平成 27 年度 岡谷市 予算編成の大要

平成 27 年度 岡谷市 予算編成の大要
平成 27 年2月
岡 谷 市
平成 27 年度の岡谷市当初予算案及び関係議案を議会に提出し、ご審議をいただ
くにあたり、予算編成の方針及び大要を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご
理解とご協力をお願いする次第でございます。
平成 27 年度は、第4次岡谷市総合計画 後期基本計画の2年目を迎えます。
「未来の岡谷に旅立つ年」とした平成 26 年度からの流れを引き継ぎ、動き出し
たまちづくりの大きな歯車をさらに回転させる年であるとの認識のもと、平成 27
年度を「次世代への礎を確固たるものにする年」と位置づけ、
将来都市像「みんなが元気に輝く たくましいまち岡谷」の実現に向けて、各種施策
に全力で取り組んでまいる所存でございます。
さて、わが国は、人口急減・超高齢化という深刻な課題に直面しております。
政府は、このピンチをチャンスに変えるため、地方の創生は日本の創生であると
の認識のもと、各省庁が持つ地域活性化関連施策を総合し、地方自治体が行う
魅力あふれる「まちづくり、ひとづくり、しごとづくり」に向けた意欲ある取組
を、一体的に支援する姿勢を示しております。
内閣府が公表した「平成 27 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によ
りますと、平成 27 年度の日本経済は、経済の脆弱な部分に的を絞り、かつスピード
感を持った緊急経済対策の取組などにより、雇用・所得環境が引き続き改善し、好
循環がさらに進展する中で、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれる、と予
測されています。
このような見通しに基づく「平成 27 年度予算編成の基本方針」では、経済の好循
環の更なる拡大を実現し、地方の創生など中長期の発展につなげる取組を強力に推
進するため、
「新しい日本のための優先課題推進枠」において、重点化施策を厳に
絞り込んで措置することを基本的な考え方としております。
この方針に基づく国の平成 27 年度一般会計予算の規模は、
前年度比0.5%増の総額96兆3,420億円になると見込まれております。
また、総務省が公表した「平成 27 年度地方財政対策」によりますと、地方自治
体が地方創生に取り組みつつ、安定的に財政運営を行うことができるよう、地方交
付税等の一般財源総額について、地方創生のための財源等を上乗せして、前年度の
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水準を相当程度上回る額を確保することとされております。
この考え方に基づく地方財政計画の規模は、
前年度比2.3%増の85兆2,700億円程度、
公債費などを除く地方一般歳出につきましては、
前年度比2.3%増の69兆3,200億円程度が見込まれております。
地方交付税につきましては、交付税原資の安定性の向上・充実を図るため、地方交
付税の法定率を見直す一方で、地方税収の状況を踏まえて別枠加算が縮小されること
から、前年度比0.8%減の16兆7,548億円が見込まれております。
なお、地方交付税の代替財源である臨時財政対策債につきましては、一般財源総
額を確保した上で、発行額を大幅に抑制するとの考え方に基づき、
前年度比19.1%減の4兆5,250億円が見込まれております。
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このような状況を踏まえ、本市におきましては、国の経済対策による景気回復の
効果として、企業の業績回復や給与所得の増などを見込んでいる一方で、税制改正
や固定資産税の評価替えなどにより税収の大幅な増は見込めないこと、また、社会
保障制度改革による影響を見極める必要があることなどから、不透明さを抱えなが
ら、引き続き厳しい財政状況が続くと見込まれる中で、人口減少や少子高齢化など
の社会情勢、地方創生など政府の新たな政策に的確に対応しながら、柔軟かつ効果的に
施策を展開する必要がある、と認識しております。
この度上程いたします平成 27 年度当初予算案は、第4次岡谷市総合計画に掲げる
将来都市像「みんなが元気に輝く たくましいまち岡谷」の実現に向けて、
・魅力と活力にあふれる、にぎわいのあるまち
・ともに支えあい、健やかに暮らせるまち
・自然環境と暮らしが調和した、安全・安心なまち
・生涯を通じて学び、豊かな心を育むまち
・快適に生活できる、都市機能の充実したまち
という5つのまちづくりの基本目標を基調に、必要な施策・事業に財源を集中した
「次世代への礎を成す 健やか予算」として編成いたしました。
これまで取り組んでまいりました各種施策の成果を踏まえ、全ての事業と組織に
ついて見直しを行った上で、市民の皆様に安定的な行政サービスを提供するととも
に、本市の強みや特色を生かし、まちの熟度を高めるために真に必要な施策を行う
ため、限られた財源を重点的かつ効率的に配分いたしました。
予算編成の3つの重点施策の考え方について説明いたします。
第1の「たくましい産業の創造」につきましては、今回、企画政策部からブラン
ド推進室を移管して経済部を組織再編いたします産業振興部を中心に、今まで以上
に産業の振興及び育成支援を戦略的に行うとともに、地域資源を活用したまちづく
りと特色ある観光施策を展開してまいります。
本市の基幹産業である製造業におきましては、岡谷市工業活性化計画を指針に、
多様な産業集積を生かした企業誘致と新技術・新製品の開発支援、受注開拓などに
よる既存企業の活性化に取り組むとともに、新規創業支援や雇用の維持・確保に意
を配してまいります。
