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AL公開研究会における公開授業(中学 1 年生の歴史)について
授業者 桐蔭学園中学校女子部
教諭 瀧澤 史
1、今回の授業のテーマ
「グループワークで学ぶ元寇」というテーマではありますが、元寇自体は前日の授業で扱います。公開授業では、
今まで習ったことを基本にして、生徒に「日本と元の関係」を考えさせる内容にしました。
中学では元寇以外の日本と元の関係はほとんど扱いません。また、今までの日元史の研究では、戦争・外交の
歴史と貿易・仏教交流の歴史を統合的に理解しようとする面が少なかったように思われます。
中学生には難しいテーマかもしれませんが、歴史には戦争・外交・政治・経済・文化などの多様な関係・交流
があることに生徒が気づき、そのような視点が現代の国際関係を考える上でも必要となってくるのではないか
と考えていくきっかけになってほしいと思います。
2、公開授業当日までの授業内容
・前日の授業において、講義+グループワークで
①モンゴル帝国の拡大によりユーラシア大陸がひとつにつながったこと
②元が高麗を侵攻し1259年に服属させること
③元が南宋を侵攻し1279年に滅亡させること
④元が2度にわたり日本にも侵攻してきたが征服はできなかったこと
⑤元は3度目の日本侵攻を何度か計画したが実行できなかったこと
⑥鎌倉幕府は最後まで元を警戒していたこと
⑦元寇後も一部では元への恐怖心が続いたこと・・・などを学びます。
・また、前日授業の日以前には以下のことは履修済みです。
①弥生時代以降の日本と中国との関係
②遣唐使船のもたらす唐物(中国からの品物)について
③唐の滅亡後、日宋貿易がさかんとなり、唐物の輸入は継続したこと
④宋から伝わった禅宗が武士たちに受け入れられ幕府にも保護されたこと
3,当日は日元関係の年表1枚、ワークシート 2 枚、ふりかえりシート1枚を使用します。
また、生徒は学校から貸与されているタブレットを使用して、ロイロノートでスライドを作成し
発表します。
日本と元の関係
年代 蒙古・元の動き
1259 約30年の抵抗の後、高麗が蒙古に服属する
1268 フビライが南宋を攻める(1273年まで)
1271 フビライが国号を「元」とする
1274 10月、元・高麗軍が日本を攻める(文永の役)
1275 2月、元が日本に使節を派遣
10月、元が日本を再び攻める準備
1276
1277
1278
1279 元が南宋が滅ぼす
5月、元が日本に服属を促す
1280
1281 5月、元・高麗・旧南宋軍が日本襲来(弘安の役)
1282
1283 8月、元が日本再び攻める計画。元で内乱
1284 元が日本に使者を派遣
1286 元が日本を再び攻める計画
1287 元で内乱
1291
1292 元が日本を再び攻める計画
1294 1月、フビライ死去→日本を攻める計画は放棄
1295
1298
1299 元が朝貢をうながすために僧を日本へ
1300
1301
1305
1309
1325
1333
1341
1362
1368 明建国。元滅亡。
1406
日宋貿易・日元貿易・僧の往来
鎌倉幕府の動き
※10世紀末(平安時代)から1275年頃まで
日本と宋の貿易や僧の往来がさかんに
おこなわれた。
1月、フビライからの国書(一回目)
3月、北条時宗が執権に
7月、朝廷の命で延暦寺が異国降伏の祈とうを行う
9月、フビライから国書(二回目)
9月、フビライから国書(三回目)。異国警固番役設置
10月、文永の役、朝廷が異国降伏の祈とうを命令
日元貿易がおこなわれる
日元貿易がおこなわれる
日元貿易がおこなわれる
6月、日元貿易がおこなわれる
10月、日本船が元で貿易要求→武器携帯で拒否される
異国降伏の祈とうに必要な香薬が貿易途絶のため入手困難に
春、日本船が元への入港を認められず
日元貿易の記録なし
日元貿易の記録なし
日元貿易の記録なし
日元貿易、再開
※1276年~1364年の間,弘安の役の直後以外は
頻繁(ひんぱん)に日本と元の間を
貿易船が往来している.両国の僧侶も貿易船に
同乗し日本と元の間をさかんに行き来した.
長崎で大破した元からの商船に北条氏の荷物がみつかる
5月、長門国(山口県)沿岸に警備命令
9月、元の使者を殺す。幕府が異国降伏の祈とうを命令
3月、博多湾に石築地(石塁)築造開始 朝廷が異国降伏の祈とうをさかんにおこなう
7月、幕府が元の使者を殺す
幕府が諸寺に異国降伏の祈とうを命令
5月、弘安の役。
7月、「秋に元が襲来する」という情報
7月、元の使者を殺す
「元が再び日本に攻めてくる」といううわさ
幕府が異国降伏の祈とうを命令
3月、北九州に「のろし」の設備を置く
10月、元からの僧を捕らえるが後に建長寺の僧とする
海防強化命令
11月、薩摩国(鹿児島)の海上に異国船が出現
海防強化命令
「元が再び日本に攻めてくる」といううわさ
建長寺の造営のため、幕府が貿易船を元に派遣(建長寺船)
幕府滅亡(異国警固番役は継続)
天竜寺の造営のため、足利氏が貿易船を元に派遣(天竜寺船)
「元が再び日本に攻めてくる」といううわさ
「元が再び日本に攻めてくる」といううわさ
石築地の建築費用を得るための荘園が存在
※建長寺船・天竜寺船以外にも1306・1315・1323・1329年には寺社建築費用を得るための貿易船が日本から元に派遣された。
年代
1259
1268
1271
1274
1275
1276
1277
1278
1279
1280
1281
1282
1283
1284
1286
1287
1291
1292
1294
1295
1298
1299
1300
1301
1305
1309
1325
1333
1341
1362
1368
1406
歴史
1 年(
)組(
ワークシート
№1
2015、12、12、
)番、氏名(
)
「日本と元の関係」の年表を読んで気づいたことを書こう→グループで発表しあおう。
1、年表から自分が気づいたことを書こう。
2,他の人の発表を聞いて、自分の意見と異なることを書こう。
(発表した人の名前も書こう)
歴史
1 年(
)組(
ワークシート №2
2015、12、12、
)番、氏名(
日本と元は敵対関係が続いていたにも関わらず、なぜ、貿易や僧の往来などの
交流を続けたのでしょうか?グループで話し合い、ロイロノートのスライドに
まとめてみましょう。(スライドは1~2 枚にしましょう)
)
歴史 公開授業 ふりかえりシート
1 年(
)組(
)番、氏名(
(1)今日の授業のテーマ
(2)自分の授業態度について(5~1に〇を)※5がもっと良い
①テーマについてしっかり考え、書くことができましたか。
5
4
3
2
1
②他の人の発表をしっかり聞くことができましたか。
5
4
3
2
1
③自分の意見をわかりやすく伝えることができましたか。
5
4
3
2
1
④他の人と協力してロイロノートのスライドを作ることができましたか。
5
4
3
2
1
⑤クラス全体での発表は大きな声でわかりやすくできましたか。
5
4
3
2
1
(3)今日の授業でわかったこと・気づいたこと、感想を書きましょう。
)