や海外重整備委託先では現地整備スタッフと、
国内においても外国人操縦士と英語で会話を行う必要がある場合も見られる。
さらに、我が国の航空機整備事業者が MRO として海外の認定を受けようとす
る場合、十分な英語能力が求められる場合もあり、整備士には、航空機を整備す
る能力や技術・知識のほか英語能力が求められる。しかしながら、航空会社の整
備部門に就職する者の英語能力は、航空会社が求める英語能力を十分に有して
いるとはいえない現状がある。
(参考資料:整備士が英語を使用する場面・業務の整理)
(2)整備管理従事者の養成
航空機は、適切な技術、品質及び整備計画が管理されてその品質が維持・向上
されている。これらの整備管理に従事する者は、これまで現場経験のある有資格
者等が OJT で経験を積み整備管理業務に必要な知見を獲得してきたが、近年で
は、新規航空会社等において十分な現場経験を積まず、十分な OJT もないまま
整備管理に就く例が増えてきており、また、会社設立時の経験者が代替わりして
きている中で、そのノウハウが十分に継承されていない。
-1-
(3)整備士の技量・技能の維持・伝承
近年、航空機の機材の信頼性向上等により、整備機会が減少している分野があ
る。具体的には、機材の高度化、高性能化を通じた信頼性向上により故障探究、
不具合修正作業等が、整備の海外委託に伴いドック整備(定例作業、重整備)、
アッセンブリ―交換等が、体制変更によりライン整備等が減少している。このほ
か、重整備は外部委託し、自社ではライン整備のみを行う航空会社においては、
重整備に関する現場経験や OJT を実施する機会そのものがない場合もある。こ
のように、整備機会が減少している分野等に係る整備士の技量・技能の維持・伝
承を図る必要がある。
本ワーキンググループでは、平成 26 年度において、上記3つの当面の課題に
ついて検討を行うこととした。
2.具体的な取組内容
2.1 整備士の英語能力向上
航空会社において現に使用している資料集を活用し、整備現場においてよく
使われるセンテンスや間違いやすい文章等を具体的に例示したテキスト類を整
備し、航空会社での訓練や大学・専門学校等整備士養成機関における教育におい
て使用するなどして、整備士の英語能力の向上を図る。
テキスト類の整備に当たっては、航空会社で使用しているテキストや用語集
等を収集し、航空会社が整備士に求める英語能力や、養成機関における学生の英
語能力の現状を踏まえつつ、進める必要がある。
(参考資料:航空会社が整備士に求める英語能力)
(参考資料:養成機関における学生の英語能力)
このため、公益社団法人日本航空技術協会が中心となり、日本航空株式会社や
全日本空輸株式会社をはじめとする航空会社や英語能力証明に関する知見を有
する者等の協力を得て、平成 27 年度中にテキスト類の整備を目指す。テキスト
類の整備後は、養成機関等における英語教育の現場において当該テキスト類を
用いた教育が期待される。
2.2 整備管理従事者の養成
これまで共通した養成モデルが存在せず、各航空会社が個別に実施してきた
整備管理従事者の養成に関する手法について、整備管理従事者の業務内容及び
従事する上で必要となる知識等を整理し、いずれの航空会社においても整備管
理の基本となる共通的な部分について、テキスト類を整備する。
(参考資料:整備管理従事者の業務内容及び従事する上で必要となる知見等)
テキスト類の整備に当たっては、航空会社の OB 等整備管理従事者に求めら
れる知見や経験を有している者の協力を得ながら整備管理従事者の業務内容及
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び必要な知見等を整理し、それらを基に、航空会社協力の下、整備管理従事者の
タスク分析を実施、基本的な考え方を整理する。また、作成するテキストは、
「入
門編」「専門編」等に分冊化する。
このため、公益社団法人日本航空技術協会が中心となり、日本航空株式会社や
全日本空輸株式会社をはじめとする航空会社の協力を得ながら、平成 27 年度中
に少なくとも「入門編」のテキスト類の整備を目指す。整備したテキスト類を使
用した整備管理従事者養成の実施については、新たな基礎養成コース(又は研修
制度)創設の要否や、創設する場合の実施主体を検討する。
