長唄協会春季演奏会終わる

長唄協会春季演奏会終わる
杵家
弥七
私にとって五年ぶりの大薩摩への挑戦が、
終わりました。まだまだ不十分なところが多
い舞台でしたが、お客さまには大変喜んで頂
けました。
ことに嬉しかったのは、
曲が終わっ
たとき客席にいた門弟の周りで、
﹁いい演奏
だったわね﹂との声が聞こえたと、報告を受
け た 事 で す。 お 唄 の 彌 十 郎 師 か ら も、﹁ 楽 し
く唄わせてもらえました﹂と言って頂けまし
た。これらを励みに、次へ向かって新たな挑
戦をして参ります。ご声援宜しくお願い申し
上げます。
二 年 前 よ り、
﹁世田谷区邦楽研究会﹂とい
う催しを行って参りました。私の自宅がある
世田谷区で三味線に関する文化事業が実施さ
れてない事から、杵屋徳衛師が奔走して下さ
り、区も重い腰を上げてくれ、実施にこぎ着
けたという次第です。師の呼びかけにより、
長唄三社中、囃子、笛、小唄が結集し、これ
まで二回の演奏を実施して参りました。とこ
ろが、開催日が秋の杵家会の一週間前という
頂くように申し入れ、六月七日に実施する事
しまいました。それで、本年度は日を変えて
曲をやらせて頂きましたが、昨年は欠席して
事で、初年度は杵家会に出曲する弥葉音会の
VOL.44 No. 146
と な り ま し た。 他 の 社 中 が お 浚 い 会 の 形 式
をとっているため、東京及び近郊の支所、社
中に出演希望を募りましたが、希望者がいな
かったので、七可佐さんからの提案もあり、
有志の勉強の場とすることに致しました。七
可 佐 さ ん か ら の 呼 び か け に5 挺 4 枚 の メ ン
バーが集まり、本年は﹁船揃﹂を勉強する事
になりました。来年は形が変わる可能性もあ
りますが、この集まりが途絶えていた勉強会
の復活に繋がればと、思っております。本年
は、以上のような次第で開催致しますが、来
年度へ向け、支所、社中からの出曲申し込み
も、お待ちしております。低予算で本格的な
幕のある舞台に出演出来る機会ですので、ご
利用頂ければと存じます。
三 月 の 末 に は、﹁ キ ッ ズ 伝 統 芸 能 体 験 ﹂ が
本番を迎えます。このご報告は、例年のよう
に、七月の会報にてさせて頂きます。
ネ ズ ミ の ご 報 告 で す。 名 前 は 代 々﹁ キ ュ ー
ちゃん﹂と言います。今の子がいったい何代
目なのか、誰も覚えていません。なにせ寿命
が三年なのと、同時に二匹飼っていた事もあ
り︵その時はもう一匹は﹁ナナちゃん﹂でし
た︶、ゴチャゴチャになってしまったのです。
今の子はパールという種類で、全体が白く、
目は黒く、耳の先に少々黒いところがありま
す。時々、二足歩行︵立ち上がって歩く︶を
しています。可愛いですよ。
─1─
発行者 杵 家 弥 七
発行所 杵 家 会
〒 150-0021 渋谷区
恵比寿西 2-18-6
郵便振替
00110-2-36161
TEL. 03
(3461)
1953
FAX. 03(3477)2207
http://www.kine-ie.com
[email protected]
演奏後、楽屋にて
平成 27 年 4 月
︵土︶ 師範試験用講習
︵日︶ 定期名取試験
︵日︶ 常任理事会
∼
名古屋教室︵家元・弥佑師︶
∼
関西教室
︵日︶ 東北支部講習︵弥佑師︶
東北支部総会
︵木︶ 杵家会山楽部定例山行
︵土︶ 講習会︵都一中師︶
︵日︶ 名取免状式
∼
北海道支部稽古︵家元・弥佑師︶
∼
徳島教室・講習会
∼
関西第一教室︵弥佑師︶
︵日︶ 世田谷区民文化祭邦楽大会
︵火︶ 日本音楽体験授業︵弥佑師・芝浦
工業大学中学高等学校︶
︵日︶ 杵家会定例総会・理事会
︵火︶ 日本音楽体験授業︵弥佑師・芝浦
