子どもとの学びや生活が始まる今だからこそ戒めにし合いたい毛涯章平

平成27年5月25日(月)職員朝会
配布資料
子どもとの学びや生活が始まる今だからこそ戒めにし合いたい毛涯章平先生の十戒
七
教師の力以上に、子どもは伸びない。精進をおこたるな。
個人的には、十の自戒の中で、教師の立場からはこの戒が一番考えさせられる内容を含んでいる
と受け止めています。
この戒を自覚している教師の言葉は謙虚に聞こえます。子どもが伸びない理由を子どものせいにし
ません。自らの教え方等に課題があると考えます。だから、精進の具体的な中味をああでもない、
こうでもないと考えながらどうしたらいいか、あれこれ考えて自己課題の解決に取り組んでいこう
と心がけます。
「精進」を国語辞典で調べると、「一心に仏道を修行し、心身を清く保つこと。」「狭義では行
いを慎むことを指し、広義では一切の誘惑を断ち、その事だけに打ち込むことを指す」とあります。
この戒で、毛涯章平先生は、研究や修養や研修という言葉を使わないで、意図的に精進という言葉
を使っているように思います。この言葉の使い分けに、教師が力量を伸ばしていく厳しさと難しさ
があるという自覚がにじみでているように思います。それは、自分はもうこれでいいというゴール
がなかなか実感できないという厳しさを味わい続ける覚悟があるということです。ですから、毛涯
先生は、宗教者の終わりのない修行になぞらえて仏教用語である精進という言葉をあえて使ったの
ではないでしょうか。
難しいからといってやらなくていいということではありません。やはり、教師は今の自分の力量
を振り返りながらさらに伸長させるために自分の経験に応じた課題をもちながらその解決のために
自分なりの取り組みを自覚的にやっていかなければならない職業であるように思います。その目的
は、子どもを伸ばすための力量をつけるためです。
精進は、わたしも含めて先生方個々人の心の中の決心、自戒として、取り組む内容を自分で決め
て自分で取り組んでいくべきことです。学校は研修の場を設定します。これは、組織として取り組
むべき内容ですので、校長として先生方のサポートをきちんとしていかなければならないと考えて
います。おそらくこの精進の厳しさもその結果から得られる満足感、それと次につながる課題の見
いだしなどは、教師の仕事ならではであり、教師だからこそ味わえる心地よさなのかもしれません。
それも楽しみの内に含めて自分の精進をおこたらない決意につなげて「子どもを伸ばす」ために
「教師の力」を伸ばし続けていきたいものです。
長野市立清野小学校長
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岡本
力