2.3 整備士の技量・技能の維持・伝承
整備機会の減少は、航空会社各社に共通するものであり、個社が有する知見を
航空会社間で共有することが整備士の技量・技能を維持・伝承するために有効で
あると考えられる。
このような技能を維持・伝承するための一般的な手法として、現時点で想定さ
れるものは以下のとおりである。
・重整備作業への順次配置
・未経験者と経験者をペアにアサイン、未経験者を中心に実作業を実施
・メーカー研修の受講
・整備作業のポイント集の作成、未経験者との情報共有
・整備用モックアップやシミュレーター等を活用した模擬訓練の実施
・システムデジタル化など機体設計の進化に対応した訓練内容の見直し
・原理に係る訓練教材の開発
このように技能の維持・伝承のための一般的な手法を「検討」した上で、整備
士の技量・技能を維持・伝承するための仕組みの一つとして、航空会社各社が一
丸となり、技量・技能の維持・伝承に係る PDCA サイクルを実践することが有
効であると考えられる。すなわち、検討した手法を個社で「実施」し、その実施
状況や実施により見つかった新たな課題等を「共有」し、そのようにして共有さ
れた知見をもとに各社において維持・伝承のための手法を「さらに実施」すると
いうものである。これらのうち、
「共有」と「さらなる実施」は繰り返して行う
とともに、それによってある程度知見が蓄積された場合には、
「検討」に戻るこ
とも考えられる。なお、知見の共有化に際し情報を発信するには透明性が求めら
れ、また、一般的な手法を検討するには知見をとりまとめる機関が必要であると
考えられることから、公益社団法人日本航空技術協会がそのような役割を果た
すことが期待される。
(参考資料:航空会社各社が有している知見の共有化)
このほか、知見の共有化に関しては、既存の技量・技能の維持・伝承のみなら
ず、新しい整備技術が確立された場合等においても、それらの知見を共有化する
ことは、航空業界全体として有益である。
-3-
3.今後の検討課題
3.1 中長期的な整備士の資格制度のあり方の検討
これまで実施されてきた施策や上記2.の施策に加え、さらなる整備士の養
成・供給の拡充に資するため、国際的・中長期的な視点から、整備士の資格制度
のあり方について検討を行う必要がある。
(参考資料:中長期的な整備士の資格制度のあり方の検討)
3.2 中長期的な整備士の養成のあり方の検討
大学、航空専門学校、工業高校等における整備士養成のあり方について、MRO
産業の推進を視野に入れ、航空機の製造技術者や他の分野における技術者の養
成との関係にも留意しつつ、関係省庁、産業界、教育機関が連携して検討を行う
必要がある。
4.平成 27 年度以降の進め方
(1)整備士養成ワーキンググループについて
整備士養成ワーキンググループは、平成 27 年度以降も存続する。ただし、
ワーキンググループは、必要に応じて開催する。なお、今後のワーキンググ
ループの議題としては、中長期的検討課題である国際的・中長期的な整備士
の資格制度・養成のあり方を中心に検討を行い、必要に応じて平成 26 年度
で検討した整備士の英語能力向上、整備管理従事者の養成及び整備士の技
量・技能の維持・伝承に関するフォローアップを行う。
(2)「3.今後の検討課題」について
4.(1)で述べたとおり、ワーキンググループを開催して検討する。
添付資料
・整備士養成ワーキンググループ平成 26 年度とりまとめ参考資料
・整備士養成ワーキンググループ構成員名簿
・整備士養成ワーキンググループ開催実績
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整備士養成ワーキンググループ
平成26年度とりまとめ参考資料
整備士が英語を使用する場面・業務の整理
(とりまとめ本文1.(1)関連)
第2回及び第3回WGにおけるアンケート結果
※各社からいただいた回答をそのまま掲示しております
英語を使用する場面・業務
左記において必要と
する英語能力レベル
a.海外支店の運航整備
▼準2級/TOEIC500点
・マニュアル読解
・現地整備スタッフ/外国人操縦士と ▼TOEIC400点
▼すべてTOEIC500点
の会話
b.国内支店の運航整備
・マニュアル読解
・外国人操縦士との会話
▼TOEIC300~400点