工業大学中学高等学校︶
九州支部稽古
松山支所講習・稽古︵弥佑師︶
仙台教室
北海道支部稽古︵弥佑師︶
∼
∼
∼
∼
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
︵水︶ 長唄協会秋季定期演奏会
︵月︶ 第五十五回杵家会ツボ合わせ
∼
関西第二教室︵弥佑師︶
∼
仙台教室
︵日︶ 関西支部杵家会演奏会
∼ ・
徳島支部稽古︵家元・弥佑師︶
︵月︶ 日本音楽体験授業︵弥佑師・芝浦
工業大学中学高等学校︶
︵月︶ 日本音楽体験授業︵弥佑師・芝浦
工業大学中学高等学校︶
∼
関西教室
︵日︶ 室蘭邦楽舞踊協会公演︵弥佑師︶
∼
名古屋教室︵家元・弥佑師︶
︵金︶ 第五十五回杵家会下浚い
︵土︶ 第五十五回杵家会
︵日︶ 杵家会定例理事会
︵日︶ 弥葉音会納会
演
奏
会
予
定
杵家会総会公示
平成 27 年 4 月 1 日
杵百会理事長 岡 部 篤
平成 27 年度杵百会総会を下記のように開催しま
すので、会員各位のご出席をお願いいたします。
記
日時:平成 27 年 6 月 14 日(日)
12 時 30 分より
場所:東京恵比寿西・杵家会館
議案:①平成 26 年度杵百会事業報告
②平成 26 年度杵百会決算報告
③平成 27 年度杵百会予算審議
④役員改選
⑤関係諸報告
以上
平成 27 年 4 月 1 日
杵家会会長 杵 家 弥七
平成 27 年度杵家会総会を下記のように開催しま
すので、会員各位のご出席をお願いいたします。
記
日時:平成 27 年 6 月 14 日(日)
午前 11 時より
場所:東京恵比寿西・杵家会館
議案:①平成 26 年度杵家会事業報告
②平成 27 年度杵家会事業計画
③平成 26 年度杵家会会計報告
④関係諸報告
以上
総会のお知らせ
杵百会総会公示
行事予定 ︵平成二十七年四月∼十二月︶
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
関西第二教室︵弥佑師 )
∼ ・
︵水︶ 長唄協会夏季定期演奏会
関西教室
∼
∼
高山支所講習・稽古︵弥佑師︶
︵日︶ 第五十一回弥しゃご会
∼
夏期講習
名古屋教室︵家元・弥佑師︶
∼
︵日︶ キッズ伝統芸能体験プログラム
・
・
・
︵水︶長唄協会夏季定期演奏会
国立劇場小劇場
︵日︶第五十一回 弥しゃご会
東京証券会館ホール
︵土︶長唄協会関西支部定期演奏会
国立文楽劇場
︵日︶稀音家義丸稀曲の試み
紀尾井小ホール
︵水︶長唄協会秋季定期演奏会
国立劇場小劇場
︵日︶長唄協会北海道支部定期演奏会
札幌教育文化会館
︵日︶関西支部杵家会演奏会
︵日︶宮城県芸術協会長唄演奏会
︵日︶長唄協会九州支部定期演奏会
福岡市民会館
︵日︶長栄座錦秋公演
滋賀県立文化産業交流館
︵日︶室蘭邦楽舞踊協会公演
︵土︶第五十五回杵家会
紀尾井小ホール
8
19
3
4
─2─
18 15
1
15
18
25 17 13 12 7
11
20 29 28 27 17 15 13
9
2
30
10 10 10 10 10
10
11
11
12 11 11 11 11 11 11
7
7
10
10
10
10
7
11
8 25 25
8
28 15
・
・
・
・
・
・
・
開講式
・ ∼
北海道支部稽古︵家元・弥佑師︶
関西第一教室︵弥佑師︶
・ ∼
・ ∼
九州支部稽古
・ ︵日︶ 関西支部ツボ合わせ
・ ∼
仙台教室
26 13 9 4 29
11 10 10
2
12 12
22 9
10 6 30
27
11
11 11
19 8
7 31 24
28 21 18 18
19 17 7 5 5 4
7
23 21 7 19 11 10 8
4 4 4 4 4 4
