中国の BEPS 行動計画導入の成果—— 『特別納税調整実施弁法

News Flash
China Tax and Business Advisory
中国の BEPS 行動計画導入の成果——
『特別納税調整実施弁法』意見募集稿が
正式に公布
September 2015
Issue 38
概要
2015 年 9 月 17 日、国家税務総局は『特別納税調整実施弁法』意見募集稿(以下、「意見募集稿」)1
を公布し、現行の『特別納税調整実施弁法(試行)』(国税発[2009]2 号、以下、「2 号文」)の内容に
ついて全面的な改定を行いました。2 号文は 2009 年初めに公布され、中国の移転価格と租税回避
防止業務の実施に対し詳細な指針を提供するものです。関連者間取引が複雑さを増し、グローバル
な移転価格や租税回避防止分野における理論と実践がますます進展する中で、2 号文改定の日程
が繰り上げられました。
さらに重要なことに、経済協力開発機構(OECD)は一連の税源浸食と利益移転(BEPS)の行動計画
(以下、「BEPS 行動計画」)を発表し、移転価格算定方法や移転価格同時文書の世界的な新基準、
被支配外国企業規定などの重要な問題についての法整備を提起しています。これらの提起は最終
的に各国の現行の国内法に取り入れられる必要があります。今回の 2 号文に対する全面的な改定
は、BEPS 行動計画の提起を取り入れ、中国独自の要素も数多く盛り込みながら、さらに各法規に散
在している特別納税調整の原則と措置を取り入れてまとめています。意見募集稿の改定内容は先般
お届けしたニュースフラッシュ 2 の 2 号文改定に対する予測と基本的に一致するものです。
多国籍グループの観点から見て、意見募集稿の最も重要な内容は、三層構造の文書体系となる移
転価格同時文書の作成と申告、移転価格分析と調査の強化、特別納税調整及び調査手続の明確
化、持分譲渡や無形資産、関連者間役務等の特殊な取引に対する移転価格管理の増強、より詳細
にわたる被支配外国企業規定等に表れています。利害関係者は、多国籍グループの移転価格方針
や税務コンプライアンス要求、取引及び業務モデルに対して意見募集稿がもたらす影響について検
討すべきでしょう。意見募集稿の内容に関する国家税務総局への意見提出は 2015 年 10 月 16 日
まで可能となっています。
詳細
全体として、意見募集稿は 2
号文の枠組みを残し、元々の
内容に改定を行ったほか、さら
に新たに「無形資産について
の移転価格管理」、「関連者間
役務取引についての移転価格
管理」、「利益水準について
の監督管理」の 3 章を加えて
います。具体的な内容は以下
のとおりです。
関連者関係の定義と関連者間
取引類型の拡大
意見募集稿は、具体的な計算
式を用いて取引の双方に資金
貸借の関連者関係が存在する
かについての判断を行い、高
級管理職者と親族関係の範囲
を詳細化し、「実質的支配」の
定義を加えるなど、関連者関
係の概念について解釈を補っ
ています。「資金、経営、売買
等」において支配関係が存在
することにより関連者関係を構
成する企業について、意見募
集稿は、「双方が持分関係に
ある、もしくは同一の第三者が
持分を有するものの、持分比
www.pwccn.com
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率が 25%未満である基準」との条件
を追加することで、企業間の関連者
関係を判定する可操作性を高めてい
ます。国有企業については、意見募
集稿は「国が持分を保有すること、あ
るいは国有資産管理部門より経営陣
や董事等が派遣されていることのみ
によって」関連者関係があるとは見な
さないことを明確に示しており、立法
の合理性が向上していることが窺わ
れます。

また、意見募集稿は関連者間取引の
類型について改定と補足を行い、初
めてキャッシュプーリング業務と持分
譲渡を関連者間取引の範疇に含め
ることを明確化しています。
同時文書体系と国別報告書をともに
重視
意見募集稿は BEPS 行動計画 13
(移転価格同時文書及び国別報告)
の定義を参考にし、またそれを大い
に取り入れて、第二章「関連者申告」、
第三章の「同時文書」においてマスタ
ーファイル、ローカルファイル、国別
報告書、さらに関連者間役務、コスト
シェアリング契約及び過少資本に関
する「同時文書特殊事項ファイル」の
要求を提示しており、税務機関がより
多くの多国籍グループの経営と税務

情報を収集し、移転価格の調査と評
価を行うための便宜が図られていま
す。

2
マスターファイル:この新たな文
書要求は、多国籍企業のグロー
バル経営と税務情報について、
中国の税務機関がいっそう明確
に把握できるようにするためのも
ので、グループの利益創出にお
ける重要な価値原動力(バリュー
ドライバー)及びグループ内各企
業の貢献、主要なサプライチェー
ンと業務市場、グループの重要
な関連者間取引、業務のリストラ
クチャリング、無形資産に関する
取り決め、財務及び税務状況等
が含まれています。言うまでもな
く、マスターファイルの作成には、
グループのグローバル業務やバ
リューチェーン、核心的な競争力
についての十分な理解が必要で
あり、一般的には中国の外商投
資企業が自らマスターファイルの
作成作業を行うことは不可能で
す。
ローカルファイル:ローカルファイ
ルは基本的に現行 2 号文の要
求する関連者間取引に係る同時
文書の内容を踏襲するものです。
しかし、中国企業の関連者間取
引情報の開示においては、企業
のローカルファイル作成の分析
水準と範囲に対し、さらに高い要
求を提示するものとなっています。
グループ内部の取引対象のバリ
ューチェーン分析や各業務段階
の関与者の財務諸表、グローバ
ルバリューチェーンにおけるグル
ープ利益の配分原則と配分結果、
国外投資データ、関連者間持分
譲渡の価格算定方法、関連者間
役務取引の原価費用の計算及
び集計方法、配賦基準、さらには
企業の属する税務管轄区とは無
関係だが、その企業が行ってい
る関連者間取引に関係している
事前確認、その他の所轄税務当
局の税務裁定資料など、一部の
資料は企業にとって比較的準備
が難しいものもあるかもしれませ
ん。
国別報告書:この新たな文書は、
多国籍グループのグローバルメ
ンバーの実体のリスト、各実体の
収入配分、納税状況及び関連の
経済活動情報を要求するもので
す。国別報告書は通常多国籍グ
ループの最終持株会社が作成し
てその居住国で申告する必要が
あるもので、中国は情報交換方
式により国別報告書を取得する
ことになります。これに対して、意
見募集稿では、国外の最終持株
会社が国別報告書を作成してい
ないか、または中国が情報交換
を通じて当該報告を取得できな
い場合、税務機関は特別納税調
査の過程で中国国内企業に国
別報告書の提出を要求できるこ
とも規定しています。
同時文書の作成免除について、マス
ターファイルとローカルファイルは現
行 2 号文の同時文書作成免除の規
定を基本的に踏襲しており 3、「関連
者間売買取引金額が 2 億人民元以
下」かつ「その他の関連者間取引金
額が 4,000 万人民元以下」である場
合、「関連者間取引が事前確認で決
められた範囲内」にある場合、あるい
は「国内関連者との間でのみ関連者
間取引が発生」する場合においての
み、同時文書の作成が不要もしくは
免除されるとしています。国別報告書
については、「企業が多国籍グルー
プの最終持株会社で、グループの前
年度の連結売上高が 50 億元を超え
る場合」、もしくは「当該企業の最終
持株会社は中国国内にないが、当該
企業が多国籍グループに国別報告
書の申告メンバーの実体として指定
されている場合」においては、年度の
企業所得税納税申告の際に国別報
告書を提出することが必要であり、そ
れは『企業年度関連者間業務取引報
告書』の一部分を構成することになり
ます。国別報告書は BEPS 行動計画
が提起する移転価格同時文書の構
成要素であることから、意見募集稿
の 50 億元という免除基準は、BEPS
行動計画が規定する 7.5 億ユーロの
免 除 基 準 と ほ ぼ 一 致 して い ま す 。
OECD の試算によれば、7.5 億ユー
ロを国別報告書書の免除基準とする
ことにより、85%から 90%の多国籍
企業グループが国別報告書の作成
を免除されますが、国別報告書を申
告しなくてはならない多国籍企業は、
なお世界の企業収入のおよそ 90%
を占めます。したがって上記の免除
基準は、企業の納税申告の負担と税
務機関の便益において、適度なバラ
ンスが取れていると言えます。
上述の同時文書以外に、意見募集
稿ではさらに以下の 3 つの「同時文
書特殊事項ファイル」を規定していま
す。



