自己採血検査が薬局を窓口として実施可能となり、自己 採血セルフチェックに関心がある方から質問を受ける機会 が増えた。通院や健康診断以外で採血検査ができる事に ついて関心はどの程度あるのか、また検査値への理解はど の程度あるのかを明らかにすることを目的として本調査を 行った。 自店でアンケートを作成し、患者様及びその家族、自己採 血についての質問を受けた方を対象に、口頭確認又は直接 記入してもらい実施した。調査期間:H25.10.1~H25.12.1、 調査対象:120名、回答者:102名、回答率85%、男性:女 性(46:56) 倫理規定:本研究は、ツルハホールディングス学術研究発表 審議会の承認を得て行った(承認番号: HD20150002)。 血液検査を受けている(70名/102名)群での検査は通院時が最も多く、次いで健康診断 の順であった(図2)。受けない群(32名/102名)での主な理由として、検査できる施設を知 らない、自費のイメージ等金銭面を挙げる意見が多数であった(図3)。自己採血への興味 は男女ともに30代後半から上昇した。関心のある検査項目は生活習慣病と直結する血糖 遠心分離機 値や肝機能、コレステロールなどに集中した(図4.5.6)。検査値の相談を薬剤師にする 理由として、医師、看護師への相談の時間的制約を挙げる点が多く、検査値の略語表記 確認やサプリメントの併用などの相談も同時にしたいという点が多く挙げられた(図7)。自己 採血の認知度もまだ3割程度の認知であるが、検査費用・時間については、概ね妥当と考 える方が半数であった(図8,9)追加調査で、穿刺についての恐怖心についてもアンケート を実施したが、恐怖心も6割の方がないと回答、恐怖心のある方は、ワーファリンなど血液凝 固阻止剤を服用中の方の不安が大半であった。(参考) 検査キット 自己採血検査は、時間的な制約が無くセルフチェックが可能であり、セ ルフメディケーションに活かすことが可能である。今後、利用者の方に検 査値への理解力の向上及び簡易自己採血検査の認知が広がれば、 個々のセルフメディケーションの向上・医療費抑制にもつながっていくと 推察する。そのためにも、薬剤師が、数値の見方を説明し受診勧奨でき るスキルを身に付けていく必要があると考える。
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