私のネクストステージ Vol.16 & Q A ─退職者への質問状─ 人のお世話が私の元気に。 ボランティアで続ける縁結び 元武蔵野市職員 露木サヨ子さん(68歳) 2006年3月定年退職 【つゆき さよこ】1947年、東京都出身。都立三鷹高校定時制を卒業後、 1965年に武蔵野市役所に入庁。企画室広報担当市民相談室を皮切り に社会教育課、高齢者支援課、納税課、ゴミ総合対策課等。市民相談 室の相談員としてNHK『こんにちは奥さん』に出演経験も。現在、武 蔵野市民社会福祉協議会結婚相談員を8年間務めた経験を生かし、さ まざまなボランティア活動に携わっている。武蔵野落語同好会では会 長の座こそ後進に譲ったが、今でも自ら高座に立つ。家族は市職員か ら市議になった夫と2男1女。健康法は毎日のツボ押し。 露 木 さ ん は「 縁 結 び お ば さ ん 」 と し させていただきました。どちらも武蔵野市の 友 好 都 市というつながりですが、 首 都 圏で ─ て 地 域 で も 知 ら れ る 存 在 だ そ う で す が、 参 加 者を募 って連れていき、 それが縁で成 いずれの婚活イベントも新聞やテレビ・ラ 結婚相談を受けられるようになったきっ 1975年、 私の妹のために結 婚の世 話 ジオでも取り上げていただき、かなりの反響 婚に結びついたカップルもいるんですよ。 をしたのが最 初です。 その後、 職 場の同 僚 がありました。その時、電話もじゃんじゃん かけは何だったのですか。 を成 婚させたことで次 々に結 婚 相 談が寄せ 掛かってくるようになった関係で、今はとに 結 婚 相 談 や 婚 活 支 援 以 外 で は、 ど の ような活動をされているのですか。 ─ かく婚活支援の活動で忙しくしています。 られるようになり、ボランティアでお見合い の世話をするようになりました。 定年退職後は武蔵野市民社会福祉協議会 年 間 活 動してきまし 都 市と農 村の交 流を目 的に実 施している の結 婚 相 談 員として たが、昨春閉所されたため武蔵野結婚相談 回 開 催してい ぎ、長野県安曇野市の玉ねぎの収穫時期に れて以降、個人としてボランティアで引き継 市 主 催だったのですが、平 成 年に中 止さ 年 目を迎えます。もとは武 蔵 野 「 玉ねぎツアー」は私が主 催するようになっ ボランティアを 午後に結婚相談所を開設しています。 これまでに何回くらいお見合いに立 ち会われたのですか。 年 間で2000回 以 上のお見 合いをセ 合わせた日 帰りツアーを年 なルートで集まってくるお見 合い希 望者が、 られる貴 重な機 会として、 毎 年 楽しみにさ 方々ですが、高齢になっても友だちと出かけ ます。200人の参 加 者の多くが高 齢 者の 常 時300人ほど登 録されています。 そこ 考えながら、夫婦としてうまくいきそうな男 回は市 内で婚 活パーティーも開 催して 女に連 絡をしてお見 合いに進めていきます。 年 他の自治体の婚活イベントですか? 業の世 話 役を務めましたし、今 年は長 野 県 そうです。富山県南砺市では婚活支援事 ─ 関わっているんですよ。 いますし、 他の自 治 体の婚 活イベントにも 5 川 上 村の独 身 男 性の婚 活イベントにも協 力 「玉ねぎツアー」で玉ねぎ収穫後に開催される 「武蔵野落語同好会」の安曇野出前寄席 れている方がたくさんいらっしゃいます。 組です。私の婚 活 住 所 録にはさまざま て今 年で 人で立ち上げ、 毎 週 金 曜 8 からそれぞれの希 望や居 住 地、 職 業などを 約 10 16 4 ッティングし、そのうち成婚したカップルは 40 50 4 ─ 主催する「玉ねぎツアー」で 12 ●露木さんの1日のスケジュール 起床、朝食の準備 7:00 昼食 21:00 夕食の準備 25:00 就寝 以前は自分自身の趣味の日として、 ガーデニングやお菓子作りを楽しん でいたが、現在は婚活関係の時間に 充てている 水 フリー 木 三味線のお稽古と食事会 金 結婚相談所(13時半~ 16時) 土 お見合いの付添など 日 お見合いの付添など にも1972年から毎 年 参 加しています。 