6 6 6 5 5 5 5 4
6 6
9 7 5 29 22 10 9 30
16 14
26 20 17 17
30
6 6 6 6
6
8 8 8 7 7 7 7
9 9 9 9 8
演奏会報告
︿女流名家長唄大会﹀
喜三の庭
︵金︶
平成二十七年一月三十日
会場 日本橋三越劇場
弥七東生
七可佐
直
矢
君
穂
小愛美
成田の四季
唄
三味線
杵 屋
淨
貢指導
堅
田
喜三久指導
杵
屋
巳津也
杵
家
七可佐
杵 屋 巳之助
杵 屋 巳貴綾
杵
屋
巳
紅
杵
屋
巳
桜
杵
家
弥佳清
杵
家
弥江宏
杵
屋
巳紅梅
︿長唄協会春季定期演奏会﹀
土
蜘︵切禿︶
平成二十七年二月二十四日︵火︶
会場 国立劇場大劇場
鶴
亀
︵女子合同︶
三味線
三味線
唄
杵 屋 彌十郎
杵 家 弥 七
東 音 渡 邉 雅 宏
杵
屋
彌四郎
和歌山
富
朗
杵
屋
弥
佶
杵
家
弥
佑
杵
家
弥寿治
杵
屋
彌十彦
東 音 高 橋 智 久
唄
家
七可佐
家 弥七東生
家 陽
子
家
七
穂
各地のお便り
釜石支所︵代表弥多穂氏︶より活動報告を
お寄せいただきました。
二十六年度は、門弟の皆様の献身的な協力
を得て、長唄親子三味線教室と中学校への出
張 授 業 の 二 つ の 事 業 が 行 わ れ ま し た。 平 成
二十六年七月十六日付復興釜石新聞には長唄
親子三味線教室の様子が、平成二十六年十二
月十七日付同新聞には中学校三味線体験学習
の様子がそれぞれ掲載されました。
︿Y﹀
─3─
三味線
唄
杵
家
七
汐
杵
家
弥七東生
杵
家
弥司一
杵
家
陽
子
杵
家
弥重久
杵
家
七可詩緒
︿第四回伝統長唄伝承の会﹀
三味線
家
家
家
永
屋
住
陽
子
稀音家 義 丸指導
田 喜三久指導
︵木︶
平成二十七年二月十二日
会場 日本橋公会堂
江の島
台
︵ 舞
面 ︶
︵筆も及ばじ ︶
堅
唄
杵
杵
杵
家
弥江宏
杵
○松
永
忠次郎
○松
杵
屋
佐
喜
杵
吉
杵
家
弥佳清
杵
杵 家 弥司一
杵
杵
家
七
毬
杵
杵
家
弥容之
杵
─・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・─
世田谷区立桜丘中学校長唄授業
桜丘中学校の授業も今回で五年目になりま
した。音楽の小林先生お手製の扇子︵割り箸
に白い画用紙をはさんで扇子に似せたもの︶
を使って、みんなで息を揃える練習をします。
弥佑先生をコの字に囲んで一斉に扇子を取っ
たり置いたりする様子はきれいにウェーブを
描いていました。正座をするのは辛いけどい
つもと違う音楽の授業は、時間が経つのが早
く感じられたのではないでしょうか。 ︿Y﹀
─4─
松戸市立松戸高校出張授業
が、声をかけてみると復習をしたい生徒さん
も多く、また、授業再開後には、数センチの
幅の中の3本の糸のうち、狙いの糸に当てら
れる人が、予想以上に多いことにとても驚き
ました。と、生徒さんのことばかり書いてし
まいましたが、今回の講習に参加させていた
だき、正しい姿勢を保つこと、正しい所作で
三味線を弾くこと、それを初めて三味線に触
れる方にどのように伝えていったらよいの
か、を考えるきっかけになりました。本当に
ありがとうございました。これからも稽古に
精進していきたいと思います。
最近は、観光で来日する外国人客も﹃和も
の﹄の体験をリクエストすることも多く、和
服の着付け、歌舞伎や相撲を観ることなどな
ど、現代の日本人がなかなかしないような体
験をして母国に帰っていきます。やはり本家
の日本人にも、特別な体験コースではなく、
日々の生活から﹃和﹄の文化に触れる機会が
増えていくことを願い、その一助に参加でき
るようになりたいと思っています。
座布団の正面は?