▼準2級
▼準2級/TOEIC500点
▼TOEIC400点程度
▼英検準2級
▼英検2級
▼特に指定なし
▼業務に必要な読解力
▼TOEIC400
c.海外重整備委託先での検査員
・マニュアル読解
・現地スタッフとの会話
▼TOEIC500~600点
▼準2級
▼準2級/TOEIC500点
▼400点程度
▼TOEIC400点
▼英検2級
▼業務に必要な読解力
▼TOEIC600点
d.国内基地での重整備
・マニュアル読解
▼準2級/TOEIC500点
▼3級
▼特に指定なし
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
1
整備士が英語を使用する場面・業務の整理
(とりまとめ本文1.(1)関連)
第2回及び第3回WGにおけるアンケート結果
※各社からいただいた回答をそのまま掲示しております
英語を使用する場面・業務
左記において必要と
する英語能力レベル
e.エンジン工場整備
・マニュアル読解
▼準2級/TOEIC500点
f.装備品工場整備
・マニュアル読解
▼準2級/TOEIC500点
▼特に指定なし
g.テクニカルサポート
・メーカーへの問い合わせ
▼準2級/TOEIC500点
▼2級
▼メーカー、カスタマーの内容
▼英検準1級
▼TOEIC600点
h.その他の回答
①整備記録、レポート作成時
②メーカー等、外国での教育受講
③海外緊急派遣(認定事業場の派遣法適用時)
④空港調査(オフラインチャーター等の事前調査)
⑤外国航空当局、委託元外国社監査受検
⑥委託先外国社監査
⑦国際会議(機会は少ないですが)
⑧製造メーカーにおける機体納入前の点検整備(マニュアル読解)
⑨領収カスタマー等への状況説明、意見交換等(会話)
⑩管制機関との無線交信(航空無線資格取得、会話)
⑪メーカー(Boeing やGE) への出張時(技術的な会話能力が求められる)
⑫新造機領収検査
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
--▼準2級/TOEIC400点
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2
航空会社が整備士に求める英語能力
(とりまとめ本文2.1関連)
第2回及び第3回WGにおけるアンケート結果
※各社からいただいた回答をそのまま掲示しております
航空会社がリソース(大学・航空専門学校・高等専門学校・他社等)に対し求める英語能力の程度
▼できればより高い能力のある者(資格を保有している者)のほうが望ましいが、採用時の要件には『英語読解力』
としている(資格等を持っている者は、証明書の写しを提出)
▼入社試験時の試験科目に英語がある(6~7割正解でTOEIC600点レベル程度)
▼今までの経験では、できない人とできる人との差が大きいと感じる。できる人は全体の2割程度
▼大卒TOEIC600点以上または英検2級、高専、航空専門卒TOEIC400点または英検準2級(入社要件)
▼TOEIC 400~500点程度、(レベルを満足する者は)約6割程度
▼入社要件とはしていないが、メーカー頻出するPart , Component等の単語の理解力が高い方が入社後の教育効率
は高くなると考えており、約半数程度は一定の理解力を有していると考えている。
▼TOEIC400点、(レベルを満足する者は)入社者の4割。
▼TOEIC450点レベル、入社時はほとんど満足していない。
▼採用試験では要件として求めていないが、英検準2級程度の英語能力が必要。大卒の方はほぼそのレベルにあるが、
専門学校卒では3級程度にとどまることが多い。全体では4割程度。
▼使用事業の多くは専門学校卒を採用しており、英検3級程度が多く、会話能力は殆ど身に付いていない。
▼新卒者を含む整備現業の一般職:TOEIC400
▼整備現業の管理職:TOEIC600
▼整備スタッフ:業務を円滑に実施できる程度
▼現業の整備士においては、正確にAMMを読解できるレベル
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
3
航空会社が整備士に求める英語能力
(とりまとめ本文2.1関連)
第2回及び第3回WGにおけるアンケート結果
※各社からいただいた回答をそのまま掲示しております
