“ゼロエフォート”な 遠隔講義・講義収録配信システムを実現

Case Study
遠隔講義・講義収録配信システム
他大学との共同専攻に不可欠な教育インフラへ
“ゼロエフォート”な
遠隔講義・講義収録配信システムを実現
国立大学法人 筑波大学 様
Point
・教員に負担をかけない
“ゼロエフォート”な仕組みを実現
・少人数で運用管理が可能な
“集中と分散”の環境構築
・シームレスなハイブリッドクラウド
環境を実現
・既存の設備を最大限に活用した音響
環境を各教室に構築
遠隔講義を受講する学生
導入製品
・
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・
・
・
・
■
Conference@Adapter®
Polycom® HDX® 8000
Polycom® RMX® 1500
Photron® Cbox S2HD
HP® ProLiant DL980 G7
HP® MSA 2040 Storage
収録した講義を視聴する学生
らすべく、オンライン講義やオンデマンドによる教育コンテンツ配
他大学との共同専攻を
実現するためのプロジェクトが始動
導入の背景
信など教育インフラのあるべき姿の議論を進めてきました」と語る
のは、筑波大学 システム情報系 教授にして、全学 LMS の取りま
日本初の高等教育機関として 1872 年に創設された師範学校を
とめを行っている教育クラウド室の室長の加藤 和彦氏だ。この教
祖として、1973 年に新構想大学として誕生した筑波大学。あらゆ
育クラウド室では他大学との連携も積極的に行っている。今回のプ
る面で “ 開かれた大学 ” となることをめざしながら、“ 柔軟な教育
ロジェクトを中心的な立場で推進する体育系 教授 中川 昭氏は「鹿
研究組織 ” と次世代に求められる “ 新しい大学の仕組み ” を率先し
屋体育大学との共同専攻プロジェクトは、1 つのカリキュラムを共
て実現することを基本理念に掲げている。筑波大学では、これまで
同運営することになります。そのためには、遠隔地同士を円滑に結
にも多くの外国の大学との間で共同教育を行ってきているが、さら
ぶ教育インフラ、具体的には、遠隔講義や講義収録によるコンテン
に平成 24 年度国立大学改革強化推進事業として、国立大学法人
ツ配信環境が必要となったのです」とその経緯を語る。
鹿屋体育大学と連携した体育・スポーツにおける共同専攻の設置
運用でき、かつ教員に負担がかからない “ ゼロエフォート ” な仕
をめざしたプロジェクトをスタートさせた。
■
今回のプロジェクトでは、少人数の教育クラウド室のメンバーで
組みを模索した。「事前にスケジューリングだけをしておけば、あ
導入決定のポイント
教員に負担をかけない“ゼロエフォート”な仕組み作り
とは機械が自動的に講義の収録や遠隔講義の接続をしてくれる仕
組みを検討しました。 要件としては、板書やプロジェクタの出力
LMS ※が全学導
も映像として残すことができ、外部システムと連係してアクセス
入されている。「キャンパス内の移動など教職員や学生の負担を減
制御を行いながらインターネットを通じてコンテンツを閲覧でき
同大学では以前から e ラーニングを中心とした
筑波大学
学術情報メディアセンター
教育クラウド室 室長
加藤 和彦 教授
(システム情報系)
筑波大学
体育系長
中川 昭 教授
(体育系)
筑波大学
阿部 洋丈 准教授
(システム情報系)
筑波大学
長谷部 浩二 助教
(システム情報系)
Case Study
筑波大学
1 予約
バークラスター環境で構築。朝日ネットが商用で提供のパブリック
Linkを自動生成
クラウド上に展開する教育支援システム manaba にある学生の履
遠隔講義予約
講義収録配信管理サーバー
Conference@Adapter
(ProLiant DL980 G7)
2 開催指示
修情報とリンクさせ、e ラーニングとして収録コンテンツを学生が視
聴できる仕組みになっている。
「学内外を意識させないシームレス
教育支援システム
manaba
で自然な仕組みを構築しています」とシステム情報系 助教 長谷部
学生
4 録画コンテンツの
浩二氏は説明する。また、教育クラウド室で集中管理しながらも各
自動収集
多地点制御装置
RMX 1500
開催
様
ProLiant DL980 G7 と HP MSA 2040 Storage をフェイルオー
5 録画コンテンツの
予約者
3 遠隔講義
国立大学法人 筑波大学
遠隔講義・講義収録配信システム
現場で収録スケジュールの重複などが解決できるよう “ 集中と分
散 ” を意識した運用環境を整備している。
6 manabaページのリンクから
動画配信ページにアクセスして視聴
実 際 のシステムでは、Conference@Adapter を使って遠 隔
3 収録指示
SINET
講義や収録のスケジューリングを行っておくだけで自動的にすべ
鹿屋体育大学
ての機器が起動するようになっており、収録後のコンテンツを簡
易編集できる環境も提供している。さらに manaba との連係も