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第2の「輝く子どもの育成」につきましては、少子高齢化を解消する手段の一つ
として本年4月に施行される子ども・子育て支援新制度に基づき、子育て世代や子
どもたちに必要なきめ細やかな支援を推進することにより、安心して子どもを産み、
育てることができる環境を整備してまいります。
第3の「安全・安心の伸展」につきましては、市民の皆様の防災意識や健康志向
の高まりに応えるべく、過去の災害を教訓にハード・ソフト両面からの防災・減災
対策を推進するほか、新岡谷市民病院の開院に向けて着実に準備を進めるとともに、
第2次岡谷市健康増進計画に掲げる「健康寿命の延伸」を実現するための施策を充
実させてまいります。
このような重点施策等により、働くことに誇りを持ち、子どもたちの元気な声が
響きあう、誰もが安全で安心して住み続けることができるまちづくりを推進してま
いりたいと考えております。
こうした考え方に基づく平成 27 年度の一般会計当初予算額は、
総額209億300万円、前年度比では4億4,900万円、2.1%の減といたし
ました。
また、一般会計・特別会計を合わせますと、総額280億9,120万円、
前年度比では2億2,840万円、0.8%の増といたしました。
一般会計歳入の主な事項でございますが、市税につきましては、平成 26 年度決算
見込額を基に、総額69億800万円、前年度比では6,200万円、0.9%の
減を見込んでおります。
地方交付税につきましては、市税収入額の減少による影響などを考慮し、
総額40億6,700万円、前年度比では3,100万円、0.8%の増を見込んで
おります。
また、一般会計歳出の主な事項でございますが、道水路等の新設改良に係る経費
を含む土木費が、総額16億7,477万9千円、前年度比では
1億7,408万4千円、11.6%の増となったほか、小・中学校の整備に係る
経費を含む教育費が、総額23億599万円、前年度比では
8億1,805万1千円、55.0%の増を見込んでおります。
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次に、企業会計につきましては、水道事業・下水道事業・病院事業の3つの企業
会計の収益的支出及び資本的支出を合計いたしますと、総額175億118万9千円、
前年度比では39億1,751万2千円、18.3%の減といたしました。
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はじめに、市民生活の安全・安心を支え、健康で生きがいを持って暮らしていた
だくための基盤整備を推進する、重要施策について説明いたします。
新消防庁舎につきましては、昨年 10 月 27 日に岡谷消防署・岡谷市消防団・諏訪広
域消防本部・消防指令センターを配置する、地上3階建ての庁舎が竣工いたしました。
一元化される諏訪広域消防の出動態勢を指揮する中枢施設として、また、本市はも
とより諏訪地域全体の防災と救急救助の拠点として、4月に開署を迎えます。
新岡谷市民病院の建設につきましては、本年8月の建物完成と 10 月の開院に向
けて、安全かつ確実に建設工事を進めるとともに、医療機器の更新などを進めてま
いります。
湖周行政事務組合が行っております湖周地区ごみ処理施設の整備につきましては、
平成 28 年9月の稼働に向けて、建物の本体工事を順次進めてまいります。
なお、新しいごみ処理施設の稼動に向けて、諏訪湖周2市1町それぞれが、引き
続きごみの減量に取り組んでまいります。
これまで長い時間をかけて重要施策に全力で臨み、道筋をつけ、6施設のうち4
施設が竣工し、施設整備についてはほぼ成し遂げつつございます。
今後は、市民の皆様の大切な財産となるこれらの施設につきまして、既存施設と
の連携を図りながら、各施設に与えられた使命に沿って有効に活用することはもと
より、次世代に確実に伝え残していくために、公共施設全体のマネジメントを推進
していくことが重要であると考えております。
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それでは、基調に沿って、平成 27 年度当初予算案の大要を順次説明してまいり
ます。
はじめに、基本目標1『魅力と活力にあふれる、にぎわいのあるまち』につい
て説明いたします。
まず、推進体制につきましては、先ほど説明いたしました産業振興部を中心に、
今まで以上に産業の振興及び育成支援を戦略的に行うとともに、地域資源を活用し
たまちづくりと特色ある観光施策を展開してまいります。
工業の振興につきましては、企業立地の推進では、新たに実施する創業のまち岡
谷実現事業により、新規創業に必要な経費などを助成し、市内への新規創業を促進す
るとともに、家賃や機械などの設置費用を補助する創業者総合支援事業により、創
業まもない中小企業者の経営基盤の確立や受注開拓などを支援してまいります。
また、工場の新設・移転時に土地の取得額の一部などを助成する商工業振興条例
補助金や、工場等の家賃の一部を助成する企業立地支援補助金により、市内企業の
事業拡大と流出防止、空き工場の活用、市外企業の誘致を促進してまいります。
さらに、首都圏産業振興活動事業により、中小企業庁・関東経済産業局・長野県東
京事務所に派遣している職員と十分に連携を図りながら、首都圏における企業誘致・
受注開拓活動を効果的、効率的に展開してまいります。
工業活性化対策の推進では、3Dプリンタなどの最新技術を学ぶ生産技術基礎講
座開催事業や、技術の開発や高度化などに向けた研究・開発経費の一部を助成する
新技術・新製品等ものづくりチャレンジ企業応援事業により、市内企業が世界に
通用する技術的競争力を維持、強化できるよう支援してまいります。
また、首都圏・中京圏の大手企業や新成長産業分野の企業を訪問し、市内企業の技術