英語能力の向上に関する訓練・教育の実施状況
1.訓練・教育体系がある
: 1/11法人(母数(11)はアンケート回答数、以下同じ)
2.訓練・教育体系はないが、個人的に課している : 1/11法人
3.会社としては実施していない
: 3/11法人
4.その他(4/11法人)
▼自己啓発支援のため、会社が提携外部機関の通信教育講座をあっせん
▼整備マニュアル特有の英文等は種々の機会に周知
▼新入社員研修時に30hr程度の学習を実施するが、以降は業務内容等の必要に応じ、ブラッシュアップ教育を行う
▼自己啓発の範囲で各部署の推薦も基に30名程度が2年の期限付きで、年間30万円を上限として教育助成金を
支給する制度がある。目標は 英検準2級以上、TOEIC700点以上としている。目標が達成できない場合でも
教育助成金の返納は求めない
▼社内開催TIOEIC受験⇒人事評価対象「これから学ぶ航空整備マニュアル」素材の英語読解力テスト
▼マニュアルの文章を例題とした試験を実施
上記訓練・教育の結果、入社後の英語能力レベルが向上している実感はあるか
1.実感がある
: 0/11法人
2.なんともいえない : 1/11法人
3.実感はない
: 1/11法人
4.その他(2/11法人)
▼新たな取組の結果は今後
▼TOEIC受験効果はあまり見られない
▼レベル1(マニュアルに書かれている通常の文章を正確に理解できる程度)とレベル2(比較的難解な文章も正
確に理解できる)としており、最終的に全員が合格していることからレベルアップしていると認識している
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
4
航空会社が整備士に求める英語能力
(とりまとめ本文2.1関連)
第2回及び第3回WGにおけるアンケート結果
※各社からいただいた回答をそのまま掲示しております
整備部門における英語資格・英語検定等の必要性(1/3)
◆必要である
:
3/11法人
(理由)
▼航空のグローバル化、需要増、少子化、団塊世代の
退職等で、整備士不足から海外ライセンス(EASA)
の活用という要求が内外の航空会社から出て来ると
思われる。 整備士不足から運航できないという状況
が現実のものとなれば、航空会社にとって死活問題
となる。
▼整備士の養成も国内だけでは追いつかず、また、養
成施設も大手航空会社以外に指定され難い状況では、
ライセンサーを海外に求めるという結果が予測され
る。国内の航空会社にあっても整備士が日本人だけ
で構成されているという状況は消えていくと思われ、
海外のライセンスを持った人達との共同作業も視野
に入れるべきである。
▼日本人社会が大きな転換点のなか、航空界・整備部
門も積極的に英語能力のレベルアップに努めるべき
で、その意味から資格・検定の必要性を感じる。
▼業務上必要な言語であるため。
▼マニュアル読解等、理解度のレベル向上のため。
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
◆必要でない :
8/11法人
(理由)
▼整備士(資格者)養成の足枷となる。
▼整備士資格(一整、一運整)と切り離し運用するの
であれば、個人モチベーション、努力目標としての
検定制度はあっても良いと考える。
▼現在ある公的な資格を活用すればよく、新たに資格
を設けると、それに合格できなければ業務に支障が
発生するのではないか?と感じる。
▼操縦士と異なり、業務の種類が多岐にわたり、各業
務によって、また状況によっても必要とされる英語
能力は異なり、一律に規定することは難しく、また
非効率。
▼英語能力が必要であれば、必要とするもの(各社)
が対応すればよい。
▼業務に応じて身につけるものであり、整備士に一律
の資格を付与して管理するものではない。
▼整備士資格に英語能力を求めると、裾野が狭まり、
有能な人材確保が困難になる。
▼ICAOでも求めていない。
5
航空会社が整備士に求める英語能力
(とりまとめ本文2.1関連)
第2回及び第3回WGにおけるアンケート結果
※各社からいただいた回答をそのまま掲示しております
整備部門における英語資格・英語検定等の必要性(2/3)
◆必要である
:
3/11法人
◆必要でない :
8/11法人
(理由)
▼整備士が必要とする英語能力は、その職域により異