本
部
弥浩佐
今回、市立松戸高校の邦楽体験講座に、助
手見習いで参加させていただきました。大人
数の高校生に接するのは、教育実習以来です
から、なんと!数えるのも恐ろしいほぼ30
年振り。超のつく新米は、校舎を前にしただ
けで緊張感が湧き上がりました。
さて、それでは、講習のスタートです。
生徒さんは、教室に入ってきて、名札の置
かれた各自の〝席〟につきますが、床に座る
わけで、なんとなく居心地悪そうです。ひざ
を折るところまでは、何も考えなくてもでき
るものの、いざお尻をのせてみると﹁これで
いいのか?﹂な違和感があるようです。そし
て、そして、実際に三味線をひざにのせ、撥
を持ち、実際に音を出してみる頃には﹁もう
我慢の限界!﹂だったようで、三味線に覆い
被さるように背中を丸め、脚の痛みに耐え、
﹃やる気はあるのです﹄な後ろ姿には、そこ
までしなくてもいいよ!と言ってあげたくな
りそうでした。
その後、休み時間になってからのことです
休み時間に先生のまわりで
究会
渋谷区立中学校音楽教育研
講習会
一月二十九日渋谷区立鉢山中学校において
渋谷区立の音楽の先生を対象とした、
三味線・
唄の講習会が行われました。
この学校には三味線が十挺以上あり、まず
それらの点検・メンテナンスからスタートし
約二時間の講習で、三味線の基礎奏法及び
ました。
五十四名の参加がありました。正座と聞いて
弥佑先生のお話が普段は子育てに追われてい
唄の発声法を学びました。
三味線は音楽を専門にしている先生らし
く、構えから糸の弾き分け、勘所と難なくこ
るお母さんたちの心の栄養になればいいと思
躊躇するのは子どもたちと同じ反応ですが、
なし﹁さくら﹂を演奏出来るようになりまし
いました。
がたくさん書かれていました。
︿陽子﹀
りに三味線の音を聞いた﹂など、嬉しい言葉
研修会後のアンケートには、﹁子どもたち
にも聞かせてあげたい内容だった﹂﹁久しぶ
た。
唄は正座の仕方、呼吸法、扇子の扱いを行
い、最後に﹁勧進帳﹂の 旅の衣は を全員
で唄いました。
開催された中学校は私の出身校で、その当
時各学年五クラスある大きな学校でした。今
は少子化の影響で各学年一クラスと寂しく
─5─
なってしまいました。多少の改築は行われて
いましたが、ほとんどは昔と一緒で懐かしい
気分で一杯になりました。
今後渋谷区立在学の生徒さんたちにも邦楽
に触れてもらえる機会があればと思っていま
す。
︿弥佑﹀
│││・│││・│││・│││
芦花小学校単位PTA研修会
平成二十七年一月二十三日、和哉の通う芦
花小学校の教員と保護者が一緒に学ぶ単位P
TA研修会が行われました。
単 位P T A 研 修 会 は 決 ま っ た テ ー マ が な
く、毎年色々な内容の研修会が行われていま
すが、今年度はぜひ長唄を体験してもらおう
と企画しました。当日は、教員三十名保護者
三味線の構造に興味津々
校
国立音楽大学附属小学
邦楽鑑賞会
五、
六年
平成二十七年二月十日に、小学四、
生を対象に邦楽鑑賞会が行われました。音小
奥様の富元清英さんです。次に尺八。実演は
音を楽しむと書いて﹁音楽﹂です。一時間
三十分という短い時間でしたが、子ども達は
い、楽器の音と聞き比べました。
晴美さんの音頭で音を表す唱歌を全員で唄
小鼓、笛︵篠笛、能管︶の説明をして、望月
