安全な移乗の仕方~車いす・ベッド間

安全な移乗の仕方
~車いす・ベッド間の移乗~
平成27年2月23日
理学療法士
今日の目的
移乗についての理論・方法を理解するこ
とで、腰痛を予防する
1.移乗動作のポイントを知る(物理的な要素)
2.対象者の評価ポイント
3.介助方法の実践
4.まとめ
1.移乗のポイント(物理的な要素)
1.移乗のポイント(物理的な要素)
楽に立たせるポイントは4つ
①対象者との介助者の距離を短くする
②立つときに対象者の体を前に倒す
(お尻が上がります)
③対象者の足を膝より手前に引く
④臀部を手前に引き、坐面を上げる
(③と少しかぶります)
1.3)楽に立たせるポイントは4つ
①対象者との距離を短くする
50cm離れた約20Kg(200N)の荷物を持つ
L5-S1にかかる負荷は約460Kg
700Kg
50cm離れた50Kgの患者さんを立たせる
L5-S1にかかる負荷は約700Kg以上
安全域の上限は約350Kg
最大負荷保持能力600Kg
1.3)楽に立たせるポイントは4つ
①対象者との距離を短くする
対象との距離
を短くする
短い
長い
筋
力
大
筋
力
小
1.3)楽に立たせるポイントは4つ
②しゃがみこみリフティング
1.4)支持基底面と重心
⑤ヒトの支持基底面と重心位置
上半身の重心
身体の重心
下半身の重心
1.4)支持基底面と重心
⑥立ち上がり動作と支持基底面・重心
①
②
③
④
まず体が前に倒れる
(①~③)
お尻が持ち上がる
(④)
⑤
⑥
⑦
体が起き、脚が伸びて
立つ(⑤~⑦)
1.4)支持基底面と重心
⑥立ち上がり動作と支持基底面・重心
10cm
上げる
お尻を前に
足を引く
1.4)支持基底面と重心
⑥立ち上がり動作と支持基底面・重心
坐面を上げ、臀部を前に動かした
従来の立ち上がり
1.移乗のポイント(物理的な要素)
ポイントは4つ
①対象者との距離を短くする
②立つときに対象者の体を前に倒す
③足を膝より手前に引く
④坐面を上げる
2.対象者の評価
2.対象者の評価
2.対象者の評価
臥床期間が長いのかな
痛みはないか
指示は通るだろうか
耳は聞こえてる?
目は見えてる?
体が傾いているし、
仙骨坐りになっている
自分で修正できないの?
下肢の関節は動くだろうか
背骨も曲がってる
体は大きいし重そうだ
一人で介助できるかな
怒ったり、拒否したりし
ないかな
急に座り込んだりしないか
想定外の動きしないかな
立つ力は有るのだろうか
運動面の評価
認知面の評価
2.対象者の評価
1)運動機能面と認知面で整理する
①運動機能
・立つ力は有るだろうか
・関節は動くか、背骨も曲がっている
・体が傾いているし、仙骨坐りになっている
・体は大きいし、重そうだ
②認知機能
・指示は通るだろうか、協力してもらえるか
・急に座り込んだりしないか、想定外の動きをしないか
・目は見えている?耳は聞こえている?
・怒ったり拒否したりしないか
2.対象者の評価
2)移乗負担の大きい対象者
・覚醒の低い方・拒否がある方
・体幹の支持性(剛性)が低い方
下肢の支持性が低い方
移乗が大変!
・関節拘縮の強い方 *楽なこともある
このような対象者は一人で移乗すると大変!
まとめ
・難しいと判断したら一人で移乗介助しない
・対象者の協力を得る
・対象者の評価は認知面も重視する
・自分に合った、介助者に合った介助法で行う
・お尻を手前に引き、坐面を上げ、足を手前に
引いてから介助する