関連者間役務の特殊事項ファイ
ル
コストシェアリング契約の特殊事
項ファイル
過少資本の特殊事項ファイル
提出期限について、マスターファイル
とローカルファイルは 2 号文の規定
普华永道
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を踏襲し、翌年の 5 月 31 日までに作
成を完了し、税務機関の要求を受け
てから 20 日以内に提出することとさ
れています。また、BEPS 行動計画
13 では、国別報告書は 2016 年及び
それ以降の年度より適用するとされ、
多国籍グループに対し 1 年の準備期
間が与えられています。この行動計
画に対する世界の協調体制に鑑み
て、中国も BEPS 行動計画の提起と
歩調を合わせていくことが予想されま
す。すなわち、中国が BEPS 行動計
画を採用すれば、多国籍グループは
2017 年中に作成した国別報告書を
税務機関に提出することにより、
2016 年度のグローバル各実体の経
営状況と納税状況を開示する必要が
あります。今回の 2 号文改定におい
て、同時文書は多国籍企業にとって
最も注目される重要点の 1 つであり、
私どもは近く次回の「移転価格ニュー
スフラッシュ」の中で、新たな同時文
書要求とその多国籍グループへの影
響についてご紹介する予定です。
て二重課税の状況の発生を回避して
いくか、今後の展開を見守っていく必
要があります。
いっそう複雑となった移転価格算定
方法
また、意見募集稿は一部の特殊取引
の特別納税調整方法をさらに明確化
しており、経済的実質を備えていない
関連者間取引を認めず、もしくは再
度判定するとし、また来料加工業務
の利益水準に対して調整を行うととも
に、比較可能性の調整範囲を限定す
るなどとしています。意見募集稿では
これら調整方法の根拠を説明してい
ませんが、関連者間取引の実質を基
準に、必要な場合、取引の当事者や
取引内容を認めず、もしくは再度判
定することは、BEPS 行動計画 8 か
ら 10 までの成果を踏まえたものです。
第四章「移転価格算定方法」におい
て、意見募集稿は独立企業原則を遵
守する姿勢を堅持しています。
2 号文における 5 つの伝統的な移転
価格算定方法 4 のほかに、意見募集
稿ではまた「価値貢献分配法」と「資
産評価方法」を「その他の方法」とし
て初めて明確化しています。意見募
集稿の規定によれば、価値貢献分配
法は通常、比較対象取引の情報取
得が困難であるものの、連結利益と
価値要素における貢献度を合理的に
確定できる取引に適用されます。具
体的には、価値貢献分配法は、価値
創造要素の多国籍グループの利益
に対する貢献度を分析することによ
り、連結利益をそれぞれの国の関連
者の間で分配しようとするものです。
分配の際には、価値の貢献に関わる
資産や原価、費用、売上高、従業員
数等の 1 つもしくは複数の要素の組
み合わせが検討されることになりま
す。中国税務機関が今後の実務の
中で、どのようにこの全世界的分配
方法を適用し、相互協議手続におい
3
また、意見募集稿では使用する資産
を機能リスク分析の一部分に含め、
さらにベンチマーキング分析におい
て検討すべき要素について、特に地
域性の特殊要因(主にマーケットプレ
ミアムやロケーションセービング)や
グループ内部のシナジー効果、マー
ケティング型無形資産などにわたり
詳細に言及しています。これらの解
釈には『OECD 多国籍企業及び税務
当局のための移転価格ガイドライン』
の内容が大いに取り入れられていま
す。
特別納税調査手続の規範化、特別
納税調整方法の明確化
意見募集稿第五章では 2 号文規定
の移転価格調査手続についてより詳
細に述べ、また調査手続の適用範囲
をその他の特別納税調整事項にまで
拡大しています。
また意見募集稿は、第五章において
企業の電子情報システムに対し調査
を行うことにも触れています。意見募
集稿は、電子情報システムを採用し
管理や計算を行っている調査対象企
業に対し、税務機関が税収徴収管理
法およびその実施細則の規定に基
づき、関連の税務関連資料の提供を
要求できることを明確に指摘していま
す。
そのほか、第五章ではさらに国税函
[2006]901 号通知の公布以来多くの
論争が行われてきた「帳簿調整」の
問題(実務においては「二次調整」と
も称する)について明確化しています。
意見募集稿では企業が特別納税調
整に基づき追徴税を納付した後に、
帳簿調整を行うよう要求しています。
帳簿調整が行われない場合、加算調
整された課税所得額は企業の投資
家に対する利益配当と見なされ、投
資家に対して配当金に基づく課税が
行われることになります。所轄税務機
関は期限内に加算調整された課税
所得額を国内に送金するよう企業に
要求することができ、期限を超えても
送金が行われない場合は、上記の帳
簿調整を行っていないものと見なさ
れます。「相応の帳簿調整」の規定は
間違いなく中国税務機関による移転
価格調整の権限を大きく強めるもの
です。ただし、現在のところ、中国税
務機関が「相応の帳簿調整」に関連
する下記の問題についてどのように
対応するのかは、はっきりしません。