た の で し ょ う。 最 後 に 三 味 線、 太 鼓、 大 鼓、
演家の姿は子ども達の目にはどのように写っ
そして長唄です。﹁越後獅子﹂をお囃子入
りで演奏しました。山台にずらりと並んだ実
主題歌などを最後に演奏して下さいました。
す。お箏と尺八でアニメ﹁妖怪ウオッチ﹂の
動かし方でいろいろな音を奏でるのだそうで
押さえる穴が五つしかなく、押さえ方と首の
ご子息の吉岡龍之介さん。尺八という楽器は、
吉岡さんご一家
日本の音を楽しめたでしょうか。
︿Y﹀
上段左より 唄:東音野口賀功 杵屋佐喜 杵家弥佑
三味線:東音高橋智久 東音田口拓 東音山口聡
下段左より 望月庸子 望月晴美 藤舎千穂 藤舎清穂 藤舎理生
は弥佑先生の母校で、先生が通っていらした
り、卒業生だと伝
初めに、校長先生から弥佑先生の紹介があ
頃から続いている鑑賞会だそうです。
えると会場からざ
わめきがおこりま
司会の家元先生
にバトンタッチし
て邦楽鑑賞会の始
まりです。
生きた音を子ど
も達に聞いてほしいと、今回は長唄だけでは
な く 箏 曲、 尺 八 の 実
演 も あ り ま し た。 ま
ず は 箏 曲 か ら。﹁ 六
段﹂などの実演をお
り ま ぜ て、 尺 八 奏 者
の吉岡龍見さんにお
箏の説明をしていた
だ き ま し た。 演 奏 は
─6─
した。
「ぼくも音小です」
タテ=頭取は真ん
﹁三番叟﹂のお囃
子 は 鼓 が 三 人 並 び、
せるようにしていました。この度の講習では
の先にある﹁何を作るか﹂の重要性を認識さ
私はものづくりの会社で仕事をしていた時
に、技術者には機械の動かし方を習得し、そ
お話など、楽しく聴かせて頂きました。
中に座るのが原則
お囃子の技術論ではなく、どのように演奏す
を知りました。
経験年数の浅い私が参加させて頂いてよい
ものなのか、と恐る恐る受講しました。軽快
で す。 他 に も 三 番
るのか、と言う姿勢を問われていると気付か
堅田喜三久師講習会報告
なテンポのお話に、理解が伴わない点も多々
叟だけの決まり事
本
部
弥華梅
ありましたが、
﹃三番もの﹄およびお囃子に
会を頂き、心から感謝しています。
せて頂きました。
の一つが﹁翁送り﹂と﹁三番叟﹂の間に、交
がお囃子には多く
﹁ 志 賀 山︵ 舌 出 し ︶ 三 番 叟 ﹂ は、 大 鼓 の か
け声を聴いて、
﹁おおさえおおさえ﹂と出る
響曲などの一楽章が終わり次の楽章に入る前
ついて知る大変良い機会となりました。
のですが、鼓のかけ声が入っている為にかけ
と同様の間を取ります。一旦鼓を置き他の楽
人間国宝である大先生のご講義を拝聴する機
声を聴く︵聞き分ける︶難しさがあるのだそ
器も調子を見るような仕草をする決まり事が
あ る そ う で す。 そ
うです。これまでお囃子が入る演奏の時、鼓
あり、それを活用して、八年前に亡くなられ
たお兄様の朴清師に、喜三久先生の記念演奏
や大鼓の音を懸命に聴いて入ろうとしていま
したが、かけ声を聞き分けるのだと言うこと
会で、翁三番叟の翁送りの後、舞台に登場し
てもらったのだそ
うです。
ま た、 〆 緒 が 固 結
びになってしまい
ぎりぎり演奏に間
に合ったと静かな
表情で舞台に立た
れる喜三久先生の
冷や汗をかかれた
─7─
の事で、それに因み師の曲について申し上げ
