Geoweb マ ニュ アル

P.1
Geowebマニュアル
Ⅰ.共 通 編
平成19年6月
P.2
目 次
1.共通編の内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.ジオウエッブの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
3.材料・強度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
4.寸法形状・用途・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
5.参考資料一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
6.アルコアジオシステムの技術資料・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
P.1
1.共通編の内容
本編は、ジオウエッブの概要と材料・強度、利用方法、形状寸法、利用事例について記
述するものである。
2.ジオウエッブの概要
「ジオウエッブ」は工学的な一般名称「ジオセル」のプレスト社の製品名称である。
以降ジオウエッブと記述する。ジオウエッブは、U.S.ArmyCorpsofEngineers(アメリ
カ陸軍技術部隊)とプレスト社が1970年半ば頃から共同開発した製品及び工法で
ある。当初の目的はアメリカ陸軍において、砂浜や砂漠などの重機の搬入が困難な場
所での、進入路確保のために開発された。その後、法面保護、擁壁、護岸などに用途
を拡大した。
材質は高密度ポリエチレンであり、形状は、細長い板状の材料を規定の間隔で高周波圧
着を行い、使用時に広げハニカム構造(平面的には菱形)とするものである。これに、
砂、砕石、発生土等を充填し各用途に使用する。
ジオウエッブはポリエチレン製であるため、軽量、耐候性があるなどの特徴を持って
おり、施工性に優れ、過酷な気象環境にも追随する。
3.材料・強度
ジオウエッブの材料・強度は以下の表によるものとする。
P.2
4.寸法形状・用途
ジオウエッブの形状は下図のように展開して形成する。
標準展開図
ジオウエッブ諸元と用途
ジオウエッブは、1セルの大きさにより用途が異なっており以下のように分類される。
しかし、使用箇所の条件等によりこの限りではない。
セルタイプ
主な用途
GW75S
S
GW100S
GW150S
支持力補強工
GW200S
GW75M
M
GW100M
GW150M
法面保護工 マットレス工
GW200M
G75L
L
GW100L
法面保護工
GW150L
GW200L
R
セルブロック○
GW150C3
GW150C4
擁壁工
P.3
4.1 GW75S、GW100S、GW150S、GW200S
長さ
幅
セル高は
GW75S=75mm、
GW100S=100mm、GW150S=150mm、GW200S=200mm
許容誤差(
タイプ
S
10%)
長さ
幅
m2当りセル
密度
224mm
259mm
34.6セル/m2
長さ
標準面積
1%
289cm2
展開
幅
幅方向セル数を10セルとする。
長さ方向
セル数
最小展開長
最大展開長
標準面積
長さ(m)
幅(m)
長さ(m)
幅(m)
m2
18
3.7
2.8
4.4
2.3
10.4
21
4.3
2.8
5.1
2.3
12.1
25
5.1
2.8
6.1
2.3
14.5
29
5.9
2.8
7.1
2.3
16.8
34
6.9
2.8
8.3
2.3
19.7
P.4
4.2 GW75M、GW100M、GW150M、GW200M
長さ
幅
セル高は
GW75M=75mm
GW100M=100mm、GW150M=150mm、GW200M=200mm
許容誤差(
タイプ
M
長さ
10%)
長さ
幅
m2当りセル
密度
287mm
320mm
21.7セル/m2
標準面積
1%
460cm2
展開
幅
幅方向セル数を8セルとする。
長さ方向
セル数
最小展開長
最大展開長
標準面積
長さ(m)
幅(m)
長さ(m)
幅(m)
m2
18
4.7
2.8
5.7
2.3
13.3
21
5.5
2.8
6.6
2.3
15.5
25
6.5
2.8
7.9
2.3
18.4
29
7.6
2.8
9.1
2.3
21.4
34
8.9
2.8
10.7
2.3
25.0
P.5
4.3 GW75L、GW100L、GW150L、GW200L
長さ
幅
セル高は
GW75L=75mm、GW100L=100mm
、GW150L=150mm、GW200L=200mm
許容誤差(
タイプ
L
10%)
長さ
幅
m2当りセル
密度
475mm
508mm
8.3セル/m2
長さ
標準面積
1%
1205cm2
展開
幅
幅方向セル数を5セルとする。
長さ方向
セル数
最小展開長
最大展開長
標準面積
長さ(m)
幅(m)
長さ(m)
幅(m)
m2
18
7.7
2.8
9.4
2.3
21.7
21
9.0
2.8
11.0
2.3
25.3
25
10.7
2.8
13.1
2.3
30.2
29
12.5
2.8
15.1
2.3
35.0
34
14.6
2.8
17.8
2.3
41.0
P.6
4.4 セルブロック
長さ
幅
セル高は
GW150C3=150mm、
GW150C4=150mm
許容誤差(
タイプ
セルブロック
10%)
長さ
幅
m2当りセル
