住宅の基本構造部分等に係る仕様変遷 住宅の基本構造部分等に係る仕様変遷の概要 この仕様変遷は、「代表的な仕様書等の紹介」に掲載している在来軸組 木造住宅(戸建住宅)及び鉄筋コンクリート造住宅(共同住宅)に係る 代表的な仕様書のうち、それぞれの住宅の標準仕様を把握するための代 表例として、以下の仕様書の制定年度以降から平成 11 年度までの各改定 時における基本構造部分等の「構造の安定性・耐久性・防水性」に係る 仕様の変遷をまとめたものである。 〔本仕様書等変遷版において変遷の対象としている仕様書〕 ●戸建住宅(在来軸組木造) 公庫木造住宅工事共通仕様書(監修:住宅金融公庫) ●共同住宅(鉄筋コンクリート造) 都市公団工事共通仕様書(編集:都市基盤整備公団) 在来木造住宅(戸建住宅)における基本構造部分等に係る仕様変遷 (1) 公庫木造住宅工事共通仕様書の仕様変遷の見方 この仕様変遷は、住宅金融公庫融資住宅における木造住宅工事共通仕様書について、昭和 25 年度の制定から平成 11 年度までの各改定時における基本構造部分等の「構造の安定性・ 耐久性・防水性」に係る仕様の変遷を示したものである。 なお、当該仕様についてはその時点における標準的な仕様を選択式で示したものであり、 当時の建物全てに適用されるものではない。下記にこの変遷の見方の例図を示す。 年 度 昭和40年代 昭和50年代 昭和53年(1978) 昭和48年(1973) 工事種別 ・無筋コンクリート造布基礎 ・鉄筋コンクリート造布基礎 (鉄筋入りコンクリート造) ※5 基礎構造の種類 床下換気孔の仕様 ・無筋コンクリート造 (ただし軟弱地盤では鉄筋コンク リート造) ・立ち上がり高さは30㎝ ・深さは地盤面下12㎝以上、 設計地耐力の地盤まで掘り下げか つ凍結深度以上 ・幅は12㎝以上 ・多雪区域及び一般地2階建ては 底盤を設置 【遵守仕様】 ・無筋コンクリート造 (ただし軟弱地盤等では鉄筋コン クリート造) ・立ち上がり高さは24㎝以上 ・深さは地盤面下12㎝以上、設計 地耐力の地盤まで掘り下げかつ凍 結深度以上 ・幅は12㎝以上 基 礎 工 事 該当なし ※6 ※1→ ※1 ・無筋コンクリート造布基礎 (ただし軟弱地盤等では鉄筋コン クリート造布基礎) ・鉄筋コンクリート造布基礎 (鉄筋入りコンクリート造) ・腰高布基礎 ・土間コンクリート床スラブ組合 せ布基礎 ・無筋コンクリート造 (ただし軟弱地盤等では鉄筋コン クリート造) ・立ち上がり高さは24㎝以上30㎝ 標準 ・深さは地盤面下12㎝以上、設計 地耐力の地盤まで掘り下げかつ凍 結深度以上 ・幅は12㎝以上 ・多雪区域及び一般地2階建ては 底盤を設置 布 基 構造・寸法 礎 (幅・地盤面上・地盤面 の 下) 仕 様 ※2※3 昭和58年(1983) 昭和57年(1982) ■施行令の改正(S56:1981) [新耐震設計法] ■床下防湿(下記いずれか) ・防湿コンクリート厚さ60㎜以 上、地盤面より盛土 ・防湿フィルム0.1㎜以上 重ね幅150㎜以上、重ね部分、布 基礎及び束石当たりは乾燥砂又は 砂利押さえ ■金物防錆処理 ・諸金物は亜鉛めっき又はコール タール焼付塗装 【割増仕様】 ■床下防湿 ・防湿コンクリート厚さ60㎜以上 (凍上地域は床下全面防湿フィル ム) ・床組を行わないで床の全面に 120㎜以上の土間コンクリートス ラブ(凍上地域は基礎断熱措置) ※7 ※8 ※9 ※4 昭和 47 年度以前は、仕様書が現存しその内容が確認できる年度、それ以降の年度は仕様書の改訂年度 を示している。 ※2→ 大分類(平成 11 年度版仕様書における工事種別を標準に分類している。 「基礎工事、木工事、木造躯 体工事、屋根工事、断熱工事、造作工事、左官工事、内外装工事、設備配管工事」 ) ※3→ 中分類(大分類の工事種別について、部位・部材等別に分類している。 ) ※4→ 小分類(中分類の部位・部材別について、部材寸法・工法等別に分類している。なお、この小分類は 「木造躯体工事」及び「屋根工事(金属板葺き) 」等の一部の中分類にのみ適用しており、その他の項目 は変遷の中にこれらに係る仕様を直接記載している。 ) *造作工事の外壁通気措置については割増融資の項目から引用 ※5→ 前年度と同じ仕様の場合は「→」で表記している。但し、前年度の仕様から一部追加等がある場合は、 「→」の下部に〔追加〕 〔変更〕又は〔削除〕の内容を記載している。 ※6→ 「該当なし」の欄は、その年度当時に該当する仕様についての記載がないことを示している。当初は 仕様が記載されていないが後に記載されるようになった場合、当初は仕様が記載されていたが後にその 仕様が削除された場合がある。 ※7→ セル内に上詰めで記載している事項は「標準仕様」を示している(但し、基礎工事「基礎構造の種類」 は除く) 。 ※8→ セル内に【遵守仕様】と表記している事項は、公庫融資を受けるために必要となる技術基準に係る仕 様を表している(昭和 58 年度以降の仕様書から明記) 。 ※9→ セル内に【割増仕様】と表記している事項は、割増融資を受けるために必要となる技術基準に係る仕 様である(昭和 54 年度以降の仕様書から明記) 。なお、基準金利適用住宅の技術基準については除外し ている。
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