をPRするビジネス商談事業や、首都圏・中京圏・関西圏で開催される大規模展示会
に市内企業の製品を共同出展する展示会出展事業により、新たな顧客の確保と受注
機会の拡大を支援してまいります。
さらに、廃業を考えている企業と事業拡大や創業をめざす皆様とのマッチングを
図るとともに、事業承継に関するセミナーなどを開催する事業承継研究事業により、
優れた技術を持つ企業の存続を図ってまいります。
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産業の連携・交流では、製造業を中心とする中小企業が集積する7都市が、共通
の課題解決に向けて協議や情報交換を行う中小企業都市連絡協議会に参加するほ
か、岡谷市の産業振興を考える懇談会事業において、首都圏・中京圏などで活躍され
ている地元出身の企業経営者の皆様と情報交換をしながら、本市の産業振興につい
てご提案をいただくとともに、企業誘致や新規受注開拓につながる人的ネットワー
クの拡大を図ってまいります。
中小企業融資制度では、中小企業の設備投資に対する支援を行うため、振興資金
の貸付利率の引き下げと貸付限度額の引き上げを行うとともに、創業者への支援を
強化するため、開業資金の融資対象を開業から2年未満の企業に拡大するなど、経
済情勢の変化に対応した見直しを行い、より実情に即した支援を行ってまいります。
商業の振興につきましては、店舗の新規出店や既存店舗の改修にかかる費用の一
部を助成する商業活性化補助金により、空き店舗の解消や商店街の活性化を図ってま
いります。
また、岡谷市商業連合会や岡谷TMOなどとの連携により、商業者の販売促進活
動や、おかやフェスタ・きつね祭りなどのイベントへの支援を行うことにより、ま
ちなかのにぎわいの創出につなげてまいります。
観光の振興につきましては、本市を代表する市民祭である太鼓祭りや、本市のもの
づくりの歴史と伝統、時代の先端を行く技術を生かした産業観光を推進するととも
に、来年の春に開催される御柱祭に向けて、諏訪地方観光連盟との連携により、御
柱祭や諏訪湖など諏訪の魅力を生かした広域的な誘客を促進してまいります。
岡谷蚕糸博物館(シルクファクトおかや)におきましては、蚕糸業・製糸業に
よって育まれた本市の文化・歴史や先人の偉業を全国に発信し、新たなシルク文化を
生み出す岡谷ブランドの拠点施設として、国内で唯一、伝統的な繰糸技術を持つ宮
坂製糸所に協力をいただきながら運営してまいります。
また、開館1周年を記念して、蚕糸博物館企画展等開催事業により、女優であ
り服飾評論家でもある市田ひろみ氏が世界各地から収集した貴重な民族衣装を展
示・解説し、シルクの魅力を発信するとともに、年間を通じて企画展エリアを有
効に活用し、様々なテーマに沿った資料や作品を展示することにより、何度も訪
れていただける施設をめざしてまいります。
さらに、おかやブランドプロモーション協議会との官民協働により、全県・全
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国に向けて岡谷の魅力を発信してまいります。
このほか、昨年6月に、姉妹都市である富岡市の富岡製糸場が世界文化遺産に登
録されたことから、岡谷市観光協会に新たに設置したシルク連携専門委員会が富岡
市などと連携し、シルクによる観光振興の方策を研究するとともに、養蚕や製糸業
にゆかりのある県内の市町村と観光誘客や情報発信の面で連携する信州シルクロ
ード構想により、各地域の魅力を洗い出し、県全体への誘客を促進してまいります。
農林漁業の振興につきましては、定年退職者や余暇を有効活用したい方に、農業
の基本から応用までの技術を身につけていただくいきいきマイファーム事業などに
より、遊休農地の解消と農業の担い手の確保・育成を図るとともに、県外で暮らす
方に、本市で滞在・生活する素晴らしさを体験していただく機会を提供してまいり
ます。
また、岡谷猟友会のご協力によりニホンジカなど有害鳥獣の駆除を行うとともに、
農地と森林との間に緩衝帯を整備する鳥獣被害軽減対策事業により、農林業被害の
軽減を図ってまいります。
このほか、東堀・小井川地区の農業用水路の改修、栃久保地区の水路の整備、常
現寺の農業用ポンプの更新などを計画的に進めるほか、高尾山線、常現寺線の舗装
工事などに取り組んでまいります。
雇用対策の充実につきましては、首都圏在住の現役世代を対象に、本市ならではの
工業振興施策や創業環境の充実度などの魅力を発信することによりUIJターンを
促進する移住・交流産業振興事業や、中高生に向けた進路講演会やキャリア教育によ
り若者に地元企業の魅力を伝え、職業観の形成と地元企業への就職を促進する若者
未来の就職応援事業を行うほか、求職中の若者・女性・高齢者など様々な対象者に
向けたセミナーなどを開催する輝く人材キャリアアップ事業により、個々の事情に応
じたキャリア形成を応援してまいります。
また、諏訪市と共同で開催する離転職者・新卒対象合同企業説明会や、諏訪6市町
村と労務対策協議会が合同で開催する諏訪地域年末企業研究会において、就職希望者
と企業が直接面談する機会を設けることにより、求人・求職のミスマッチの解消を図
るとともに、諏訪地域への就職を促進してまいります。
このほか、高齢者・障害者雇用促進事業により、高年齢者や障がい者を常用労働者
として雇用した企業に対する助成を行ってまいります。
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続きまして、基本目標2『ともに支えあい、健やかに暮らせるまち』について説
明いたします。
健康づくりの推進につきましては、生活習慣病や栄養に関する講演会、保健師に
よる個別指導などを行う血管を守ろう!プロジェクト事業により、脳血管疾患や認知
症の発症因子となる糖尿病・高血圧などへの予防対策を強化するほか、若い世代への