密度
287mm
320mm
21.7セル/m2
長さ
標準面積
460cm2
展開
幅
幅方向セル数を8セルとする。
展開長
正面見付面積
長さ方向
セル数
長さ(m)
幅(m)
m2
3
0.8
2.65
0.4
4
1.07
2.65
0.4
1%
P.7
5.参考資料一覧
資料名
発行所
発行年月
道路土工「のり面工・斜面安定
工指針」
日本道路協会
平成11年3月
道路土工「擁壁工指針」
日本道路協会
平成11年3月
道路土工「軟弱地盤対策工指
針」
日本道路協会
昭和61年11月
道路土工「擁壁工指針」
日本道路協会
平成11年3月
舗装設計施工指針
日本道路協会
平成13年12月
護岸の力学設計法
国土技術研究セン
ター
平成17年5月
GEOWEB SYSTEM MATERIAL SPECIFI-
Alcoa Geosystems
www.geosynthetics.com/pdf/product
s/Presto/v_series_geoweb_material
_specification.pdf
Alcoa Geosystems
www.alcoa.com/alcoa-geo/catalog/a
pplications/Load%20Support/load_t
echnical_overview.pdf
GEOWEB SLOPE PROTECTION SYSTEM GEOSYSTEMS TECHNICAL OVERVIEW
Alcoa Geosystems
www.alcoa.com/alcoa-geo/catalog/a
pplications/Slope%20Protection/slo
pe_technical_overview.pdf
GEOWEB LOAD SUPPORT SYSTEM
GEOSYSTEMS TECHNICAL OVERVIEW
Alcoa Geosystems
http://beta.alcoa.com/alcoa-geo/cat
alog/pdfs/load_support_overview.pd
f
GEOWEB CHANNEL PROTECTION
SYSTEM TECHNICAL OVERVIEW
Alcoa Geosystems
www.alcoa.com/alcoa-geo/catalog/a
pplications/Channel%20Protection/c
hannel_technical_overview.pdf
CATION
GEOWEB EARTH RETENTION SYSTEM
GEOSYSTEMS TECHNICAL OVERVIEW
P.8
6.アルコアジオシステムの技術資料
アルコアジオシステムより提示されている技術資料を以下に示す。表などは先の同様であるため
省略する。
アルコアジオシステムによる製品説明
製造証明 アルコアジオシステム(製造者)は、ジオウエッブ(ジオセル)によるセル拘束システムの品
質管理について現在ISO9002品質規格に登録され、その証明を受けています。ISO9002の登録範囲
は、原料(樹脂)の入荷から製品完成までのジオウエッブセル拘束システム製品製造プロセス範囲
に及びます。登録書は顧客の請求により、そのコピーを提供します。ISO品質規格の範囲におい
て、アルコアジオシステムは記録を保持し、編集し、各顧客の注文書や以下のような事項につい
て提供することができます。
Ⅰ.樹脂ロット番号
2.樹脂密度
3.カーボンブラック含有量
4.高圧酸化反応時間(HPOIT)
5.シート厚さ
6.短期継目強度
7.長期継目強度(次のどちらか)
a)7日間温室箱による方法
b)30日間常温による方法
8.10,000時間懸架試験
アルコアジオシステムは、すべての試験手順と顧客の要求する仕様書に関して、承諾できる証明
書を提出します。指定日までに求められる正目書を提出します。
製品保証
アルコアジオシステムは、ジオウエッブ拘束セルシステムの製造時の完成品と出荷時に欠陥がな
いことを保証します。アルコアジオシステムの唯一の責任は、出荷の日付に始まる10年の期間、
通常の使用とサービスの下において欠陥があると判明される部材について、この保証あるいはこ
れに関わらず、当初の本船渡し(f.o.b)時と同様に代わりの製品を無償で顧客に提供します。ア
ルコアジオシステムは欠陥についての調査を行う権利を持ちます。この保証はアルコアジオシス
テムが関知できない原因により発生した場合や発生に起因して製造プロセスに関係ない欠陥、乱
用、誤用、適切な使用方法の無視、不適当な格納、不適当な施工、不適当な変更または不適当な
使用については保証しません。
アルコアジオシステムはジオウエッブ拘束セルシステムに関連する、明示あるいは暗示、書面あ
るいは口頭、包含する、制限しない、どんな保証あるいは商品適格性、あるいはどんな特定の目
的に適合しても、これ以外の保証書は作成しません。
アルコアジオシステムは、ジオウエッブ拘束セルシステムに関して、どんな明白な、あるいは暗
示的な保証、あるいは怠慢を含むどんな他の理由があっても、どんな特別な、間接的な、付随的
な、あるいは必然的な損害についてその積を負わない。この製品は次の特許の1つあるいは2つ
以上で保護されています。
4,778,309;4,965,097;5,449,543;6,296,924;6,395,372と他の申請中の特許。
ジオウエッブ基本材料
注;全ての寸法と色は他の規定が無い限り製造許容範囲に従います。
ポリエチレンーカーボンブラックによる安定