先日杵勝会会報を拝見しましたが、今年は
四世杵屋勝太郎師の生誕百三十年にあたると
こういう演奏ではなかったかと思う時があり
す。幕末の大名人の二代目勝三郎の演奏は、
テテンをドンテテテンと弾かれた事は有名で
のでびっくりされたそうです。又、師はドン
その日一日中糸の調子が全然変わらなかった
を伸ばし調子を合わせて下さったのですが、
時、勝太郎師が一寸貸してごらんと言って糸
糸を掛替えて伸ばして調子を合わせていた
師に伺ったお話ですが、師が若い頃三味線の
迦陵頻伽∼ひらひらと﹂ここを踊地と解
している方がいましたが、どうでしょうか。
いう名称の合方か聞いた事がありません。
がします。次に長い合方がありますが、何と
ある本がありますが、クドキ風と云うべき気
寸長い気がします。
でを置唄とされている解説が殆どですが、一
表をつかれます。
テツツンシャンと思うとドテテンとなり、意
この後の合方は蝶の合方と言っている方と、
引くや霞﹂はクドキと
姿をここに三つの糸﹂ま
たいと思います。師は明治十八年七月五日神
ます。
稀音家
義丸
田の生まれで昭和四十一年四月二十二日に
長唄聞書︵九七︶
可祝の柳
八十二歳で亡くなられました。師は名曲を数
近世の大名人で大阪にある顕彰碑文にあるよ
をご存じの方は大分数少なくなりましたが、
ずみ﹂などご記憶にあると思います。師の事
などありますが、先年杵家会で上演した﹁ね
見事な作品と存じます。
期の作ですが、構成のしっかりした纏まった
いた本もあります。二十一歳の時の作品で初
治四十三年なので、前名の杵屋勝吉作曲と書
者の勝太郎師が四代目を襲名なさったのは明
さて﹁可祝の柳﹂ですが、作詞は堀野文禄
という方で、明治三十八年の作品です。作曲
です。
いた為と思います。段切の手法は例の無い型
こを浚っていたのを、何となく聞いて覚えて
に覚えました。と言うのは、五歳の頃父がこ
花か胡蝶か﹂になりますが私はここを初め
舞の合方と言う方がいました。合方終わって
うに﹁豪快でスケールの大きい演奏に定評が
多く作られ﹁富士の雪﹂
﹁風流陣﹂
﹁雪の兎﹂
あり、律動感に秀でた華麗な芸風は他の追従
吃驚しました。芝居のだんまりで、後の黒幕
が、Ⅱのトン一音であたりの空気が一変して
ら や ま し ﹂ でⅡ を 上 げ て 二 上 り に な り ま す
師と演奏された﹁時雨西行﹂です。 あらう
が、一番記憶に残っているのは、日吉小三八
い う 方 で す。 私 は 数 回 演 奏 を 拝 聴 し ま し た
﹁柳﹂は柳橋の名から取ったものです。
ので祝賀の意でこの曲名になったそうです。
この時は日露戦争最中で旅順陥落の時でした
題名の﹁可祝﹂は曲の段切の
高かったので今日まで伝承されて来ました。
終わる事が多いのですが、名曲として評判が
この年の一月東京柳橋組合の舞踊会で初演
された曲で、こうして出来た曲は一回きりで
同十四年﹁雪の兎﹂同十五年の﹁龍﹂同十七
人立でも群舞でも上演出来るので流行したと
や演奏会で度々演奏しました。舞踊の場合一
す。昭和三十年代随分流行しまして、舞踊会
割と短い曲ですが品よく纏めた佳曲と思い
ます。替手が入ると、又一段と面白くなりま
が落ちて明るくなり雰囲気が一変する感じと
多くあるので止められたのでしょう。
を許さず名人と高く評価された︵後略︶
﹂と
