提 言 ウ ル グ ァ イ ・ ラ ウ ン ドの 結 着 に 思 う 馬 場 道 夫 な った。 1993年12月15日 、7年 に及 ぶ ガ ッ ト ・ウル グ ァイ ・ラ ウ ン ド交 渉 は 、農 業 合 意 によ り決 この よ うに、1995年 か ら2000年 まで の実 施 着 した 。 今 次 ラ ウ ン ドに お け る わが 国 の 最 大 期 間 中 は、 コメ につ い て の特 例 措 置、 乳 製 品 の 関 心 事 で あ っ た コ メ につ い て は、 関 税 の 特 等 の 関税 化移 行 品 目 につ い て も激 変緩 和 措 置 例 措 置 が 講 ぜ られ る こと とな った。 その 内容 が 講 ぜ られ る こ とに よ り、 今 次 農 業 合 意 が 、 は、 ① 実 施 期 間(1995年 か ら6年 間)中 は、 国 内農 業 を 直撃 す る こ とは当 面 回 避 され る こ 関 税相 当量 の 設 定 は 行わ な い。 ②95年 にお い とと な った が 、 この6年 間 は、 これ か らの わ て 、 基準 期 間(1986∼88年)の 国 内 消 費量 の が 国農 業 の 方 向 に と って 、 極 めて 重 要 な時 期 相当す る ミ で あ る。 コメ につ い て は、 昨 年 の 凶作 は あ る ニ マ ム ・ア クセ スの 約束 を行 う。 ③ その 輸 入 もの の 、基 調 的 には 生 産調 整 を必 要 とす る情 は、 国 家 貿易 に よ り行 わ れ 、一 定 の輸 入 差 益 勢 の な か で 、毎 年40万 トンか ら80万 トンに近 の徴 収 を 行 う。 ④7年 目以 降 につ いて は、 実 い 量 の 輸 入 が約 束 され た こ と は、 今 後 の生 産 施期 間終 了1年 前 に再 交 渉 す る。 とい う もの 調 整 の あ り方 と も関連 し、 難 しい問 題 を 抱 え で あ った。 る こ とに な る。 乳製 品 の関 税 化 も、 厳 しい環 4%、2000年 に お い て 、 同8%に コ メ以 外 の 輸 入 制 限品 目等(小 麦 、 大 麦 、 境 下 に あ る酪 農 に と って 、 牛 肉 の 関税 引下 げ 乳 製 品、 で ん 粉 、雑 豆、 落花 生 、 こん に ゃ く も加 わ って 、 よ り一 層難 しさを増 す だ ろ う。 い も、 繭、 生 糸 、豚 肉)につ いて は、 関 税 化 政 府 は 、 内 閣 に緊 急 農 業 ・農 村 対 策本 部 を、 へ の移 行 が 決 定 され た が 、 そ の 関税 相 当量 は、 農水 省 に ウル グ ァイ ・ラ ウ ン ド関 連 国 内対 策 基 準 期 間 にお け る 内外 価 格 差 を 基 に算 定 され 、 本 部 を 設 置 して 、新 た な国 際 環 境 の なか で 、 実 施 期 間 中 に15%削 減 す る こ と と し、小 麦 、 農 林 水 産 業 及 び 農 山漁 村 の振 興 を 図 り、 その 乳 製 品の 一 部 等 に つ いて は、 国 家 貿 易体 制 の 将 来 展 望 を 切 り拓 い て い くた め の 検討 を行 っ 維 持 、 輸 入 差 益 の 徴 収 が 認 め られ る こ と と て い る。 2 政 府 は 、 先 に新 農 政 の展 開 方 向 と して 、 他 都 道 府 県 の基 本方 針 は、 目標 とす べ き所 得 産 業 並 み の労 働 時 間 で 、 生 涯 所 得 が 他 産 業 従 水 準 、 労働 時 間 等 の基 本 的考 え 方 に則 して 、 事 者 に遜 色 の な い水 準 を確 保 す る こ とを 目標 ① 育 成 す べ き農 業 経 営 の指 標 と して 、 地 域 別 と して、 土 地 利 用 型 農 業 の経 営 の 展 望 を示 し に主 要 な営 農類 型 に つ い て 、経 営 規 模 、 生 産 た 。 