栄養指導、各地区での栄養講座、栄養士による個別指導など、様々な世代に向けた食
育を行うすこやか食生活サポート事業により、生活習慣病を予防・改善するために望
ましい食習慣の定着を図ってまいります。
母子保健の充実につきましては、子どもを授かることを希望する夫婦に対して治
療にかかる費用の一部を助成する不妊・不育治療助成事業や、入院が必要な未熟児
に対して養育に必要な医療費を給付するとともに、退院後の保健指導などを行う未熟
児養育事業を継続してまいります。
また、生後7~8ヵ月の子どもを持つ母親を対象に、新たにいきいきママ応援講
座を開催し、子どもの発達に関する講話を行うとともに、母親同士の交流の場を設
けることにより、妊娠・出産・育児にかかる負担や不安の軽減を図ってまいります。
このほか、女性の健康意識の高まりが家族の健康につながることから、女性の健
康づくり推進事業により、思春期から老年期までの女性を対象に、ライフステージに
応じた健康づくりについて意識啓発してまいります。
医療体制の充実につきましては、地域医療体制の推進に向けて、引き続き医師会
などの関係機関との連携を図るとともに、成人の夜間救急医療に対応するため、岡
谷病院において岡谷市夜間急病センターを運営するほか、県外から市内の医療機関
に赴任する医師に就業支援を行うことにより、医師確保に努めてまいります。
岡谷市病院事業の充実に向けて、本年 10 月の新病院開院を実現するとともに、開
院後の経営を早期に軌道に乗せるため、平山病院事業管理者、及び前信州大学医学
部附属病院長であり本年4月に就任される天野病院長のもとで、職員が一丸となっ
て、新しい施設や機能を最大限に生かした病院運営を行ってまいります。
新病院では、これまで柱に掲げてきた「循環器、呼吸器、糖尿病及び健診」に加え、
がんなどの消化器疾患に対して質の高い医療を提供できる体制を充実させるととも
に、高齢化の進展などに対応した専門病棟の設置や、歯科・口腔外科の新設、外来で
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の緩和ケア・認知症の診療などにより、総合病院としての機能強化に努めてまいりま
す。
また、高齢化の進展や在宅医療へのニーズの高まりに対応するため、訪問看護ステ
ーションの看護師を増員し、訪問看護体制を充実させてまいります。
岡谷市看護専門学校につきましては、この4月に2回生が入学し、在籍する学生
が2学年に増えることを踏まえ、講師や実習場所の確保、教室の整備など学校運営
に必要な環境を整え、充実させるとともに、必要な生徒には、看護師修学支援貸付
金により学費の貸与を行ってまいります。
子育て支援の充実につきましては、本年4月にスタートする第3次岡谷市児童育
成計画及び岡谷市子ども・子育て支援事業計画に基づき、子育て支援策を総合的か
つ計画的に進めてまいります。
新たに実施するおかや子ども・子育てフォーラム開催事業により、地域で行われて
いる子育て支援の取組を発信し、地域で子どもを育てる意識を醸成してまいります。
子育て支援サービスの提供では、子ども・子育て支援新制度の施行により、保護者
の就労状況等に応じて保育時間を認定することとなったため、本年4月より、全園で
長時間保育を実施するとともに、土曜保育の開所時間を全園同一としてまいります。
また、国が示した利用者負担額を勘案して保育料と長時間保育使用料の一部を引き
下げるとともに、県が新たに実施する多子世帯の保育料減免事業を活用し、減免対象
世帯を拡大することにより、保護者負担を軽減してまいります。
さらに、生後1歳を迎える子どもの保護者に休日・一時保育サービスの利用券を交
付する子育てパパ・ママリフレッシュ事業を引き続き実施し、子育て中の保護者がリ
フレッシュする機会を提供してまいります。
子どもの育成支援では、発達が気になる子どもと保護者に対して、フォローアップ
教室・ことばの教室・親支援のためのプログラムなど、様々な専門家が連携し発達段
階に応じて継続的な支援を行う発達支援事業により、学齢期へのスムーズな移行を
支援してまいります。
また、新たに実施するやってみよう キッズエプロン隊事業により、子どもたちに
馴染みの薄い食材を中心に、食材の栄養について教えながら実際に調理の一部を体験
させるとともに、保護者向けにレシピを配布することにより、園児の食育と家庭への
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食育支援を同時に行ってまいります。
さらに、集団での運動遊びによって基礎的な運動機能や社会性を身につけるとと
もに、地域の伝統スポーツであるスケートを体験する飛び出せ元気な おかやっ子
事業や、地域の文化や食材を五感で感じるぼくもわたしも おかやっ子事業により、
子どもたちが郷土の素晴らしさを体験する場を提供してまいります。
このほか、世界にタッチ 英語に触れよう事業により、国際交流員と一緒に遊び
ながら、子どもたちが英語や異文化に親しむ場を提供してまいります。
保育園整備事業では、保護者の皆様の多様なニーズを踏まえ、今後の保育園整備に
あたり、可能な地域には民間活力の導入を検討するという考え方のもとで、その検討
の指針となる岡谷市保育園民営化基本方針の策定を進めており、まもなくまとまる予
定となっております。
その方針を基に、整備手法について検討を行いながら、
新東堀保育園は、平成 26 年度に先行取得した用地を地域開発事業特別会計から一般
会計に持ち替えるとともに、用地の造成工事を行ってまいります。また、新西堀保育
園は、併設を検討している発達支援施設や武井武雄先生の顕彰などについて、引き
続き検討を進めてまいります。
このほか、保育園園庭芝生化事業では、園庭の一部を芝生化したあやめ保育園の
状況を見ながら、他園への拡大について検討してまいります。
地域福祉の推進につきましては、災害等が発生した際に自分で避難することが困