相応の帳簿調整をどのように定
義するのか?
企業に期限内の「加算調整した
課税所得額」の送金を行うよう
「要求することができる」ことをど
のように理解すべきか?所轄税
務機関はどのように選択権を行
使するのか?
利益の海外からの送金は現行
の外貨管理制度とどのように連
係しているのか?
「相応の帳簿調整」後に、投資家
は居住国において税の減免を申
請することが可能か?
持分譲渡についての移転価格管理
関連者の持分譲渡の問題は既にこ
こ近年において税務機関が注目する
重要点となっていました。意見募集
稿では多くの章で関連者間の持分譲
渡に対する移転価格管理について触
れています。第三章と第四章で、意
見募集稿は持分譲渡に独立価格比
準法を適用する際のベンチマーキン
グ分析要素について明確化するだけ
でなく、関連者間の持分譲渡に対す
るローカルファイルの開示要求も加
えています。
PwC
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また、実務上、持分譲渡の関連者間
取引および一部の無形資産取引の
価格算定が困難であることを考慮し
て、意見募集稿では、資産評価に用
いるコストアプローチやマーケットア
プローチ、インカムアプローチを適用
する事例を示し、伝統的な移転価格
方法では評価が難しい関連者間の
資産譲渡取引の問題の解決を図っ
ています。これらの方法は税務機関
がここ近年で処理した案件において
も比較的多く応用されています。
無形資産の移転価格管理
意見募集稿で新たに加えられた章と
して、第六章「無形資産」は、中国税
務機関がこのテーマを重視し、継続
的に注目していることを反映している
と言えます。第六章は、無形資産、無
形資産の法的所有権者、経済的所
有権者、無形資産の収益等の重要
概念について定義し、また「無形資産
の収益分配は経済活動と価値の貢
献度に相応するものでなければなら
ない」とする全体原則を強調していま
す。これは BEPS 行動計画の無形資
産の利益分配における重要要素に
対する規定と一致するものです。具
体的には、無形資産の収益分配の
際において、意見募集稿は、グルー
プ内の各関連者の無形資産に対す
る開発、価値向上、維持、保護、応用、
普及に果たしている機能と使用した
資産、負担しているリスク、さらに投
入した資金、人的資源およびその他
の資源について分析し、無形資産の
価値創造に対する貢献度を判定する
よう企業に要求しています。また、地
域性の特殊要因やグループ内部の
シナジー効果等の価値創造の要素も、
無形資産の収益確定時において検
討されるべきであるとしています。意
見募集稿はまた関連者間のロイヤリ
ティ料率の調整方法について、さらに
詳細な指針を提供しています。中国
税務機関にとって、意見募集稿の規
定はさらなる可操作性を備えつつ、し
かし他方、多国籍企業の管理と無形
資産取引に関する移転価格方針に
対して、さらに多くの課題と不確定性
ももたらしていると言えます。
4
国家税務総局公告[2015]16 号公告
(16 号公告)5 における姿勢と同じく、
意見募集稿は無形資産の法的所有
権を有するのみで無形資産の価値に
貢献していない関連者は、無形資産
による収益の分配に与るべきではな
いとしています。ここで注意すべきは、
BEPS 行動計画 8 から 10 に基づき、
無形資産に対する開発、価値向上、
維持、保護、応用の過程の中で、資
金を提供するだけで、実際にはいか
なる関連の「重要な機能」も果たさず、
相応のリスクをコントロールしている
関連者に対して、リスク負担なしの収
益のみを受け取ることができるとして
いる点です。また無形資産に対して
出資し、関連の財務リスクを負担す
るものの、無形資産に関するいかな
る機能も果たさない関連者に対して
は、出資に係る収益に、リスク負担に
相応した収益を加えたもののみを稼
得することができるとされています。
関連者間役務取引についての移転
価格管理
関連者間役務取引についての移転
価格管理は同じく意見募集稿に新た
に加えられた章(第七章「関連者間
役務」)です。意見募集稿では、関連
者間役務取引は独立企業原則に従
うべきであるとし、具体的には 1)関
連者間役務は受益性を有する役務
であること、2)代金の支払いもしくは
受け取りは独立企業原則に基づくこ
とを指摘しています。もし企業が関連
者による非受益性の役務の提供を受
けて、その代金を支払った場合、税
務機関は調整を行わなければならず、
企業の課税所得算定時において損
金不算入とされます。当該原則と調
整方法は 16 号公告で示されたもの
と基本的に一致するものです。
意見募集稿は、本章の最後で関連
者間役務に対する同時文書の特殊
事項ファイル」について具体的に規
定しています。しかし当該特殊事項フ
ァイルに「関連者間取引金額 4,000
万」の免除基準が適用できるかどう
かは現時点では判断できず、今後国
家税務総局によりこの問題が明確化
されることが望まれます。
ここで指摘すべきは、意見募集稿で
は「受益性を有する役務」について詳
細な説明を行っていることです。以前
から実務において税務機関により関
連者間役務の審査で行われてきたそ
の他のテスト(重複性テストや対価性
テストなど)は、いずれも「受益性を有
する役務」におけるテストの中で示さ
れ、立法面での厳格化が図られてい
ます。
事前確認と相互協議手続
意見募集稿第八章「事前確認」は、
事前確認について詳述し、また企業
の事前確認申請を優先的に受理す
る場合と受理を拒否する場合につい
て明確化しています。ここ近年の傾
向 6 から、企業が提出した申請資料
に不備がなく、バリューチェーンある
いはサプライチェーンに対する全面
的かつ明確な分析を行い、マーケット
プレミアムやコストセービング等の地
域性の要因を十分に考慮し、合理的
な移転価格原則と算定方法を採用し
ようとするものが、優先的に受理され
やすいようです。また、事前確認に関
係する相手国の締結意向や重視の
度合いも検討要因の 1 つとしていま
す。
意見募集稿では同時に、企業が事前
確認の意向表明書を提出する前に、
税務機関が既に当該企業に対して
特別納税調整の立件調査を行ってい
る場合や、事前確認の更新を申請す
る企業が、従来の事前確認で四分位
レンジを採用し、確認対象期間にお
ける加重平均利益水準が中位値を
下回る場合、または企業にその他移
転価格において不適切な状況が認
められる場合、税務機関は企業の提
出した事前確認の申請意向の受理
を拒否することができることを明確に
示しています。
先頃より、地方の一部税務機関では、
企業の事前確認の申請を正式に受
理する前に、まず企業の過年度の関
連者間取引について移転価格調査
を行い、企業の移転価格における法
規遵守レベルや潜在的な移転価格リ
スクについて全面的な評価をが行わ
れる傾向にあるようです。企業にお
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かれては、事前確認の申請前に実行
可能性について十分に検証作業を
行っておくことをお勧めします。
また、BEPS 行動計画への参画、「一
帯一路」の支援作業プログラムの制
定過程のいずれにおいても、国家税
務総局は相互協議の業務を強化し、
中国税務機関のクロスボーターの税
務紛争の解決能力を向上する必要
性に言及しています。今回の意見募
集稿第十四章「関連調整及び相互協
議」では、2 号文を踏まえて移転価格
に関する相互協議手続をさらに最適
化し 7、所轄税務機関に相互協議の
結果に基づき、適切に追徴および還
付業務を行うことを明確に要求して
おり、移転価格調整等の特別納税調
整事項による二重課税問題の回避
のために、セーフティネットを提供し
ています。とりわけ、意見募集稿で、
相互協議の結果に基づく税額の還付
が初めて所轄税務機関に対して提示
されたことが、移転価格に関する相
互協議手続にとって大きな前進であ
ることは間違いなく、企業の二重課税
回避をサポートするための、中国税
務機関の新しい重要な取り組みであ
ると言えます。
コストシェアリング契約手続が簡素化
されることで、多国籍グループは今
後さらにコストシェアリング契約を利
用し、グループ内各メンバーが無形
資産の共同開発/譲渡、もしくは役務
の共同提供/受領に参画するために、
移転価格に関する支援を提供するよ
うになるものと予想されます。また意
見募集稿では、コストシェアリング契
約において事前確認の方法を採るか
どうかを問わず、コストシェアリングに
参画する企業はすべて翌年の 5 月
31 日までに当該年度のコストシェア
リング契約に係る特殊事項ファイル
の作成を完了しなければならないこ
とを規定しています。
注意すべき点として、意見募集稿は
依然として 2 号文の中の「役務に関
するコストシェアリング契約は、通常
グループ内調達やグループのマーケ
ティング戦略に適用される」との規定
を残しており、グループがコストシェ
アリング契約の方法により役務の共
同提供/受領を行うことについて、国
家税務総局は依然としてやや慎重な
態度を取っていることが窺えます。
5
現在、中国政府は企業の国外進出を
奨励しており、被支配外国企業に対
する関連政策の明確化は、国外進出
企業の税務法規遵守に役立ち、また
中国税務機関の税務執行に対し、よ
り多くの指針を提供していると言えま
す。
過少資本管理
2 号文に対し、意見募集稿第十一章
「過少資本」の改定による主な変更
点は、以下のとおりです。


被支配外国企業
中国企業の国外投資活動がますま
す盛んになっていることに鑑み、国家
税務総局は既に 2014 年から被支配
2 号文の対応する章節に対し、意見
外国企業に対する情報収集の強化
募集稿第九章「コストシェアリング契
を開始していますが 9 、被支配外国
約」における変化は、以下の点に示
企業規定に関する説明と実施基準に
されています。
ついては、依然として具体的な説明
は与えられていません。現行 2 号文
 参画者の成果に対する所有権を
でいくつかの原則的な規定が示され
強調。
てはいるものの、それについてどう解
 地域性の特殊要因評価を、費用
釈すべきかは、実務において企業が
配分確定時の検討要素に含める。
関連の被支配外国企業情報を申告
 無形資産もしくは役務の予測利
書に記入する際に難題となるでしょう。
益を算定する際に、予測利益の
算定基準に、無形資産もしくは役
意見募集稿第十章は、被支配外国
務の特性を反映させることを要
企業規定に関する重要概念(「実際
求。
の税負担」や「単一所有」など)につ
 企業がコストシェアリング契約を
いて解説し、また BEPS 行動計画 3
実行する際の国家税務総局へ
のレポートにおける、「合理的な経営
の段階的な申告は不要となり、
上の必要」や「所得の属性」をどのよ
企業の企業所得税申告書提出
うに判定すべきかに関する提案を引
の際に、コストシェアリング契約
用して、被支配外国企業規定につい
書などの関連資料を添付するの
て更なる指針を示しています。さらに
みでよい 8。
重要な点は、意見募集稿では被支配
コストシェアリング契約についての管
理
外国企業の「帰属すべき所得」(すな
わち被支配外国企業の利益のうち居
住者企業に帰属すべき部分)に対す
る詳細な判定根拠と算出方法を明確
化し、現行 2 号文のこの面での空白
を補足していることです。

