出張報告書 滞在期間名: 2015/02/15~2015/02/28 滞在大学: University

出張報告書
滞在期間名: 2015/02/15~2015/02/28
滞在大学:
University of California Los Angeles・University of California San Diego
滞在先研究室名: Laboratory of Circadian and Sleep Medicine
ホスト名: Christopher S. Colwell
交流・研究の概要
2/16(月)
Christopher S. Colwell 先生の研究室を訪問。Ph.D の工藤さんに会い、今回の滞在での
予定を立てる。2/19(木)に行われるジャーナルクラブでの論文を滞在前からメールで頂いて
いたので、その論文をどの位読んで、理解しているかの確認をしてもらった。
その後、工藤さんに UCLA を案内してもらった。案内してもらった後、ジャーナルクラ
ブの論文を、さらに読んだ。
研究室が終わった後、工藤さんに Santa Monica に連れて行ってもらった。日の入りを見
に来た人で賑わっているビーチに行き、近くのフードコートで夕飯を一緒に食べた。
2/17(火)
朝、工藤さんにジャーナルクラブの論文の理解度を確認してもらった。その後、論文を
さらに読み込んだ。
この日は研究室が終わった後、Wascheck 先生の研究室に以前から滞在されていた阪大の
吾郷さんとお会いした。工藤さん、吾郷さんと四人で UCLA 近くの YAMATO という日本
料理店に行き、食事をした。
2/18(水)
この日も朝に、工藤さんにジャーナルクラブの論文の理解度を確認してもらった。その
後、理解できていない部分を中心に、二人で手分けをして論文を読み込んだ。帰る前にも、
工藤さんに確認してもらった。背景に関わるような引用論文を検索したが、無料で読む事
ができないものもあり、ホテルに帰ってから、工藤さんが論文を送ってくれたので、それ
らを読んで、背景を再確認した。
2/19(木)
朝一で、工藤さんに論文の理解度を確認してもらった。説明できなかった部分を中心に
調べ直した。17 時から、ジャーナルクラブに参加した。柴田研での論文紹介とは全く異な
り、発表者が論文を選択するが、Fig.ごとに、挙手性で説明をしていく。説明が終わったら、
質疑応答を行い、基本的に説明者が質問に答える、という形で進行していく。挙手性では
あるが、手が挙がらずにディスカッションが止まることは全くなかった。少人数のディス
カッションであったが、説明する時や、質問に対して答える時も、詰まることなく説明し
ている人がほとんどであった。大半の英語を理解できていなかった事、ディスカッション
の流れに付いていけなかったため、発言することができなかった。
2/20(金)
この日は、ラボミーティングが予定されていた。このラボミーティングでは、Colwell 先
生に回ってきた査読中の論文を、みんなで、accept か reject かを話し合う。工藤さんに、
この論文を頂き、ミーティング前まで、この論文を読んだ。今回の論文は、Nature の論文
だった。ミーティング開始直前に、Colwell 先生に急用が入り、ラボミーティングは月曜日
に延期となった。そのため、残りの時間も、論文を読み続けた。
2/23(月)
ラボミーティングに参加した。これもジャーナルクラブと同様、Fig.ごとに、挙手性で説
明をし、質問がある人が意見するという形で進行する。さらに、各 Fig.が終わる度に、Fig.