講師
ビデオ会議装置
HDX 8000
講義収録装置
Cbox S2HD
講義時間に連動して起動/終了
Conference @ Adapter がサポートしているため、“ ゼロエフォー
ビデオ会議装置
HDXシリーズ
ト ” なシステムを実現している。またシステムは、カリキュラム作
学生
りのための会議や、学位論文の審査など、鹿屋体育大学との共同
利用もされている。
るような仕組みが必要だったのです」そこで注目したのが、日立
今回のシステムの評価について「遠隔講義開催・講義収録配信
電線ネットワークスの遠隔講義予約・講義収録配信管理サーバー
の手間が大幅に軽減されたことと、クリアな音声と鮮明な画像に大
Conference@Adapter と、ポリコムのビデオ会議システムだった。
変満足している。また、今回は各教室の既存の設備を生かしなが
「Conference@Adapter は日立電線ネットワークスの自社開発
ら機器を設置していくことが条件となっていたが、教室によって音
製品のため、教員負荷を “ ゼロエフォート ” に近づけるための、さ
響環境が大きく異なっており、音響調整の部分では日立電線ネット
まざまなカスタマイズが期待できました。また、ポリコムは、以前
ワークスに工夫してもらうことで、最適な音響環境を提供してもら
から学会や他大学との遠隔講義の実績があり、我々にとって一番安
うことができた」と阿部氏はその対応力を高く評価する。
心感のあるシステムでした」と語るのはシステム情報系 准教授 阿
部 洋丈氏だ。
最終的に競争入札の結果、日立電線ネットワークスが提案する
Conference@Adapter を中心とした遠隔講義・講義収録配信シ
■
反転授業やMOOCなど
新たな教育スタイルへの挑戦を後押し
今後の展望
今後について中川氏は「まずは実際の体育講義の中で使ってい
ステムが採用された。
き、慣れてきた段階で活用の幅を広げていきたい。そして他大学
※ Learning Management System
との連携をはじめ、OCW ※ 1 の活用はもちろん、日常的な講義の
■
復習や、反転授業※ 2、MOOC ※ 3 などに活用し教育の質をさらに
現在の運用状況
高めていきたい」と期待を寄せる。
ハイブリッドクラウド環境による教育インフラを構築
今回の共同専攻プロジェクトは、文部科学省の中でもパイロット
Conference@Adapter および多地点制御装置 Polycom RMX
的な先進事例だ。この共同専攻を支える教育インフラを最適なも
1500 を中心に、遠隔講義や講義収録配信をする教室にビデオ会
のにするべく、今後も日立電線ネットワークスが強力に支援していく。
議装置 Polycom HDX 8000 とフォトロンの講義収録装置 Cbox
※ 1 Open Course Ware
※ 2 事前に収録した講義を視聴し、その内容に即した講義を行う授業
※ 3 Massive Open Online Course
S2HD を設置。 学内クラウド環境の動画収録インフラとして HP
User Profile
国立大学法人 筑波大学 様
設立:1973年10月
筑波キャンパス:〒305-8577
茨城県つくば市天王台1-1-1
代表:筑波大学長 永田 恭介
http://www.tsukuba.ac.jp/
日本初の高等教育機関として1872年に創設された師範学校を祖として、1973年に新構想
大学として誕生。
あらゆる面で“開かれた大学”となることを建学の理念とし、従来の観念に捉
われない“柔軟な教育研究組織”と次世代に求められる“新しい大学の仕組み”を率先して実
現することをめざしている。
Conference@Adapterは、
日立電線ネットワークス株式会社の登録商標です。
HP ProLiant DL980 G7は、
Hewlett Packard Development Company L Pの米国およびその他の国における商標です。
manabaは、株式会社朝日ネットの登録商標です。
〒111-0053 東京都台東区浅草橋1-22-16 ヒューリック浅草橋ビル4階
TEL 03-6381-8856
http://www.hitachi-cnet.com/
Photronは株式会社フォトロンの登録商標です。
Polycomおよび Polycomのロゴ、
製品名は、
Polycom Inc の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
本事例に記載されているその他の社名および製品名は、
各社の商標または登録商標です。
本事例に記載の内容
(会社名、
学校名、
組織名、
役職名、
製品・サービス内容等)
は、
取材時の情報です。
本事例に記載の製品を輸出される場合には、外国為替および外国貿易法の規制ならびに米国輸出管理規則など外国の輸出
関連法規をご確認のうえ、
必要な手続きをお取りください。
なお、
ご不明な場合は、
弊社担当営業にお問い合わせください。
CAT NO HCNET 029
Printed in Japan 201501