難な方を把握し、地域の皆様のご協力によって避難支援体制などを整備する避難行動
要支援者個別計画策定事業により、住民同士の互助や地域の共助による安全・安心
な体制を強化してまいります。
また、諏訪湖ハイツ整備事業により男女浴室の改修を行い、施設の安全性と快適
さを確保してまいります。
このほか、心配ごと相談・消費生活相談・ひとり親家庭相談・生活困窮相談など生
活に関する多様な相談窓口を一元化した福祉総合相談事業を引き続き実施し、迅速
かつ効果的な課題解決に向けて、専任の相談員がきめ細やかな支援を行ってまいりま
す。
障害者福祉の推進につきましては、身体に障がいのあるお子さんに対し、その障
がいの軽減を図るための治療にかかる医療費を助成する育成医療事業や、人工呼吸器
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の使用などにより、入院中に医師・看護師などとのコミュニケーションが困難な重
度の障がいのある方に対し、ヘルパーなどを派遣する重度障害者入院時コミュニケ
ーション支援事業などにより、障がいのある方々が地域で安心して生活するために必
要な支援を行ってまいります。
また、障害者優先調達推進法に基づき、障がい者就労施設などからの物品等の調
達方針を作成し、各部署において、当該施設からの物品購入やサービス利用に努める
とともに、受注拡大を支援してまいります。
さらに、市民の皆様に障がいや障がい者への理解を深めていただくため、こころ
のバリアフリー推進事業により、各施設が提供している物品・サービスや活動内容
を様々な場面で紹介してまいります。
高齢者福祉の推進につきましては、各地区の公会所などで実施する生きがいデイ
サービス事業や、高齢者の就労・起業の支援などにより、高齢者が生きがいをもっ
て地域社会に参加できる環境づくりを推進してまいります。
介護保険につきましては、保険者である諏訪広域連合と連携してサービスの充実
や質の向上に努めるとともに、介護保険制度の改正に向けて、関係機関との調整や利
用者への周知を進めてまいります。
また、地域包括支援センターを中心に介護予防事業を推進するとともに、地域包括
ケアシステムの構築に向けて、医療機関などと連携しながら、地域で高齢者を支える
体制づくりを推進してまいります。
社会保障の円滑な運営につきましては、国民健康保険事業では、社会保障制度改
革の動向に注視しながら、適正な課税と収納率の向上によって歳入の確保に努め、
安定的な事業運営に努めてまいります。
また、特定健康診査等事業では、受診者負担金の無料化と年3回の日曜日健診を
継続することにより、受診率の向上を図ってまいります。
福祉医療費の給付では、中学3年生までの子どもの医療費を無料とする子ども医
療費給付事業により、引き続き子育て世代の経済的負担の軽減を図ってまいります。
自立支援と最低生活保障では、生活困窮者自立支援法の施行により、経済的に困
窮し、最低限度の生活を維持することが困難となるおそれがある方への生活・就労
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支援策が強化されたため、新たに生活困窮者自立支援事業を実施してまいります。
この事業により、岡谷市生活就労支援センター(愛称:まいさぽ岡谷市)を設置し、
生活保護を受ける前の段階で、一人ひとりの状況に応じて作成する支援プランに基づ
き、専任の相談員が自立に向けてきめ細やかな支援を行ってまいります。
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続きまして、基本目標3『自然環境と暮らしが調和した、安全・安心なまち』
について説明いたします。
環境保全の推進では、
本年4月にスタートする第3次岡谷市環境基本計画に基づ
き、環境保全の推進に取り組んでまいります。
地球環境対策の推進につきましては、太陽熱や地中熱などを利用する設備の設置
費用の一部を助成する再生可能エネルギー等活用補助金により、再生可能エネルギ
ーの有効活用と環境負荷の低減を図ってまいります。
自然環境の保全につきましては、諏訪湖面に繁茂するヒシを除去・堆肥化する諏
訪湖ヒシ除去事業により、諏訪湖浄化を推進してまいります。
廃棄物対策の推進につきましては、ごみ減量へ「まったなし」啓発推進事業によ
り、市民や事業所の皆様にさらなるごみ減量を呼びかけながら、湖周地区ごみ処理
施設の稼動に向けて、市民・事業者・行政が一体となり、リデュース(ごみの発生
抑制)
・リユース(再使用)
・リサイクル(ごみの再資源化)
、いわゆる3Rを積極
的に推進してまいります。
また、小型家電リサイクル試験回収実施事業により、小型家電リサイクル法の施
行に伴ってリサイクル品として扱うこととなった小型家電について、引き続き専門業
者による試験回収を行ってまいります。
危機・防災・減災対策の推進につきましては、災害時における対応力や関係機関
との連携の強化に向けて、平成 18 年7月豪雨災害の体験と教訓を忘れないために
制定した「岡谷市防災の日」にあたる7月 19 日に、湊小学校を会場に総合防災訓
練を実施いたします。また、市内の保育園・幼稚園でこども防災教室を開催し、紙
芝居やゲームを通じて、子どもたちが災害や防災について考えるきっかけづくりを
行ってまいります。
さらに、住宅防災・減災事業により、昭和 56 年以前に建設された住宅の耐震診
断・耐震改修にかかる費用の一部を助成するほか、避難誘導環境整備事業により、
市内 14 ヵ所に避難所表示看板、1ヵ所に避難場所案内図を設置してまいります。
このほか、鮎沢地区で急傾斜地法の指定を受けた危険箇所を保全する急傾斜地崩
壊防止事業を進めてまいります。
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治山・治水事業の推進につきましては、森林づくり県民税を活用し、水源地や森