そ の な かで 、 お お む ね10年 後 の稲 作 を 中 方 式 、 経営 管理 の方 式 等 心 と した 農 業 構 造 を 展 望 して、 個 別 経 営 体 な農 業 経営 が地 域 の農 用 地 利 用 に 占 め る面 積 シ ェアの 目標 (15万 戸 程 度)と 大 多 数 の稲 作 農 家 が 関 わ り を 有 す る組 織 経 営 体 群(2万 ②効率的、安定的 ③ 都 道 府 県農 業 公 社 に関 す る 程 度)が 地 域 農 事 項 等 を 内 容 と して 、 策 定 を 了 した。 市 町 村 業 の 基幹 を担 う経 営 体 と して 、稲 作 の8割 程 の基 本 構 想 もほぼ 同 じ考 え で 、本 年 度 中 に策 度 を 生 産 す る こ と。 その 場 合 、生 産 の大 宗 を 定 す る こと とな って い る。 担 う経 営 の 展望 と して 、 そ の 効率 的規 模 は 、 個 別 経 営 体 で 、 単 一 経 営10∼20ha、 営5∼10ha程 農 地 保 有 合理 化 事 業 制 度 は 、従 来 、農 地 法 複合 経 第3条 第2項 た だ し書 の 規定 で 、 法 人 に よ る 度 と想 定 し、 コス ト水 準 は 、 農 地 の 権 利 取 得 の特 例 措 置 と して 位 置 づ け ら 程 度 の 目標 を 示 した 。 れ て い たが 、 新 法 に お い て は、 具 体 的 にそ の 新 政 策 を 具 体 的 に推 進 す る柱 と して 、 「 農 内容 が 定 め られ 、 農 地 保 有 合理 化 法 人 の 位 置 業経営基盤強化促進法 」と 「 特 定 農 山 村地 域 づ け につ いて も明 確 化 され た。 農 地 保 有 合 理 にお け る農 林 業 等 の 活 性 化 の た め の 基 盤整 備 化 事 業 は、 農 地 保 有 合 理 化 法人 が 行 う、 ① 農 の 促 進 に関 す る法 律 」が 制 定 され た 。 基 盤 強 地 売 買 等事 業 化 促 進 法 に お いて は 、 「 効率 的かっ安定 的な と当該 信 託 の 委 託 者 に対 す る価格 の一 部 相 当 農 業 経 営 を 育 成 し、 これ らの 農 業 経 営 が 農 業 額 の 貸 付 け(農 地 信 託 等 事 業)、 ③ 農 業 生 産 生 産 の 相 当 部 分 を担 うよ うな農 業 構 造 の 確 立 法 人 に対 す る農 用 地 の現 物 出 資 とそ の 持 分 を の ため 、 育 成 す べ き農 業経 営 の 目標 を 明 らか 法 人 の構 成 員 に分 割 譲 渡 す る農 業 生 産 法 人 出 にす る と と もに 、 そ の 目標 に 向 けて 経 営 改 善 資 育 成 事業 、 ④ 保 有 農 用 地 を利 用 した新 規 就 を 計 画 的 に進 め よ う とす る農 業 者 へ の 農 用 地 農 者 の研 修 等 事 業 、 を内 容 と し、 従 来 の事 業 利 用 の 集 積 、 経 営 管 理 の 合理 化 等 の 措 置 を 総 に比 し大 巾 に拡 充 され た 。 全 農 家水 準 の5∼6割 ② 農 用 地 の 売渡 信 託 の 引受 け 合 的 に 講 ず る。」 こ とを 目的 と して い る。 更 注 目すべ き点 は、 育 成 す べ き経 営 体=担 い に、 都 道 府 県 の 農 業 経 営 基盤 強化 促 進 基 本 方 手 へ の 農用 地 利 用 の 集 積 と農地 保 有 合 理 化 事 針 、 市 町 村 の 農 業 経 営 基 盤 強化 促 進 基 本 構 想 業 が よ り緊 密 な繋 が りを 持 った こ とで あ る。 の 策 定 、 農 業 者 の 作 成 す る農 業経 営 改 善 計 画 従 来 は、農 地 流 動 化=規 模 拡 大 の側 面 が第 一 の 市 町 村 に よ る認 定 制 度 が 創 設 され た。 