なり、その資格がなければ業務を担うことが出来な
くなった場合、小人数で運営している会社では、人
財の確保、企業活動にも大きく影響が生じてくる。
▼「きれいな英語」は、全ての整備士に求める必要は
なく、各々の整備士職域の中で専門性を活かせる英
語を職場の中で習得させることが重要。
▼英検3級は中学卒業程度、準2級は高校中級程度、
2級は高校卒業程度であるが、中学卒業時に3級レ
ベルに到達できていない、あるいは高校卒業時に準
2級レベルにも達しない者が堂々と高校を卒業でき
るところから適正化していかなければならないので
はないか。また、指定養成施設を設置した航空専門
学校では、100%履修のカリキュラムであり、履修科
目が多く、暗記型の科目習得が主となる傾向が強く
見受けられ、更なるカリキュラムの設定は、本来意
図する方向性を損なう結果となる懸念がある。
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
6
航空会社が整備士に求める英語能力
(とりまとめ本文2.1関連)
第2回及び第3回WGにおけるアンケート結果
※各社からいただいた回答をそのまま掲示しております
整備部門における英語資格・英語検定等の必要性(3/3)
◆必要である
:
3/11法人
◆必要でない :
8/11法人
(理由)
◆その他(コメント)
▼整備部門では各担務により、求められるレベルや、
内容(読解力・作文力・会話力等々)も異なるため、
通り一遍の検定では基準が定められないと考える。
反面、整備現業における技術文書の読解力や海外整
備委託先・外国人運航乗員とのコミュニケーション
は、最低限のレベルで必要であるため、在学中や社
会人の初歩段階での習得が必需であるが、これも検
定化が功を成すかは不明である。
▼現在においても社内で実施しており、効果をあげて
いるため。
▼弊社での製造、整備過程においての指示は日本語が基本となっており、現状では現場整備士が個々に英文マニュ
アル等で判断するケースはない。技術判断やサプライヤ/カスタマ調整等、英語を要する業務については、それ
ぞれの専門部門が行う体制であり、「英語能力資格」的なものは現時点では不要だが、今後MRJのTC取得以降の
作業体制や業務内容によっては必要になる可能性が有ると考える。
▼専門学校の視点から、一般的に航空整備士を目指す学生は、次の理由から英語を苦手としている。
①元来、理数系で英語が苦手。
②工業高校では英語の授業を受けていない又は時数が極めて少ない。
しかし能力が劣っている訳ではなく、教育の機会増若しくは自助努力で向上できるため、入社後の教育が重要。
専門学校内でのレベルアップには限界がある。
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
7
養成機関における学生の英語能力
目指す英語能力レベル
(検定級等)
(とりまとめ本文2.1関連)
第2回及び第3回WGにおけるアンケート結果
※各社からいただいた回答をそのまま掲示しております
▼実用英語検定:3級、準2級、2級以上
(準2級以上が多い)
▼TOEIC :400~450点以上
目指す英語能力レベルに ▼モチベーション
▼必要性を感じていない、又は英語能力を必要としない職場を目指している
達しない者の理由
▼基礎的能力が低いため授業についていけない
(基礎力がなければ個別指導にも限界がある)
▼日常的に使用しないので、知識が定着しない
▼基礎学力及び教育時数不足
▼教育・訓練に時間を取られ、英語教育時間の確保が難しい
入学者のレベル
(過去との対比)
▼成績中間層の人数が減少し全体的に成績下位層の人数が増加
▼整備科への入学成績ボーダーは、過去の学生に比べ大幅に低下
▼低下傾向にあり個人差が拡大傾向にある
▼大きな変化は無い
▼英語の基礎学力の低下がみられる
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
8
整備管理従事者の業務内容及び従事する上で必要となる知見等
①技術管理関連
②品新管理関連
③生産管理関連
④部品管理関連
a.
b.
c.
d.
e.
a.
b.
c.
d.
e.
f.
g.
h.
i.
a.
b.
c.
d.
e.
f.
a.
b.
c.
d.
e.
f.
g.