同じで凄いと思いました。あのトンは空前絶
曲は全曲本調子で通され、中の舞の前奏で
始まります。 それ青陽の﹂で唄になります
年 の﹁ 牛 ﹂ が あ り ま す。﹁ 巳 ﹂ は 道 成 寺 な ど
勝太郎師は十二支を作曲しようと考え大正
十三年﹁ねずみ﹂
昭和十二年﹁牛﹂同十三年﹁虎﹂
思われます。
後で、これは現場で聞いた人で無いと説明し
が、序の手のテチチリチツツツンなので次は
候かしく﹂と、
てもお判りにならないと思います。杵屋勝雄
─8─
9:00 ∼
10:00
三味線基礎練習 (テ・テ・テン 追廻し)ほか
10 分
休 憩
夏期講習のご案内
日 時
八月七日︵金︶∼九日︵日︶
曲
﹁内裏雛﹂
目
﹁竹生島﹂
受講料 一万五千円︵当日集金︶
USTREAM配信 二万円︵振込︶
弥七塾のお知らせ
お問い合わせください
第二会員以上
二時間半
五千円︵当日集金︶
別途会館使用料がかかります
文化譜の歴史及び理論
転調及び旋律形
リズムの基本パターン等
演奏からの書取り
演奏からの書取り
講義割一覧
月
月
月
月
月
月
●日
時
●参加資格
●実施時間
●受講費用
●USTREAM配信
四万五千円
︵六ヶ月分一括振込︶
内
容
歴史・音楽的特質
基礎知識
五線譜
文化譜基礎①・書取り①
文化譜基礎②・書取り②
文化譜書取り③
師範試験受験者のために開催されておりま
すが、長唄に関する理論を知りたい方や、第
一会員で不得意分野等をもう一度見直したい
方に良い機会です。上手にご利用頂いて、情
報の取得、知識の再確認、ご自身の向上など
にお役立てくださる事を、お勧め致します。
月
月・
月・
月・
月・
月・
月・
3 2 1 12 11 10
文化譜基礎①
文化譜基礎②
書取り①
書取り②
書取り③
9 8 7 6 5 4
─・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・───・─・─
*お申し込み・お問い合わせは事務局まで
*開始時間は事前に事務局にご確認くださ
い。
*USTREAM配信は、一ヶ月に生放送
一回再放送三回の全四回です。
─9─
本 年 は、
﹁ 竹 生 島 ﹂ と、 杵 家 派 伝 承 曲﹁ 内
裏雛﹂をお習いします。皆様奮ってご参加く
ださい。
なお、譜本は杵家彌七出版発売の三四三〇
﹁長唄竹生島﹂と二世杵家弥佑編﹁杵家派伝
承曲集二﹂を使用いたします。
お申込は事務局まで。
教育委員会
休 憩
70 分
唄・三味線
「内裏雛」
三味線
「内裏雛」
唄
「内裏雛」
13:30 ∼
15:00
三味線
「竹生島」
三味線
「竹生島」
三味線
「竹生島」
11:20 ∼
12:20
都一中師講習会のお知らせ
休 憩
10 分
8月9日(日)
8月8日(土)
8月7日(金)
唄
「竹生島」
唄
「竹生島」
唄
「竹生島」
10:10 ∼
11:10
一中節の御家元都一中師をお迎えして、師
の楽しいお話を通じて一中節の魅力を感じ、
長唄にも役立てていただきたいと思います。
多くの方々のご参加お待ち申し上げます。
記
日 時
平成二十七年五月九日︵土︶
午後一時∼三時
場 所
杵家会館二階
参加資格
杵家会員
受講料
五千円︵当日集金︶
USTREAM配信
七千五百円︵振込︶
以上
*お申し込みは事務局まで︵五月七日〆切︶