アルコアジオシステムのジオウエッブ部材片を製造するために使われるポリエチレンは、ASTM
D1505の密度試験により0.935ー0.965g/cm3の密度となります。
使用されるポリエチレンは、ASTM
D1693試験で3000時間の環境ストレスによる破断抵抗試験
(ESCR)を実施します。
カーボンブラックは紫外線安定化に使用されます。
カーボンブラックの含有量は、重量の1.5%か
ら2%になります。
カーボンブラックは材料中で均一に分配されるものとします。
樹脂メーカーとESCRのポリエチレン密度の証明はアルコアジオシステム(Geowebメーカー)からの
要求のときに利用可能になります。
アルコアジオシステムはカーボンブラックの割合を公認する
ものとします。
ポリエチレンーHALSによる着色と安定性
アルコアジオシステムのジオウエッブ部材片を製造するために使われるポリエチレンは、ASTM
D1505の密度試験により0.935ー0.965g/cm3の密度となります。使用されるポリエチレンは、ASTM
D1693試験で3000時間の環境ストレスによる破断抵抗試験(ESCR)を実施します。
ポリエチレンの色は(赤銅色、グリーン等)です。
着色剤は非重金属タイプです。
着色剤は材料
中で等質的に分配されるものとします。
P.9
Hindered
amine
light
stabilizer(HALS)は紫外線の安定化に使用されます。HALSの含有量は重
量の1.0%となり、材料中に均等に配分されます。
擁壁構造で使用される表面の部材については、高圧示差走査熱量測定におけるポリオレフィンジ
オセンセティックの酸化発火待時間で使用されるテスト方法のASTM D5885により、最小820分の
高圧酸化発火待時間(HPOIT)を持ちます。
樹脂メーカーのポリエチレン密度、ESCR、およびHPOITの証明はアルコアジオシステムからの要求
のときに利用可能になります。アルコアジオシステムはHALSの割合を認証します。
材料の指定選定
全てのジオウエッブ製品に使用されるポリエチレンは、同じ規格を満たしています。特許説明書
においては必要な色が記述されています。色については、使用される紫外線安定材料が定められ
ています。カーボンブラックが使用されているポリエチレンはほとんどのジオウエッブ部材で使
用されています。一般に、HALSが使用されている部材は重力式擁壁の表面に使用されています。
板の特性と組み立て部品
注;全ての寸法と色は他の規定が無い限り製造許容範囲に従います。
孔空き織り込み板/セル
アルコアジオシステムのジオウエッブを作るために使われるポリエチレンシートはどんな表面亀
裂にも先立ち1.27mm(-5%,+10%)の厚みを持っている。
シートには、穴が開けられて、編み目模様の表面があるものとします。
性能
ASTM D5321による直接セン断方法でテストされたとき、孔を開けられた、編み目模様のプラス
チックの表面と相対密度100%の#40珪砂の間のにおけるピーク摩擦角度は少なくとも分離した珪砂
のピーク摩擦角度の85%を下回っては行けません。
孔開けの量はセル壁の13.8% 2.1%とします。
材料:
表面の編み目模様
ひし形(ダイヤモンドの形)の刻み目模様となります。
ひし形の刻み目にはcm2当り22ー31の表面
密度があるものとします。織られたシートの厚さはASTM
D5199の試験方法により1.52mm 0.15mm
となる。
孔は水平な列で直径10mmとなります。
それぞれ孔はセンター間の離れが19mmとなりま
す。
水平な列は、穴のセンター間距離を12mm離してちどりに開けられています。
穴あけの最も
近い縁へ距離は8mmが最小限になります。そして、穴あけの最も近い縁への溶接の中心距離は38mm
が最小限になります。
組み立て
アルコアジオシステムのジオウエッブ部材は図ーⅠのようなそれぞれの長さのポリエチレンシー
トの材料からなる生地で、セルの高さと等しい幅を持ちます。
ポリエチレン片は、片の縦軸に垂直な状態の全長に渡り、高周波のスポット溶接を使用すること
で接着されます。溶接は表の1となります。
高周波溶接プール幅は25mmを超えないものとしま
す。
セル溶接部剥離試験
注;他の規定が無い限り製造許容範囲に従います。
短期セル溶接部剥離試験
セルの溶接力はセルの溶接範囲において一定です。
短期セル溶接部剥離試験はアメリカ陸軍技術部隊の技術レポート
GL-8619,付録Aにより行われます。図−2参照
注;アメリカ陸軍技術部隊の技術レポート
GL-86-
19,付録Aによると最小2000Nの溶接力を得るた
めには200mmのセル高が必要としている。
19,付録Aによると最小2000Nの溶接力を得るためには200mmのセル高が必要としている。
長期セル溶接部剥離試験
溶接部引掛け強度試験は、1時間サイクルで室温が変化をする制御された環境で
最小7日間54℃(130 F)について実行されるものとします。
室温はASTM 41Eで定義されます。
試験サンプルは、幅100mmの2枚のポリエチレン片を一緒に溶接することによって、作られている
ものとします。
安定した2カーボンブラック片から
成る試験サンプルはテストの期間72.5kgの負荷を受けるものとします。
カーボンブ
ラックにより安定した片とHALSより安定した片から成る試験サンプルはテストの期間63.5kgの負
荷を受けるものとします。
テンドンについては省略します。
アンカーについては省略します。