(とりまとめ本文2.2関連)
航空機/エンジンの設計基準
整備要目作成の仕組み(MRB、MSG、CMR、整備規程)
耐空性改善の仕組み(SB、AD、TCD)
整備のプログラムと信頼性管理方式
関連法規、サーキュラー、通達
認定事業場の概要
整備士の資格と管理
確認主任者/検査員について
航空法及びFAR、EASA Regulationの概要
特殊工程
関連ISO/JIS規格
SMS
ヒューマンファクター
関連法規、サーキュラー、通達
機体整備のEchelonと整備要目の時間管理
要目と実施資格の管理
部品/エンジンの時間管理(Hard Time、Soft Time、LLP)
人員計画
機材のRouting
関連法規、サーキュラー、通達
在庫管理
需要予測
発注管理
資産管理
有効期限管理
危険物の管理と輸送
関連法規、サーキュラー、通達
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
9
航空会社各社が有している知見の共有化
(とりまとめ本文2.3関連)
(取組のイメージ)
①
技量・技能を維持・伝承するための一般的な手法を検討
ある程度知見が
蓄積されたら
②
検討した手法を個社で実施
③
実施状況や実施により見つかった新たな課題等を共有
繰返し実施
④
共有された知見をもとに各社で実施
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
10
(とりまとめ本文3.1関連)
中長期的な整備士の資格制度のあり方の検討
・国際的には、大きく分けて欧州(EASA)型と北米(FAA)型の整備士資格制度が運用されており、
欧州型が主流となっている。
・日本の整備士資格制度は、欧州型の資格制度と類似している。
限定
一等航空
整備士
欧州
(EASA)
カテゴリーB1
欧州
(EASA)
カテゴリーB2
一等航空
運航整備士
欧州
(EASA)
カテゴリーA
欧州
(EASA)
カテゴリーC
北米(FAA)
A&P
型式限定
型式限定
型式限定
型式限定
---
型式限定
---
整備士をした航
空機についての
確認行為
作業
範囲
訓練
時間
試験
以下に掲げる作
業後のライン整
備における確認
行為及びベース
整備におけるサ
ポート業務
以下に掲げる作
業後のライン整
備における確認
行為及びベース
整備におけるサ
ポート業務
・構造、発動機、
機械系統、電
気系統の整備
・アビオニクス、
電気系統
2970時間
基礎:2400時間
(学科50~60%)
基礎:2400時間
(学科50~60%)
1260時間
型式訓練は上記
訓練に含む
型式:
学科 150時間
実技 最低2週間
型式:
学科 100時間
実技 最低2週間
型式訓練は上記
訓練に含む
学科・実地
※主に国が試験
学科・実地
※訓練施設にお
いて試験
学科・実地
※訓練施設にお
いて試験
学科・実地
※主に国が試験
※EASAのカテゴリー
B1とB2を合
わせた業務と
ほぼ同等
(実技1570時間)
-整備士養成WG平成26年度とりまとめ参考資料-
整備(保守及び
軽微な修理に限
る)をした航空
機についての確
認行為
軽微なライン整
備作業及び単純
な調整作業後の
確認行為
ベース整備後の
確認行為
整備又は改造
(大修理又は大
改造を除く)の
実施及び監督
800時間
(学科30~35%)
30時間
(学科のみ)
基礎:1900時間
型式:各社にて
1か月程度
学科・実地
※訓練施設にお
いて試験
学科のみ
※訓練施設にお
いて試験
学科・実地
(基礎訓練のみ)
※EASAカテゴリーA
の業務とほぼ
同等
(実技690時間)
11
航空機整備士・製造技術者養成連絡協議会
整備士養成ワーキンググループ構成員名簿
(平成 27 年 3 月 5 日現在)
○構成員(以下、順不同)
日本航空株式会社
全日本空輸株式会社
日本貨物航空株式会社
株式会社AIRDO
スカイネットアジア航空株式会社
天草エアライン株式会社
アイベックスエアラインズ株式会社
株式会社スターフライヤー
株式会社フジドリームエアラインズ
Peach Aviation 株式会社
ジェットスター・ジャパン株式会社
春秋航空日本株式会社
三菱重工業株式会社
ボーイング株式会社
株式会社ジャムコ
学校法人君が淵学園 崇城大学
学校法人都築教育学園 第一工業大学
学校法人日本航空学園 日本航空専門学校
学校法人日本航空学園 日本航空大学校
学校法人浅野学園 国際航空専門学校
学校法人神野学園 中日本航空専門学校
学校法人筑波研究学園 成田つくば航空専門学校
学校法人日本コンピュータ学園 東日本航空専門学校
学校法人ヒラタ学園 大阪航空専門学校
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
関東職業能力開発大学校附属 千葉職業能力開発短期大学校
一般社団法人全日本航空事業連合会
公益財団法人航空輸送技術研究センター
公益社団法人日本航空技術協会
一般社団法人日本航空宇宙工業会
○関係省庁
国土交通省
経済産業省
航空機整備士・製造技術者養成連絡協議会
整備士養成ワーキンググループ開催実績
第1回
:
平成26年10月30日
第2回
:
平成26年12月
5日
第3回
:
平成27年
2月
6日
第4回
:
平成27年
3月
5日
以上全4回