に対して、改善すべき点を意見する。そして、最後まで終わったら、一人ずつ、この論文
は accept か reject か、何故そう思ったかを意見していく。
ジャーナルクラブで発言できなかった反省を生かし、発言しようと試みたが、ジャーナ
ルクラブの時よりも、深い議論になり、ディスカッションがさらに活発に行われていたた
め、今回も発言することはできなかった。
2/24(火)
この日は UCLA に滞在する最終日であった。工藤さんに、Colwell 研究室が使用してい
るマウス室や実験室を見せて頂いた。柴田研と比較すると、マウス室はかなり狭く、マウ
ス数もかなり少なかった。実験室も柴田研と比較すると狭かったが、かなり整頓されてい
る状態であった。
その後、UCSD で行われる Center for Circadian Biology Symposium "From Cells to
Clinic"でのポスター発表(2/26)の練習を行った。工藤さんに対して日本語で練習したが、ポ
スターの絵や図、最初に説明した文章では、理解してもらえない部分が多かった。その後、
工藤さんに指摘された部分を補完できるよう、ポスター発表で話す事の台本を用意した。
研究室を出る前に、Colwell 先生、工藤さんと記念撮影をした。
2/25(水)
この日から UCSD で行われる Center for Circadian Biology Symposium "From Cells to
Clinic"に参加した。USCD までは、工藤さんが車で連れて行ってくれた。講演開始は昼か
らだったため、それまで UCSD を見学した。キャンパス内に学生寮もあり、非常に広大な
大学であると感じた。さらにソーク研究所も見学した。中には入れなかったが、外観から
も非常に綺麗で、素晴らしい研究所であると思った。
午後からは、講演を聴いた。自身の研究分野である時計の最新研究成果を聴くことができ、
非常に興味深かった。
2/26(木)
午前中は、講演を聴いた。英語での講演をずっと聞いていたので、英語にも大分慣れ始
めたと感じた。池田の研究分野に近い人の発表もあり、非常に興味深かった。
午後の講演を聴いた後は、ポスター発表を行った。規模は小さかったが、英語での説明・
質疑応答する時間は、非常に有意義であった。
ポスター発表が終わった後、UCSD の Gorman Lab. Ph.D 野口さんにお会いし、UCSD
内の見学をし、Gorman Lab.を見学した。UCSD の敷地は非常に広大であるため、車での
移動が普通であった。今回も野口さんの車に乗せて頂き、UCSD 内を見学した。特徴的な
形をした図書館が印象的であった。また、Gorman Lab.も見学したが、こちらも柴田研と
比較すると非常に狭い印象を受けた。設備も、柴田研の方が揃っていると感じた。
2/27(金)
この日も講演を聴いた。UCLA 滞在中にラボミーティングで取り上げた論文と同様のテ
ーマを取り上げた発表があり、非常に理解しやすく感じた。
全ての講演が終了した後は、参加者全員で食事会をした。工藤さん、野口さんを交えて
であるが、初対面の方と英語で会話する機会があり、非常に貴重な経験をすることができ
た。
交流総括
[池田祐子]
今回、本プログラムに参加して、一番感じたのは自身の知識のなさであった。英会話の
能力はもとより、自分の研究分野の基礎知識も不足しているという事に気付くことができ
た。現在、後輩を指導するという立場に立っているが、その前に自身が身に付けるべき知
識が膨大にあるということを思い知った。
また、柴田研は本当に恵まれているということを実感した。設備も豊富にあり、研究を
行うには、本当に素晴らしい場所であると思った。しかし、設備の充実さでは柴田研の方
が上であるのにも関わらず、論文のファクター数では、UCLA や UCSD の方が勝っている
のは、柴田研に何が不足しているからなのか、真剣に考えるべきであると感じた。これか
ら博士後期課程に入るが、この二週間の留学を生かし、柴田研のレベルをさらに上げてい
きたいと思った。
[石川亮佑]
私は本プログラムにおいて、研究室訪問、UCSD で行われた学会でのポスター発表を行い
ました。研究室滞在中に最も驚かされたのは、研究室ミーティングの形式の違いです。概
要でも述べた通り、私が所属している研究室でのミーティングよりも、自由な形式なもの
になっています。活発な意見交換の様子を間近で見たとき、少なくとも積極性という面で
は、私は圧倒的に劣っていると感じました。また、学会では、同じ分野をさまざまな視点
から考えている研究者が多くいるということを改めて感じ、自分自身の研究活動に対する
大きな励みとなりました。多くのことを経験できた 2 週間ではありましたが、その経験を
研究活動に活かさないことには、この 2 週間に意義があったとは言えないと思っています。
「非常に有意義な留学であった」と将来胸を張って言えるように、2 週間で感じたことを心
に留めながら、今後も研究に励み続けていきます。