関連者による債権投資の範囲を
拡大し、流動負債やキャッシュプ
ーリングの使用も、関連者間融
資の範疇に含めて管理を実施し、
利息の範囲について詳細な説明
を行っている。
関連者間の負債資本比率の算
定方法は、月次計算から取引ご
との逐次計算に改められ、計算
方法がさらに厳格化されている。
同時文書内に独立企業意向基
準などの項目が加えられている。
関連者はグループ資金に対し関連の
割り当てを行う際、上記規定の変更
による税務上の影響についてこれま
で以上に検討する必要があります。
最近、各地の所轄税務機関は過少
資本に関する同時文書管理業務を
強化しており、関連者間の負債資本
比率基準を超える企業については、
過少資本に関する同時文書を提供
するよう要求しています。これに対し、
関係企業のうち、特にキャッシュプー
リングの管理者としてマスター口座を
有する企業におかれては、過少資本
の問題に注意し、且つ過少資本に関
する同時文書の特殊事項ファイルの
作成と保存を行っておくことをお勧め
します。
一般的租税回避防止管理
意見募集稿第十二章「一般的租税回
避防止」では、『一般的租税回避防
PwC
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止管理弁法(試行)』の原則的条項を
踏まえ、2 号文の関連章節の内容を
補足し、改めて一般的租税回避防止
規定の適用範囲や主な特徴、検討
要素などについて強調しています。こ
こで注意すべきは、意見募集稿にお
いて、企業と関連者との間に委託や
代理、信託、またその他の方法によ
る関連者間取引の隠蔽が行われて
いることを税務機関が確認した場合、
税務機関は経済的実質に基づいて
関連者間取引と認定することができ
るとしていることです。全体として見る
と、本章の内容は、『一般的租税回
避防止管理弁法(試行)』および現行
2 号文と比べ大きな変更は行われて
いません。
利益水準に対する監督管理
近年、国家税務総局の高官が様々
な場で多国籍企業の利益水準に対し
監督と管理を強化する意向を示して
きました。意見募集稿で新たに加え
られた章の中では、この要請に対応
し、関連者間取引のリスクにランク付
けを行う制度の確立や、企業の利益
水準に対する動態管理の実施、税務
コンプライアンス意識の低い高リスク
企業に対する特別納税調査の実施、
また特別納税調査を実施した企業に
対する追跡管理の継続など、税務機
関の監督管理業務に指針を与えるも
のとなっています。これは現在国際
的にも注目されている、リスク管理を
税務監査に関係づけていく方向性と
も一致するものです。注目すべき点と
して、意見募集稿では納税者の自主
調整実施に対する奨励をさらに明確
化しつつ、税務機関が自主調整を行
った納税者に対し、依然として特別納
税調整の調査を実施する権限を有す
ることを強調しています。この規定は
国家税務総局公告[2014]54 号の規
定に呼応するものです。また、意見
募集稿では 2 号文中にあった 5 年
間の追跡管理期間についての規定
を削除しており、税務機関は企業の
実際の状況に基づき追跡管理期間
を調整できるようにしています。
本章の内容は国家税務総局が長期
にわたり強調してきた管理、サービス、
調査の三位一体の租税回避防止シ
6
ステムの最適化に合致するものであ
り、税務機関の今後の租税回避防止
活動において堅持されていくであろう
リスク誘導型管理の基本姿勢を反映
し、多国籍グループの移転価格問題
に対し、税務面でさらに高度な要求
を提示したものとなっています。
また、多国籍グループにとって最も関
心が持たれるのは、マスターファイル、
ローカルファイル、国別報告書、なら
びに関連者間役務、コストシェアリン
グ契約及び過少資本の「同時文書特
殊事項ファイル」の作成であり、中で
もマスターファイルと国別報告書が意
識されるかもしれません。多国籍グ
重要点
ループはまずこの作業の実施に必要
2 号文の最終改定稿は今年末までに
な資源の要件について検証を行い、
正式に公布される見込みで、2016 年
有効な情報収集システムを確立して、
1 月 1 日から発効する可能性があり
資源をより適切に配置し利用していく
ます。2 号文の改定は国家税務総局
必要があります。また、多国籍グル
が BEPS 行動計画の中国での導入
ープは中国 2 号文改定稿の要求を
を果たす重要な取り組みであり、意
含め、グローバル子会社の所在地で
見募集稿には現在の国際税務分野
移転価格同時文書に対し提示された
における最も先進的な租税回避防止
新たな要求に対応するために、移転
理念が取り入れられ、間違いなく中
価格方針について更新を行う必要性
国の国際税務体制にとって画期的な
をさらに検討されるべきです。これら
一歩となると言えます。これに対し、
の作業は多国籍グループの最終持
納税者(特に多国籍グループ)にお
株会社と各メンバー会社(中国国内
かれては、できる限り早急に意見募
会社を含む)が協力し、早急に準備
集稿の関連内容についてよく検討し、 を進めていく必要があります。
経営活動等税務管理にもたらされる
2 号文が施行されたこの 7 年間で、
影響について事前に準備を進めてお
中国税務機関の移転価格に関する
かれることを、強くお勧めします。
調査と調整は成熟してきているもの
特に注目すべきは、意見募集稿では、 の、その他の特別納税調整の応用
ベンチマーキング分析により適切な
は実務において大変少ないものでし
移転価格算定方法を確定する際に、
た。中国経済の国際化が進むにつれ、
地域性の特殊要因を経済環境の検
特に国外投資の飛躍的な発展の中
討すべきポイントとしなければならな
で、中国税務機関のその他租税回避
いとしていること、無形資産による収
防止強化の姿勢は既に固まってきて
益を確定する際に、地域性の特殊要
おり、意見募集稿でも引き続き被支
因による価値創造を全面的に検討す
配外国企業や一般的租税回避防止
ること、関連者の費用配分において、
等の適用基準や手続を詳細に取り
地域性の特殊要因による影響につい
上げていることは、この姿勢の表れと
て分析を行うべきこと、地域性の特
言ってよいものです。
殊要因の分析を取り入れた事前確認
意見募集稿への意見提出の締め切
の申請は優先的に受理を受けられる
りは 2015 年 10 月 16 日となってい
チャンスがあることなど、多くの箇所
ます。意見募集稿に対するどのよう
で地域性の特殊要因について言及し
な意見や提案も、当該期間中に国家
ていることです。これらの規定は中国
税務総局に提出することが可能です。
税務機関の近年一貫した態度と合致
また私どもカスタマーサービスチーム
するものであり、これを踏まえて、多
にご連絡いただければ、いただいた
国籍グループがグループ内の関連
ご提案をまとめ、国家税務総局に提
者間取引の移転価格方針を策定す
出させていただきます。
る際には、地域性の特殊要因の重要
性を十分に認識し、グループ全体で
注記
地域性の特殊要因について徹底した
1. 意見募集稿の全文は国家税務総局
分析を行っていく必要があります。
公式ウェブサイト
http://www.chinalaw.gov.cn/art
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory
icle/cazjgg/201509/2015090047
9042.shtml をご参照ください。
2.
2 号文改定に関する予測は、China
Tax News Flash Issue 31, 2015 を
ご参照ください。
3.
7
4.
5 つの伝統的な移転価格算定方法
5.
詳しくは、 China Tax News Flash
Issue19, 2014 および Issue15, 2015
をご参照ください。
6.
詳 し く は 『 中 国 APA 年 度 報 告
(2013)』をご参照ください。
7.
2013 年に国家税務総局は先に『税
2 号文第 12 条の規定によると、企
業の年間関連者間売買取引金額が
2 億人民元以下で、その他の関連者
間取引金額が 4,000 万人民元以下
である場合、同時文書の作成が免
除されます。また、関連者間取引が
事前確認で決められた範囲に属し、
あるいは外資の持分が 50%未満で
国内関連者間においてのみ関連者
間取引が行われている場合も、同時
文書の作成が免除されます。
は、独立価格比準法、再販売価格
基準法、原価基準法、取引単位営
業利益法、利益分割法です。
収協定相互協議手続実施弁法』(国
家税務総局公告 [2013]56 号)を公
布していますが、移転価格に関する
相互協議手続には適用しないことを
明確に表明しています。
8.
2015 年 5 月、国務院は『非行政許
9.
国家税務総局公告[2014]38 号、詳
し く は China Tax News Flash
Issue17, 2014 をご参照ください。
可審査認可事項の取り消しに関す
る決定』を公布し、コストシェアリング
契約が独立企業原則に基づいてい
るかについての国家税務総局による
審査を取り消しました。その後、国家
税務総局は国家税務総局公告
[2015]45 号(45 号公告)を公布し、
当該決定の履行を徹底しています。
意見募集稿の 2 号文に対するこの
点での改定は、 45 号公告と一致し
ています。
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory
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China
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PwC’s China Transfer Pricing Service has approximately 200 dedicated transfer pricing professionals in
China with knowledge in economics, accounting, law, efficient project management skills and in-depth industry
experience. We help clients to develop tax efficient structures to increase compliance with transfer pricing
regulatory requirements, prepare for rapid audit responses, resolve disputes, and decrease future adjustment
exposure. To offer global support to our clients, we work closely with our global transfer pricing network
comprised of more than 100 partners and 1,500 dedicated professionals in over 50 countries.
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す。行動に移される前に、PwC クライアントサービスチームより御社の状況に特化したアドバイスをお求めになれますようお願いいたします。本ニュースフラッ
シュの内容は 2015 年 9 月 17 日時点に編集されたものでありその時点の法律および情報に基づいております。なお日本語版は中国語版を基にした翻訳で、
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News Flash
China Tax and Business Advisory
Localisation of BEPS Actions in
China – discussion draft of
Implementation Measures of
Special Tax Adjustment
September 2015
Issue 38
In brief
On 17 September 2015, China’s State Administration of Taxation (SAT) released the discussion draft of
Implementation Measures of Special Tax Adjustment (Discussion Draft)1 to revise and upgrade the
existing Implementation Measures of Special Tax Adjustment (Trial) (Guoshuifa [2009] No.2, Circular
2). The current Circular 2 was issued in early 2009 and was regarded as a master guide on the transfer
pricing (TP) and anti-tax avoidance rules in China. However, with the deepening complexity of related
party transactions, as well as the development of global TP and anti-tax avoidance practice, the revision
of Circular 2 was put on the agenda.
Most importantly, the Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) has released a
set of Action Plans to address base erosion and profit shifting (BEPS), and proposed recommendations
to tackle tax avoidance by multinational corporations (MNCs) and address perceived flaws in the
international tax rules. All these recommendations will eventually be reflected in the domestic laws of
participating countries. The Discussion Draft makes reference to the recommendations in BEPS Action
Plans and China’s specific issues. It also incorporates some rules and principles in special tax
adjustments spread out in existing SAT circulars. We have already shared what to expect on the revision
of Circular 2 in our recent News Flash2 and are glad to find that the content of the Discussion Draft is
basically in line with our forecast.
For MNCs, the key changes of the Discussion Draft include 1) the introduction of the three-tier TP
documentation (TPD) requirement; 2) detailed procedures of special tax adjustments and investigation;
3) additional TP administration rules on equity transfers, intangibles, and intercompany services; and 4)
refined controlled foreign corporations (CFC) rules, etc. Relevant stakeholders should proactively
analyse the potential impact of the Discussion Draft on their TP strategies, tax compliance, existing
transactions and business models, and provide their comments to the SAT before 16 October 2015.
In detail
Generally, the Discussion Draft
follows the original framework
of Circular 2, and adds three
new chapters, i.e. ‘Intangibles’,
‘Intercompany Services’ and
‘Monitoring on Profit Levels’.
We summarise the key points of
the Discussion Draft and share
our insights as below:
Clearer definition of
related parties and
expanded scope of related
party transactions
The Discussion Draft further
explains how to recognise
related parties, such as
introducing a formula to assess
whether a related party should
be recognised due to a loan,
refining the scope of senior
executives and relatives,
defining the concept of
‘effective control’, etc.
For enterprises regarded as
related parties in terms of
effective control in ‘financing,
business operations, or
purchase and sales, etc.’, the
Discussion Draft adds one
criterion ‘there is a
shareholding relationship
between the two parties or they
are both controlled by a
common third party with a
threshold below 25%’, which
further facilitates the
implementation of determining
whether a related party
relationship exists.
For state-owned enterprises,
the Discussion Draft clarifies
that relationships in which ‘the
state is the sole shareholder, or
senior executives and
www.pwccn.com
News Flash — China Tax and Business Advisory
directors are assigned by the stateowned asset management sectors’
shall not be deemed as related party
relationships.
existing Circular 2. However, it
poses a higher standard for the
quality and scope of analysis in
relation to related party
transaction. Some documents may
not be easy to prepare, such as:
Meanwhile, the Discussion Draft also
expands the scope of related party
transactions, in particular by
capturing cash pooling arrangements
and equity transfers.