林の保全を計画的に行う林業振興事業や民有林間伐推進事業により、二酸化炭素の
削減や土砂災害の防止などの多面的機能を発揮できる森林の整備を進めてまいり
ます。
また、豪雨の度に溢水を繰り返しております塚間川・大川につきましては、
100mm/h 安心プランに基づき、県事業として、今井西広場を調節池として整備す
るとともに、河川の断面の拡幅工事を推進してまいります。
生活安全対策の推進につきましては、各区等に対して、環境負荷の少ないLED
防犯灯の設置にかかる費用の一部を助成する防犯灯LED化普及促進事業により、
夜間における安全・安心の確保と防犯灯維持管理費の削減を図ってまいります。
消防・救急体制の充実につきましては、本年2月 26 日より消防指令センターの仮
運用、4月1日より諏訪広域消防の一元化と消防指令センターの本格稼動が行われる
ことにより、諏訪地域全体の出動態勢がさらに強固なものとなりますので、引き続き、
消防団との連携により、市民の皆様の安全、安心な暮らしを守ってまいります。
また、消防団活動の充実を図るため、消防団員処遇改善事業により、災害などの発
生時に、指揮命令に基づく消防団員の出動に対する手当を増額するとともに、消防団
員活動服整備事業により、安全性に優れ、動きやすい活動服を全ての団員に配備して
まいります。
さらに、法改正に伴い、現在使用している無線機が平成 28 年5月末で使用できな
くなるため、消防団無線整備事業により、新基準に適合した無線機を計画的に更新し
てまいります。
上下水道の整備・維持につきましては、水道事業では、本年4月に改訂する岡谷
市水道事業基本計画に基づき、安定した水の供給を行うため、水道施設や管路の更
新・再構築・耐震化を計画的に進めてまいります。
また、下水道事業では、下水道施設の長寿命化とライフサイクルコストの縮減を
目的とした予防的修繕を計画的に行う下水道長寿命化事業、主要な下水道施設の耐
震化と災害時マンホールトイレの整備を行う下水道総合地震対策事業などに取り
組むほか、県道岡谷下諏訪線(田中線)の改良工事にあわせて護美沢川に雨水の浸
水被害を解消するための排水路を整備する雨水渠整備事業を計画的に進めてまい
ります。
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続きまして、基本目標4『生涯を通じて学び、豊かな心を育むまち』について説
明いたします。
本年4月に施行される地方教育行政制度改革を踏まえ、市長部局と教育委員会と
が円滑に意思疎通を図り、相互に連携して効果的な教育行政を推進することを目的
として総合教育会議を設置するほか、教育施策の大綱の策定などの取組を進めるこ
とにより、未来を担う子どもたちのために、より良い教育環境の創造に努めてまい
ります。
学校教育の充実につきましては、学習環境の整備に向けて、岡谷小学校統合計画
推進事業により、平成 28 年4月に予定している岡谷小学校・田中小学校・神明小学
校の統合を推進するため、教育関係者・保護者・地域住民の皆様のご協力によって組
織いたしました学校統合推進委員会での議論を踏まえ、児童や保護者の皆様の気持
ちに十分に配慮しながら、円滑かつ確実な統合をめざしてまいります。
また、長期欠席・就学支援・家庭環境など子どもに関する多様な相談窓口を一元
化した子ども総合相談センターを中心に、長期欠席傾向にある児童・生徒の原級復
帰や自立に向けた支援を行うフレンドリー教室・中間教室を引き続き設置するととも
に、専任の相談員・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーなどがチー
ムを組み、保育園・学校・専門機関などと連携しながら、児童・生徒一人ひとりの
状況に応じたきめ細やかな支援を行ってまいります。
さらに、特別支援教育推進事業において、心身の障がいや発達の遅れ、生活や学習
の上での困難さを抱える児童・生徒に対して、臨床心理士などの資格を持つ専門カウ
ンセラーが、学校・専門機関などと連携しながら専門的な支援や指導を行うととも
に、田中小学校に設置されているLD等通級教室に、教員資格を持つ職員を増員し
てまいります。
教育施設などの整備に向けて、田中小学校・神明小学校において、学校統合に伴う
児童数の増加に対応するため、学校統合施設整備事業により、現在の教室の配置を見
直すとともに、統合に必要な校舎の増築・改修や給食室の備品の更新などを行ってま
いります。
また、小中学校非構造部材耐震化事業により、小中学校の体育館に設置されている
照明器具やバスケットゴールなど非構造部材の耐震改修を行い、国が示す基準に沿っ
て、平成 27 年度中に全校の工事が完了するよう進めてまいります。
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さらに、耐震診断に基づいて岡谷西部中学校の管理教室棟を改築するとともに、県
道下諏訪辰野線(岡谷川岸線)の拡幅工事の進捗にあわせて、第2体育館・プールの
改築を行ってまいります。
このほか、小中学校埋設ガス管改修工事により、小中学校の老朽化したガス管を更新
するとともに、通学路交通安全対策事業により、通学路の緊急合同点検で「特に危険」
と判断された通学路 89 ヵ所のうち、新年度は 17 ヵ所に区画線・ガードポストなどを
整備し、児童・生徒の安全を確保してまいります。
青少年の健全育成につきましては、子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、市
民の皆様からの要望を踏まえて学童クラブの利用学年を見直し、本年4月より、全
校一斉に利用学年を小学校6年生までに拡大し、開設時間も延長してまいります。
また、拡大に伴う児童数の増加に対応するため、神明小学校・小井川小学校の校