自 然 体 験を行う「 むさしのジャンボリー」 ないようにね」など必ず言葉を書き添えるよ に付箋を貼って、 「寒くなるから風邪をひか ようサポートしました。 毎 月 送る振 込 用 紙 市 外に転 居した若 者が少しずつでも払える 実はこのイベントの名 付け親は私なんです。 うにしたんです。その後、数年かけて完納で 日の 社 会 教 育 課 青 少 年 係にいた頃に携わったの きると、 その若 者の親から感 謝 状が届きま また、市内の小学生を対象に 泊 ですが、 その分 思い入れが強く、 今でもボ たすことができました 」 と。 私にとっては、 した。 「お陰さまで子どもが国民の義務を果 その他、 障 害 者の団 体が企 画するバスツ 婚活支援の活動で電話代、郵送代など月 そういった人間関係もおもしろいんですよ。 その経費のためのリサイクル活動を手伝った 万 円ほどは持ち出しになりますし、 ボ ランティアもお金がないとできないのかもし り、趣 味で習っている三 味 線のお稽 古の後 に毎 週 皆さんのお昼ご飯を用 意したり、 近 最 後 に、 現 役 の 地 方 公 務 員 に メ ッ セ って続けています。 ─ ゃべりで解決できるということに感激しまし っていきました。その時、人様の人生をおし 性は気 持ちが落ち着いたのか元の生 活に戻 て来たのですが、話を聞いてあげるとその女 して田 舎に帰ると言って市 民 相 談 室を訪ね しれませんね。 ある日、一人の女 性が離 婚 室にいた頃の体験がきっかけになったのかも 役所に入って最 初に配属された市民相談 なったのも、何かきっかけがあるのですか。 抜いて公務員になる方が多いようですが、そ 回くらいですよ。 いまの時 代、 激 戦を勝ち なんて首 都 圏だったらせいぜい年に て雪かきをしてから出勤していました。大雪 する保 育 所の子どもたちのため、 早 起きし 持ちを持つことです。 私も雪の日には隣 接 をするだけでもいい。大切なのはそういう気 ても、 例えば大 雪が降 ったら近 隣の雪かき てきました。それは何も特別なことじゃなく 私は、 地 域に生きてこそ公 務 員だと思っ ージをお願いします。 たし、 同 時に、 隣 近 所に話を聞いてくれる こにあぐらをかくのではなく、市民のために そのように人のお世話をされるように 人がいないから寂しいのだということに気づ 何ができるかを考える。そして、決まった仕 〜 きました。それからというもの親身になって 2 これから益々のご活躍期待しています。 ていることが大切なのだと思います。 事をするだけでなく常に改 善の意 識を持 っ ─ お世話をしていますね。 見に飛んで行ったり、いろんなところで人の れません。 でも、 私はそれも健 康 税だと思 3 所のおばあちゃんが具合悪いと聞くと様子を に アーのためにリフト付きバスを調 達したり、 ランティアでずっと参加し続けています。 3 相談に乗っているうちに、いろんな人のお世 話を焼くようになっていったのです。 ─ 1 趣味の三味線の仲間たちと一緒に。 ご主人は民謡を楽しんでいる 火 毎夏4回に分けて開催されている 「玉ねぎツアー」 フリー 愛娘さおりさんの結婚式で 記念の一枚 月 2 納 税 課にいた頃は、 税 金を滞 納したまま Vo l . 12 0 13 13:00 ※その他の時間は日によって婚活支援を柱とする さまざまな地域活動で時間が埋まっている ●露木さんの1週間のスケジュール 長野県川上村で 「むさしのジャンボリー」
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