義 的 に 強 調 さ れ 、 一 方 に お け る農 業 経 営 体 3 (人)の 側 面 との 関 係 が 制 度 の上 で 必 ず し も は、 新 政 策 の方 向 に 沿 った農 業 の 体 質 強化 策 十 分 で なかった 。 わ が 国 の土 地 利 用 型 農 業 に の一 層 の 充 実 とそ の 加速 化 を図 る こ とが 重 要 お け る土 地 問 題 一般 の重 要 性 は い うまで もな で あ る とされ て い る。 そ こで 示 され た 農 業 構 いが 、現 在 の担 い手 問題 の所 在 等 を 考 え る と、 造 を実 現 す るた め に は 、今 後10年 で 過 去10年 制度 的 に両 者 に 有機 的繋 が りを持 たせ る こ と の農 地 流 動 化 の 実績 の2∼3倍 は意 義 の あ る こ とで あ る。 地 の流 動 化 が 必 要 とな る。 農 地売 買 等 事 業 の うち 、従 来 の 農 地 保 有 合 に相 当 す る農 耕 作 目的 の 農 地 移 動 は、 こ こ10年 来 全 国 で 理 化 促進 特 別 事 業 、 担 い手 確 保 特 別 事 業 、 中 8∼9万haの 山 間 地域 特 別 事 業 を 統合 、再 編 して 、 新 特 別 9.5万haに 増 加 した が 、92年 には8.8万haで 事 業 が発 足 す る こ と とな った。 後 者 の2事 業 前 年対 比91%と 減 少 した。80年 頃 まで は、 所 は、 都道 府 県農 業 公 社 が 取得 した農 地 を、 受 有 権 に よ る移 動 が 優 位 を 占め て い た が 、 そ れ け手 農 家 に 一 時 貸 付 け(5年)後 売渡す こと 以 降 は賃 貸借 に よ る移 動 が 増 加 し、 そ の 傾 向 に よ り、 受 け 手 農 家 の負 担軽 減 を 図 る方 式 を は現 在 まで続 い て お り、小 規 模 農 家 か ら上 層 導 入 した。 新 特 別 事 業 は、 新 法 の 趣 旨 に則 り、 の規 模 拡 大 農 家 へ の 農 地 の移 動 が 強 ま って き この考 え を発 展 させ 、認 定 農 業 者 等 育 成 す べ た。 府 県 で み る と、 一 部 に10ha以 き経 営 体 へ の 農 用 地 の集 積 を促 進 す る ため 、 模 稲 作 単 一 経 営 の 農 家 や 生 産法 人 の発 展 もみ 貸 付 け後 売 渡 しの方 式 を積 極 的 に導 入 す る等 られ るが、3ha以 農 業 経 営(人)と へ の経 営 耕 地 の 集 中 が 目立 つ 。90年 セ ンサ ス 農 地 保 有 合 理 化 事 業(土 水 準 で 推 移 して お り、91年 に 上 の大規 上層 と りわ け5ha以 上層 地)と の 関係 を更 に進 展 させ た。 農 業 生 産 法 に よ る と、3ha以 上 層 、 販 売 金 額7百 万 円 人 に対 す る農 用 地 の 現 物 出 資制 度 に つ いて は、 以 上 層 の 農 家数 の増 加 と この 階 層 へ の 生 産 、 出資 農 地 の評 価 、 土 地 利 用 型法 人 の将 来 の経 経 営 耕 地 の 集 中 化 の 動 きが み られ 、 ま た この 営 見 通 し等難 しい問 題 もあ るが 、 農地 保 有 合 階 層 は、 他 階 層 に比 し、経 営 の複 合 化 の動 き 理化 法 人 が 、 経 営 体 の育 成 に直 接 関 わ りを持 が 顕 著 で あ る。 地 価 の 下 落 が著 しい北 海 道 で つ点 で画 期 的 で あ る。 ま た、 都 道 府 県 の 基 本 は、 農 地 の 実 勢 価 格 が 収 益 還 元 価格 を 下 廻 る 方 針 、市 町村 の 基本 構想 と農 地 保 有 合 理 化 事 とい う試 算 もあ るが 、 農 業 の 先 行 きの 不 安 か 業 が 制 度上 一 体 的 な もの とな って お り、 農 地 ら積 極 的 な規 模 拡 大 を た め らわ せ て い る事 情 保 有 合 理 化 法 人 の 側 か らの 、地 域 の農 業 と農 が あ る。 