* USTREAM配信は再放送一回を含みます。
平成27年度 夏期講習時間割
北 海 道 支 部
東 北 支 部
関 西 支 部
徳 島 支 部
九 州 支 部
アメリカ支部
杵家彌七出版
新譜のお知らせ
二月十二日発売
三四五六 長唄 花の友
老
松
竹生島
供
奴
娘七種
八島落官女
陽
子
七
汐
弥七之
弥容之
弥寿治
事務局よりお知らせ
一、杵家会費について
お忘れなく納入くださるよう皆さまのご協
本号︵四月号会報︶に同封の払込用紙にて
平成二十七年度の杵家会費納入期限は九月
末日でございます。
力をお願い申し上げます。
二、登録情報変更について
ご連絡先等が変わられました際には、取立
師匠へはもとより、本部事務局へもお届け
くださいますようお願いいたします。
三、各種申請用紙について
新入会、修了証、住所変更等主な申請用紙
の現行版を杵家会ホームページの﹁会員用
のページ﹂に掲載いたしました。
からメニュー
︵ http://kine-ie.com/kaiin/
ボタン﹁会員ページ﹂をご参照ください。︶
│・│・│・│・│・│・│・│・│・│・│・│
編集後記
東日本大震災から丸四年が過ぎました。復
興にはまだまだ時間がかかりそうで、福島原
発からは未だに汚染水が排出されています。
一日も早い復興をお祈りいたします。
和哉の通う小学校では、六年生を対象に﹁リ
アル職業調べ﹂という授業があります。昨年
に続き、ゲストとして子どもたちに職業とし
ての三味線の先生の話をしました。十人程度
三グループに同じ話をしたのですが、グルー
プによって反応が様々で想定外の質問に、子
どもたちの好奇心は無限なんだなあと改めて
感じました。
︹陽子︺
─ 10 ─
070-5563-3387
[email protected]
070-6575-3387
[email protected]
070-6576-3387
[email protected]
070-6457-3387
[email protected]
070-6453-3387
[email protected]
070-6461-3387
[email protected]
[email protected]
本 部
近日発売予定
三四五九 長唄 君が代松竹梅
三四六七 長唄 舌出し三番叟
長唄
長唄
長唄
長唄
長唄
お詫びと訂正
お求めは、本部事務局又はお近くの楽器店へ
既
刊
三四〇六
三四三〇
三四三四
三四四三
三四六八
杵家
杵家
杵家
杵家
杵家
│・│・│・│・│・│・│・│・│
平成二十七年一月号に誤りがありましたので
お詫びして訂正いたします。
上段
︵誤︶杵家
弥代俊
︵正︶杵家 弥代葉
編集委員
インターネット担当
p.13
本部事務局および各支部事務局の連絡先をお知らせ
いたします。お手元に置いてご活用ください。
平成 26 年度 杵家会新入会員を
ご紹介いたします(入門順)
氏 名
取立師匠
田 中 亜 希
弥 夕 月
笹 木 弘 子
弥 菜 弘
村 上 あけみ
弥津千代
黒 澤 弥栄子
弥津千代
赤 澤 栄 子
弥津千代
東 恵美子
弥津千代
渡 部 真 弓
弥津千代
福 井 順 子
弥 江 王
松 田 千 枝
弥東美千
コラール 伊織
弥 七 蝶
Amanda Linstead
弥 七 蝶
永 井 久美子
直
門