Contemporaneous
documentation and Country-byCountry Reporting (CbCR)
requirements
With the aim to collect more taxrelated information on MNCs’
businesses operation and conduct
transfer pricing risk assessment, the
Discussion Draft follows the approach
set out in the BEPS Action Plan 13
(Guidance on TPD and CbCR) and
introduces the requirements in master
file, local file and CbCR, as well as
‘special issues file’ which covers
intercompany services, cost sharing
agreements (CSA) and thin
capitalisation. Taxpayers should
review Chapter 2 ‘Reporting of Related
Party Transactions’ and Chapter 3
‘Contemporaneous Documentation’ to
determine whether their transactions
constitute related party transactions
and what type of information to
include in their TPD.

Master file: This new file focuses
on details about MNCs’ global
business and tax-related
information, which would help
Chinese tax authorities get a
clearer picture of MNC’s overall
operation. The master file
includes but is not limited to the
following information:
−
−
−
−
−
group’s key value drivers of
profit,
contribution to value creation
made by each group member,
major supply chain and
business markets,
important related party
transactions, including
restructuring, arrangements
on intangible assets, etc.
financial and tax status , etc.
Obviously, MNCs’ Chinese entities
may find it difficult to prepare the
master file on its own as the
preparation relies on a profound
understanding of the group’s
global business, value chain and
core competitiveness.

10
Local file: Overall, the content of
local file is similar to what was
required in TPD chapter under






value chain analysis on the
intra group transactions,
financial statements of the
involved parties of the
transaction,
profit allocation principle and
allocation outcome of the
group’s profit in the global
value chain,
outbound investment projects,
pricing method of the related
party equity transfers,
calculation of cost and
expense for the intercompany
services as well as the
allocation key,
Advance Pricing Agreements
(APAs) relevant to the
involved related party
transaction signed by other
group members in other
jurisdictions,
advance tax ruling of the
other competent tax
authorities, etc.

Special issues file: This new file
is required for taxpayers engaging
in intercompany services
arrangements, cost sharing
agreements, or falling under thin
capitalisation requirements.