内に第2学童クラブを整備するとともに、平成 28 年度の学校統合に向けた施設整
備とあわせて、田中小学校に学童クラブを整備してまいります。
社会教育の充実につきましては、本年4月にスタートする第5次岡谷市生涯学習
推進計画に基づき、生涯を通じて学ぶことができる環境づくりに取り組んでまいり
ます。
岡谷図書館リニューアル整備事業により、暖房設備やメイン通路の改修を行い、
利用者の皆様の利便性の向上を図ってまいります。
文化・芸術の振興につきましては、カノラホールで2年に1度実施しております
緑と湖のまち音楽祭を開催し、市民の皆様が一流の音楽にふれることができる機会
を提供するとともに、文化会館大規模改修事業により、大ホールの音響設備を改修
してまいります。
岡谷美術考古館におきましては、市民の皆様に郷土の歴史や芸術にふれていただ
く文化芸術の発信拠点として、また、まちなかのにぎわいを創出する交流拠点とし
て、近隣施設との連携を深めながら運営してまいります。開館2周年を記念して、
美術考古館地域プログラム開催事業により、岡谷市が輩出した彫刻家 武井直也先
生の未公開作品を含む回顧展を開催するとともに、市内に点在する武井直也作品を
地域の皆様と一緒に鑑賞しながらクリーニングする、市民参加型のプログラムを実
施してまいります。また、国内外で活躍の場を広げている若手の実力派女性作家3人
による美術考古館特別企画展を開催してまいります。
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スポーツの振興につきましては、本年4月に新しくスタートする岡谷市スポーツ
推進計画に基づき、公益財団法人岡谷市体育協会などの関係団体等との連携により、
市民の皆様のライフスタイルに応じたスポーツ活動を推進してまいります。
高齢者の皆様の健康増進や仲間づくりの場を広げるため、スポーツ推進委員とと
もに、総合型地域スポーツクラブ やまびこクラブが実施する高齢者向けのスポーツ
教室などへの参加を啓発するいきいき高齢者スポーツ推進事業を実施するとともに、
家族で様々なスポーツを体験していただくおかやファミリースポーツプログラム
事業や、運動への苦手意識を克服できると好評をいただいているおかや小学生体育
塾、また、様々な種目のスポーツ教室を開催することにより、子どもから大人まで、
気軽にスポーツに親しむことができる機会を提供してまいります。
このほか、かがやけ おかやキッズ 体力アッププログラム事業により、運動神経
が一番伸びるといわれている小学校1・2年生の体育の授業に専門指導員を派遣し、
遊びを通じて基礎的な体の動かし方を体得するコーディネーショントレーニングなど
を実施するとともに、子どもを指導する皆様を対象とした講習会を実施してまいり
ます。
さらに、おかやスケート振興事業において、ファミリースケートデーや各種スケ
ート教室を開催することにより、多くの市民の皆様にスケート文化を体験していた
だく機会を提供するとともに、おかやスピードスケートトータルサポートクラブに
より、初心者から全国大会をめざすレベルの子どもまでを対象に、一年を通してト
レーニングを行ってまいります。
なお、平成 29 年1月に本市で冬季国体のアイスホッケー競技の一部が行われる
ことが決定したため、スポーツ振興課に冬季国体準備担当を新設するとともに、競
技団体などと連携しながら、約2年間をかけて受入態勢を整えてまいります。
多文化共生の推進につきましては、マウント・プレザント市姉妹都市提携 50 周
年記念事業により、本年8月にマウント・プレザント市の市民訪問団をお迎えし、節
目の年をお祝いするとともに、両市の市民の皆様が直接交流しながら、お互いの文
化を体験することができる機会を提供してまいります。
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続きまして、基本目標5『快適に生活できる、都市機能の充実したまち』につ
いて説明いたします。
計画的土地利用の推進につきましては、都市計画見直し事業により、都市計画を
進める上での指針となる岡谷市都市計画マスタープランと交通の基幹となる都市
計画道路の見直しを行うとともに、市民の皆様と行政との協働によるまちづくりを
より一層推進することを視野に入れ、都市(まち)づくり推進事業として、都市計
画課にまちづくり専門員を配置してまいります。
まちの魅力を高める市街地整備につきましては、岡谷駅前地区調査検討事業に
より、ララオカヤビルを中心とする駅前地区のあり方について調査・検討を行って
まいります。
また、文化庁の登録有形文化財に指定されております旧市役所庁舎につきまして
は、岡谷消防署の移転後、緊急を要する劣化箇所の修繕を行うとともに、建物の利
活用の方針が決定するまでの間、公益財団法人おかや文化振興事業団の事務所とし
て建物の一部を利用しながら、必要な維持管理を行ってまいります。
このほか、湖畔若宮地区整備事業により、区域内の生活道路などを計画的に整備
してまいります。
住宅・宅地の整備につきましては、最新の住宅需要予測に基づき、平成 22 年度
に策定いたしました岡谷市営住宅ストック総合活用計画及び長寿命化計画につい
て、時代に合った内容に見直しを行うとともに、市営住宅大規模改修事業により、
市営住宅の屋根・外壁など経年劣化している箇所を計画的に改修してまいります。
また、住宅リフォーム助成事業により、登録した市内事業者が施工する住宅リフォ
ーム工事について、工事費用の一部を助成してまいります。
さらに、空き家対策事業において、空き家情報バンクによる情報提供を行うとと
もに、空き家の所有者に対して条例に基づく助言・指導などを行うことにより、増
加傾向にある空き家の利活用と適正管理を促進してまいります。
道路の整備につきましては、基幹道路の整備に向けて、地域幹線道路整備事業に
より、県道岡谷下諏訪線(田中線)