一 方 にお け る農 地 の供 給 層 は、 零 細 農 家 の 山村 の 振 興 の た めの 具 体 的 な 関 わ り方 に つ い て の検 討 も期 待 した い。 他 、 最 近 は土 地 持 ち 非 農 家 の ウ ェイ トが高 く ポ ス ト ・ウル グ ァイ ・ラ ウ ン ドの 構造 対 策 な って い る。 あ とつ ぎの な い 高齢 農家 の離 農 4 や 負 債 整 理 に伴 う農地 の売 却 、労 働力 不 足 や を 段 階 的 に担 い 手 に利 用 集 積(分 散 圃 場 を 改 兼 業 化 の 進 展 に伴 う賃貸 等 に よ り、農 地 の 取 善 しつ つ)す るた め に は、 長 期 保 有 に伴 う リ 引 は、 売 り手 市 場 、貸 し手 市 場 か ら買 い手 市 ス ク負 担 の 軽 減 方 式 を確 立 す る こ とが 緊 急 の 場 、 借 り手 市 場 に転 化 した。 北 海 道 、東 北 等 課 題 で あ る。 の 主 要 農 業 地 帯 にお け る地 価 の下 落傾 向 は 、 また 、 耕 作 放 棄 地 の活 用 を 含 め て 、 農 地 管 この 動 き に拍 車 を か けて い る。 そ の結 果 、 中 理 の シ ス テ ムを どの よ うに構 築 す るか 、 県 公 山 間 地 帯 を 中心 に、 自給 的農 家 の放 出 す る農 社 と市 町 村 段 階 の 農地 保 有 合 理 化 法 人 との 役 地 が 規 模 拡 大 志 向 農 家 に向 わ ず、 耕作 放 棄 地 割 分 担 に配 慮 した 検討 が必 要 で あ る。 更 に、 面 積 は、85年 の9.3万haか 耕 作 放 棄 地 、 低 利 用地 等 につ いて 、 適 切 な土 ら90年 に15万ha に増 加 し、 土 地 持 ち非 農 家分 を加 え る と22万 地 利 用 計 画 を 前 提 と して 農 地 の 多 面 的利 用 も haに 達 す る。 ウル グ ァイ ・ラ ウ ン ドに よ る 視 野 に入 れ た 活 用方 式 につ いて も具 体 化 す る コ メの ミニ マ ム ・ア ク セ スに よ る輸入 米 の 取 必 要 が あ ろ う。 扱 い は明 確 で な いが 、 高 齢 化 や兼 業化 の進 展 によ る離 農 、 経 営 縮 少 の 動 きを促 進 す る もの 平 成6年3月 と思 わ れ る。 (全国 農 地保 有 合 理 化 協 会 副 会 長) これ らの 農 地 をで き るだ け担 い 手 に結 び つ け る こ とが 重 要 で あ るが 、 そ の 育 成 に は相 当 の 日時 を 必 要 とす る。 この た め 、 当 面 受 け 手 の な い 農 地 で 、 今 後 と も農 地 と して 利 用す る こ とが 適 当 な もの につ いて は、都 道府 県農 業 公 社 に 集 積 し、 土 地 改 良 事 業 等 の 各 種 助成 事 業 、 集 合 的 利 用 権 調 整 事 業 等 ソ フ トとハ ー ド の 事 業 の 適 切 な活 用 に よ り、 これ を 段 階 的 に 担 い手 に結 び つ けて い くよ うな 、 中 間 保有 ・ プ ー ル 機 能 を確 立 しな くて はな らな い 。 これ か らの農 地事 情 の下 で は、 県 公 社 の 保 有 期 間 の 長 期 化 が不 可避 で あ り、 農地 価格 の 動 向 か らみ て 、 保有 の長 期 化 に伴 う リス ク負 担 は 、 公 社 の能 力 を こえて 増 大 す るで あ ろ う。 従 って 、 供 給 圧 力 が増 大 す るで あ ろ う農用 地 5
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