CbCR: This new documentation
requirement requests MNCs to
disclose a name list of all the
group members, information
relating to MNC’s allocation of
global income, tax paid, relevant
economic activities, etc. CbCR
should be prepared by the
ultimate holding company of the
MNC group and submitted to the
tax authority in its resident state,
in which the Chinese tax
authorities could then obtain the
CbCR by exchange of information
(EoI). Nevertheless, if the overseas
ultimate holding company is
obliged to file the CbCR in
accordance with its domestic
legislation, but fails to do so; or
China could not obtain it through
EoI, Chinese tax authorities still
have the right to request the
MNC’s Chinese entities to provide
the CbCR in the event of an audit
on special tax adjustment.
Taxpayers are required to prepare
TPD comprising the master file and
local file if they have total annual
related party purchases and sales of
RMB 200 million or greater, or total
other related party transactions of
RMB 40 million or greater. In
addition, enterprise with limited
function and risk profile but suffering
operating loss needs to prepare master
file and local file regardless of its
related party transaction amount.
Exemptions apply for taxpayers if ‘an
APA is in place’, and ‘related party
transactions are with domestic related
parties only’3. There is no exemption
threshold for special issues file in the
Discussion Draft.
As for the CbCR, if ‘the enterprise is
the ultimate holding company of the
group and the consolidated revenue of
the group exceeds 5 billion in the last
fiscal year’, or ‘the ultimate holding
company of the group is located
outside China but it is appointed by
the group as the Reporting Entity of
CbCR’, then the CbCR has to be
completed as part of the ‘Related
Parties Relationships Form’ during the
annual CIT filing. CbCR is part of the
TPD recommended in the BEPS
report, and the RMB 5 billion
threshold of the CbCR is close to the
Euro 750 million suggested in the
BEPS report. According to OECD’s
estimation, 85 to 90 percent of the
MNCs will be excluded from filing
CbCR by adopting the Euro 750
million threshold, but MNCs required
to file CbCR still control
approximately 90 percent of the global
corporate revenues. As a result, it is
believed that the above exemption
provision strikes an appropriate
balancing of reporting burden and
benefit to tax administrations.
In terms of the due date for submitting
the TPD, the master file, local file and
special issues file also follow the
existing provisions in Circular 2, i.e.
the documentation for the current
year should be ready by the end of
May in the following year and should
be submitted within 20 days upon
request by the in-charge tax
authorities.
As the BEPS Action Plan 13 has
suggested giving one year for MNCs to
get prepared and require them to file
CBCR relating to transactions starting
from 1 January 2016, we recommend
that China could follow this timeline.
In other words, MNCs probably need
to submit the first CbCR within 2017
to disclose their global operation and
tax-related information for the 2016
financial year (i.e. 1 January 2016 to 31
December 2016 for China taxpayers) if
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory
China adopts the recommended
schedule according to the BEPS Action
Plan. The three-tier TPD structure
represents the most eye-catching
breakthrough of the Discussion Draft
for MNCs. For details of the new
requirement and our analysis on its
impact on MNCs, please refer to our
News Flash [2015] Issue 39.
investigation procedures stipulated in
Circular 2 and expands the applicable
scope of these procedures to cover
other special tax adjustments.
The Discussion Draft also clarifies the
special tax adjustment method for
certain transactions, such as:

More complexity in TP methods
In Chapter 4 ‘TP methods’, the
Discussion Draft clarifies that related
parties should follow the arm’s length
principle.
Apart from the traditional TP
methods4, the Discussion Draft for the
first time clarifies the ‘alternative
methods’ to include ‘Value
Contribution Attribution Method’ and
‘Asset Valuation Method’. According
to the Discussion Draft, the Value
Contribution Attribution Method shall
apply to transactions where no
appropriate comparables are available
but consolidated profits and value
contribution could be reasonably
recognized. Specifically, it allocates
the MNC’s consolidated profits among
related enterprises located in different
jurisdictions by analysing the
contributions made by each party to
the value creation to the MNC’s
profits. Factors such as associated
assets, cost, expenses, sales revenue,
personnel, etc. or the combination of
these factors shall be taken into
consideration when allocating the
profits. It remains to be seen how to
implement the alternative Valuation
Contribution Attribution Method and
how to resolve double taxation during
the MAP procedure by the Chinese tax
authorities in future practice.
Moreover, the Discussion Draft also
takes the assets used as one of the
factors for the purpose of function and
risk analysis, and further refines the
consideration factors for
comparability analysis, especially by
adding Local Specific Advantages
(LSAs) (mainly referring to market
premium and local savings), group
synergies, marketing intangible assets,
etc. Most of these definitions follow
the OECD TP Guidelines for
Multinational Enterprises and Tax
Administrations (OECD TP
Guidelines).
Standardise special tax
investigation procedures and
clarify special tax adjustment
methods
Chapter 5 of the Discussion Draft
provides further details on the TP
11

denying or re-characterising
related party transaction without
any economic substance; and
setting forth limitation on working
capital adjustments under toll
processing businesses, and
disallowing working capital
adjustments on any other related
party transactions during the
special tax investigation process.
Although the Discussion Draft does
not imply the legal basis of these
adjustment methods, the principles of
substance over form as well as the recharacterisation of transaction parties
and transactions under certain
necessary circumstances reflect the
deliverables of the BEPS Action Plans
8 to 10.
The Discussion Draft also refers to the
investigation on enterprise’s einformation system in Chapter 5 by
clarifying that, for enterprises that use
electronic information system, tax
authorities could require them to
provide tax related documents in
accordance with the Tax Collection
and Administration Law (TCAL) and
its Detailed Implementation
Regulations (DIRs).
The Discussion Draft also addresses
the disputable issue of ‘corresponding
accounting adjustment’ (i.e., the
‘secondary adjustment’ in practice)
since release of the Guoshuihan
[2006] No.901. According to the
Discussion Draft, after settling
additional taxes on the increased
taxable income in accordance with the
initial special tax adjustment, the
taxpayer should make corresponding
accounting adjustment. Where the
taxpayer does not make corresponding
accounting adjustments, the increased
taxable income should be treated as
deemed profit that has been
distributed to its investors, which
would consequently give rise to
income tax implication for the
investors. The in-charge tax
authorities could require the
enterprise to remit back the increased
taxable income within a prescribed
time period, with the failure to pay
such income deemed as not making
the above corresponding adjustment.
For Chinese tax authorities, there is no
doubt that such ‘corresponding
accounting adjustment’ would help
them enhance their special tax
investigation and adjustment
enforcement. However, we are not
certain now how the Chinese tax
authorities would address the
following related questions:




How to define ‘corresponding
accounting adjustment’?
How to understand ‘tax
authorities could require’ the
enterprise to ‘remit back the
increased taxable income within a
prescribed time period’? How
would the in-charge tax authority
exercise their power to do so?
How to align profit paid in with
the existing foreign exchange
regulation?
After ‘corresponding accounting
adjustment’, whether investors
could claim a foreign tax credit in
its resident country?
Equity transfers
In recent years, the Chinese tax
authorities have been increasingly
scrutinising equity transfer
transactions. Although the Discussion
Draft does not provide a separate
chapter to elaborate on the TP
administration on equity transfers, the
topic is mentioned in many chapters of
the Discussion Draft. In particular,
Chapter 3 and 4 sets out the
comparability analysis for equity
transfers under the comparable
uncontrolled price method, as well as
the disclosure requirement for intragroup equity transfers in the local file
for TPD purpose.
Furthermore, given the practical
difficulty in determining the pricing of
intra-group equity transfers and
certain related party transaction
concerning intangibles, the Discussion
Draft also introduces the cost method,
market method and income method
for asset valuation purpose, as well as
the applicable condition for each
method. The introduction of these new
valuation methods commonly used for
financial reporting purposes would
solve the existing problem of using
traditional TP methods to value asset
transfer transactions for tax purposes.
In practice, these new methods have
already been adopted by Chinese tax
authorities in a few cases in recent
years.
Intangibles
Chapter 6 ‘Intangibles’ is a new
chapter and demonstrates Chinese tax
authorities’ increasing interest in
intangibles issues. This chapter starts
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory
with the definition of certain key
concepts, such as intangibles, legal
owners of intangibles, economic
owners of intangibles, income arising
from intangibles, etc. It puts forth the
principle that ‘the income arising from
intangibles shall be allocated in
accordance with the value creation of
each party’, which is in line with the
core principle for allocation of profits
arising from intangibles as set out in
the relevant BEPS Action report.
generally only expect a risk-adjusted
return on its funding.
Specifically, when allocating income
arising from intangibles, taxpayers
should analyse each related party’s
function undertaken, assets employed
risks assumed, as well as necessary
capital and human resources invested,
etc. throughout the development,
value enhancement, maintenance,
protection, exploitation and
promotion of intangibles, including
taking into account how the value of
intangibles is realized, so as to
determine each party’s value creation
to the intangibles.
2). The services are charged in a way
that independent entities would be
willing to pay or charge in the same
or similar circumstances.
In addition, value creation factors
such as LSAs, group synergies, etc.
should also be considered for the
determination of the income arising
from intangibles. Moreover, the
Discussion Draft provides the detailed
and practical guidance on how and
when to adjust the intra-group royalty
payment rate among the related
parties. The Discussion Draft provides
further detailed guidance for the
Chinese tax authorities to implement
them in practice. The guidance
outlined in Chapter 6 is likely to create
debate and bring more challenges and
uncertainties for the MNCs in relation
to the tax and transfer pricing
treatment for intangibles.
Consistent with the SAT’s position
demonstrated in SAT Public Notice
[2015] No.16 (Public Notice 16)5, the
Discussion Draft states that the royalty
paid to a related party which only
holds the legal rights to the intangible
but has no contribution to its value
creation should not get the income
arising from intangibles. However, it is
noteworthy that, according to the
OECD BEPS report on Actions 8 to 10,
where the capital provider does not
exercise control over the investment
risks that may give rise to premium
returns, that associated enterprise
should expect no more than a risk-free
return. Meanwhile, an associated
enterprise providing funding and
assuming the related financial risks,
but not performing any functions
relating to the intangible, could
12
Intercompany services
Chapter 7 ‘Intercompany Services’ is
also newly added. It reiterates that the
intra-group transactions should be in
line with the arm’s length principle,
including:
1). The beneficial nature of the
intercompany services; and
If domestic taxpayers make payments
for non-beneficial services, the incharge tax authorities shall make tax
adjustments to deny the deduction of
the payment for CIT purpose. Such
principle and adjustment method is
basically in line with what has been
stipulated in Public Notice 16.
At the end of this Chapter, the
Discussion Draft provides the detailed
documentation requirement in the
special issues file in relation to
intercompany services. However, it is
not stated as to whether the threshold
for preparing TPD (i.e., annual
amount of other related party
transactions below RMB 40 million) is
applicable to the special issues file. We
expect further clarification in this
regard by the SAT in future.
Most importantly, the Discussion
Draft gives a detailed explanation on
the concept of ‘beneficial services’ by
providing exclusion scenarios. The
other tests employed by tax authorities
previously to assess intercompany
services (such as duplication test,
compensation test, etc.) are all
collectively included in the tests for
‘beneficial services’, which reflects the
rigorous process of legislation in
China.
APA and Mutual Agreement
Procedures (MAP)
Chapter 8 ‘APA’ refines APA
procedures and clarifies the conditions
where Chinese tax authorities could
prioritise and decline the APA
requests. Given the trend observed on
APA negotiation in recent years6, if the
taxpayer’s application reflects full
analysis of the value chain and supply
chain, takes the LSAs into
consideration, and follows the
appropriate pricing principle and
calculation method, the application
request would probably be prioritised.
Meanwhile, for bilateral APAs, the
collaboration of competent tax
authority in the related jurisdiction
and its intention to accept the case and
pursue the APA would also be
considered by the SAT.
Meanwhile, tax authorities may
decline APA application in the
following situations: the tax
authorities have already initiated the
special tax adjustment investigation
(e.g. TP investigation) on an enterprise
before the latter submits its intention
for bilateral APA application; an
enterprise applies to renew the APA
but its overall weighted average profit
level stays below the median value
during the term where the
interquartile methodology is applied;
or an enterprise has entered into other
non-compliant TP transactions.
Recently some local level tax
authorities in China have launched TP
investigation on enterprise’s previous
related party transactions so as to
comprehensively assess their
compliance level and potential TP
risks before they officially accept the
APA application. As such, we suggest
that enterprises fully evaluate the
feasibility of reaching an APA before
their application.
The SAT has committed that it will
invest more efforts in handling MAP to
improve the efficiency of cross-border
tax dispute resolution in various
occasions, including in the response to
BEPS Action Plans and in the working
plan to support ‘One Belt One Road’
strategy. Accordingly, Chapter 14
‘Corresponding Adjustments and
Mutual Agreement’ of the Discussion
Draft improves the MAP procedures to
resolve TP issues7. According to this
chapter, the in-charge tax authorities
should collect tax and handle tax
refund in a timely manner based on
the MAP outcome, which could
eliminate possible double taxation due
to special tax adjustments (especially
TP adjustment). Particularly, the
Discussion Draft firstly puts forth the
requirement that the in-charge tax
authorities should handle tax refund
according to the MAP outcome. It
earmarks a big step forward for the
MAP procedures to resolve TP issues
and also is another important move
for the Chinese tax authorities to
resolve double taxation issues caused
by TP adjustments.
CSA
Compared to its counterpart in
Circular 2, Chapter 9 ‘CSA’ of the
Discussion Draft contains the
following key changes:
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory




The participants of the CSA
should have joint ownership of the
outcome of the CSA.
LSAs should be considered when
allocating the shared cost.
The parameters to quantify the
anticipated benefit of the
intangibles and services should
reflect the feature of intangibles or
services.
Taxpayers are no longer required
to get the SAT’s approval before
implementing a CSA. Instead,
they could just submit the
agreement and other relevant
documents to their in-charge tax
authorities together with the
annual CIT filing return8.
The optimised CSA procedure may
encourage more MNCs to use CSA to
support their TP position on joint
development/acquisition of
intangibles and joint provision/receipt
of services within the group. The
Discussion Draft requires that
participating enterprises shall
complete their special issues file
focusing on CSA for the current year
by 31 May of the year following the
year during which their related party
transaction occurs regardless whether
an APA is in place or not.
It is noteworthy that the provision
‘service-related CSA shall generally
apply to group procurement or group
marketing planning’ in existing
Circular 2 remains unchanged in the
Discussion Draft, which shows SAT’s
prudent position for MNCs to use CSA
on joint provision/receipt of services
within the group.
Controlled Foreign
Corporations (CFC)
With the active outbound investments
by Chinese companies, the SAT has
already begun to enhance its collection
of CFC information since 20149.
However, although the existing
Circular 2 has offered general CFC
guidelines, due to lack of detailed
interpretation and assessment criteria,
in practice it is still difficult for
taxpayers to complete the CFC
reporting forms smoothly.
Chapter 10 of the Discussion Draft
provides more interpretation on
important concepts in the CFC rules
(e.g. ‘effective tax burden’,
‘individually holding’, etc.) and adopts
the recommendations proposed in the
report of BEPS Action Plan 3 to assess
‘reasonable business needs’ and the
‘nature of income’. Moreover, it also
clarifies the assessment criteria and
13
calculation of the ‘attributable income’
of a CFC (i.e., the portion of the CFC’s
profits that are attributable to the
resident enterprise), which
supplements Circular 2 in this regard.
Currently, China is firmly supporting
domestic companies to ‘go abroad’.
The clarification of CFC rules would
further help these companies in tax
compliance and provide more
guidance to implement relevant tax
laws in China at the same time.
Thin Capitalisation
Compared with the existing provisions
in Circular 2, Chapter 11 ‘Thin
Capitalisation’ of the Discussion Draft
mainly includes the following changes:



The scope of related debt
investments is expanded to also
cover current liabilities and debt
investments from group cash pool,
and scope of interest expense is
elaborated;
The ratio of debt investments to
equity investments from related
parties is now calculated on a
transaction basis to make it more
accurate, replacing the previous
calculation method on a monthly
basis.
When preparing
contemporaneous documentation
to withstand the challenge of thin
capitalisation, a new analysis
factor is added to consider
whether third party enterprises
are willing to accept the loan
conditions similar to those agreed
in the related party debt
investment.
Related parties need to watch out for
the tax impact arising from the above
changes when considering intra-group
treasury arrangements. We observe
that recently the local-level tax
authorities have further enhanced the
TPD administration with regard to
thin capitalisation by requiring that
enterprises which exceed the standard
related party debt to equity ratio (i.e.
5:1 for financial institutions and 2:1 for
non-financial institutions) to provide
contemporaneous documentation. As
such, we suggest that relevant
enterprises, in particular the
enterprises running the master
account of cash pool, pay attention to
the thin capitalization issues, and
prepare and maintain the
corresponding special issues files
related with thin capitalisation.
General Anti-avoidance Rule
(GAAR)
Chapter 12 ‘GAAR’ of the Discussion
Draft adopts the principles in the
Administrative Measures on the
General Anti-avoidance Rule (GAAR)
(Trial) (the ‘Measures’) and
supplements the GAAR regulations in
Circular 2 by reiterating the principles
set out in the Measures, including the
applicable scope, characteristics and
factors for assessment of GAAR. It is
important to note that the Discussion
Draft provides that if tax authorities
identify enterprises to have concealed
the related party transaction via an
entrusting, agency, trust or other
arrangements, they could recognize
such related party transaction
according to its economic substance.
In general, this chapter does not
contain many breakthroughs
compared with the Measures and the
existing Circular 2.
Monitoring on profit levels
In recent years, the SAT’s officials
have indicated on various public
occasions that China will enhance its
profit level monitoring on MNCs. In
response, a new chapter of
‘Monitoring on Profit Levels’ is added
to provide guidelines to local-level
Chinese tax authorities. In particular,
local-level tax authorities should
establish a risk ranking mechanism to
administrate the related party
transactions, closely monitor
taxpayers’ real-time profit level,
conduct special tax investigation on
those taxpayers with a low compliance
level but a high tax risk ranking, and
conducting follow-up administration
on the taxpayers which have already
been subject to special tax
adjustments. This concept is in line
with the risk-oriented tax audit model
adopted by lots of advanced
jurisdictions.
More importantly, the Discussion
Draft further encourages taxpayers to
conduct a self-adjustment, and at the
same time it reiterates that tax
authorities shall reserve the rights on
special tax adjustment investigation
on taxpayers under self-adjustment,
which echoes the provision in SAT
Public Notice [2014] No.54. In
addition, the Discussion Draft
removes the 5-year follow-up
administration period stipulated in
Circular 2, meaning that Chinese tax
authorities might decide the length of
the follow-up administration period
based on the specific situation of each
case.
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory
This new chapter is quite in line with
the anti-tax avoidance safeguard
system always emphasized by the SAT,
which comprehensively incorporates
administration, services and
investigation at the same time. It
reflects tax authorities’ risk-oriented
approach in the anti-tax avoidance
administration for the future and
poses a higher standard for the TP
administration on MNCs, etc.
The takeaway
The finalised version of the
Implementation Measures of Special
Tax Adjustment is expected to be
released by the end of 2015 and
probably take effect from 1 January
2016. The revision of Circular 2
earmarks one of the most important
moves for the SAT to localise BEPS
Action Plans and contains lots of most
updated concepts in the area of antitax avoidance, which will optimise
China’s legislative system of
international taxation. Therefore, we
strongly recommend that taxpayers
(especially MNCs) should study the
changes in the Discussion Draft as well
as the potential impact on their
business and tax control in advance
and get prepared for the new
challenges.
One of the most eye-catching changes
in the Discussion Draft is LSA, which
has been referred to in many chapters,
e.g. taking LSAs as one of the factors
to assess the economic environments
for comparability analysis purpose,
comprehensively assessing the LSA’s
value contribution to the income
arising from intangibles, considering
the impact of LSAs for CSA purpose,
prioritising the APA application with
LSAs analysis, etc. The above
provisions echo the SAT’s position on
LSAs in recent years. Therefore, MNCs
are suggested to conduct LSA analysis
when designing their group TP polices
so as to ensure the group TP policy
conform to China’s standards.
Another key change of the Discussion
Draft to MNCs may be the preparation
of the master file, local file, special
14
issues file, and CbCR. On one hand,
MNCs are suggested to assess their
capability in preparing the files, set-up
an efficient system to collect
information and better allocate the
resources. On the other hand, MNCs
may consider reviewing and updating
the group’s TP polices as soon as
possible to adapt to the new standards
and requirements of various tax
administrations in charge of their
subsidiaries in the globe (including the
new requirements reflected in the
revision of Circular 2). Preparation of
the TPD will require the collaborative
effort of the Chinese taxpayer with the
ultimate holding company of MNCs
and other group members.
Over the past seven years since the
issuance of Circular 2, Chinese tax
authorities have been increasingly
experienced in TP investigation and
adjustment, but still lack experience in
other means of special tax
adjustments. But with the
globalisation of China’s economy,
especially the fast development of
outbound investments, doubtlessly
Chinese tax authorities will strengthen
the application of other special tax
adjustments in due course. The
refinement of the assessment
standards, as well as the
implementation procedures of CFC
rules and GAAR in the Discussion
Draft have reflected SAT’s plan and
ambition in this regard.
Relevant stakeholders are welcome to
submit their comments on the
Discussion Draft to the SAT by 16
October 2015. Alternatively, you can
contact your PwC contact to share
your comments and suggestions so
that we can incorporate your valuable
ideas in PwC’s submission.
2
For our estimation on the revision of
Circular2, please refer to our News
Flash [2015] Issue 31.
3
According to Article 15 of Circular 2,
enterprises satisfying either of the
conditions below can be exempt from
the preparation of TP
contemporaneous documentation:
(1) The annual amount of related
party purchase-and-sell
transactions is below RMB 200
million, and the annual amount
of all other types of related
party transactions is below
RMB 40 million;
(2) The related party transactions
are covered by the scope of APA;
or
(3) Foreign shareholding of the
enterprise is below 50%, and the
enterprise only has transactions
with domestic related parties.
Five traditional TP methods refer to
comparable uncontrolled price
method, the resale price method, the
cost plus method, the transactional
net margin method and the profit
split method.
4
5
For the details of Public Notice 16,
please refer to our News Flash [2014]
Issue 19 and News Flash [2015] Issue
11.
6
For the details, please refer to China
APA Annual Report (for Year of 2013).
7
In 2013, the SAT released
Implementation Measures of MAP
(SAT Public Notice [2013] No.56),
which explicitly states that Public
Notice 56 does not apply to MAP in
relation to TP issues.
8
In May 2015, the State Council issued
Decision regarding Cancellation of
Items for Non-administrative
Approval, cancelling the requirement
for SAT to review the CSA.
Subsequently, the SAT released SAT
Public Notice [2015] No.45 (Public
Notice 45) to implement this
cancellation. The Discussion Draft’s
revision on CSA procedures is
consistent with Public Notice 45.
Endnote
1
For the full text of the Discussion
Draft (in Chinese), please refer to this
link on the SAT’s official website:
http://www.chinalaw.gov.cn/article
/cazjgg/201509/20150900479042.sh
tml
9
SAT Public Notice [2014] No.38,
please refer to our News Flash [2014]
Issue 17 for more details.
PwC
News Flash — China Tax and Business Advisory
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