・下諏訪辰野線(岡谷川岸線)の整備を進めると
ともに、警察署との連携により、区域を定めて時速 30 キロ以下の速度規制を行う
ゾーン30整備事業や、ここ数年間に新設・移転された公共施設への案内板を整備
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する都市サイン整備事業を行ってまいります。
また、諏訪市と共同で行っているスマートIC整備調査事業により、基礎的な情
報やデータの分析による広域的な検証を行ってまいります。
生活道路の整備では、コンクリートパネルの崩落により平成 25 年4月より通行
止めとしている岡谷738号線の早期復旧をめざして工事を進めるとともに、交通
量が多く、舗装の傷みが見られる市道11号線(今井通り線)
、19号線(鎌倉街道
線)
、32号線(湖岸通り線)の舗装と側溝の改修や、国道 20 号バイパスから出早公
園へのアクセス道路である長地286号線の拡幅を行うほか、主要な生活道路として
利用されている17号線(鶴峯天白線)
、湊5号線、湊118号線の改良など、国の
交付金等を活用しながら計画的な整備を行ってまいります。
また、道路橋の長寿命化とライフサイクルコストの縮減を目的とした予防的修繕
を計画的に行う橋梁長寿命化修繕事業により、三沢跨線橋の実施設計と岡谷駅歩道橋
(南北自由通路)の改修工事を行ってまいります。
さらに、街路樹整備事業により、車道に伸びた街路樹の剪定や植樹帯の除草などを
適切に行うとともに、主要な交差点などに街路や樹木の名称を表示し、緑に包まれた
美しいまちなみの形成をめざしてまいります。
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最後に、
『総合計画の推進に向けて』について説明いたします。
市民総参加のまちづくりにつきましては、市政懇談会などの機会を活用して市民
の皆様のご意見を伺いながら、市民が主役のまちづくりを展開するとともに、明日
の岡谷を考える懇談会事業により、市内の高校生や若年層の皆様から、第4次岡谷市
総合計画後期基本計画の具体的な事業について、幅広く柔軟なご提案をいただく機
会を設けてまいります。
また、本年4月にスタートする男女共同参画おかやプランⅤに基づき、男女共同
参画社会の実現に向けた施策や啓発活動を推進してまいります。
開かれた市政運営の推進につきましては、まちなか広報マン事業により、市民の
皆様にシルキーチャンネルに登場していただく機会を増やすとともに、SNSを活
用してイベント情報などをリアルタイムで発信し、広報広聴活動を充実させてまい
ります。
また、国が進める社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)に対応するため、
住民行政システムの改修を行うとともに、番号の付番やマイナンバーカードの交付
を行ってまいります。
さらに、統合型GIS構築管理事業により、市民の皆様がパソコン・スマート
フォンなどを使って、データ化された様々な地図情報を閲覧できるよう、システム
やデータの整備を進めてまいります。
将来を見据えた行政運営の推進につきましては、現在の岡谷市行財政改革プラン
が平成 27 年度をもって終了するため、本市を取り巻く環境の変化や財政状況など
を踏まえ、平成 28 年度から 30 年度を計画期間とする新行財政改革プランを策定す
るとともに、公共施設のファシリティマネジメントを推進するため、公共施設の管
理・運営にかかる情報や今後の管理方針をまとめた公共施設等総合管理計画を新た
に策定してまいります。
また、ふるさと寄附金寄附促進事業により、本市にふるさと納税を行っていただ
いた方に対する返礼品として、地元の特産品をラインナップし、ふるさとを応援し
てくださる方々に岡谷の情報を発信する機会を創出してまいります。
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以上、平成 27 年度当初予算案の大要をご説明申し上げましたが、選択と集中によ
り、本市らしい特色ある施策を盛り込むことができたと感じております。
政府の動向や社会・経済の情勢は、日々、目まぐるしく変化しております。
私は、こうした変化を的確に捉えつつ、本市の強みや特色を生かし、まちの熟度
を高める施策を打ち出すことが重要だと考えております。
冒頭で述べましたとおり、政府は、総力を挙げて地方創生に取り組む姿勢を示して
おります。
全国の地方自治体、また本市にとっても喫緊の課題である人口減少・少子高齢化と
いうピンチをチャンスに変えるため、本市の人口の現状と将来の姿を示し、今後めざ
すべき将来の方向を提示する地方人口ビジョンを策定するとともに、それを踏まえ、
今後5年間の目標や基本的な施策を提示する地方版総合戦略を、市民の皆様の声を聴
きながら、全庁をあげて策定してまいります。
そして、この総合戦略に基づいて各部署が行う施策を総合し、魅力あふれる「まち
づくり、ひとづくり、しごとづくり」につながる取組、このまちを元気にする取組
を、積極的に展開してまいる所存でございます。
新年度は、これまで申し上げてまいりました施策について、職員が一丸となり、
これまで以上に創意工夫を凝らしながら、柔軟かつ効果的に展開することにより、
住むことに誇りと自信、そして愛着を持つことができるまちをめざして、全ての市
民の皆様とともに「みんなが元気に輝く たくましいまち岡谷」の実現に向けて、
全力を傾注してまいりたい、と決意を新たにしております。
議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力をこれまで以上に賜りますよう、
心からお願い申し上げまして、私の所信の一端といたします。
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